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「NGC 206」の版間の差分

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== 特徴 ==
== 特徴 ==
NGC 206は、アンドロメダ銀河内で最も明るく見えるだけでなく、[[局部銀河群]]の中で最も大きくて明るい[[星形成]]領域とみられる{{R|magnier97}}。NGC 206に含まれる[[恒星]]の数は非常に多く、[[色指数 (天文)|Vバンド]]の[[絶対等級]]が-4[[等級 (天文)|等級]]かそれ以上に明るい星だけで180以上あるが、密度は近傍銀河の他の巨大星形成領域と比べるとかなり低く、まばらにしか星が誕生していないと考えられる{{R|hunter96}}。[[エドウィン・ハッブル|ハッブル]]はNGC 206を星団に分類したが{{R|hubble38}}、天体の大きさからして現在は[[OB型アソシエーション]]に位置付けられる{{R|vdb64}}。
NGC 206は、アンドロメダ銀河内で最も明るく見えるだけでなく、[[局部銀河群]]の中で最も大きくて明るい[[星形成]]領域とみられる{{R|magnier97}}。NGC 206に含まれる[[恒星]]の数は非常に多く、[[色指数 (天文)|Vバンド]]の[[絶対等級]]が-4[[等級 (天文)|等級]]かそれ以上に明るい星だけで180以上あるが、密度は近傍銀河の他の巨大星形成領域と比べるとかなり低く、まばらにしか星が誕生していないと考えられる{{R|hunter96}}。[[エドウィン・ハッブル|ハッブル]]はNGC 206を星団に分類したが{{R|hubble38}}、天体の大きさからして現在は[[OB型アソシエーション]]に位置付けられる{{R|vdb64}}。


アンドロメダ銀河の中心から約8.8[[パーセク|kpc]]離れた、[[渦巻銀河|渦状腕]]の中の水素原子の少ない領域に位置しており{{R|brinks81}}、[[バルマー系列|Hα輝線]]も星形成領域にしてはとても弱いことがわかっている。アソシエーション自体は、2つの領域に分けることができると考えられる。年齢がおよそ1,000万年で[[HII領域]]を伴っている領域と、年齢が4,000万から5,000万年で[[ケフェイド変光星]]を含んでいる領域の2つで、[[宇宙塵|星間塵]]帯に隔てられていて、それぞれの領域が、何百というO型星・B型星を含んでいる{{R|cev95}}。[[ハーシェル宇宙望遠鏡]]の観測により、アソシエーションに含まれる[[分子雲]]は、質量が[[太陽質量|太陽]]の72万倍、[[温度]]が18[[ケルビン|K]]と見積もられている{{R|kirk15}}。
アンドロメダ銀河の中心から約8.8[[パーセク|kpc]]離れた、[[渦巻銀河|渦状腕]]の中の水素原子の少ない領域に位置しており{{R|brinks81}}、[[バルマー系列|Hα輝線]]も星形成領域にしてはとても弱いことがわかっている。アソシエーション自体は、2つの領域に分けることができると考えられる。年齢がおよそ1,000万年で[[HII領域]]を伴っている領域と、年齢が4,000万から5,000万年で[[ケフェイド変光星]]を含んでいる領域の2つで、[[宇宙塵|星間塵]]帯に隔てられていて、それぞれの領域が、何百というO型星・B型星を含んでいる{{R|cev95}}。[[ハーシェル宇宙望遠鏡]]の観測により、アソシエーションに含まれる[[分子雲]]は、質量が[[太陽質量|太陽]]の72万倍、[[温度]]が18[[ケルビン|K]]と見積もられている{{R|kirk15}}。

2019年3月1日 (金) 00:54時点における版

NGC 206
NGC 206
NGC 206
星座 アンドロメダ座
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  00h 40m 31.3s[1]
赤緯 (Dec, δ) 40° 44′ 21″[1]
物理的性質
直径 ~850 パーセク[2]
他のカタログでの名称
OB 78[3]
Template (ノート 解説) ■Project

NGC 206は、アンドロメダ座の方向にあるアソシエーションである。地球からアンドロメダ銀河の中に見える、最も明るい星団として知られる。

特徴

NGC 206は、アンドロメダ銀河内で最も明るく見えるだけでなく、局部銀河群の中で最も大きくて明るい星形成領域とみられる[2]。NGC 206に含まれる恒星の数は非常に多く、Vバンド絶対等級が-4等級かそれ以上に明るい星だけで180以上あるが、密度は近傍銀河の他の巨大星形成領域と比べるとかなり低く、まばらにしか星が誕生していないと考えられる[4]ハッブルはNGC 206を星団に分類したが[5]、天体の大きさからして現在はOB型アソシエーションに位置付けられる[3]

アンドロメダ銀河の中心から約8.8kpc離れた、渦状腕の中の水素原子の少ない領域に位置しており[6]Hα輝線も星形成領域にしてはとても弱いことがわかっている。アソシエーション自体は、2つの領域に分けることができると考えられる。年齢がおよそ1,000万年でHII領域を伴っている領域と、年齢が4,000万から5,000万年でケフェイド変光星を含んでいる領域の2つで、星間塵帯に隔てられていて、それぞれの領域が、何百というO型星・B型星を含んでいる[7]ハーシェル宇宙望遠鏡の観測により、アソシエーションに含まれる分子雲は、質量が太陽の72万倍、温度が18Kと見積もられている[8]

出典

  1. ^ a b NASA/IPAC Extragalactic Database”. result for object NGC 206. Caltech. 2017年2月22日閲覧。
  2. ^ a b Magnier, E. A.; et al. (1997-10), “Cepheids as tracers of star formation in M 31. II. NGC 206: evidence for spiral arm interactions”, Astronomy and Astrophysics 326: 442-448, Bibcode1997A&A...326..442M 
  3. ^ a b van de Bergh, Sidney (1964-06), “Stellar Associations in the Andromeda Nebula”, Astrophysical Journal Supplement 9: 65, Bibcode1964ApJS....9...65V, doi:10.1086/190097 
  4. ^ Hunter, Deidre A.; et al, “The Intermediate Stellar Mass Population in the M31 OB Association NGC 206”, Astrophysical Journal 468: 633, Bibcode1996ApJ...468..633H, doi:10.1086/177721 
  5. ^ Hubble, Edwin (1938-04), “The Nature of the Nebulae”, Publications of the Astronomical Society of the Pacific 50: 97-110, Bibcode1938PASP...50...97H, doi:10.1086/124902 
  6. ^ Brinks, E. (1981-), “NGC 206, a Hole in M31”, Astronomy and Astrophysics 95 (1): L1-L4, Bibcode1981A&A....95L...1B 
  7. ^ Chernin, Arthur D.; Efremov, Yury N.; Voinovich, Peter A. (1995-07), “Superassociations: violent star formation induced by shock-shock collisions”, Monthly Notices of the Royal Astronomical Observatory 275 (2): 313-326, Bibcode1995MNRAS.275..313C, doi:10.1093/mnras/275.2.313 
  8. ^ Kirk, J. M.; et al. (2015-01), “The Herschel Exploitation of Local Galaxy Andromeda (HELGA). VI. The Distribution and Properties of Molecular Cloud Associations in M31”, Astrophysical Journal 798 (1): 58, Bibcode2015ApJ...798...58K, doi:10.1088/0004-637X/798/1/58 

関連項目

外部リンク