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「ユウティラヌス」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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生物学的特徴: 古生態学を追加 グーグルスカラーからの掘り出し物なので、どなたか翻訳の精度を確認していただけると助かります。恐竜博2012の図録にも関連した文章があったかもしれません。 (※少なくとも竜脚類の側からティラノサウルス類(コンプソグナトゥス類)に告示した大きめの歯が見つかっています。)
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* ユウティラヌス・フアリ <br />''Y. huali'' <small>Xu ‘’et al’’., 2012</small> ([[模式種]])
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}}
'''ユウティラヌス'''もしくは'''ユティランヌス'''(''Yutyrannus'')は[[ティラノサウルス上科]]の恐竜の1属。[[中華人民共和国]][[遼寧省]][[易県累層]]より発された成長段階の異な3個体の全身骨格基づき、[[2012年]]の春にユウティラヌス・フアリ(''Yutyrannus huali'')新属新種とし記載・報告され<ref name="Xu2012">Xu, X., Wang, K., Zhang, K., Ma, Q., Xing, L., Sullivan, C., Hu, D., Cheng, S., and Wang, S. (2012). "[http://www.xinglida.net/pdf/Xu_et_al_2012_Yutyrannus.pdf A gigantic feathered dinosaur from the Lower Cretaceous of China.] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20120417134949/http://www.xinglida.net/pdf/Xu_et_al_2012_Yutyrannus.pdf |date=2012年4月17日 }}" ''Nature'', '''484''': 92-95. {{doi|10.1038/nature10906}}</ref>。
'''ユウティラヌス'''もしくは'''ユティランヌス'''([[学名]]: {{snamei|Yutyrannus}}、「羽毛の生えた暴君」の意)は[[ティラノサウルス上科]]の[[恐竜]]の1属。'''ユウティラヌス・フアリ''' (''Yutyrannus huali'') ただ1種のみが知られており、前期[[白亜紀]]に現在の[[中華人民共和国]]北東部に生息していた<ref name=yutyrannus/>。[[遼寧省]]より3個体がされてい全身に[[羽毛]]が生えいた直接的な証拠が保存されている、2012年時点で知られている中では最大の[[獣脚類]]である<ref>{{cite news|author=Wilford, John N |title=Bus-Size Dinosaurs, as Fuzzy as Chicks |newspaper=The New York Times |url=https://www.nytimes.com/2012/04/05/science/dinosaur-dig-in-china-turns-up-largest-known-feathered-animal.html |date=4 April 2012}}</ref>。
属名の''Yutyrannus''が、北京語の「羽(yǔ)」+ラテン語の「tyrannus=王、暴君」に由来するように、全身に[[羽毛]]を生やした大型の[[獣脚類]]といった点で注目される。''Y. huali''の種小名は、北京語の「華麗(huá lì)」から<ref name="Xu2012"></ref>。


== 発見と命名 ==
ティラノサウルス上科ではあるが、有名な[[ティラノサウルス]](''Tyrannosaurus'')よりも約6000万年も遡る時代の動物であり[[ティラノサウルス科]]とされるほど近縁でもない。前肢に3本の明瞭な指を持つ、[[アークトメタターサル]]が存在しないなど、このグループとしては比較的祖先的な特徴を持っている。
[[File:Yutyrannus skeleton.jpg|upright|thumb|left|化石の展示]]
ユウティラヌス・フアリは2012年春に[[徐星]]らによって新属新種として学術的に命名・記載された。属名は[[官話|中国語北方方言]]の「羽(yǔ)」とラテン語化した[[ギリシャ語]]の「tyrannus=暴君」に由来するように、羽毛の生えた[[ティラノサウルス上科]]の羽毛の生えた属として分類されることを反映している。種小名は北方方言の「華麗(huá lì)」から由来し、羽毛が美しく保存されていたことを反映する<ref name=yutyrannus/>。


ユウティラヌス3個体はそれぞれ異なる成長段階(成体・亜成体・幼体)にあるぼぼ完全な化石標本であり、これらを入手した化石商人は中国の[[遼寧省]]の巴图营乡 (Batu Yingzi) に位置する同一の採石場から3個体とも産出したと主張した。おそらくは約1億2500万年前の[[アプチアン]]期に相当する{{仮リンク|義県累層|en|Yixian Formation}}で発見されたものである<ref name=yutyrannus/>。標本はバスマットの大きさ程度にカットされ、2人組で運べるようにされた<ref name=zimmer>{{Cite journal|date=4 April 2012 |author=Zimmer, Carl |authorlink=Carl Zimmer |title=The One-Ton Turkey: Further Adventures in Slow-Cooked Science |url=http://blogs.discovermagazine.com/loom/2012/04/04/the-one-ton-turkey-further-adventures-in-slow-cooked-science/ |journal=[[Discover (magazine)|Discover]] |volume=The Loom |accessdate=7 April 2012}}</ref>。
== 生物学的特徴 ==
頭部はティラノサウルス類の特徴をよく備えているが、[[前上顎骨]]と[[鼻骨]]から成る、トサカ状の隆起が特徴的である。前脚には明瞭な3本の指があり、この点はティラノサウルス上科の中でも祖先的である<ref name="Xu2012"></ref>。また、後期のティラノサウルス類の特徴であるアークトメタターサル<ref>後肢の第三中足骨が、左右の第二、第四中足骨の間に埋没する構造のこと。アークトメタターサルを持つ恐竜はより走行に有利であると考えられている。</ref>も備えていない。


