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「狻猊」の版間の差分

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[[明]]代には竜が生んだ九匹の子である[[竜生九子]](りゅうせいきゅうし)の一匹とされた。[[楊慎]]『[[升庵外集]]』や[[李東陽]]『[[懐麓堂集]]』<ref>{{cite book|和書|author=李東陽|title=懐麓堂集|volume=巻72・記竜生九子|quote=狻猊、平生好坐。今仏座獅子是其遺像。|url=https://archive.org/stream/06077717.cn#page/n108/mode/2up}}</ref>などに登場する。『升庵外集』によれば、[[獅子]]に似た姿で[[煙]]や[[火]]を好み、故に[[香炉]]の脚の意匠にされるという。
[[明]]代には竜が生んだ九匹の子である[[竜生九子]](りゅうせいきゅうし)の一匹とされた。[[楊慎]]『[[升庵外集]]』や[[李東陽]]『[[懐麓堂集]]』<ref>{{cite book|和書|author=李東陽|title=懐麓堂集|volume=巻72・記竜生九子|quote=狻猊、平生好坐。今仏座獅子是其遺像。|url=https://archive.org/stream/06077717.cn#page/n108/mode/2up}}</ref>などに登場する。『升庵外集』によれば、[[獅子]]に似た姿で[[煙]]や[[火]]を好み、故に[[香炉]]の脚の意匠にされるという。


なお、小説『[[水滸伝]]』の登場人物である[[トウ飛|&#37159;飛''']]の渾名は「火眼狻猊」(かがんさんげい)といい「赤い目をした獅子」という意味である。
なお、小説『[[水滸伝]]』の登場人物である[[飛|&#37159;飛''']]の渾名は「火眼狻猊」(かがんさんげい)といい「赤い目をした獅子」という意味である。


== 脚注 ==
== 脚注 ==

2020年7月12日 (日) 21:48時点における版

狻猊
香炉の脚部にあしらわれた狻猊
各種表記
繁体字 狻猊
簡体字 狻猊
拼音 suān ní
注音符号 ㄙㄨㄢ ㄋㄧˊ
発音: スワンニー
日本語読み: さんげい
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狻猊(さんげい[注釈 1])とは、中国の伝説上の生物である。しばしば獅子と同一視される。

概要

古くは『爾雅』釈獣に「狻麑」として見え、虦猫(トラの一種)に似て、虎豹を食うとしている。郭璞の注では獅子のこととしている。『穆天子伝』には「狻猊は五百里を走る」という。

漢訳仏典でも狻猊は獅子の別名として使われる。玄奘訳『大菩薩蔵経』(『大宝積経』菩薩蔵会)に「喬答摩(ガウタマ)種狻猊頷、無畏猶如師子王。」といい、『玄応音義』は「狻猊は獅子のことで、サンスクリットでは僧訶(シンハ)という」とする。

仏陀はしばしば獅子にたとえられるため、仏陀のすわる場所を「獅子座」と呼ぶことがある[1]。ここから高僧の座る場所も「獅子座」あるいは「猊座」といい、「猊座の下(もと)に居る者」という意味で、高僧の尊称や、高僧に送る手紙脇付けは「猊下」となった。

銅鏡、各神獣鏡の意匠、特にの時代に作られた「海獣葡萄鏡」に多数見受けられる瑞獣を海獣または狻猊と呼ぶことがある。なお、海獣とは砂漠の向こうに住む「海外の獣」という意味であるという[2]

代には竜が生んだ九匹の子である竜生九子(りゅうせいきゅうし)の一匹とされた。楊慎升庵外集』や李東陽懐麓堂集[3]などに登場する。『升庵外集』によれば、獅子に似た姿でを好み、故に香炉の脚の意匠にされるという。

なお、小説『水滸伝』の登場人物である鄧飛の渾名は「火眼狻猊」(かがんさんげい)といい「赤い目をした獅子」という意味である。

脚注

注釈

  1. ^ 「狻」の読みは、しばしばつくりの「夋」に引かれて百姓読みした「シュン」との表記が散見されるが、反切は『唐韻』で「素官切」、『集韻』などでは「蘇官切」とあり、「サン」が正しい(酸と同音)。『爾雅』『説文解字』には「狻麑」に作る

出典

  1. ^ 大智度論』巻7(大智度初品中放光釈論第十四)「仏為人中師子、仏所坐処若床若地、皆名師子座。譬如今者国王坐処、亦名師子座。」
  2. ^ 古鏡とは”. 古鏡の世界~会津八一コレクション~銅鏡データベース. 2006年12月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年12月14日閲覧。
  3. ^ 李東陽『懐麓堂集』 巻72・記竜生九子https://archive.org/stream/06077717.cn#page/n108/mode/2up。「狻猊、平生好坐。今仏座獅子是其遺像。」 

参考文献

  • 福永伸哉『三角縁神獣鏡の研究』大阪大学出版会、2005年8月。ISBN 978-4-87259-193-4 

関連項目