「手続き型プログラミング」の版間の差分
手続きの来歴 |
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'''手続き型プログラミング'''(てつづきがたプログラミング、{{lang-en-short| |
'''手続き型プログラミング'''(てつづきがたプログラミング、{{lang-en-short|procedural programming}})は、コンピュータが実行すべき命令や手続き([[プロシージャ]])を順に記述していくことでプログラムを構成するスタイルの[[プログラミングパラダイム]]である<ref name="e-words">[https://e-words.jp/w/%E6%89%8B%E7%B6%9A%E3%81%8D%E5%9E%8B%E8%A8%80%E8%AA%9E.html 手続き型言語(命令型言語)とは - 意味をわかりやすく - IT用語辞典 e-Words]</ref>。この「手続き」とは分類便宜上の用語であり、[[プログラミング言語]]によっては[[サブルーチン]]、[[関数 (プログラミング)|関数]]、[[メソッド (計算機科学)|メソッド]]とも呼ばれているが、手続き型パラダイムの観点からは概ね同一視される。手続きはプログラム全体を区画した部分プログラムでもあり、一定量の計算ステップまたは命令コードのまとまりを、任意の定義名に結び付けて識別化したコードユニットである。手続き型プログラミングは[[命令型プログラミング]]の分類に属しており、厳密には命令型の部分集合だが、同一視されることもある<ref>[https://learn.microsoft.com/ja-jp/dotnet/standard/linq/functional-vs-imperative-programming 関数型プログラミングと命令型プログラミング - LINQ to XML - .NET | Microsoft Learn]</ref><ref>[https://www.shoeisha.co.jp/book/article/detail/284 Pythonってどんな言語? 特徴と歴史を『独習Python』から解説|翔泳社の本]</ref>。手続きの定義と呼び出しの機能をサポートし、プログラム全体を組み立てる土台とする言語を手続き型言語と呼ぶ。1958年の[[FORTRAN|FORTRAN II]]、[[ALGOL]]、[[COBOL]]といった最も初期の[[高水準言語]]から導入されている。 |
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手続き(''procedure'')は、プログラム内のあらゆるポイントから呼び出す(''call'')ことが可能であり、手続き内の命令コード行の終端に達した |
手続き(''procedure'')は、リンケージや可視性にもよるが、プログラム内のあらゆるポイントから呼び出す(''call'')ことが可能であり、手続き内の命令コード行の終端またはリターン命令に達したときは、その手続きを呼び出したポイントの次のアドレスに制御が移される。これは復帰(''return'')と呼ばれる動作である。通例、[[高水準言語]]の[[return文]]は[[機械語]]のリターン命令に対応しており、手続き内の途中位置からでも復帰できる。手続きは他の手続き内からの呼び出しの他、自身内からの呼び出しも可能であり、これを[[再帰|再帰呼び出し]](''recursive call'')という。手続きの呼び出しと復帰は、コンピュータ側が提供する[[コールスタック]]または[[スタックフレーム]]機能の命令アドレス管理によって実現されている。 |
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== 手続きの来歴 == |
== 手続きの来歴 == |
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手続き(''procedure'')の考え方は、[[機械語]]コードの時代から存在しており、[[低水準言語]]([[アセンブリ言語 |
手続き(''procedure'')の考え方は、[[機械語]]コードの時代から存在しており、[[低水準言語]]([[アセンブリ言語]])にある[[ニーモニック・コード|ニーモニックコード]]のCALL命令とRET命令が原点である。PUSH命令による引数の[[スタック|スタックメモリ]]への積み込みと、スタックポインタレジスタの減算によるローカル変数領域の確保、ベースポインタレジスタによる引数とローカル変数へのアクセスといった[[スタックフレーム]]の機能もアセンブリ言語由来のものである。CALL命令のジャンプ先アドレスに付けられたラベルは手続き名と同義になった。その仕組みは1950年代半ばから登場した[[高水準言語]]にもそのまま受け継がれた。ラベルは形式化された引数欄付きの呼び出し名となり、スタックフレーム処理も自動化隠蔽され、ソースコード上で明確に区分けされた手続き(プロシージャ)として誕生した。 |
