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Python の、特に Python 2.3 以降および Python 3 では C3 linearization により多重継承した際のメソッド探索順は解決されるので、多重継承は有力な手法であり、実際にいくつか活用例がある。<code>SocketServer</code> モジュールは [[User Datagram Protocol|UDP]] および [[Transmission Control Protocol|TCP]] ソケットサーバとして動作する <code>UDPServer</code> と <code>TCPServer</code> クラスの両方を備えている。通常、すべてのコネクションは同じプロセス内で処理されるが、<code>ForkingMixIn</code> と <code>ThreadingMixIn</code> という追加の mixin クラスが存在する。下記のように TCPServer を ThreadingMixIn により拡張すると、 |
Python の、特に Python 2.3 以降および Python 3 では C3 linearization により多重継承した際のメソッド探索順は解決されるので、多重継承は有力な手法であり、実際にいくつか活用例がある。<code>SocketServer</code> モジュールは [[User Datagram Protocol|UDP]] および [[Transmission Control Protocol|TCP]] ソケットサーバとして動作する <code>UDPServer</code> と <code>TCPServer</code> クラスの両方を備えている。通常、すべてのコネクションは同じプロセス内で処理されるが、<code>ForkingMixIn</code> と <code>ThreadingMixIn</code> という追加の mixin クラスが存在する。下記のように TCPServer を ThreadingMixIn により拡張すると、 |
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class ThreadingTCPServer(ThreadingMixIn, TCPServer): |
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<code>ThreadingMixIn</code> が <code>TCPServer</code> にコネクションごとに[[スレッド (コンピュータ)|スレッド]]を生成する機能を追加する。あるいは、<code>ForkingMixIn</code> を用いると各新規のコネクションに対してプロセスが fork される。明らかに、スレッドを生成したりプロセスを fork する機能は単独では大して役に立たない。 |
<code>ThreadingMixIn</code> が <code>TCPServer</code> にコネクションごとに[[スレッド (コンピュータ)|スレッド]]を生成する機能を追加する。あるいは、<code>ForkingMixIn</code> を用いると各新規のコネクションに対してプロセスが fork される。明らかに、スレッドを生成したりプロセスを fork する機能は単独では大して役に立たない。 |
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[[C Sharp|C#]]では[[インタフェース (抽象型)|インタフェース]]<!-- マイクロソフトの日本語ドキュメントでは「インターフェイス」だが、この記事では「インタフェース」に統一している。 -->と拡張メソッドの組合せによって、Mix-inを再現できる。 |
[[C Sharp|C#]]では[[インタフェース (抽象型)|インタフェース]]<!-- マイクロソフトの日本語ドキュメントでは「インターフェイス」だが、この記事では「インタフェース」に統一している。 -->と拡張メソッドの組合せによって、Mix-inを再現できる。 |
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using System.Linq; |
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// 上記は下記の糖衣構文である。 |
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int sum = Enumerable.Sum(range); |
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== 関連項目 == |
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2020年7月5日 (日) 22:57時点における版
mixin とはオブジェクト指向プログラミング言語において、サブクラスによって継承されることにより機能を提供し、単体で動作することを意図しないクラスである。言語によっては、その言語でクラスや継承と呼ぶものとは別のシステムとして mixin がある場合もある(#バリエーションの節で詳述)。
概要
オブジェクト指向プログラミングにおいて、継承は本来は特化を意図したものである。すなわち、継承する側(派生型)と継承される側(基底型)の間にはリスコフの置換原則があることを前提とする。
