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「超選択的気管支動脈塞栓術」の版間の差分

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*'''Bronchial artery embolization to control hemoptysis in patients with Mycobacterium avium complex.''' Okuda K, Masuda K, Kawashima,et al Center for Respiratory diseases, National Hospital Organization Tokyo National Hospital, Tokyo, Japan Respir Investig. 2016 Jan;54(1):50-8. doi: 10.1016/j.resinv.2015.08.004. Epub 2015 Oct 23.
*'''Bronchial artery embolization to control hemoptysis in patients with Mycobacterium avium complex.''' Okuda K, Masuda K, Kawashima,et al Center for Respiratory diseases, National Hospital Organization Tokyo National Hospital, Tokyo, Japan Respir Investig. 2016 Jan;54(1):50-8. doi: 10.1016/j.resinv.2015.08.004. Epub 2015 Oct 23.
*'''Clinical and Angiographic Characteristics of 35 Patients With Cryptogenic Hemoptysis''' Ando T, Kawashima M, Masuda K, Takeda K, Okuda K, Suzuki J, Ohshima N, Matsui H, Tamura A, Nagai H, Akagawa S, Ohta K. CHEST , Volume 152 , Issue 5 , 1008 - 1014
*'''Clinical and Angiographic Characteristics of 35 Patients With Cryptogenic Hemoptysis''' Ando T, Kawashima M, Masuda K, Takeda K, Okuda K, Suzuki J, Ohshima N, Matsui H, Tamura A, Nagai H, Akagawa S, Ohta K. CHEST , Volume 152 , Issue 5 , 1008 - 1014
*'''A Stepwise Embolization Strategy for a Bronchial Arterial Aneurysm: Proximal Coil and Distal Glue with the Optional Use of a Microballoon Occlusion System.''' Mine T, Matsumoto T, Hayashi T, Tomita K, Masuda K, Kawashima M, Sakamaki F, Hasebe T. Cardiovasc Intervent Radiol. 2018 Aug;41(8):1267-1273. doi: 10.1007/s00270-018-1969-1. Epub 2018 Apr 23. PMID: 29687263
*'''A Stepwise Embolization Strategy for a Bronchial Arterial Aneurysm: Proximal Coil and Distal Glue with the Optional Use of a Microballoon Occlusion System.''' Mine T, Matsumoto T, Hayashi T, Tomita K, Masuda K, Kawashima M, Sakamaki F, Hasebe T. Cardiovasc Intervent Radiol. 2018 Aug;41(8):1267-1273. doi: 10.1007/s00270-018-1969-1. Epub 2018 Apr 23. PMID 29687263
*'''Exacerbation of chronic pulmonary aspergillosis was associated with a high rebleeding rate after bronchial artery embolization.''' Ando T, Kawashima M, Masuda K, Takeda K, Okuda K, Suzuki J, Ohshima N, Horibe M, Tamura A, Nagai H, Matsui H, Ohta K. Respir Investig. 2019 May;57(3):260-267. doi: 10.1016/j.resinv.2018.12.009. Epub 2019 Jan 25. PubMed PMID: 30692051.
*'''Exacerbation of chronic pulmonary aspergillosis was associated with a high rebleeding rate after bronchial artery embolization.''' Ando T, Kawashima M, Masuda K, Takeda K, Okuda K, Suzuki J, Ohshima N, Horibe M, Tamura A, Nagai H, Matsui H, Ohta K. Respir Investig. 2019 May;57(3):260-267. doi: 10.1016/j.resinv.2018.12.009. Epub 2019 Jan 25. PubMed PMID 30692051.
*'''A case of recurrent hemoptysis caused by pulmonary actinomycosis diagnosed using transbronchial lung biopsy after bronchial artery embolism and a brief review of the literature.''' Suzuki M, Araki K, Matsubayashi S, Kobayashi K, Morino E, Takasaki J, Iikura M, Izumi S, Takeda Y, Sugiyama H. Ann Transl Med. 2019 Mar;7(5):108. doi: 10.21037/atm.2019.02.11. PubMed PMID: 31019958; PubMed Central PMCID: PMC6462664.
*'''A case of recurrent hemoptysis caused by pulmonary actinomycosis diagnosed using transbronchial lung biopsy after bronchial artery embolism and a brief review of the literature.''' Suzuki M, Araki K, Matsubayashi S, Kobayashi K, Morino E, Takasaki J, Iikura M, Izumi S, Takeda Y, Sugiyama H. Ann Transl Med. 2019 Mar;7(5):108. doi: 10.21037/atm.2019.02.11. PubMed PMID 31019958; PubMed Central PMCID: PMC6462664.


