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「ツィゴイネルワイゼン」の版間の差分

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== その他 ==
== その他 ==
サラサーテ自身が演奏した[[1904年]]録音のレコードが残されている。この録音には、途中でサラサーテの声とも言われる謎の呟き声が入っていることで知られる。一説によれば、サラサーテ本人がレコードの録音許容時間をオーバーしそうなことに気付き、伴奏のピアニストに途中を端折って演じるよう指示したものという(20世紀初頭のレコード吹込み時間は短く、また録音原盤自体が修正録音のできない一発録りのディスク媒体であった時代で、後年なら雑音としてカットされるような小声もカットできないまま販売に至ってしまった)。
サラサーテ自身が演奏した[[1904年]]録音のレコードが残されている。この録音には、途中でサラサーテの声とも言われる謎の呟き声が入っていることで知られる。一説によれば、サラサーテ本人がレコードの録音許容時間をオーバーしそうなことに気付き、伴奏のピアニストに途中を端折って演じるよう指示したものという(20世紀初頭のレコード吹込み時間は短く、また録音原盤自体が修正録音のできない一発録りのディスク媒体であった時代で、後年なら雑音としてカットされるような小声もカットできないまま販売に至ってしまった)。
* 上記のレコードの呟き声をモチーフとし、[[内田百間|内田百{{CP932フォント|閒}}]]は1947年に短編小説「サラサーテの盤」を書いた。この小説を元に[[鈴木清順]は幻想的かつ異様な怪奇性を伴った映画「[[ツィゴイネルワイゼン (映画) |ツィゴイネルワイゼン]]」を制作している。
* 上記のレコードの呟き声をモチーフとし、[[内田百間|内田百{{CP932フォント|閒}}]]は1947年に短編小説「サラサーテの盤」を書いた。この小説を元に[[鈴木清順]]は幻想的かつ異様な怪奇性を伴った映画「[[ツィゴイネルワイゼン (映画) |ツィゴイネルワイゼン]]」を制作している。


曲の有名さと劇的な展開を活かし、以下のように[[フィギュアスケート]]のプログラムに使用されている。
曲の有名さと劇的な展開を活かし、以下のように[[フィギュアスケート]]のプログラムに使用されている。

2019年9月29日 (日) 00:00時点における版

ツィゴイネルワイゼン』(:Zigeunerweisen )作品20は、スペイン生まれのヴァイオリニストであるサラサーテが作曲、1878年に完成した管弦楽伴奏付きのヴァイオリン独奏曲である[1]

概説

本作は派手で劇的でありながら哀感を持ち合わせる技巧的なヴァイオリン曲として知られる。題名は「ジプシーロマ)の旋律」という意味である[1]ドイツ語では「ツィゴイナ(ー)ヴァイゼン」とするほうが現代の発音に近く、また日本語ではチゴイネルワイゼン、またはチゴイナーワイゼンとも表記される(なお日本語の題名表記は語尾の「-er」を母音化させない古典的な舞台ドイツ語の発音を基にしたものである)。 いくつかのハンガリー民謡大衆音楽旋律を組み合わせて作曲されている。オリジナルはヴァイオリンと管弦楽であるが、ヴァイオリンとピアノで演奏する機会も多い。作曲者本人による録音が残されている[2]

出版はライプツィヒのゼンフ社[3]社により、そのオリジナル版は、その後ジムロックに買い取られたが、ヴァイオリンパートはほどなくアウグスト・ヴィルヘルム[4]校訂のものに差し替えられ、現在に至っている。現在入手の容易なブラウド・ブラザーズ[5]、カール・フィッシャー[6]、エドウィン・F・カルムス[7]等の再版スコアはいずれもゼンフまたはジムロックを基にしたものである。

編成

独奏ヴァイオリンフルート2、オーボエ2、クラリネット2(B♭管)、ファゴット2、ホルン2(F管)トランペット2(F管)、ティンパニトライアングル(ad libitum/任意)、弦5部

構成

協奏曲の3楽章に相当する3部からなる。演奏時間は約8分。

  • Moderato - Lento
    ハ短調、4分の4拍子。悲しげながらも堂々とした旋律。管弦楽の斉奏のあと独奏が主題を表す。非常に装飾音符が多く、見せ場には事欠かない。
  • Un poco più lento
    ハ短調、4分の2拍子。いわゆる逆付点(16分音符+付点8分音符のリズム)が印象的な旋律を、弱音器を付けたヴァイオリンが奏でる。ハンガリー民謡にそのまま題材をとっている。「ジプシーの月」というタイトルでポピュラー・ソングとしてもヒットしている。
  • Allegro molto vivace
    イ短調、4分の2拍子。いきなり急速なテンポとなる。通常の右手のピチカートと技巧的な左手のピチカートを併用する。日本では商業放送にまれに登場する。この部分の旋律は、フランツ・リストが『ハンガリー狂詩曲第13番』で用いている。

その他

サラサーテ自身が演奏した1904年録音のレコードが残されている。この録音には、途中でサラサーテの声とも言われる謎の呟き声が入っていることで知られる。一説によれば、サラサーテ本人がレコードの録音許容時間をオーバーしそうなことに気付き、伴奏のピアニストに途中を端折って演じるよう指示したものという(20世紀初頭のレコード吹込み時間は短く、また録音原盤自体が修正録音のできない一発録りのディスク媒体であった時代で、後年なら雑音としてカットされるような小声もカットできないまま販売に至ってしまった)。

  • 上記のレコードの呟き声をモチーフとし、内田百は1947年に短編小説「サラサーテの盤」を書いた。この小説を元に鈴木清順は幻想的かつ異様な怪奇性を伴った映画「ツィゴイネルワイゼン」を制作している。

曲の有名さと劇的な展開を活かし、以下のようにフィギュアスケートのプログラムに使用されている。

羽生結弦 - 2010-11シーズン、フリースケーティング
申雪/趙宏博 - 1997-98・1998-99シーズン、ショートプログラム
友野一希 - 2017-18シーズン、ショートプログラム
キャロライン・ジャン - 2009-10シーズン、ショートプログラム
アグネス・ザワツキー - 2010-11シーズン、フリースケーティング

大衆的にも知名度の高い曲であることから、コントテレビコマーシャルテレビアニメーションでは効果音的なネタとして多用されている。

脚注