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== 手続きとモジュール性 == |
== 手続きとモジュール性 == |
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=== 命令型プログラミング === |
=== 命令型プログラミング === |
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=== オブジェクト指向プログラミング === |
=== オブジェクト指向プログラミング === |
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手続き型プログラミングでは、 |
手続き型プログラミングでは、[[データ構造]]は[[構造体]]あるいは[[レコード (計算機科学)|レコード]]によって適宜まとめられるが、コードはデータ構造が定義されたモジュールにまとめられ、その中では散在しがちである。[[C言語]]のように、明確なモジュール機能をサポートしない言語もある。一方[[オブジェクト指向プログラミング]]では、データとコードはそれぞれ関連性の高いものが[[オブジェクト (プログラミング)|オブジェクト]]にまとめられる。クラスベースのオブジェクト指向言語では、オブジェクトの設計図となるクラスに[[フィールド (計算機科学)|フィールド]](メンバー変数)および[[メソッド (計算機科学)|メソッド]](メンバー関数)として定義される。 |
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一般にオブジェクト指向プログラミングの方が理解しやすいと言われている。その理由として、オブジェクト指向が人間の精神モデルの認知手法に近いからだという説もあるが、心理学が人間の認知モデルを完全には明確化できていない現時点では非常に不確かである。蒸気機関が発明されたとき、人間の精神は蒸気機関と比較された。[[コンピュータ]]が発明されたとき、人間の精神はそれと比較された。オブジェクト指向プログラミングが発明されると、人間の精神はそれと比較されることになったのである。 |
{{独自研究範囲|date=2024-03|一般にオブジェクト指向プログラミングの方が理解しやすいと言われている。その理由として、オブジェクト指向が人間の精神モデルの認知手法に近いからだという説もあるが、心理学が人間の認知モデルを完全には明確化できていない現時点では非常に不確かである。蒸気機関が発明されたとき、人間の精神は蒸気機関と比較された。[[コンピュータ]]が発明されたとき、人間の精神はそれと比較された。オブジェクト指向プログラミングが発明されると、人間の精神はそれと比較されることになったのである。}} |
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多くの場合、オブジェクト指向の |
多くの場合、関連性の強いものを積極的にまとめて明確に分類できるオブジェクト指向のほうが[[凝集度]]が高くなり、保守が容易であると考えられている。クラスベースのオブジェクト指向言語の場合、プログラムはクラス群の定義から構成されている。オブジェクト指向言語と一口に言っても、全てをオブジェクトとみなす純粋なオブジェクト指向言語は少ない。例として最初のオブジェクト指向言語 [[Smalltalk]] があるが、商業的に成功したとは言いがたい。広く使われている[[C++]]や[[Java]]に代表されるように、多くのオブジェクト指向言語は、手続き型プログラミングとオブジェクト指向を融合させたものである。そのようなマルチパラダイムのオブジェクト指向言語は、広義では手続き型言語の一種として分類されることも多い<ref name="e-words"/>。 |
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オブジェクト指向と手続き型の重要な違いとして、オブジェクト指向では[[関係データベース]]にアクセスするにあたって、データモデルのクラス構造へのマッピングが必要である。 |
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以下にオブジェクト指向と手続き型の言語要素を比較した表を示す。 |
以下にオブジェクト指向と手続き型の言語要素を比較した表を示す。 |
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=== 関数型プログラミング === |
=== 関数型プログラミング === |
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手続き型言語における「関数」は一般的に副作用(状態の変更)を伴うことが多く、数学の関数とは別物である。 |