'''日本語文献'''
'''日本語文献'''

2019年7月29日 (月) 00:03時点における版

超選択的気管支動脈塞栓術(ちょうせんたくてききかんしどうみゃくそくせんじゅつ)もしくは気管支動脈塞栓術(きかんしどうみゃくそくせんじゅつ)は、BAE (Bronchial artery embolization) と略称される、喀血に対する治療法である。カテーテルを用いて出血源である気管支動脈などを塞栓(ゼラチンスポンジ・polyvinyl alcohol(PVA)などの粒子状塞栓物質、NBCAなどの液状塞栓物質、金属コイル等によって詰める)することにより止血するカテーテルインターベンション(カテーテル治療)の1種である。

基本原理

気管支動脈が肺動脈に異常吻合(気管支動脈ー肺動脈シャント)を形成していることにより喀血が起こるとされており、出血源である気管支動脈を詰めてしまえば喀血は起きなくなるというのがこの治療法の基本コンセプトである。緊急止血目的の場合と、大量喀血後の再発予防や慢性反復性喀血のに対する待機的治療とがある。気管支動脈塞栓術という名称であるが、特発性喀血症以外の疾患は、気管支動脈以外の動脈(non-bronchial systemic artery) も、肺動脈とシャントを形成して出血責任血管となっていることが多く、これらをすべて塞栓対象とすることが一般的であり、気管支動脈塞栓術という治療名称と乖離が生じてきてはいるが、動脈塞栓術というより普遍的表現よりも気管支動脈塞栓術BAEという表現が慣用的に使用されてることが通例である。こうした気管支動脈以外への動脈に治療対象を広げていることや、MDCTの出現による3DCTアンギオの発達、コイルやマイクロカテーテルなど使用デバイスの進歩、治療戦略の進化などの複合的背景により、治療成績が飛躍的に向上している。基礎疾患により成績が大きく左右されるが、一部の high volume centerでは治療後1年間で90.4%程度、治療後2年間でも85.9%の止血率を報告している[1]。いわゆる終末動脈によって栄養されている 脳、心臓や腎臓においては血管が詰まると脳梗塞、心筋梗塞や腎梗塞を発症することになるが、気管支動脈を塞栓しても気管支粘膜壊死や肺梗塞を起こさない理由は、肺循環が気管支動脈と肺動脈の二重支配になっており、気管支動脈の血流がなくなっても肺動脈からわずかな血流が保たれるためであると考えられている。そのほかの喀血関連血管(non-bronchial arteries)についても、何らかの側副血行路が発達してくることが経験的にわかっている。なお肺動脈から直接出血する場合もまれ(5%以下)にあり、これに対してはこの治療法は無効であり肺動脈の塞栓が必要である。喀血が(気管支)動脈ー肺動脈シャント機序によって説明できるのはおよそ95%程度とされている。これは言い換えると喀血の95%にはBAEが有効である、ということになる。

治療対象

気管支拡張症・非結核性抗酸菌症・特発性喀血症・肺アスペルギルス症・肺結核後遺症など、ほとんどの疾患の喀血治療に有効である。489例の喀血患者を対象としたBAEの長期治療成績を報告した岸和田リハビリテーション病院 喀血・肺循環センターの Ishikawa.Hらによるとそれぞれの比率は、34.0%、23.5%、18.4%、13.3%、6.8%である[1]。BAEが有効なその他の疾患としては、肺膿瘍や肺放線菌症[2]などの報告もある。

肺癌については、気管支動脈-肺動脈シャント機序による喀血ではなく、腫瘍自体からのoozing的な(滲むような)出血であることがほとんどであり、栄養血管の塞栓により腫瘍の梗塞壊死が生じて逆に大喀血をきたすリスクがあり、また完全に栄養血管を閉塞させるとその後の化学療法や血管内治療ができない(抗がん剤が到達するルートがなくなる)などの問題もあり、通常のBAEとは違う戦略が必要となる。元 岸和田リハビリテーション病院 喀血・肺循環センターの国定[3]が肺癌の血管内治療について、また元 岸和田リハビリテーション病院 がんのカテーテル治療センター(現 吹田徳洲会病院 腫瘍内科)のSeki[4]らが、肺癌の喀血に対する血管内治療の有用性を報告している。