ホロタイプ標本 ZCDM V5000 は最も大きい標本で、スラブで圧縮されてはいるものの、頭骨の備わったほぼ完全な成体の骨格である。パラタイプ標本は残り2つの標本である。ZCDM V5001 はより小型の個体の骨格およびホロタイプ標本と同じスラブの一部で構成されている。ELDM V1001 はホロタイプ標本よりも8歳若いと推定された幼体である。これらの化石は徐星の指導の下で{{仮リンク|中国科学院古脊椎動物古人類学研究所|en|Institute of Vertebrate Paleontology and Paleoanthropology}}が製作し、[[諸城市|諸城]]恐竜博物館と[[エレンホト市|エレンホト]]恐竜博物館のコレクションの一つに加えられている<ref name=yutyrannus>{{cite journal|author1=Xu, X |author2=Wang, K. |author3=Zhang, K |lauthor4=Ma, Q |author5=Xing, L |author6=Sullivan, C |author7=Hu, D |author8=Cheng, S |author9=Wang, S |year=2012 |title=A gigantic feathered dinosaur from the Lower Cretaceous of China |journal=Nature |volume=484 |issue=7392 |pages=92–95 |doi=10.1038/nature10906 |pmid=22481363 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20120417134949/http://www.xinglida.net/pdf/Xu_et_al_2012_Yutyrannus.pdf |archivedate=2012-04-17 |doi=10.1038/nature10906 |url=https://doi.org/10.1038/nature10906 }}</ref>。
模式標本であるZCDM(Zhucheng Dinosaur Museum, Shandong) V5000は、[[仙骨]]の癒合の具合などから成体だと目されており、この個体の大腿骨の長さは85センチメートルに達し、全長約9メートル、体重はおよそ1414キログラム程度だろうと推測されている<ref name="Xu2012"></ref>。


== 態 ==
特徴的なのは3つの標本の全身に残った毛状の羽毛<ref>羽毛と言っても、単一の軸をもった毛状ないし棘状の繊維構造であり、現生鳥類から一般に想像される分枝したものではない。</ref>の痕跡であり、総じて長さは15cmほど、部位によっては20センチメートルほどにもなる繊維状の構造が、全身に密集して観察された。それまで全身にこうした構造を持つ[[羽毛恐竜]]と言えば小型の種ばかりであった<ref name="Xu2012"></ref>
[[File:Yutyrannus SIZE.png|thumb|ヒトとの大きさ比較]]
ため、ユウティラヌスの発見は大きく報じられた。
ユウティラヌスは大型の二足歩行の捕食動物だった。3個体のうち[[仙椎]]の癒合の具合などから最高齢と目されるホロタイプ標本は、記載論文で全長9メートル、体重1414キログラムと推定された<ref name=yutyrannus/>。2016年には[[グレゴリー・ポール]]が全長7.5メートル、体重1.1トンと下方修正した推定値を発表した<ref name=G.S.Paul2016>Paul, G.S., 2016, ''The Princeton Field Guide to Dinosaurs 2nd edition'', Princeton University Press p. 106</ref>。ホロタイプ標本の[[大腿骨]]長は85センチメートルに達し、頭骨長は90.5センチメートルと見積られた。パラタイプ標本の頭骨長は80センチメートルと63センチメートルで、体重はそれぞれ596キログラムと493キログラムと推定された<ref name=yutyrannus/>。


記載論文ではユウティラヌスを直接の親戚と区別する表徴形質が確立された。鼻先には正中線上に高い鶏冠があり、この鶏冠は[[鼻骨]]と[[前上顎骨]]で構築され、大きな含気性の窪みに覆われている。{{仮リンク|後眼窩骨|en|Postorbital bone}}は小さな二次突起を持ち、突起は眼下の後ろの曲がり角に向かって突出している。後眼窩骨の主部位の外側はくり抜かれた状態になっている。下顎では、外側に開いた主要な孔である外下顎窓が主に{{仮リンク|上角骨|en|Suprangular}}に位置する<ref name=yutyrannus/>。
ティラノサウルスに対しては[[グアンロン]]ほど遠縁ではないが、[[エオティラヌス]]より更に祖先的な系統であるとされる<ref name="Xu2012"></ref>。


