「PHP Data Object」の版間の差分
データベースへの接続を抽象化していることを明記, もう少し直したいが時間が無いので簡単に |
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[[2005年]]11月24日にリリースされたPHP 5.1.0から標準でバンドルされるようになった拡張モジュール([[PECL]])であり、データソース名(DSN)によって使用する内部エンジンを切り替えることで各種データベースに対する統一的なアクセスインターフェイスを提供する。 |
[[2005年]]11月24日にリリースされたPHP 5.1.0から標準でバンドルされるようになった拡張モジュール([[PECL]])であり、データソース名(DSN)によって使用する内部エンジンを切り替えることで各種データベースに対する統一的なアクセスインターフェイスを提供する。 |
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例えば、上記のコードではPDOクラスの第一引数にDSNを与えており、<code>mysql:</code>がMySQL或いはMariaDBに接続するための内部エンジンを使用することを表している。 |
例えば、上記のコードではPDOクラスの第一引数にDSNを与えており、<code>mysql:</code>がMySQL或いはMariaDBに接続するための内部エンジンを使用することを表している。 |
2020年7月5日 (日) 22:58時点における版
PHP Data Object (PDO) とはPHPに拡張モジュールとして標準で提供されているデータベース抽象化レイヤであり、各種データベース(DBMS、RDBMS)への接続を抽象化する。
概要
2005年11月24日にリリースされたPHP 5.1.0から標準でバンドルされるようになった拡張モジュール(PECL)であり、データソース名(DSN)によって使用する内部エンジンを切り替えることで各種データベースに対する統一的なアクセスインターフェイスを提供する。
<?php
try {
$pdo = new PDO("mysql:host=localhost;dbname=pdotest",
"username", "password");
} catch(PDOException $e){
var_dump($e->getMessage());
}
?>
例えば、上記のコードではPDOクラスの第一引数にDSNを与えており、mysql:
がMySQL或いはMariaDBに接続するための内部エンジンを使用することを表している。
この部分をpgsql:
などに変更することで使用するデータベースをMySQLからPostgreSQLなどに変更することが出来る。
多くのデータベースに対応する必要のあるシステム開発や、システムを異なるデータベースに移行するときなどに、特に威力を発揮する。 またDoctrineやEloquentのようなORMライブラリの内部でデータベース接続を行うバックエンドとして利用されている。
機能
PDOは、以下の機能を提供している[1]。
- INSERT・UPDATE・DELETEなどのSQLクエリの実行
- 以下の形式でのデータベースからの値の取得
- 複数次元の配列でのすべての行の取得
- プリペアードステートメントの実行及びエミュレーション
- トランザクションの使用
- オートコミットのサポート
- テーブルのカラムの一般化機能
プリペアードステートメントを使ったプログラム例
例えば userテーブルに変数$nameに'ウィキペディア'という文字列をSQLに挿入する例(prepareメソッド):
<?php
$names = 'ウィキペディア';
$stmt = $pdo->prepare('INSERT INTO user (name) VALUES (:name)');
$stmt->bindValue(':name', $names, PDO::PARAM_STR);
$stmt->execute();
?>
または:
<?php
$names = 'ウィキペディア';
$stmt = $pdo->prepare('INSERT INTO user (name) VALUES (:name)');
$stmt->execute([':name' => $names]);
?>
実装までの経緯
PHPはWebアプリケーション作成の開発に適した言語であり、Webアプリケーションと連携する多くのデータベースにアクセスする機能も、モジュールとして標準で備えている。しかし、その接続するための関数とそれに渡す引数はそれぞれのデータベース毎に異なっていた。
MySQLやMariaDBではmysql_connect関数に代表されるMySQLモジュール[2](PHP7.0現在はmysqli_connnectに代表されるMySQLi[3]に置き換えられた[4])、PostgreSQLではpg_connect関数に代表されるPostgreSQLモジュール[5]など、データベース毎に実装が異なっていた。また、関数に渡すパラメータなども各データベースによって異なるなど、複数のデータベースをサポートする開発者にとって多大な負担になっていた[1]。
PHP4では、PEARの1つとして、PEAR::DBがあり、これがデータベースへのアクセス機能をまとめ、共通のAPIを提供していた。しかし、この機能はPHPスクリプトで書かれているため、速度面で遅くなりがちという欠点を抱えていた[6]。中小規模のシステムならともかく、大規模なシステムではその速度の遅さが欠点となっていた。
そこで、PHP5からはC言語で書かれた拡張モジュールとしてPDOが作成・提供されることとなった。
備考
PDOはデータベースへの接続を抽象化するライブラリであり、SQLに対する抽象化は殆ど行わないことに注意が必要である。 すなわちデータベース毎の独自拡張の利用やSQL構文の差異の吸収はプログラマが手で行うか、クエリビルダやORMなどのより高度な抽象化を行うライブラリを利用する必要がある。
また、プリペアドステートメントを用いることでSQLインジェクションの脆弱性をより安全に回避することができるが、環境によっては対応が不完全で問題が発生したケースもある[7]。
脚注
- ^ a b ThinkIT 第1回:PDOの概要 (1/3)
- ^ http://php.net/manual/ja/book.mysql.php
- ^ http://php.net/manual/ja/book.mysqli.php
- ^ http://php.net/manual/ja/migration70.removed-exts-sapis.php
- ^ http://php.net/manual/ja/book.pgsql.php
- ^ PDOでサクサクDB開発:CodeZine
- ^ PHP5.3.6からPDOの文字エンコーディング指定が可能となったがWindows版では不具合(脆弱性)あり
関連項目
- 関係データベース管理システム (RDBMS)