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'''ツイフェミ'''とは、[[日本]]において[[インターネット]]上で意見を表明するフェミニストのこと<ref>[https://abema.tv/video/episode/89-66_s99_p1579 フェミニズムを討論 嫁らしさは苦痛?] 20:27-</ref>。 |
'''ツイフェミ'''とは、[[日本]]において[[インターネット]]上で意見を表明するフェミニストのこと<ref>[https://abema.tv/video/episode/89-66_s99_p1579 フェミニズムを討論 嫁らしさは苦痛?] 20:27-</ref>。ツイッターにおいて不快、または間違っていると判断したフェミニズムに寄っているとする発言やフェミニストと思われる利用者にアンチな立場をとる他の利用者が、該当の発言や利用者に対する蔑称として使用する{{要出典|date=2020年5月}}。当事者では使用されず、蔑称に近い形で用いられる{{Sfn|坂爪|2020|p=75}}。'''ネットフェミ'''とも<ref name=":1">{{Cite web|title=ネット上のフェミニズムについて|url=https://blogos.com/outline/431093/|website=BLOGOS|date=2020-01-22|accessdate=2020-05-28}}</ref>。 |
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== 概要 == |
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[[Twitter]]を中心に活動することから、ツイッターのフェミニズム、略して「ツイフェミ」と呼ばれる<ref name=":3" />。 |
[[Twitter]]を中心に活動することから、ツイッターのフェミニズム、略して「ツイフェミ」と呼ばれる<ref name=":3" />。 |
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フェミニズムは |
フェミニズムは、女性解放思想およびこの思想に基づく社会運動の総称である<ref>{{Cite book|title=岩波 女性学事典|date=|year=2002|publisher=[[岩波書店]]|editor=[[井上輝子]], [[上野千鶴子]], [[江原由美子]], [[大沢真理]], [[加納実紀代]]}}</ref>。一部の男性からはツイフェミに関しては「女尊男卑を目指しているのではないか」「関わらないほうが正解ではないか」と否定的な意見も見られる<ref name=":3">{{Cite web|title=フェミニズム論争が活発化した2019年、“ツイフェミ”を乗り越え建設的な議論をするには?(AbemaTIMES)|url=https://times.abema.tv/posts/7035963|website=times.abema.tv|date=2020-01-07|accessdate=2020-05-28}}</ref>。 |
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== 論争 == |
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; スバルCMへの批判 |
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[[2014年]][[11月]]、[[サーフィン]]を楽しんで疲れ果てた夫が後部座席で眠り、妻が運転している場面で終わる[[SUBARU (自動車)|スバル]]のコマーシャルに対して、[[男尊女卑]]、差別的、妻が奴隷のようだといった批判が殺到。夫がサーファーの女性ライターが安全や効率を考えれば妥当な判断で現実のサーファー妻たちは男尊女卑の認識は全くないと反論するも、「本人が好きでやってるかどうかの問題じゃない」などと批判が噴出し |
[[2014年]][[11月]]、[[サーフィン]]を楽しんで疲れ果てた夫が後部座席で眠り、妻が運転している場面で終わる[[SUBARU (自動車)|スバル]]のコマーシャルに対して、[[男尊女卑]]、差別的、妻が奴隷のようだといった批判が殺到。夫がサーファーの女性ライターが安全や効率を考えれば妥当な判断で現実のサーファーの妻たちは男尊女卑の認識は全くないと反論するも、「本人が好きでやってるかどうかの問題じゃない」などと批判が噴出した<ref name=":0">{{Cite web|title=【美濃加茂市ポスター騒動】炎上の背景に”ツイフェミvsアニメファン”の対立 - デイリーニュースオンライン|url=http://dailynewsonline.jp/article/1053137/|website=dailynewsonline.jp|date=2015-12-08|accessdate=2020-05-28}}</ref>。 |
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; 美濃加茂市観光協会のポスター |