2018年の研究によると、ユウティラヌスの[[舌骨]]は単純な構造であり、[[ワニ]]のように舌が平坦であったことが示唆されている。現生および絶滅種の[[主竜類]]と舌骨が比較され、[[鳥類]]・[[翼竜]]・一部の[[鳥盤類]]を除く全ての主竜類の舌は固定されていると断定された<ref>{{Cite journal | doi=10.1371/journal.pone.0198078| pmid=29924798| pmc=6010247|title = Convergent evolution of a mobile bony tongue in flighted dinosaurs and pterosaurs| journal=PLOS One| volume=13| issue=6| pages=e0198078|year = 2018|last1 = Li|first1 = Zhiheng| last2=Zhou| first2=Zhonghe| last3=Clarke| first3=Julia A.}}</ref>。
== 古生 ==


===食性===
=== 羽毛 ===
[[File:Yutyrannus huali.png|thumb|left|ELDM V1001 に基づいたアーティストのイラスト]]
ユウティラヌスの記載された標本には、印象化石という形で羽毛の直接的証拠がある。羽毛の長さは最大20センチメートルで糸状であった<ref name=yutyrannus/>。ユウティラヌスの化石は良好な保存状態ではあった<ref name=ScientificAmerican>{{Cite journal |和書 |author=スティーヴン・ブルサット |others=[[真鍋真]](監修)、古川奈々子(翻訳協力) |year=2017 |title=王者の系譜 ティラノサウルスの実像 |journal=別冊日経サイエンス よみがえる恐竜 最新研究が明かす姿 |publisher=日経サイエンス社 |pages=31 |id= |isbn=978-4-532-51220-0}}</ref>が、羽毛の糸が単純か複合か、幅広か狭いかは定かになるほどではなかった。羽毛は体の様々な部位を覆っていた。ホロタイプ標本では[[骨盤]]と足の近くの部位に羽毛が生え、標本 ZCDM V5000 では尾の軸から下側に30°の角度で尾の羽毛が後方へ突出した。最も小さい標本では首に20センチメートル、上腕に16センチメートルの羽毛が確認された<ref name=yutyrannus/>。[[ディロング|ディロング・パラドクサス]]が記載された2004年にはティラノサウルス上科に{{仮リンク|リチャード・プラム|en|Richard Prum}}の羽毛類型論で言うところの糸状の"第一段階"の羽毛を持つものがいることは知られていた<ref name=Naish2012>{{Cite journal|date=4 April 2012 |author=Naish, Darren |authorlink=Darren Naish |title=There are giant feathered tyrannosaurs now...right? |url=http://blogs.scientificamerican.com/tetrapod-zoology/2012/04/04/giant-feathered-tyrannosaurs/ |journal=[[Scientific American]] |volume=Tetrapod Zoology Blogs |accessdate=5 April 2012 }}</ref>一方、ユウティラヌス・フアリは現在直接的な羽毛の証拠がある最大の恐竜の種であり、その体重はかつて最も重いとされていた[[ベイピャオサウルス]]の40倍に達した<ref name=yutyrannus/><ref name=csmonitor>{{cite news|last=Welsh|first=Jennifer|title=Humongous fuzzy dinosaur unearthed in China|url=http://www.csmonitor.com/Science/2012/0405/Humongous-fuzzy-dinosaur-unearthed-in-China-video|accessdate=2012-04-05|newspaper=The Christian Science Monitor|date=5 April 2012}}</ref> 。
[[File:Yutyrannus tail feathers.jpg|thumb|羽毛の痕跡がある尾の断片]]
羽毛の分布に基づくと、義県の年間平均気温が10℃という冷涼な気候であったとして、全身を覆う羽毛が体温を一定に保っていた可能性がある。代わりに、ユウティラヌスの発見された地域に生息域が限られていた場合、羽毛はディスプレイに用いられていた可能性がある。さらに、2体の成体の標本の鼻先の中央の鶏冠は派手でかつ両側が波打っており、これはおそらくディスプレイのために用いられていた。大型の基盤的ティラノサウルス上科に羽毛が存在したことにより、後の[[ティラノサウルス科]]もその巨体にも拘わらず成体でも同様に羽毛を持っていた可能性が示唆されている<ref name=yutyrannus/>。しかし、[[ゴルゴサウルス]]や[[タルボサウルス]]および[[ティラノサウルス]]といった[[後期白亜紀]]の様々なティラノサウルス科恐竜からは、ユウティラヌスでは羽毛で覆われていた部位からウロコの皮膚の印象化石が報告されている。ティラノサウルス科に羽毛が存在したことを支持する証拠はなく、進化の過程で二次的にウロコへ進化した可能性があると提唱する研究者もいる<ref name=truth_trex>{{Cite web|author=Brian Switek |date=2013-10-23 |url=http://www.nature.com/news/palaeontology-the-truth-about-t-rex-1.13988 |work=Nature News |title=Palaeontology: The truth about ''T. rex'' |accessdate=2020-03-26 |publisher=Nature Research}}</ref>。もしウロコの皮膚が後の属の表皮の特徴の主流であれば、[[外皮]]の特徴と程度は体サイズや温暖な気候、あるいは他の要因に応じて時と共に変化した可能性がある<ref name=yutyrannus/>。