しかし実際のところは、実装の再利用のための手段として使われることが多い(濫用されがちであるが)。mixin における継承も、前述のような特化のためではなく、複数の機能を集めるための手段である。特にクラスの多重継承が可能なシステムでは、複数の mixin クラスを多重継承し、「単に複数の機能を持つクラス」を簡単に作る、というような使い方ができる。典型例としては、InputStream と OutputStream という mixin クラスを多重継承して、InputOutputStream という双方向ストリームのクラスとする、といったようなパターンである。
mixin は、そのようなもの自体はそれ以前からも考えられていたが、シンボリックス社のオブジェクト指向システム Flavors(en:Flavors (programming language))でその名が使われ、それが一般化した。Flavorsは、同社のLispマシンにおける、同時期にいくつかあった、Lispでの、あるいはLispによるオブジェクト指向の試みのひとつである。名称の由来は、マサチューセッツ州 Somerville にあったアイスクリーム屋[1]からヒントを得て考え出されたものであった[2](シンボリックス社は「MIT発のベンチャー」のひとつである)。このアイスクリーム店の店長は(バニラやチョコレートなどの)基本となる味を混ぜ、追加の具材(ナッツ、クッキー、キャンディなど)と組み合わせたものを提供し、それを Mix-In と呼んで店の登録商標としていた[3]。
mixin はコードの再利用を促進する。しかし、mixin にはそれなりの妥協も伴う。
(クラスの多重継承すなわち実装の多重継承ができず、インタフェースの複数実装による型の多重継承のみができる、例えばJavaやC#などの観点からは)mixin は、「メソッド実装付きのインタフェース」ということもできる。クラスが mixin を含む場合、そのインタフェースを実装したクラスは、mixin の属性と操作を取り込む。継承するというのとは異なっている。取り込んだ要素はコンパイル時にクラスの一部となる。興味深いことに、mixin はインタフェースを実装する必要はない。それでもあえてインタフェースを実装する利点は、そのインタフェースを必要とするメソッドに、引数としてインスタンスを渡せるからである。
バリエーション
クラスとその継承関係とは別のものとして mixin を活用している言語としてRubyがある。Rubyではクラスの継承は単一継承のみとし、多重継承にまつわる問題(例えば菱形継承問題)を避けた。そして「継承関係の無いクラスのようなもの」としてモジュールと呼ばれる言語機能があり、モジュールは複数個(いくつでも)クラスに「mixinする」ことができる。モジュール自体は何かを継承したりはしていないため、菱形継承問題は起きない。
その他、mixinのようなものがある言語。
- D言語 (「テンプレート・ミクスイン」と呼ばれる)
- Dylan
- Perl
- Python
- Ruby
- Scala
- Self
- Strongtalk
- Object REXX
- XOTcl(Tcl 向けのオブジェクト指向拡張])
- Groovy
- Vala
例
Python
Python の、特に Python 2.3 以降および Python 3 では C3 linearization により多重継承した際のメソッド探索順は解決されるので、多重継承は有力な手法であり、実際にいくつか活用例がある。SocketServer
モジュールは UDP および TCP ソケットサーバとして動作する UDPServer
と TCPServer
クラスの両方を備えている。通常、すべてのコネクションは同じプロセス内で処理されるが、ForkingMixIn
と ThreadingMixIn
という追加の mixin クラスが存在する。下記のように TCPServer を ThreadingMixIn により拡張すると、
class ThreadingTCPServer(ThreadingMixIn, TCPServer):
pass
ThreadingMixIn
が TCPServer
にコネクションごとにスレッドを生成する機能を追加する。あるいは、ForkingMixIn
を用いると各新規のコネクションに対してプロセスが fork される。明らかに、スレッドを生成したりプロセスを fork する機能は単独では大して役に立たない。
この使用例では、mixin はソケットサーバとしての機能に影響することなく、基盤となる機能を選択可能な形で提供している。
C#
C#ではインタフェースと拡張メソッドの組合せによって、Mix-inを再現できる。
using System.Linq;
System.Collections.Generic.IEnumerable<int> range = Enumerable.Range(1, 10);
// IEnumerable<T>にはSum()メソッドは定義されない。
// 実際にはSystem.Linq.Enumerableクラスに実装された拡張メソッドである。
int sum = range.Sum();
// 上記は下記の糖衣構文である。
int sum = Enumerable.Sum(range);
関連項目
注
- ^ Steve's Ice Cream Parlor
- ^ Using Mix-ins with Python
- ^ LISTSERV 14.4
外部リンク
- Wiki entry at Cunningham & Cunningham, Inc.
- Mixins in ActionScript.
- Scala Overview: Mixin Class Composition - a step-by-step example in Scala
- The Common Lisp Object System: An Overview by Richard P. Gabriel and Linda DeMichiel provides a good introduction to the motivation for defining classes by means of generic functions.