; 美濃加茂市観光協会のポスター |
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[[2015年]]、[[美濃加茂市]]観光協会がアニメ「[[のうりん]]」とコラボしたスタンプラリー宣伝ポスターに「女性差別」であるとの批判が寄せられ、イラストを差し替えられる事態が発生した。セクハラである、不愉快だ、[[人権侵害]]だといった批判に対し、観光に来る気もないのに批判をするな、ケチをつけたいだけ、事情を知らない人が荒らすな、といった擁護意見が対立。 |
[[2015年]]、[[美濃加茂市]]観光協会がアニメ「[[のうりん]]」とコラボしたスタンプラリー宣伝ポスターに「女性差別」であるとの批判が寄せられ、イラストを差し替えられる事態が発生した。セクハラである、不愉快だ、[[人権侵害]]だといった批判に対し、観光に来る気もないのに批判をするな、ケチをつけたいだけ、事情を知らない人が荒らすな、といった擁護意見が対立。<ref name=":0" />。 |
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; キズナアイ論争 |
; キズナアイ論争 |
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*Feminist Currentの創設者でフェミニストの{{仮リンク|メガン・マーフィー|en|Meghan Murphy}}は、ツイッターにおけるフェニミズムについて「フェミニストの運動と実際の信念、世界中でフェミニストらが成し遂げてきたことを代表するものでは全くない」「一般に、ツイッターは活動を起こすのには有害で非生産的な場である」という2つの問題点を指摘している<ref>{{Cite web|title=The trouble with Twitter feminism|url=https://www.feministcurrent.com/2013/12/18/the-trouble-with-twitter-feminism/|website=Feminist Current|date=2013-12-18|accessdate=2020-05-28|language=en-US}}</ref>。これはtwitterの[[ハッシュタグ]] #twitterfeminism における議論を呼び、フェミニストブログの{{仮リンク|フェミニスティング|en|Feministing}}はコラムニストの一人であるヴェロニカ・フロレスの反論を掲載した。フロレスは「確かに、インターネットという物は粗暴である。仰る通り、面識のない者同士は互いに敬意を払って接すべきだという点について、我々は多くを学ぶ必要がある」とマーフィの主張に一定の理解を示したうえで「しかし、ツイッターを含むインターネットフェミニズムは、私たちが殆ど聞き取ることのできなかったはずの他者の声を拾い上げる場を提供し、互いを発見する事が困難であった場所や環境にあった仲間たちの為にコミュニティを生み出し、歴史的には排除されてきた対話を[[メインストリーム]]へと飛び立たせもしたのだ」と、その成果を高く評価した<ref>{{Cite web |url=http://feministing.com/2013/12/20/on-cynicism-calling-out-and-creating-movements-that-dont-leave-our-people-behind/ |title=ON CYNICISM, CALLING OUT, AND CREATING MOVEMENTS THAT DON’T LEAVE OUR PEOPLE BEHIND |accessdate=2020-06-06}}</ref>。 |
*Feminist Currentの創設者でフェミニストの{{仮リンク|メガン・マーフィー|en|Meghan Murphy}}は、ツイッターにおけるフェニミズムについて「フェミニストの運動と実際の信念、世界中でフェミニストらが成し遂げてきたことを代表するものでは全くない」「一般に、ツイッターは活動を起こすのには有害で非生産的な場である」という2つの問題点を指摘している<ref>{{Cite web|title=The trouble with Twitter feminism|url=https://www.feministcurrent.com/2013/12/18/the-trouble-with-twitter-feminism/|website=Feminist Current|date=2013-12-18|accessdate=2020-05-28|language=en-US}}</ref>。これはtwitterの[[ハッシュタグ]] #twitterfeminism における議論を呼び、フェミニストブログの{{仮リンク|フェミニスティング|en|Feministing}}はコラムニストの一人であるヴェロニカ・フロレスの反論を掲載した。フロレスは「確かに、インターネットという物は粗暴である。