治療手技詳細

2ミリ弱の太さのカテーテルを、足の付け根(大腿動脈)または手首の動脈(橈骨動脈)から挿入し、気管支動脈(正常であれば1mm未満であるが、喀血患者では1mm~3mm程度に拡張蛇行していることがほとんどである)やその他の喀血関連血管にその先端を挿入する。造影剤を注入し、喀血に関与した血管である所見(拡張・蛇行・肺動脈へのシャントなど、特発性喀血症においては毛細血管増生のみが多い)が確認されれば、カテーテルの中に、さらに細いマイクロカテーテル(0.8mm程度)を通し、喀血関連血管の中に進め、適切な部位で塞栓物質を注入・留置し塞栓する。出血の原因となっている血管を塞栓し、高圧系である体循環から低圧系である肺循環へのシャント(異常吻合)にかかる圧を減圧することにより止血をする方法である。

局所麻酔で実施され、所要時間は1時間から3時間程度である。

治療手技の詳細については岸和田リハビリテーション病院 喀血・肺循環センター Ishikawaらの下記論文を参照されたい。

有効性

かつては再喀血率が高いと考えられていたが、治療技術や治療デバイスの向上により、一時的止血のみならず永久的な止血が可能となってきている。

実施可能施設が少なく、また症例数や治療成績などについての施設間格差が大きい。放射線科のIVR医が実施している施設[5]がほとんどであるが、近年呼吸器内科医がBAEを実施する専門施設・high volume centerが出現してきている[1][6]。特発性喀血症とは特に有効性が高い。東京病院のAndoらの研究においても、止血率は20ヶ月で97%と下記の岸和田リハビリテーション病院 喀血・肺循環センターの成績と同等である[7]。同論文においてAndoらは、特発性喀血症の22.9%に置いては微小気管支動脈瘤が関与していると述べている。

肺アスペルギルス症は超選択的気管支動脈塞栓術の有効性が低く、かつてはこの治療法の対象外(適応外)とも考えられていたが、近年止血率が向上している。肺アスペルギルス症のBAE後再喀血については、東京病院のAndoらは、疾患の増悪例において再喀血率が有意に高いことを示した[8]

以下にIshikawaらの長期成績論文の、基礎疾患別止血率を示す。この論文では、再喀血と死亡をcomposite endpointとしており、このうち再喀血だけを示したのが以下の表である。本来3年間の長期成績データであるが、特発性喀血症以外については3年目はいわゆる number at riskが少なく、言い換えると95%信頼区間が広すぎるため、統計的に信頼できない数値としてここでは掲示しなかったが、3年止血率のうち唯一信頼性の高い特発性喀血症については97.8%と非常に高い数値であることが印象的である[1]。2年後止血率の一番低いのが、非結核性抗酸菌症であるが、東京病院のOkudaらの報告でも73.8%と同程度の成績であり[6]、これは非結核性抗酸菌症が進行性の疾患であることを反映しているものと考えられる。

基礎疾患別止血率[1]
基礎疾患 1年間止血率 2年間止血率
全疾患 90.4% 85.9%
気管支拡張症 87.6% 85.1%
非結核性抗酸菌症 89.0% 75.9%
特発性喀血症 97.8% 97.8%
肺アスペルギルス症 86.4% 82.1%
肺結核後遺症 91.3% 85.3%

再喀血があれば基本的には何度でも再施行が可能である。

なお副次的効果として、岸和田リハビリテーション病院のIshikawaらは、BAEにより喀痰が70%の患者において減少することを2009年ごろより主張しているが、定量化が難しいことに加え、喀痰減少自体は超soft endpointにすぎないということで、臨床研究は計画されていない。QOL改善に大きな好影響を与える場合がある。

塞栓物質

PVA、NBCA、ゼラチンスポンジ、金属コイルなどがある。

PVA

ソウル大学のWooらは、PVA293例、NBCA113例、計406例のBAE長期成績を報告している[9]。海外では頻用されるが、我が国では保険適用になっておらず使用できない。

NBCA

医療用瞬間接着剤の一種である。一般的には、ターゲットでない血管の誤塞栓やカテーテルの血管壁接着など合併症が多く、訴訟も多いことで知られる塞栓物質であるが、上記のソウル大学のWooらは報告では合併症は非常に少ない[9]