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数学の関数のように副作用をもたない関数を組み合わせてプログラムを記述していく関数型プログラミングのスタイルは、従来の命令型・手続き型プログラミングと対比されることが多いが、[[Haskell]]のような純粋な関数型言語は少なく、[[Scala]]や[[F Sharp|F#]]のように関数型のスタイルを主軸としながらも必要に応じてオブジェクト指向や手続き型のスタイルをとることが可能となっているマルチパラダイム言語のほうが多い<ref>[https://learn.microsoft.com/ja-jp/dotnet/fsharp/language-reference/values/ 値 - F# | Microsoft Learn]</ref>。 |
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=== 論理型プログラミング === |
=== 論理型プログラミング === |
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== 代表的な手続き型言語 == |
== 代表的な手続き型言語 == |
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手続き型と見なされるプログラミング言語は、手続き(プロシージャ)の概念を明確に持っていて、構文として定義している。 |
手続き型と見なされるプログラミング言語は、手続き(プロシージャ)の概念を明確に持っていて、構文として定義している。 |
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典型例は[[ALGOL]]である |
典型例は[[ALGOL]]およびその派生言語である[[Pascal]]や[[C言語]]である。狭義では、オブジェクト指向に必要とされる機能を言語仕様レベルでサポートする言語は手続き型言語に含まれない。オブジェクト指向言語が標準化されて普及する前に登場した手続き型言語は、そのような機能をサポートしないものが多く、[[Visual Basic]]のように限定的なサポートにとどまっているものもある。 |
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しかし、[[C言語]]から発展した[[C++]]のように、多くのオブジェクト指向言語は手続き型言語の性質も受け継いでいる。そのため、オブジェクト指向型の手続き型言語と分類される<ref name="e-words"/>。代表的なものとして以下が挙げられる。 |
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なお、C++などはクラスに属さないトップレベル(名前空間スコープ)の関数(自由関数)を定義することもできる一方、[[Java]]や[[C Sharp|C#]]では[[メソッド (計算機科学)|メソッド]]は必ず何らかのクラスに属する必要があるが、呼び出しの際にオブジェクトのインスタンス化を必要としない<code>static</code>メソッド(静的メソッドまたはクラスメソッドとも呼ばれる)を定義することで代用できるため、そのような違いは手続き型の分類の決め手にはならない。また、多くのオブジェクト指向言語では、オブジェクトに対して<code>static</code>でないメソッド(非静的メソッドまたはインスタンスメソッドとも呼ばれる)を呼び出す場合、<code>someInstance.someMethod()</code>という形の構文記法が採用されているが、これは言語処理系によってメソッドの隠れた第0引数にオブジェクトを<code>[[this (プログラミング)|this]]</code>として暗黙的に渡す形<code>SomeClass.someMethod(someInstance)</code>に展開される。つまり、内部的には手続きを呼び出しているだけである。 |
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上記のようなオブジェクト指向の手続き型言語は、さらにラムダ式のような関数型プログラミングの機能も部分的にサポートすることが一般的となっており、プログラミングパラダイムの分類はますます曖昧となっている。 |
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== 脚注 == |
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== 関連項目 == |
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* [http://dmoz.org/Computers/Programming/Languages/Procedural/ Open Directory: Programming: Languages: Procedural] |
* [http://dmoz.org/Computers/Programming/Languages/Procedural/ Open Directory: Programming: Languages: Procedural] |