== 分類 ==
中型のユウティラヌスの可能性のある歯化石が、竜脚類の[[ドングベティタン]]の化石に混ざって発見されている。実はこのドングベティタンの化石自体はユウティラヌスが知られる以前より発見されていた。2012年に本種ユウティラヌスが報告されるまで、同地域からは大型肉食動物が発見されていなかったため、それまで研究者らは歯の持ち主を特定できずにいた。歯の形状は[[シノカリオプテリクス]]や[[ディロング]]と似ているが、前2種は犯人にしては身体が小さすぎた<ref>A sauropod rib with an embedded theropod tooth: direct evidence for feeding behaviour in the Jehol group, China https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/j.1502-3931.2012.00310.x</ref>。
系統解析では、ユウティラヌスはいずれも[[ティラノサウルス上科]]に分類されている。ユウティラヌスと他のティラノサウルス上科との関係の当初の解析ではユウティラヌスは系統樹において[[エオティラヌス]]よりも原始的でディロングや[[グアンロン]]および[[シノティラヌス]]よりも発達的とされた。派生的なティラノサウルス類と比較して相対的に原始的な特徴としては、3本指の長い前肢と、走ることに特化していない短い後肢が挙げられる。派生的な特徴としては、大型で上下に深い頭骨、前上顎骨の外側が上を向く、[[涙骨]]上に大型の楔形の角が眼窩の前方に存在する、眼窩のの縁の後ろに後眼窩突起が存在する、[[鱗状骨]]と{{仮リンク|方形頬骨|en|Quadratojugal bone}}が{{仮リンク|下側頭窓|en|Infratemporal fenestra}}の後縁の大きな突起を形成する、脊椎が短い、[[腸骨]]の上縁が真っ直ぐでかつ丸い突出部が存在する、[[恥骨]]の先端が大きい、[[坐骨]]が細長い、といったものがある<ref name=yutyrannus/>。
[[File:Yutyrannus snout.jpg|thumb|鼻先のクローズアップ]]
2016年にはトーマス・カールとスティーヴン・ブルサットによる系統解析が行われ、ティラノサウルス上科の進化的関係が再調査された。彼らの解析ではユウティラヌスはディロングよりも基盤的であるとされ、[[プロケラトサウルス科]]に位置付けられた<ref name=brusatte&carr2016>{{Cite journal|author1=Brusatte, S.L |author2=Carr, T.D |date=2016-02-02 |journal=[[Scientific Reports]] |volume=6 |issue=20252 |url=https://doi.org/10.1038/srep20252 |doi=10.1038/srep20252 |title=The phylogeny and evolutionary history of tyrannosauroid dinosaurs}}</ref>。以下に[[クラドグラム]]を示す。
{{clade| style=font-size:100%; line-height:100%
|label1=[[プロケラトサウルス科]]
|1={{clade
|1=[[グアンロン]]
|2={{clade
|1=[[プロケラトサウルス]]
|2={{clade
|1=[[キレスクス]]
|2={{clade
|1='''ユウティラヌス'''
|2=[[シノティラヌス]] }} }} }} }} }}


== 脚注 ==
== 古生物学 ==
[[File:Fig 6 yutyrannus.png|thumb|幼体標本 ELDM V1001 の頭骨]]
{{脚注ヘルプ}}
標本の成長段階が様々であるため、ユウティラヌス・フアリの成長の間の変化を決定することができた。成長の間に後肢・足・腸骨・前肢が相対的に小型化した一方、頭骨は上下に深く頑強に成長した<ref name=yutyrannus/>。
{{reflist}}