安価であること、瞬時に固まること、患者の血栓形成に依存しないため再開通が非常に少ないことなど利点も多い。我が国では、動脈内投与が保険で認められていないが、IVR学会が詳細なガイドラインを出版しており、各施設の倫理委員会で保険適応外使用の許可を得て使用されているのが現状である。外傷性の出血のコントロールにはもっとも良い適応であると思われる。また、BAEにおいてもマイクロカテーテルが到達しない末梢型気管支動脈瘤については、非常に良い適応であり、東海大学八王子病院のHasebeらがバルーンを併用したB-glueという技術を報告している[5]

ゼラチンスポンジGS

基本的には一過性塞栓物質であり、1〜2週間で溶解し血流が再開してしまうことがほとんどである。このため、BAEのかつてのような位置付けである、手術までの姑息的治療という緊急止血目的であれば意味があるが、大喀血の再発予防や慢性反復性喀血に対する待機的BAEに使用するのは、永久止血を目指す意図とそぐわないと考えられる。BAEに関しては、明らかにエビデンスの乏しい塞栓物質であるが、我が国では未だ頻用されている。

金属コイル

プラチナ性の血管塞栓用コイルであり、廉価であるがその構造上押し出すことしかできず、やり直し効かない pushable coilと、比較的廉価でやり直し留置が可能な機械式 detachable coilと、高価だが安全かつより精緻なコントロールが可能な電気離脱式コイルの3種類がある。岸和田リハビリテーション病院喀血・肺循環センターのIshikawaらは、金属コイルによるBAEをssBACE(エスエスベイス)と命名し、世界最多症例数のBAE長期成績論文を2017年に発表している[1]。下記のように、重篤な合併症である脊髄虚血の報告が一例もない。

なお、金属コイルでBAEを一回実施すると再治療ができないという風説が一部に流布しているが、Ryuge/Ishikawaらは、2018年に出版した再喀血機序を論ずるEuropean Radiologyの論文の中で、再喀血に対する再BAEにおける手技的成功率が97.7%に達していることを示している[10]


再喀血メカニズム

再喀血機序の比率

岸和田リハビリテーション病院 喀血・肺循環センターのRyuge/Ishikawaらは、金属コイルによるssBACE後の再喀血メカニズムを以下のように、4つに分類し、それぞれの比率を示し、今後ssBACEの長期成績をさらに向上させるには再開通を抑制することが課題であることを示した[10]

なお以下の再開通45.2%という数値を、使用したコイルの45%が再開通するものと大きく誤解する向きがあるが、これはあくまで再喀血患者における再喀血メカニズムの比率であって、そもそも1年後再喀血が9.6%で、2年後再喀血が14.1%なのであるから、その10%内外の再喀血患者について複数の再喀血関連血管の再喀血機序を下記の4つに分類したという趣旨であることをご理解いただきたい。

機序 英語 比率 説明
再開通 recanalization 45.2% コイル塞栓部の、血栓溶解などによる血流再開
新規血管 new HRA 38.5% 全く新規の喀血関連血管出現
同一血管からの側副結構路 bridging collateral 14.7% 同一血管のコイル塞栓近位部からの側副結構路
他血管からの側副結構路 conventional collateral 1.7% 他の血管からのコイル塞栓部遠位部への側副結構路
ファイル:スクリーンショット 2019-07-13 11.56.41.png
4つの再喀血機序


合併症

かつては前脊髄動脈を誤まって塞栓してしまうことによる脊髄虚血に起因する下半身麻痺が稀だが重大な合併症として知られていたが、これはマイクロカテーテルを使用せずに造影カテーテルから直接塞栓物質を留置する旧来の方法によるものと考えられ、同軸マイクロカテーテルを使用した方法が普及することにより激減しているとされている。

しかし現在でも、脊髄虚血による下半身麻痺の合併症は散見され、少なくとも我が国ではおそらく全例ゼラチンスポンジによるBAEにおいて発症していると思われる。

岸和田リハビリテーション病院 喀血・肺循環センター Ishikawaらの報告によるmajorな合併症を以下に提示する。

BAE合併症(489例中)[1]
合併症 例数(例) 発症率(%)
大動脈解離 1 0.2
症候性小脳梗塞 2 0.4
脊髄虚血 0
縦隔血腫 5 1.0
死亡 0 0

これは、上記論文中の対象症例489例の合併症内訳であるが、Ishikawaらによると過去約20年間の通算3100手技において、脳梗塞が6例(小脳梗塞4例、前頭葉の無症候性脳梗塞1例、後頭葉梗塞による視野狭窄1例)、一過性脳虚血1例、大動脈解離4例(うち3例は安静こ降圧のみの保存的加療後に再度BAEを実施し止血、1例のみ上腸間膜動脈再建の準緊急手術)、穿刺部血腫6例、脊髄虚血は皆無と述べている(未発表データ)https://www.eishinkai.hospital/lung/

