「高瀬舟 (小説)」の版間の差分
表示
削除された内容 追加された内容
m Bot作業依頼: 森鷗外への記事名変更に伴う変更 - log |
m Bot作業依頼: 森鷗外への記事名変更に伴う変更 - log |
||
63行目: | 63行目: | ||
{{森鴎外}} |
{{森鴎外}} |
||
{{DEFAULTSORT:たかせふね}} |
{{DEFAULTSORT:たかせふね}} |
||
[[Category:森 |
[[Category:森鷗外の小説]] |
||
[[Category:日本の短編小説]] |
[[Category:日本の短編小説]] |
||
[[Category:1916年の小説]] |
[[Category:1916年の小説]] |
2020年6月18日 (木) 12:38時点における版
『高瀬舟』(たかせぶね)は、森鷗外の短編小説である。1916年(大正5年)1月、「中央公論」に発表された。江戸時代の随筆集「翁草」(神沢杜口著)の中の「流人の話」(巻百十七「雑話」:神澤貞幹編・池辺義象校訂(1905-6年刊)『校訂翁草第十二』所収)をもとにして書かれた。財産の多少と欲望の関係、および安楽死の是非をテーマとしている。
あらすじ
京都の罪人を遠島に送るために高瀬川を下る舟に、弟を殺した喜助という男が乗せられた。護送役の同心である羽田庄兵衛は、喜助がいかにも晴れやかな顔をしていることを不審に思い、訳を尋ねる。
評価
鴎外は同時に自作解説「高瀬舟縁起」を発表しており、これによって長らくテーマは「知足」か「安楽死」か、それとも両方かで議論されてきた。同様の混乱は「山椒大夫」と自作解説「歴史其儘と歴史離れ」との間にも生じていた。しかし、「山椒大夫」には工場法批判が潜められているという指摘から、鴎外の自作解説は検閲への目眩ましであろうとの見解も生まれた。すなわち「妻を好い身代の商人の家から向かへた」という設定は「十露盤(ソロバン)の桁」を変えれば日英同盟の寓喩であり、「知足」のテーマは対華21ヶ条要求への批判として浮上してくる。こうして「高瀬舟」は今、歴史に借景した明治の現代小説としての再評価へと向かいつつある。
映像作品
- 1930年(昭和5年) - 日活製作映画「高瀬舟」、監督:仏生寺弥作、脚本:松本常男、出演:小川隆、久米譲、浅香新八郎など
- 1960年(昭和35年) - フジテレビ系テレビドラマ『百万人の劇場』(全1回)、出演:伊藤雄之助、市川中車など
- 1962年(昭和37年) - 日本テレビ系テレビドラマ『文芸アワー』(金曜22:00 - 22:30。三共(現:第一三共)一社提供)「高瀬舟」(全2話)、脚本:吉村公三郎、出演:森雅之、原泉、丹阿弥谷津子、安部徹など
- 1988年(昭和63年) - ケイ・アンド・エス製作映画「高瀬舟」、監督:工藤栄一、脚本:松山善三、音楽:木下忠司、ナレーション:市原悦子、出演:前田吟、岡田吉弘、荒井紀人など
フジテレビ 百万人の劇場 | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
明暗
(1960.7.3) |
高瀬舟(1960年)
(1960.7.10) |
片恋
(1960.7.17 |
日本テレビ 文芸アワー | ||
田舎教師
(1962.5.18 - 6.29) |
高瀬舟(1962年)
(1962.7.6 - 7.13) |
波
(1962.7.20 - 8.3) |
舞台
CLIEが製作する朗読演劇シリーズで森鷗外の別作品「山椒大夫」と合わせた内容で舞台化された。
- 極上文學 第9弾『高瀬舟・山椒大夫』(2015年10月、製作:CLIE・企画:MAG.net・制作:Andem)
出演者
村田充、伊勢大貴、藤原祐規、松本祐一、椎名鯛造、水石亜飛夢、服部翼、松田洋治、天宮良
スタッフ
書誌情報
関連項目
外部リンク
- 『高瀬舟』:新字新仮名 - 青空文庫
- 『高瀬舟』:旧字旧仮名 - 青空文庫
- 『高瀬舟』:旧字旧仮名 - 青空文庫(初出版)
- 『高瀬舟縁起』:新字新仮名 - 青空文庫(自作解説)
- 『高瀬舟縁起』:旧字旧仮名 - 青空文庫(自作解説)
- 極上文學
- 株式会社CLIE