== 参考文献 ==
== 古環境学 ==
[[File:Dongbeititan and Yutyrannus.jpg|thumb|{{仮リンク|ドンベイティタン|en|Dongbeititan}}を狩るユウティラヌスの群れのイラスト]]
*Xu, X., Wang, K., Zhang, K., Ma, Q., Xing, L., Sullivan, C., Hu, D., Cheng, S., and Wang, S. (2012). "[https://web.archive.org/web/20120417134949/http://www.xinglida.net/pdf/Xu_et_al_2012_Yutyrannus.pdf A gigantic feathered dinosaur from the Lower Cretaceous of China.]" ''Nature'', '''484''': 92-95. {{doi|10.1038/nature10906}}
ユウティラヌスは互いに成長段階の異なる3個体が知られているため、徐星をはじめとする古生物学者はユウティラヌスが群れで狩りを行う動物であると解釈した。3個体の標本が発見されたとされる産地から発見された[[竜脚類]]の化石に基づき、ユウティラヌスは竜脚類を狩っていて、さらにその3個体は狩りの間に死亡した可能性があると徐星は推論した<ref name=Podcast2012>{{cite podcast| url= https://www.nature.com/nature/podcast/index-2012-04-05.html| title=Nature podcast| website=| publisher=Nature| host=Kerri Smith and Adam Levi| date=5 April 2012}}</ref>。加えて、[[マプサウルス]]といった他の竜脚類を狩る[[獣脚類]]も群れで狩りをする習性を示すことが知られている<ref name="coria&currie2006">{{Cite journal |last=Coria |first=R. A. |last2=Currie |first2=P. J. |year=2006 |title=A new carcharodontosaurid (Dinosauria, Theropoda) from the Upper Cretaceous of Argentina |url=https://www.researchgate.net/publication/228655543 |journal=Geodiversitas |volume=28 |issue=1 |pages=71–118 |issn=1280-9659 |id={{CiteSeerX|10.1.1.624.2450}} |via=ResearchGate}}</ref>。しかし、3体のユウティラヌスが死亡した真の原因は不明のままである<ref name=Podcast2012/>。もしユウティラヌスが竜脚類を捕食していたなら、彼らは義県累層から産出した2種類の捕食動物の1つということになる。もう1種類の捕食動物は2012年時点で未記載の中型獣脚類であり、{{仮リンク|ドンベイティタン|en|Dongbeititan}}のホロタイプ標本の肋骨に埋め込まれていた歯から知られている。歯の形状は[[シノカリオプテリクス]]やディロングと似ているが、この2属は犯人にしては体が小さすぎた<ref name=dongbeititan_bite>{{Cite journal|auhtor1=Xing L |author2=Bell, P.R |author3=Currie, P.J |author4=Shibata M |author5=Tseng K |author6=Dong Z |date=2012-04-17 |title=A sauropod rib with an embedded theropod tooth: direct evidence for feeding behaviour in the Jehol group, China |url=https://doi.org/10.1111/j.1502-3931.2012.00310.x |doi=10.1111/j.1502-3931.2012.00310.x |journal=Lethaia |volume=45 |issue=4 |pages=500-506}}</ref>。


ユウティラヌスの産地が定かでないため、ユウティラヌスと共存していた動物相の構成は不明である。年代推定ではユウティラヌスの標本の起源は義県累層尖山溝部層あるいは陸家屯部層であると暗示されており、そうであれば[[プシッタコサウルス]]や{{仮リンク|ドンベイティタン|en|Dongbeititan}}、[[シノサウロプテリクス]]、[[カウディプテリクス]]と同時期に生息したということになる。{{仮リンク|リコプテラ|en|Lucoptera}}といった魚類も繁栄していた。また[[球果植物門]]の[[裸子植物]]と[[水域]]が広がっていたとされる。環境は現在の[[カナダ]]の[[ブリティッシュコロンビア州]]の[[温帯雨林]]と対比でき、気温は季節により大きく変動したと推測される。火山噴火や森林火災が義県ではよく起きていたと見られている<ref name="zhou2006">{{cite journal | last1 = Zhou | first1 = Z | year = 2006 | title = Evolutionary radiation of the Jehol Biota: chronological and ecological perspectives | doi = 10.1002/gj.1045 | journal = Geological Journal | volume = 41 | issue = 3–4| pages = 377–393 | url = https://semanticscholar.org/paper/805de3d850b14b99733e76dc24ee19a83cb97d7e }}</ref>。当時の遼寧省では1億3000万年前から1億2000万年前にかけて複数回の火山噴火が起き、それに由来する泥や火山灰に埋没した化石が多数産出している。ユウティラヌスと同じティラノサウルス上科ではディロングも同様の例にあたる<ref name=ScientificAmerican/>。
== 関連項目 ==

{{Wikispecies|Yutyrannus}}
== 出典 ==
* [[恐竜の一覧]]
{{Reflist|2}}
* [[絶滅した動物一覧]]


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[[Category:羽毛恐竜]]
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{{Dinosaur-stub}}