仰る通り、面識のない者同士は互いに敬意を払って接すべきだという点について、我々は多くを学ぶ必要がある」とマーフィの主張に一定の理解を示したうえで「しかし、ツイッターを含むインターネットフェミニズムは、私たちが殆ど聞き取ることのできなかったはずの他者の声を拾い上げる場を提供し、互いを発見する事が困難であった場所や環境にあった仲間たちの為にコミュニティを生み出し、歴史的には排除されてきた対話を[[メインストリーム]]へと飛び立たせもしたのだ」と、その成果を高く評価した<ref>{{Cite web |url=http://feministing.com/2013/12/20/on-cynicism-calling-out-and-creating-movements-that-dont-leave-our-people-behind/ |title=ON CYNICISM, CALLING OUT, AND CREATING MOVEMENTS THAT DON’T LEAVE OUR PEOPLE BEHIND |accessdate=2020-06-06}}</ref>。 |
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*ジェンダー論専門家の[[千田有紀]]はツイフェミに関する議論の中で、NHKの特設サイト『まるわかりノーベル賞2018』に[[キズナアイ]]が登場し論争を呼んだ際、千田のキズナアイへの批判が文脈を切り取られてフェークニュースメディアに拡散されツイッターで炎上したこと、炎上の原因となったはずの千田が書いた記事そのものは実際にはほとんどアクセスが無く読まれていなかったこと、一度炎上してしまうと千田本人が否定しても効果が無かったことを例に挙げ、「(ツイッターは)議論するメディアとしては難しいと思っている」とした<ref>[https://abema.tv/video/episode/89-66_s99_p1579 フェミニズムを討論 嫁らしさは苦痛?] 22:52-</ref>。 |
*ジェンダー論専門家の[[千田有紀]]はツイフェミに関する議論の中で、NHKの特設サイト『まるわかりノーベル賞2018』に[[キズナアイ]]が登場し論争を呼んだ際、千田のキズナアイへの批判が文脈を切り取られてフェークニュースメディアに拡散されツイッターで炎上したこと、炎上の原因となったはずの千田が書いた記事そのものは実際にはほとんどアクセスが無く読まれていなかったこと、一度炎上してしまうと千田本人が否定しても効果が無かったことを例に挙げ、「(ツイッターは)議論するメディアとしては難しいと思っている」とした<ref>[https://abema.tv/video/episode/89-66_s99_p1579 フェミニズムを討論 嫁らしさは苦痛?] 22:52-</ref>。 |
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*[[2ちゃんねる]]創設者の[[西村博之|ひろゆき]]は、女性の権利を獲得するには男性が差別されても構わないというタイプの差別主義的なフェミニスト |
*[[2ちゃんねる]]創設者の[[西村博之|ひろゆき]]は、女性の権利を獲得するには男性が差別されても構わないというタイプの差別主義的なフェミニストが存在し、差別主義者を攻撃せずフェミニスト同士は仲良くしようと受け入れてしまう部分もあると主張した<ref name=":2" />。 |
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*プロデューサーの[[若新雄純]]は、信念をもって活動してきた[[右翼]]がインターネットの登場によって「右の思想=差別主義」のように同一視されるようになった一方、右翼は勢力が増えるという点で「[[ネット右翼|ネトウヨ]]」を歓迎した向きもある、と右翼の実情を指摘した上で、フェミニストにとってもネットのカジュアルなフェミニストに混じっている差別主義的な人は迷惑だという思いがあるだろうと所感を述べた。しかし、「フェミニスト」がネット上で一種の市民権を得た以上、確固たる方針を示さないと、ネトフェミ・ツイフェミ的な存在は増え、日常生活が不満で行き場のない、拠り所がない人たちの逃げ場になりネット空間とセットに全体の質を下げることになりかねないと指摘した<ref name=":2">{{Cite web|title=「フェミニストたちには自浄作用が働いていないのでは」インタビュー発言への批判に対し、ひろゆき氏が再反論 {{!}} ABEMA TIMES|url=https://times.abema.tv/posts/7049087?mobileapp=1|website=times.abema.tv|date=2020-04-06|accessdate=2020-05-28}}</ref>。 |