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[[Category:プログラミングパラダイム]] |
2024年4月6日 (土) 15:55時点における最新版
手続き型プログラミング(てつづきがたプログラミング、英: procedural programming)は、コンピュータが実行すべき命令や手続き(プロシージャ)を順に記述していくことでプログラムを構成するスタイルのプログラミングパラダイムである[1]。この「手続き」とは分類便宜上の用語であり、プログラミング言語によってはサブルーチン、関数、メソッドとも呼ばれているが、手続き型パラダイムの観点からは概ね同一視される。手続きはプログラム全体を区画した部分プログラムでもあり、一定量の計算ステップまたは命令コードのまとまりを、任意の定義名に結び付けて識別化したコードユニットである。手続き型プログラミングは命令型プログラミングの分類に属しており、厳密には命令型の部分集合だが、同一視されることもある[2][3]。手続きの定義と呼び出しの機能をサポートし、プログラム全体を組み立てる土台とする言語を手続き型言語と呼ぶ。1958年のFORTRAN II、ALGOL、COBOLといった最も初期の高水準言語から導入されている。
手続き(procedure)は、リンケージや可視性にもよるが、プログラム内のあらゆるポイントから呼び出す(call)ことが可能であり、手続き内の命令コード行の終端またはリターン命令に達したときは、その手続きを呼び出したポイントの次のアドレスに制御が移される。これは復帰(return)と呼ばれる動作である。通例、高水準言語のreturn文は機械語のリターン命令に対応しており、手続き内の途中位置からでも復帰できる。手続きは他の手続き内からの呼び出しの他、自身内からの呼び出しも可能であり、これを再帰呼び出し(recursive call)という。手続きの呼び出しと復帰は、コンピュータ側が提供するコールスタックまたはスタックフレーム機能の命令アドレス管理によって実現されている。
手続きの来歴
[編集]手続き(procedure)の考え方は、機械語コードの時代から存在しており、低水準言語(アセンブリ言語)にあるニーモニックコードのCALL命令とRET命令が原点である。PUSH命令による引数のスタックメモリへの積み込みと、スタックポインタレジスタの減算によるローカル変数領域の確保、ベースポインタレジスタによる引数とローカル変数へのアクセスといったスタックフレームの機能もアセンブリ言語由来のものである。CALL命令のジャンプ先アドレスに付けられたラベルは手続き名と同義になった。その仕組みは1950年代半ばから登場した高水準言語にもそのまま受け継がれた。ラベルは形式化された引数欄付きの呼び出し名となり、スタックフレーム処理も自動化隠蔽され、ソースコード上で明確に区分けされた手続き(プロシージャ)として誕生した。
手続きとモジュール性
[編集]大きく複雑なプログラムでは特にモジュール性が重要である。手続き型プログラミングでは、モジュールへの入力は構文的には「引数」であり、出力は「リターン値」である。
変数スコープは手続きのモジュール性を高めるもう1つの技法である。手続き内の変数は他の手続きからアクセスできない(逆も成り立つ)し、同じ手続きの複数の呼び出しの間でもそれが保たれる。スコープを超えたアクセスには特別な許可が必要である。
モジュール性の低い手続きも簡単なプログラムではよく使われる。その場合、実行環境内の多数の変数にアクセスし、他の手続きでも同様にそれらの変数にアクセスする。
単純で自己完結的で再利用可能なインタフェースであるため、手続きを使って多数の人間が書いたコードを組み合わせることが可能となり、ライブラリなども作成できるようになった。
他のプログラミングパラダイムとの対比
[編集]命令型プログラミング
[編集]この節の加筆が望まれています。 |
オブジェクト指向プログラミング
[編集]手続き型プログラミングでは、データ構造は構造体あるいはレコードによって適宜まとめられるが、コードはデータ構造が定義されたモジュールにまとめられ、その中では散在しがちである。C言語のように、明確なモジュール機能をサポートしない言語もある。一方オブジェクト指向プログラミングでは、データとコードはそれぞれ関連性の高いものがオブジェクトにまとめられる。クラスベースのオブジェクト指向言語では、オブジェクトの設計図となるクラスにフィールド(メンバー変数)およびメソッド(メンバー関数)として定義される。
一般にオブジェクト指向プログラミングの方が理解しやすいと言われている。その理由として、オブジェクト指向が人間の精神モデルの認知手法に近いからだという説もあるが、心理学が人間の認知モデルを完全には明確化できていない現時点では非常に不確かである。蒸気機関が発明されたとき、人間の精神は蒸気機関と比較された。コンピュータが発明されたとき、人間の精神はそれと比較された。オブジェクト指向プログラミングが発明されると、人間の精神はそれと比較されることになったのである。[独自研究?]