コイルを使用したBAEのもう一つのhigh volume centerであるMasudaらの国立病院機構東京病院においても、脊髄虚血は皆無であり、こうした経験や他施設の状況を踏まえ、Ishikawaらは下記のように述べている(呼吸器血管内治療研究会における発言)。

「金属コイルでの脊髄虚血の報告は現在までのところ皆無であり、本邦での脊髄虚血は知りうる限り全例ゼラチンスポンジによるBAEで発症している。NBCAやゼラチンスポンジなどの、液状塞栓物質は、喀血関連血管末梢まで到達するが、これが前脊髄動脈末梢に誤まって流入してしまった場合、脊髄そのものに到達してしまう可能性が高い。この場合、側副血行路が流入してくる余地がないので、脊髄梗塞に至る。一方金属コイルによるBAEは喀血関連血管の近位部を塞栓するのみであり、気管支動脈・肺動脈シャント部分の圧を下げて止血するというコンセプトであるが、それゆえに前脊髄動脈の誤塞栓が万が一あっても、コイルが脊髄に到達するわけではないので、他の前脊髄動脈から側副結構路が流入する余地がある。いわゆるアダムキュービッツ以外にも微細な複数の前脊髄動脈が存在するとされている。」

この他に軽微な合併症として一過性胸痛、造影剤内膜注入、橈骨動脈閉塞などがある。

引用文献

  1. ^ a b c d e f g Ishikawa, Hideo; Hara, Masahiko; Ryuge, Misaki; Takafuji, Jun; Youmoto, Mihoko; Akira, Masanori; Nagasaka, Yukio; Kabata, Daijiro et al. (2017-2). “Efficacy and safety of super selective bronchial artery coil embolisation for haemoptysis: a single-centre retrospective observational study” (英語). BMJ Open 7 (2): e014805. doi:10.1136/bmjopen-2016-014805. ISSN 2044-6055. PMC PMC5318547. PMID 28213604. http://bmjopen.bmj.com/lookup/doi/10.1136/bmjopen-2016-014805. 
  2. ^ Suzuki, Manabu; Araki, Kyoko; Matsubayashi, Sachi; Kobayashi, Konomi; Morino, Eriko; Takasaki, Jin; Iikura, Motoyasu; Izumi, Shinyu et al. (2019-04-03). “A case of recurrent hemoptysis caused by pulmonary actinomycosis diagnosed using transbronchial lung biopsy after bronchial artery embolism and a brief review of the literature” (英語). Annals of Translational Medicine 7 (5). doi:10.21037/24273. ISSN 2305-5847. PMC PMC6462664. PMID 31019958. http://atm.amegroups.com/article/view/24273. 
  3. ^ Kunisada, Keita; Ishikawa, Hideo; Takafuji, Jun; Komuta, Kiyoshi (2013-7). “[A case of a 91-year-old patient with advanced squamous cell lung cancer complicated with renal dysfunction successfully treated with trans-arterial chemo-embolization”]. Gan to Kagaku Ryoho. Cancer & Chemotherapy 40 (7): 917–919. ISSN 0385-0684. PMID 23863736. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23863736. 
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  8. ^ Ando, Takahiro; Kawashima, Masahiro; Masuda, Kimihiko; Takeda, Keita; Okuda, Kenichi; Suzuki, Junko; Ohshima, Nobuharu; Horibe, Mitsuko et al. (2019-05-01). “Exacerbation of chronic pulmonary aspergillosis was associated with a high rebleeding rate after bronchial artery embolization”. Respiratory Investigation 57 (3): 260–267. doi:10.1016/j.resinv.2018.12.009. ISSN 2212-5345. http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2212534518301783. 
  9. ^ a b Woo, Sungmin; Yoon, Chang Jin; Chung, Jin Wook; Kang, Sung-Gwon; Jae, Hwan Jun; Kim, Hyo-Cheol; Seong, Nak Jong; Kim, Young-Joo et al. (2013-11). “Bronchial Artery Embolization to Control Hemoptysis: Comparison of N -Butyl-2-Cyanoacrylate and Polyvinyl Alcohol Particles” (英語). Radiology 269 (2): 594–602. doi:10.1148/radiol.13130046. ISSN 0033-8419. http://pubs.rsna.org/doi/10.1148/radiol.13130046. 
  10. ^ a b Ryuge, Misaki; Hara, Masahiko; Hiroe, Takanori; Omachi, Naoki; Minomo, Shojiro; Kitaguchi, Kazushi; Youmoto, Mihoko; Asakura, Norihiro et al. (2019-2). “Mechanisms of recurrent haemoptysis after super-selective bronchial artery coil embolisation: a single-centre retrospective observational study” (英語). European Radiology 29 (2): 707–715. doi:10.1007/s00330-018-5637-2. ISSN 0938-7994. PMC PMC6302874. PMID 30054792. http://link.springer.com/10.1007/s00330-018-5637-2. 