*プロデューサーの[[若新雄純]]は、信念をもって活動してきた[[右翼]]がインターネットの登場によって「右の思想=差別主義」のように同一視されるようになった一方、右翼は勢力が増えるという点で「[[ネット右翼|ネトウヨ]]」を歓迎した向きもある、と右翼の実情を指摘した上で、フェミニストにとってもネットのカジュアルなフェミニストに混じっている差別主義的な人は迷惑だという思いがあるだろうと所感を述べた。しかし、「フェミニスト」がネット上で一種の市民権を得た以上、確固たる方針を示さないと、ネトフェミ・ツイフェミ的な存在は増え、日常生活が不満で行き場のない、拠り所がない人たちの逃げ場になりネット空間とセットに全体の質を下げることになりかねないと指摘した<ref name=":2">{{Cite web|title=「フェミニストたちには自浄作用が働いていないのでは」インタビュー発言への批判に対し、ひろゆき氏が再反論 {{!}} ABEMA TIMES|url=https://times.abema.tv/posts/7049087?mobileapp=1|website=times.abema.tv|date=2020-04-06|accessdate=2020-05-28}}</ref>。 |
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*ネット論客の[[青識亜論]]は、「ツイフェミ」は 差別やハラスメントの告発などの否定しづらい「正義」の問題に安直に接合し、感情的になりがちだと |
*ネット論客の[[青識亜論]]は、「ツイフェミ」は 差別やハラスメントの告発などの否定しづらい「正義」の問題に安直に接合し、感情的になりがちだと主張。ツイッターがリミッターを解除し、「いくらでも相手を殴っていい」ように感じさせる役割をはたしてしまっていると意見した。なお、女性が素直な感情を書け、議論ができる場所である点、学者やメディア関係者とも平場で話ができる点、大手メディアが独占していた言論の場を民主化した点ではツイッターへの評価も述べている<ref name=":3" />。 |
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== 脚注 == |
== 脚注 == |
2020年7月17日 (金) 11:35時点における版
ツイフェミとは、日本においてインターネット上で意見を表明するフェミニストのこと[1]。ツイッターにおいて不快、または間違っていると判断したフェミニズムに寄っているとする発言やフェミニストと思われる利用者にアンチな立場をとる他の利用者が、該当の発言や利用者に対する蔑称として使用する[要出典]。当事者では使用されず、蔑称に近い形で用いられる[2]。ネットフェミとも[3]。
概要
Twitterを中心に活動することから、ツイッターのフェミニズム、略して「ツイフェミ」と呼ばれる[4]。
フェミニズムは、女性解放思想およびこの思想に基づく社会運動の総称である[5]。一部の男性からはツイフェミに関しては「女尊男卑を目指しているのではないか」「関わらないほうが正解ではないか」と否定的な意見も見られる[4]。
論争
当項目ではツイフェミが参加した論争の具体例を記述する。
- スバルCMへの批判
2014年11月、サーフィンを楽しんで疲れ果てた夫が後部座席で眠り、妻が運転している場面で終わるスバルのコマーシャルに対して、男尊女卑、差別的、妻が奴隷のようだといった批判が殺到。夫がサーファーの女性ライターが安全や効率を考えれば妥当な判断で現実のサーファーの妻たちは男尊女卑の認識は全くないと反論するも、「本人が好きでやってるかどうかの問題じゃない」などと批判が噴出した[6]。
- 美濃加茂市観光協会のポスター
2015年、美濃加茂市観光協会がアニメ「のうりん」とコラボしたスタンプラリー宣伝ポスターに「女性差別」であるとの批判が寄せられ、イラストを差し替えられる事態が発生した。セクハラである、不愉快だ、人権侵害だといった批判に対し、観光に来る気もないのに批判をするな、ケチをつけたいだけ、事情を知らない人が荒らすな、といった擁護意見が対立。[6]。
- キズナアイ論争
2018年、NHKの特設サイト『まるわかりノーベル賞2018』にキズナアイが出演。「性の強調」や「相槌の多さ」といった観点から批判を受けた[7]。
- 日本赤十字社による「宇崎ちゃんは遊びたい!」献血PRポスター
2019年10月、日本赤十字社が「宇崎ちゃんは遊びたい!」とのコラボレーションによるPRポスターを制作。このポスターが過度に性的であるとして議論を招いた[7]。
- 少年ジャンプに関する複数の論争
2019年11月には就職活動において集英社の社員から「『週刊少年ジャンプ』の編集には『少年の心』が分かる人でないと」と説明されたと主張する女性がツイッター上で怒りを吐露。また別の人物によって、週刊少年ジャンプでフェミニズム漫画を連載すれば世界を変えられる可能性があるとする主張が投稿され、いずれも議論を呼んだ[7]。なお、集英社は企業説明会の中で『週刊少年ジャンプ』の女性編集者についての質問に、過去に前例がないわけではないとした上で、女性ファッション誌の編集部であれば性別関係なく女性のおしゃれ心を理解できることが必要であり、少年マンガであれば少年の心がわかることが大切であると説明をしている[8]。
評価・意見
- 「ツイフェミ」はフェミニズムではなく、「ミサンドリスト(男性嫌悪者)」であるとの意見、ミサンドリストと呼称する向きもある[3][9]。