2020年3月27日 (金) 21:20時点における版

ユウティラヌス
Yutyrannus hualiの復元図の一例
若齢個体の標本 ELDM V1001 に基づく
保全状況評価
絶滅(化石
地質時代
中生代前期白亜紀,約1億2460万年前
124.6 Ma
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜形下綱 Archosauromorpha
上目 : 恐竜上目 Dinosauria
: 竜盤目 Saurischia
亜目 : 獣脚亜目 Theropoda
下目 : テタヌラ下目 Tetanurae
階級なし : (未整理)コエルロサウルス類 Coelurosauria
上科 : ティラノサウルス上科 Tyrannosauroidea
: ? プロケラトサウルス科 Proceratosauridae
: ユウティラヌス属 Yutyrannus
学名
Yutyrannus
Xu et al., 2012
タイプ種
Yutyrannus huali Xu et al., 2012
和名
ユウティラヌス
英名
Yutyrannus
下位分類(
  • ユウティラヌス・フアリ
    Y. huali Xu ‘’et al’’., 2012 (模式種)

ユウティラヌスもしくはユティランヌス学名: Yutyrannus、「羽毛の生えた暴君」の意)は、ティラノサウルス上科恐竜の1属。ユウティラヌス・フアリ (Yutyrannus huali) ただ1種のみが知られており、前期白亜紀に現在の中華人民共和国北東部に生息していた[1]遼寧省より3個体が発見されている。全身に羽毛が生えていた直接的な証拠が保存されている、2012年時点で知られている中では最大の獣脚類である[2]

発見と命名

化石の展示

ユウティラヌス・フアリは2012年春に徐星らによって新属新種として学術的に命名・記載された。属名は中国語北方方言の「羽(yǔ)」とラテン語化したギリシャ語の「tyrannus=暴君」に由来するように、羽毛の生えたティラノサウルス上科の羽毛の生えた属として分類されることを反映している。種小名は北方方言の「華麗(huá lì)」から由来し、羽毛が美しく保存されていたことを反映する[1]

ユウティラヌス3個体はそれぞれ異なる成長段階(成体・亜成体・幼体)にあるぼぼ完全な化石標本であり、これらを入手した化石商人は中国の遼寧省の巴图营乡 (Batu Yingzi) に位置する同一の採石場から3個体とも産出したと主張した。おそらくは約1億2500万年前のアプチアン期に相当する義県累層で発見されたものである[1]。標本はバスマットの大きさ程度にカットされ、2人組で運べるようにされた[3]

ホロタイプ標本 ZCDM V5000 は最も大きい標本で、スラブで圧縮されてはいるものの、頭骨の備わったほぼ完全な成体の骨格である。パラタイプ標本は残り2つの標本である。ZCDM V5001 はより小型の個体の骨格およびホロタイプ標本と同じスラブの一部で構成されている。ELDM V1001 はホロタイプ標本よりも8歳若いと推定された幼体である。これらの化石は徐星の指導の下で中国科学院古脊椎動物古人類学研究所が製作し、諸城恐竜博物館とエレンホト恐竜博物館のコレクションの一つに加えられている[1]

形態

ヒトとの大きさ比較

ユウティラヌスは大型の二足歩行の捕食動物だった。3個体のうち仙椎の癒合の具合などから最高齢と目されるホロタイプ標本は、記載論文で全長9メートル、体重1414キログラムと推定された[1]。2016年にはグレゴリー・ポールが全長7.5メートル、体重1.1トンと下方修正した推定値を発表した[4]。ホロタイプ標本の大腿骨長は85センチメートルに達し、頭骨長は90.5センチメートルと見積られた。パラタイプ標本の頭骨長は80センチメートルと63センチメートルで、体重はそれぞれ596キログラムと493キログラムと推定された[1]

記載論文ではユウティラヌスを直接の親戚と区別する表徴形質が確立された。鼻先には正中線上に高い鶏冠があり、この鶏冠は鼻骨前上顎骨で構築され、大きな含気性の窪みに覆われている。後眼窩骨英語版は小さな二次突起を持ち、突起は眼下の後ろの曲がり角に向かって突出している。後眼窩骨の主部位の外側はくり抜かれた状態になっている。下顎では、外側に開いた主要な孔である外下顎窓が主に上角骨英語版に位置する[1]

2018年の研究によると、ユウティラヌスの舌骨は単純な構造であり、ワニのように舌が平坦であったことが示唆されている。現生および絶滅種の主竜類と舌骨が比較され、鳥類翼竜・一部の鳥盤類を除く全ての主竜類の舌は固定されていると断定された[5]