参考文献

査読英語論文

・Efficacy and safety of super selective bronchial artery coil embolisation for haemoptysis:a single-centre retrospective observational study

 Ishikawa H, Hara M, Ryuge M, et al, Open 2017;7:e014805. doi: 10.1136/bmjopen-2016-014805

http://bmjopen.bmj.com/content/bmjopen/7/2/e014805.full.pdf

  • Mechanisms of recurrent haemoptysis after super-selective bronchial artery coil embolisation: a single-centre retrospective observational study. Ryuge M, Hara M, Hiroe T, Omachi N, Minomo S, Kitaguchi K, Youmoto M, Asakura N, Sakata Y, Ishikawa H.; Eur Radiol. 2018 Jul 19. doi: 10.1007/s00330-018-5637-2. https://rdcu.be/4UrN
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  • A Stepwise Embolization Strategy for a Bronchial Arterial Aneurysm: Proximal Coil and Distal Glue with the Optional Use of a Microballoon Occlusion System. Mine T, Matsumoto T, Hayashi T, Tomita K, Masuda K, Kawashima M, Sakamaki F, Hasebe T. Cardiovasc Intervent Radiol. 2018 Aug;41(8):1267-1273. doi: 10.1007/s00270-018-1969-1. Epub 2018 Apr 23. PMID 29687263
  • Exacerbation of chronic pulmonary aspergillosis was associated with a high rebleeding rate after bronchial artery embolization. Ando T, Kawashima M, Masuda K, Takeda K, Okuda K, Suzuki J, Ohshima N, Horibe M, Tamura A, Nagai H, Matsui H, Ohta K. Respir Investig. 2019 May;57(3):260-267. doi: 10.1016/j.resinv.2018.12.009. Epub 2019 Jan 25. PubMed PMID 30692051.
  • A case of recurrent hemoptysis caused by pulmonary actinomycosis diagnosed using transbronchial lung biopsy after bronchial artery embolism and a brief review of the literature. Suzuki M, Araki K, Matsubayashi S, Kobayashi K, Morino E, Takasaki J, Iikura M, Izumi S, Takeda Y, Sugiyama H. Ann Transl Med. 2019 Mar;7(5):108. doi: 10.21037/atm.2019.02.11. PubMed PMID 31019958; PubMed Central PMCID: PMC6462664.

日本語文献

  • 喀血を伴う疾患の発生メカニズムとその対処(解説/特集)

Author:石川秀雄(岸和田盈進会病院), 長坂行雄

Source:THE LUNG-perspectives(0919-5742)19巻4号 Page466-471(2011.11

  • 喀血に対するカテーテル治療 -気管支動脈塞栓術-

Author:石川秀雄(岸和田盈進会病院), 蛇澤晶

Source:日本気管食道科学会 専門医通信 第43号 Page1-11(2011.12)

  • 呼吸器救急 大量喀血の治療戦略(解説)

Author:石川秀雄(岸和田盈進会病院 喀血・肺循環センター),中谷幸造,北口和志,林正幸

Source:呼吸(0286-9314)33巻3号 Page252-258(2014.03)

  • 肺MAC症と喀血治療

肺MAC症診療Up to Date 非結核性抗酸菌症のすべて(南江堂)

Author:石川秀雄(岸和田盈進会病院 喀血・肺循環センター)

  • 気管支動脈塞栓術におけるIDC(Interlocking Detachable Coil)導入の有用性(原著論文)

Author:石川秀雄(国立病院機構近畿中央胸部疾患センター 循環器科),木村剛,大家晃子,神谷敦,井上義一,鈴木克洋,審良正則,林清二,河原正明,岡田全司,木村謙太郎,井内敬二,坂谷光則

Source:日本呼吸器学会雑誌 (1343-3490)42巻8号 Page730-736(2004.08)


関連項目

喀血

気管支動脈

気管支循環系

カテーテル治療

シャント

外部リンク