多くの場合、関連性の強いものを積極的にまとめて明確に分類できるオブジェクト指向のほうが凝集度が高くなり、保守が容易であると考えられている。クラスベースのオブジェクト指向言語の場合、プログラムはクラス群の定義から構成されている。オブジェクト指向言語と一口に言っても、全てをオブジェクトとみなす純粋なオブジェクト指向言語は少ない。例として最初のオブジェクト指向言語 Smalltalk があるが、商業的に成功したとは言いがたい。広く使われているC++やJavaに代表されるように、多くのオブジェクト指向言語は、手続き型プログラミングとオブジェクト指向を融合させたものである。そのようなマルチパラダイムのオブジェクト指向言語は、広義では手続き型言語の一種として分類されることも多い[1]。
以下にオブジェクト指向と手続き型の言語要素を比較した表を示す。
純粋なオブジェクト指向 | 純粋な手続き型 |
---|---|
メソッド | 手続き(プロシージャ) |
オブジェクト | 構造体(レコード) |
クラス | モジュール |
メッセージ | 手続き呼び出し |
関数型プログラミング
[編集]手続き型言語における「関数」は一般的に副作用(状態の変更)を伴うことが多く、数学の関数とは別物である。
数学の関数のように副作用をもたない関数を組み合わせてプログラムを記述していく関数型プログラミングのスタイルは、従来の命令型・手続き型プログラミングと対比されることが多いが、Haskellのような純粋な関数型言語は少なく、ScalaやF#のように関数型のスタイルを主軸としながらも必要に応じてオブジェクト指向や手続き型のスタイルをとることが可能となっているマルチパラダイム言語のほうが多い[4]。
論理型プログラミング
[編集]この節の加筆が望まれています。 |
代表的な手続き型言語
[編集]手続き型と見なされるプログラミング言語は、手続き(プロシージャ)の概念を明確に持っていて、構文として定義している。
典型例はALGOLおよびその派生言語であるPascalやC言語である。狭義では、オブジェクト指向に必要とされる機能を言語仕様レベルでサポートする言語は手続き型言語に含まれない。オブジェクト指向言語が標準化されて普及する前に登場した手続き型言語は、そのような機能をサポートしないものが多く、Visual Basicのように限定的なサポートにとどまっているものもある。
- Ada(83以前)
- ALGOL
- BASIC
- C言語
- ColdFusion
- COBOL
- Forth
- FORTRAN
- Maple
- Mathematica
- MATLAB
- Modula-2
- Oberon (Oberon-1、Oberon-2)
- Occam
- M言語
- Pascal
- Perl(バージョン4以前)
- Pike
- PL/I
- VBScript
- Visual Basic
- Visual Basic for Applications
しかし、C言語から発展したC++のように、多くのオブジェクト指向言語は手続き型言語の性質も受け継いでいる。そのため、オブジェクト指向型の手続き型言語と分類される[1]。代表的なものとして以下が挙げられる。
- Ada(95以降)
- C++
- C#
- D言語
- ECMAScript(ActionScript、DMDScript、JavaScript、JScript)
- Go
- Java
- Kotlin
- Object Pascal/Delphi
- Objective-C
- Perl(バージョン5以降)
- PHP
- Python
- Ruby
- Rust
- Swift
- Visual Basic .NET
なお、C++などはクラスに属さないトップレベル(名前空間スコープ)の関数(自由関数)を定義することもできる一方、JavaやC#ではメソッドは必ず何らかのクラスに属する必要があるが、呼び出しの際にオブジェクトのインスタンス化を必要としないstatic
メソッド(静的メソッドまたはクラスメソッドとも呼ばれる)を定義することで代用できるため、そのような違いは手続き型の分類の決め手にはならない。また、多くのオブジェクト指向言語では、オブジェクトに対してstatic
でないメソッド(非静的メソッドまたはインスタンスメソッドとも呼ばれる)を呼び出す場合、someInstance.someMethod()
という形の構文記法が採用されているが、これは言語処理系によってメソッドの隠れた第0引数にオブジェクトをthis
として暗黙的に渡す形SomeClass.someMethod(someInstance)
に展開される。つまり、内部的には手続きを呼び出しているだけである。
上記のようなオブジェクト指向の手続き型言語は、さらにラムダ式のような関数型プログラミングの機能も部分的にサポートすることが一般的となっており、プログラミングパラダイムの分類はますます曖昧となっている。