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「僕」と「君」の間で行き来する[[メール]]を文中に[[携帯電話]]の画面を挿絵として挿入する形で表現するという[[アバンギャルド|前衛的]]な手法を用いたこの作品は、[[2004年]]の[[三島由紀夫賞]]候補となった。嶽本の作品が三島由紀夫賞候補となるのは[[2003年]]の『エミリー』に続いて2年連続、2度目であったが、どちらも受賞にはいたっていない。 |
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この作品には謎がある。それは主人公で'''ロリータのカリスマ'''と呼ばれる作家の「僕」とは、'''乙女のカリスマ'''[[嶽本野ばら]]自身のことではないかというもので、実際に作中で「僕」の処女小説集として挙げられる『'''ミシン'''』と、嶽本のデビュー作『'''ミシン'''』(ISBN 4093860629) にタイトルの一致がみられたこともあり、「[[フィクション]]か[[ノンフィクション]]か」という論争を呼んだ<ref>『ロリヰタ』文庫版裏表紙解説</ref>。また、中には、『ロリヰタ。』の「ヰタ」は、[[森 |
この作品には謎がある。それは主人公で'''ロリータのカリスマ'''と呼ばれる作家の「僕」とは、'''乙女のカリスマ'''[[嶽本野ばら]]自身のことではないかというもので、実際に作中で「僕」の処女小説集として挙げられる『'''ミシン'''』と、嶽本のデビュー作『'''ミシン'''』(ISBN 4093860629) にタイトルの一致がみられたこともあり、「[[フィクション]]か[[ノンフィクション]]か」という論争を呼んだ<ref>『ロリヰタ』文庫版裏表紙解説</ref>。また、中には、『ロリヰタ。』の「ヰタ」は、[[森鷗外]]が自身の性的経験を書いた作品『[[ヰタ・セクスアリス]]』の「ヰタ」と重ねたものではないかという者も現れた<ref>『Fetish』pp. 138 f.</ref>。しかし、性的な意味と区別するために「ロリータ」を「ロリヰタ」と書くことは、嶽本のような[[ロリータ・ファッション]]の愛好者の中では珍しいことではないため真相は不明である。 |
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==収録作品== |
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2020年6月18日 (木) 11:03時点における版
『ロリヰタ。』(Loli-ta.) は、嶽本野ばらが『新潮』2003年10月号で発表した小説であーる。
あらすじ
ロリータのカリスマと呼ばれる作家の「僕」は、たまたま手伝った撮影現場でモデルの「君」と出会った。メールアドレスを交換した「僕」と「君」は頻繁にメールをしあい、やがてホテルで会うようになったが、あくまで友達という関係であった。しかし、写真週刊誌に「君」とホテルから出てくる様子がスクープされた時、「僕」は20歳くらいだろうと思っていた「君」が実際には9歳の小学4年生であることを知った。また、それと同時に「君」を好きになっていたことにも気がついた。しかしそれは社会的に許されるはずのない恋だった。
登場人物
- 僕
- 君
概要
「僕」と「君」の間で行き来するメールを文中に携帯電話の画面を挿絵として挿入する形で表現するという前衛的な手法を用いたこの作品は、2004年の三島由紀夫賞候補となった。嶽本の作品が三島由紀夫賞候補となるのは2003年の『エミリー』に続いて2年連続、2度目であったが、どちらも受賞にはいたっていない。
作品における謎
この作品には謎がある。それは主人公でロリータのカリスマと呼ばれる作家の「僕」とは、乙女のカリスマ嶽本野ばら自身のことではないかというもので、実際に作中で「僕」の処女小説集として挙げられる『ミシン』と、嶽本のデビュー作『ミシン』(ISBN 4093860629) にタイトルの一致がみられたこともあり、「フィクションかノンフィクションか」という論争を呼んだ[1]。また、中には、『ロリヰタ。』の「ヰタ」は、森鷗外が自身の性的経験を書いた作品『ヰタ・セクスアリス』の「ヰタ」と重ねたものではないかという者も現れた[2]。しかし、性的な意味と区別するために「ロリータ」を「ロリヰタ」と書くことは、嶽本のようなロリータ・ファッションの愛好者の中では珍しいことではないため真相は不明である。
収録作品
- 『ハネ』
ISBN
- 『ロリヰタ。』新潮社 (上製本);ISBN 9784104660018
- 『ロリヰタ。』新潮文庫 (文庫本),ISBN 9784101310718
注釈
参考文献
- 『Fetish』宝島社;ISBN 9784796656993