羽毛

ELDM V1001 に基づいたアーティストのイラスト

ユウティラヌスの記載された標本には、印象化石という形で羽毛の直接的証拠がある。羽毛の長さは最大20センチメートルで糸状であった[1]。ユウティラヌスの化石は良好な保存状態ではあった[6]が、羽毛の糸が単純か複合か、幅広か狭いかは定かになるほどではなかった。羽毛は体の様々な部位を覆っていた。ホロタイプ標本では骨盤と足の近くの部位に羽毛が生え、標本 ZCDM V5000 では尾の軸から下側に30°の角度で尾の羽毛が後方へ突出した。最も小さい標本では首に20センチメートル、上腕に16センチメートルの羽毛が確認された[1]ディロング・パラドクサスが記載された2004年にはティラノサウルス上科にリチャード・プラム英語版の羽毛類型論で言うところの糸状の"第一段階"の羽毛を持つものがいることは知られていた[7]一方、ユウティラヌス・フアリは現在直接的な羽毛の証拠がある最大の恐竜の種であり、その体重はかつて最も重いとされていたベイピャオサウルスの40倍に達した[1][8]

羽毛の痕跡がある尾の断片

羽毛の分布に基づくと、義県の年間平均気温が10℃という冷涼な気候であったとして、全身を覆う羽毛が体温を一定に保っていた可能性がある。代わりに、ユウティラヌスの発見された地域に生息域が限られていた場合、羽毛はディスプレイに用いられていた可能性がある。さらに、2体の成体の標本の鼻先の中央の鶏冠は派手でかつ両側が波打っており、これはおそらくディスプレイのために用いられていた。大型の基盤的ティラノサウルス上科に羽毛が存在したことにより、後のティラノサウルス科もその巨体にも拘わらず成体でも同様に羽毛を持っていた可能性が示唆されている[1]。しかし、ゴルゴサウルスタルボサウルスおよびティラノサウルスといった後期白亜紀の様々なティラノサウルス科恐竜からは、ユウティラヌスでは羽毛で覆われていた部位からウロコの皮膚の印象化石が報告されている。ティラノサウルス科に羽毛が存在したことを支持する証拠はなく、進化の過程で二次的にウロコへ進化した可能性があると提唱する研究者もいる[9]。もしウロコの皮膚が後の属の表皮の特徴の主流であれば、外皮の特徴と程度は体サイズや温暖な気候、あるいは他の要因に応じて時と共に変化した可能性がある[1]

分類

系統解析では、ユウティラヌスはいずれもティラノサウルス上科に分類されている。ユウティラヌスと他のティラノサウルス上科との関係の当初の解析ではユウティラヌスは系統樹においてエオティラヌスよりも原始的でディロングやグアンロンおよびシノティラヌスよりも発達的とされた。派生的なティラノサウルス類と比較して相対的に原始的な特徴としては、3本指の長い前肢と、走ることに特化していない短い後肢が挙げられる。派生的な特徴としては、大型で上下に深い頭骨、前上顎骨の外側が上を向く、涙骨上に大型の楔形の角が眼窩の前方に存在する、眼窩のの縁の後ろに後眼窩突起が存在する、鱗状骨方形頬骨下側頭窓の後縁の大きな突起を形成する、脊椎が短い、腸骨の上縁が真っ直ぐでかつ丸い突出部が存在する、恥骨の先端が大きい、坐骨が細長い、といったものがある[1]

鼻先のクローズアップ

2016年にはトーマス・カールとスティーヴン・ブルサットによる系統解析が行われ、ティラノサウルス上科の進化的関係が再調査された。彼らの解析ではユウティラヌスはディロングよりも基盤的であるとされ、プロケラトサウルス科に位置付けられた[10]。以下にクラドグラムを示す。

プロケラトサウルス科

グアンロン

プロケラトサウルス

キレスクス

ユウティラヌス

シノティラヌス

古生物学

幼体標本 ELDM V1001 の頭骨

標本の成長段階が様々であるため、ユウティラヌス・フアリの成長の間の変化を決定することができた。成長の間に後肢・足・腸骨・前肢が相対的に小型化した一方、頭骨は上下に深く頑強に成長した[1]

古環境学

ドンベイティタン英語版を狩るユウティラヌスの群れのイラスト

ユウティラヌスは互いに成長段階の異なる3個体が知られているため、徐星をはじめとする古生物学者はユウティラヌスが群れで狩りを行う動物であると解釈した。3個体の標本が発見されたとされる産地から発見された竜脚類の化石に基づき、ユウティラヌスは竜脚類を狩っていて、さらにその3個体は狩りの間に死亡した可能性があると徐星は推論した[11]。加えて、マプサウルスといった他の竜脚類を狩る獣脚類も群れで狩りをする習性を示すことが知られている[12]。しかし、3体のユウティラヌスが死亡した真の原因は不明のままである[11]。もしユウティラヌスが竜脚類を捕食していたなら、彼らは義県累層から産出した2種類の捕食動物の1つということになる。もう1種類の捕食動物は2012年時点で未記載の中型獣脚類であり、ドンベイティタン英語版のホロタイプ標本の肋骨に埋め込まれていた歯から知られている。歯の形状はシノカリオプテリクスやディロングと似ているが、この2属は犯人にしては体が小さすぎた[13]