- Feminist Currentの創設者でフェミニストのメガン・マーフィーは、ツイッターにおけるフェニミズムについて「フェミニストの運動と実際の信念、世界中でフェミニストらが成し遂げてきたことを代表するものでは全くない」「一般に、ツイッターは活動を起こすのには有害で非生産的な場である」という2つの問題点を指摘している[10]。これはtwitterのハッシュタグ #twitterfeminism における議論を呼び、フェミニストブログのフェミニスティングはコラムニストの一人であるヴェロニカ・フロレスの反論を掲載した。フロレスは「確かに、インターネットという物は粗暴である。仰る通り、面識のない者同士は互いに敬意を払って接すべきだという点について、我々は多くを学ぶ必要がある」とマーフィの主張に一定の理解を示したうえで「しかし、ツイッターを含むインターネットフェミニズムは、私たちが殆ど聞き取ることのできなかったはずの他者の声を拾い上げる場を提供し、互いを発見する事が困難であった場所や環境にあった仲間たちの為にコミュニティを生み出し、歴史的には排除されてきた対話をメインストリームへと飛び立たせもしたのだ」と、その成果を高く評価した[11]。
- ジェンダー論専門家の千田有紀はツイフェミに関する議論の中で、NHKの特設サイト『まるわかりノーベル賞2018』にキズナアイが登場し論争を呼んだ際、千田のキズナアイへの批判が文脈を切り取られてフェークニュースメディアに拡散されツイッターで炎上したこと、炎上の原因となったはずの千田が書いた記事そのものは実際にはほとんどアクセスが無く読まれていなかったこと、一度炎上してしまうと千田本人が否定しても効果が無かったことを例に挙げ、「(ツイッターは)議論するメディアとしては難しいと思っている」とした[12]。
- 2ちゃんねる創設者のひろゆきは、女性の権利を獲得するには男性が差別されても構わないというタイプの差別主義的なフェミニストが存在し、差別主義者を攻撃せずフェミニスト同士は仲良くしようと受け入れてしまう部分もあると主張した[13]。
- プロデューサーの若新雄純は、信念をもって活動してきた右翼がインターネットの登場によって「右の思想=差別主義」のように同一視されるようになった一方、右翼は勢力が増えるという点で「ネトウヨ」を歓迎した向きもある、と右翼の実情を指摘した上で、フェミニストにとってもネットのカジュアルなフェミニストに混じっている差別主義的な人は迷惑だという思いがあるだろうと所感を述べた。しかし、「フェミニスト」がネット上で一種の市民権を得た以上、確固たる方針を示さないと、ネトフェミ・ツイフェミ的な存在は増え、日常生活が不満で行き場のない、拠り所がない人たちの逃げ場になりネット空間とセットに全体の質を下げることになりかねないと指摘した[13]。
- ネット論客の青識亜論は、「ツイフェミ」は 差別やハラスメントの告発などの否定しづらい「正義」の問題に安直に接合し、感情的になりがちだと主張。ツイッターがリミッターを解除し、「いくらでも相手を殴っていい」ように感じさせる役割をはたしてしまっていると意見した。なお、女性が素直な感情を書け、議論ができる場所である点、学者やメディア関係者とも平場で話ができる点、大手メディアが独占していた言論の場を民主化した点ではツイッターへの評価も述べている[4]。
脚注
- ^ フェミニズムを討論 嫁らしさは苦痛? 20:27-
- ^ 坂爪 2020, p. 75.
- ^ a b “ネット上のフェミニズムについて”. BLOGOS (2020年1月22日). 2020年5月28日閲覧。
- ^ a b c “フェミニズム論争が活発化した2019年、“ツイフェミ”を乗り越え建設的な議論をするには?(AbemaTIMES)”. times.abema.tv (2020年1月7日). 2020年5月28日閲覧。
- ^ 井上輝子, 上野千鶴子, 江原由美子, 大沢真理, 加納実紀代, ed (2002). 岩波 女性学事典. 岩波書店
- ^ a b “【美濃加茂市ポスター騒動】炎上の背景に”ツイフェミvsアニメファン”の対立 - デイリーニュースオンライン”. dailynewsonline.jp (2015年12月8日). 2020年5月28日閲覧。
- ^ a b c フェミニズムを討論 嫁らしさは苦痛? 19:28-
- ^ “少年ジャンプ編集者は「少年の心」が必要? 企業説明会の真偽について集英社が回答”. ハフポスト (2019年11月5日). 2020年6月4日閲覧。
- ^ “フェミニズムをめぐる議論はなぜ前に進まないのか?「宇崎ちゃん」「#KuToo」「ツイフェミ」から考える | ABEMA TIMES”. times.abema.tv (2019年11月25日). 2020年5月28日閲覧。
- ^ “The trouble with Twitter feminism” (英語). Feminist Current (2013年12月18日). 2020年5月28日閲覧。
- ^ “ON CYNICISM, CALLING OUT, AND CREATING MOVEMENTS THAT DON’T LEAVE OUR PEOPLE BEHIND”. 2020年6月6日閲覧。
- ^ フェミニズムを討論 嫁らしさは苦痛? 22:52-
- ^ a b “「フェミニストたちには自浄作用が働いていないのでは」インタビュー発言への批判に対し、ひろゆき氏が再反論 | ABEMA TIMES”. times.abema.tv (2020年4月6日). 2020年5月28日閲覧。
参考文献
坂爪真吾『「許せない」がやめられない SNSで蔓延する「#怒りの快楽」依存症』徳間書店、2020年6月30日。ISBN 9784198651114。