「ヨウサイ」の版間の差分
41行目: | 41行目: | ||
[[ファイル:Ipomoea aquatica cooked.jpg|thumb|ヨウサイの炒め物]] |
[[ファイル:Ipomoea aquatica cooked.jpg|thumb|ヨウサイの炒め物]] |
||
茎葉を主に[[炒め物]]、または中華風のおひたし (タン[燙]青菜) として、[[中華人民共和国|中国]]、[[台湾]]や[[フィリピン]]、[[ベトナム]]、[[タイ王国|タイ]]、[[マレーシア]]、[[インドネシア]]などの[[東南アジア]]で用いる。[[ニンニク]]と一緒に[[塩]]で炒めたり、[[魚醤]]の類や[[ |
茎葉を主に[[炒め物]]、または中華風のおひたし (タン[燙]青菜) として、[[中華人民共和国|中国]]、[[台湾]]や[[フィリピン]]、[[ベトナム]]、[[タイ王国|タイ]]、[[マレーシア]]、[[インドネシア]]などの[[東南アジア]]で用いる。[[ニンニク]]と一緒に[[塩]]で炒めたり、[[魚醤]]の類や[[豆豉]]で味付けして炒めたりすることが多い。[[調味料]]は[[シュリンプペースト]]や[[オイスターソース]]なども使われる。 |
||
オーストラリアの[[先住民族]][[アボリジニ]]の間では[[ブッシュ・タッカー]]として古くから消費されてきた。 |
オーストラリアの[[先住民族]][[アボリジニ]]の間では[[ブッシュ・タッカー]]として古くから消費されてきた。 |
2020年7月6日 (月) 21:50時点における版
ヨウサイ | |||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ヨウサイ
| |||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||
学名 | |||||||||||||||||||||
Ipomoea aquatica Forsskal. | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
ヨウサイ(蕹菜) | |||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||
Water Morning Glory water spinach kang kong |
ヨウサイ(蕹菜 拼音: ウォンツァイ)、学名: Ipomoea aquatica)は、ヒルガオ科サツマイモ属の野菜。茎が空洞になっており、このため、中国語で空心菜(コンシンツァイ、拼音: )や通菜(トンツァイ、拼音: )とも呼ばれる。漢名の「空心菜」を日本語読みして俗に「クウシンサイ」ともいうが、同じ読みで「心」を「芯」に変えた登録商標がある[1]ことに注意。
名称
別名が多い。
- アサガオナ(朝顔菜)
- エンサイ(蓊菜)は台湾語エンツァイ(蓊菜)の訛り。「エンサイ」「莚菜」が野菜、料理、飲料の名称として商標登録[2][3]。「莚」は草むしろを意味する漢字で本来、本種の意味はない。別名エン「蓊」の音を表すための代用当て字とみられる。
- ムシロナが料理、飲料などの呼称として登録されている[4]。
- 沖縄ではウンチェー(蕹菜)、ウンチェーバー(蕹菜葉)と呼ばれる。
- 中華人民共和国広東省では、俗に食べ過ぎると痙攣を起こすともいわれ、広東語で抽筋菜(チャウカンツォイ、chau1gan1choi3)の俗称がある。
特徴
つる性多年草だが、作物としては一年草扱い。東南アジア原産で、高温多湿の熱帯、湿地で多く栽培され、水耕栽培も可能。外見はサツマイモに似ており、茎は中空で這う。葉は切れ目の入った長卵形。アサガオのような淡紫色または白色の花を付けるため、朝顔菜(あさがおな)の別名もある。最低気温が10度を下回ると、茎も根も枯れる。
水辺に生育し、水面に茎(空洞で節がありフロートと同じ)を浮かせて進出する。汽水域でも成長可能である。暑さに強く水上で栽培すると大量に根を伸ばして水をよく吸収することから、近年では湖沼などの水質浄化活動によく用いられている[5][6]。
日本には古くは沖縄県方面を経て九州に渡来した。真夏でも収穫でき、時期的に希少な葉野菜となる。九州以北の露地栽培では花をつけても種をほぼつけず、自生繁殖による生態系への影響は低い。
利用
食用
茎葉を主に炒め物、または中華風のおひたし (タン[燙]青菜) として、中国、台湾やフィリピン、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシアなどの東南アジアで用いる。ニンニクと一緒に塩で炒めたり、魚醤の類や豆豉で味付けして炒めたりすることが多い。調味料はシュリンプペーストやオイスターソースなども使われる。
オーストラリアの先住民族アボリジニの間ではブッシュ・タッカーとして古くから消費されてきた。
日本でも、沖縄県で従来より栽培されていたほか、九州地方などの温暖な地域で栽培が広がりつつあり、栽培農家も増えている。消費者が入手または栽培するのも容易になりつつある。エスニック料理店や中華料理店で高級食材のメニューに載ることも増えている。
岐阜県立恵那農業高等学校では、水を入れたコンテナで栽培する方法「コンテナドボン栽培」を開発[7]。名古屋市堀川において、ポットトレイにペットボトルをつけた「ペットボトルミニ浮島」での栽培を2010年に行い、1%程度の塩分を含む汽水域での栽培が可能であることを確認した。2017年2月には竹をしならせ二重のビニールテープで固定した「竹製浮島」を考案し、同年7月に栽培実験を行った。
水質浄化
成長過程で窒素やリンを水からたくさん吸収するため水質浄化作用があるといわれており、岐阜県の阿木川ダムなどで栽培されている[8]。
注意
栄養価などホウレンソウと比較されることが多く、ホウレンソウに負けないほどの栄養価があり利用価値が高い。ただしホウレンソウとは違い、難溶性のシュウ酸カルシウムを多く含んでおり、えぐ味(シュウ酸味)を感じる原因となっている。シュウ酸カルシウムの毒性については経口データはないが、劇物のシュウ酸塩として、飲み込むと有害であると考えられるので区分4[9]に分類されている[10]。シュウ酸カルシウムは尿道結石の原因にはならないが、食べ過ぎに注意することが必要である。
画像
-
ヨウサイの花
-
ヨウサイの全体像
-
ヨウサイのイラスト
-
菜園のヨウサイ
-
川で栽培されるヨウサイ
-
ヨウサイの収穫
-
出荷されるヨウサイ
-
ヨウサイの炒め物
-
ヨウサイの入ったヌードル