ユウティラヌスの産地が定かでないため、ユウティラヌスと共存していた動物相の構成は不明である。年代推定ではユウティラヌスの標本の起源は義県累層尖山溝部層あるいは陸家屯部層であると暗示されており、そうであればプシッタコサウルスドンベイティタン英語版シノサウロプテリクスカウディプテリクスと同時期に生息したということになる。リコプテラ英語版といった魚類も繁栄していた。また球果植物門裸子植物水域が広がっていたとされる。環境は現在のカナダブリティッシュコロンビア州温帯雨林と対比でき、気温は季節により大きく変動したと推測される。火山噴火や森林火災が義県ではよく起きていたと見られている[14]。当時の遼寧省では1億3000万年前から1億2000万年前にかけて複数回の火山噴火が起き、それに由来する泥や火山灰に埋没した化石が多数産出している。ユウティラヌスと同じティラノサウルス上科ではディロングも同様の例にあたる[6]

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n Xu, X; Wang, K.; Zhang, K (2012). “A gigantic feathered dinosaur from the Lower Cretaceous of China”. Nature 484 (7392): 92–95. doi:10.1038/nature10906. PMID 22481363. オリジナルの2012-04-17時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20120417134949/http://www.xinglida.net/pdf/Xu_et_al_2012_Yutyrannus.pdf. 
  2. ^ Wilford, John N (4 April 2012). “Bus-Size Dinosaurs, as Fuzzy as Chicks”. The New York Times. https://www.nytimes.com/2012/04/05/science/dinosaur-dig-in-china-turns-up-largest-known-feathered-animal.html 
  3. ^ Zimmer, Carl (4 April 2012). “The One-Ton Turkey: Further Adventures in Slow-Cooked Science”. Discover The Loom. http://blogs.discovermagazine.com/loom/2012/04/04/the-one-ton-turkey-further-adventures-in-slow-cooked-science/ 7 April 2012閲覧。. 
  4. ^ Paul, G.S., 2016, The Princeton Field Guide to Dinosaurs 2nd edition, Princeton University Press p. 106
  5. ^ Li, Zhiheng; Zhou, Zhonghe; Clarke, Julia A. (2018). “Convergent evolution of a mobile bony tongue in flighted dinosaurs and pterosaurs”. PLOS One 13 (6): e0198078. doi:10.1371/journal.pone.0198078. PMC 6010247. PMID 29924798. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6010247/. 
  6. ^ a b スティーヴン・ブルサット「王者の系譜 ティラノサウルスの実像」『別冊日経サイエンス よみがえる恐竜 最新研究が明かす姿』、日経サイエンス社、2017年、31頁、ISBN 978-4-532-51220-0 
  7. ^ Naish, Darren (4 April 2012). “There are giant feathered tyrannosaurs now...right?”. Scientific American Tetrapod Zoology Blogs. http://blogs.scientificamerican.com/tetrapod-zoology/2012/04/04/giant-feathered-tyrannosaurs/ 5 April 2012閲覧。. 
  8. ^ Welsh, Jennifer (5 April 2012). “Humongous fuzzy dinosaur unearthed in China”. The Christian Science Monitor. http://www.csmonitor.com/Science/2012/0405/Humongous-fuzzy-dinosaur-unearthed-in-China-video 2012年4月5日閲覧。 
  9. ^ Brian Switek (2013年10月23日). “Palaeontology: The truth about T. rex”. Nature News. Nature Research. 2020年3月26日閲覧。
  10. ^ Brusatte, S.L; Carr, T.D (2016-02-02). “The phylogeny and evolutionary history of tyrannosauroid dinosaurs”. Scientific Reports 6 (20252). doi:10.1038/srep20252. https://doi.org/10.1038/srep20252. 
  11. ^ a b Kerri Smith and Adam Levi (5 April 2012). "Nature podcast" (Podcast). Nature.
  12. ^ Coria, R. A.; Currie, P. J. (2006). “A new carcharodontosaurid (Dinosauria, Theropoda) from the Upper Cretaceous of Argentina”. Geodiversitas 28 (1): 71–118. ISSN 1280-9659. CiteSeerx10.1.1.624.2450. https://www.researchgate.net/publication/228655543. 
  13. ^ “A sauropod rib with an embedded theropod tooth: direct evidence for feeding behaviour in the Jehol group, China”. Lethaia 45 (4): 500-506. (2012-04-17). doi:10.1111/j.1502-3931.2012.00310.x. https://doi.org/10.1111/j.1502-3931.2012.00310.x. 
  14. ^ Zhou, Z (2006). “Evolutionary radiation of the Jehol Biota: chronological and ecological perspectives”. Geological Journal 41 (3–4): 377–393. doi:10.1002/gj.1045. https://semanticscholar.org/paper/805de3d850b14b99733e76dc24ee19a83cb97d7e.