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*[http://www.sonymusic.co.jp/artist/TetsuyaKomuro/discography/MHCL-30103 ソニーミュージック オフィシャルサイト] |
*[http://www.sonymusic.co.jp/artist/TetsuyaKomuro/discography/MHCL-30103 ソニーミュージック オフィシャルサイト] |
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{{小室哲哉}} |
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2019年3月1日 (金) 00:36時点における版
『Digitalian is eating breakfast』 | ||||
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小室哲哉 の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
Studio AVR AIR studios CBSソニー信濃町スタジオ | |||
ジャンル |
ROCK(帯に記載) J-POP ハウス | |||
時間 | ||||
レーベル | EPIC/SONY RECORDS | |||
プロデュース |
小室哲哉 日向大介 シェップ・ペティボーン | |||
チャート最高順位 | ||||
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小室哲哉 アルバム 年表 | ||||
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EANコード | ||||
EAN 4988010101329(1989年・CD) EAN 4582290392394(2013年・CD) | ||||
『Digitalian is eating breakfast』収録のシングル | ||||
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『Digitalian is eating breakfast』(デジタリアン・イズ・イーティング・ブレックファスト)は、小室哲哉が1989年12月9日にリリースしたアルバムCD。または同じタイトルで小室が行ったソロ・ライブツアー(「Tetsuya Komuro Tour '89〜'90 Digitalian is eating breakfast」)。
小室唯一の(一部インスト除く)全曲自身ボーカルアルバム。
背景
1989年3月頃、TM NETWORKのコンサートツアー「TM NETWORK TOUR '88〜'89 CAROL 〜A DAY IN A GIRL'S LIFE 1991〜」の最中に宇都宮隆が怪我をした事によりその後の予定がキャンセルされたために1週間程オフができ、誰に提供する訳でもないユーロビートの楽曲を5曲程作った(その時に出来た楽曲の中にTMの「DIVE INTO YOUR BODY」がある)。それが切っ掛けとなり、エピックのスタッフと相談していく内にソロアルバムの制作を勧められた。シンクラヴィアの置いてあるスタジオに行って試運転を繰り返して、6月頃から当時使用していたスタジオをシンクラヴィアに完全対応させた状態で本格的にスタートさせた[1]。
録音
小室はこのアルバムで本格的にシンクラヴィアを使用し、TM NETWORKを含めて初めてギター以外のドラム、ベースなどは全て打ち込みで構成されたアルバムとなっている。
アルバムタイトルの「digitalian」は「デジタル」と「ベジタリアン」を組み合わせた造語。しかし、DIGITALIANという言葉だけだとテーマが堅くなってしまうため、柔らかくするために、その後にeating breakfastという言葉を付け足してシャレっぽくしたと小室は語っている。
ソロ活動をすることには特別な理由はなく、プロデュースしている感覚も全くなかった状態で制作していたため、スケジュールの最後の1週間の追い込みでアルバムのタイトル・コンセプト・曲順・宣伝戦略を考えていった[1]。1989年の同時期に角川映画『天と地と』(1990年)のサウンドトラックの依頼が来ていたため、『Digitalian-』はボーカル入りのアルバムを、『天と地と』はインストゥルメンタルのアルバムにしたという。アルバム『天と地と』には本収録の「NEVER CRY FOR ME」のインストゥルメンタルがタイトルを変え、収録されている。
音楽性
小室曰く「TM NETWORKのプロトタイプのようなもの」とのこと。TM NETWORKのレコーディングの前に作っていたデモテープでは「小室が一人でオケを作り、一人で仮歌を歌っているけど、それをアレンジを細かく煮詰めずにそのまま出してしまおう」というのがこのアルバムのコンセプトである。そのためTM NETWORKと同じ流れを汲んでおり、「グループ内で自分の音楽性を出せないので、出したアルバム」とは本質的に異なり、「自分の作品の元となる素材がそのまま素直に出ている」と振り返っている[2]。
音楽制作に集中し、歌詞も音色に合うイメージを浮かべてはそのまま言葉として当てはめた。音に合う言葉でよかった為に、今まで憂鬱な気持ちで作詞に取り組んでいたのが嘘のように急に楽しくなり、「時間があればもっと書きたかった」と語っている。小室みつ子への発注の仕方も効果音の入る部分等を細かく念入りに説明した[1]。
英詩のみの楽曲を1曲制作したが、韻の踏み方が難しかったため、保留にした[1]。
共同プロデューサーとして日向大介が参加したのは当時既にシンクラヴィアを用いたレコーディングシステムを確立していた日向の「シンクラヴィアの細かい使用に対するノウハウ・システムの構築方法・実験上出来ることと出来ないこと」等の情報・アドバイスが欲しかったためであり、別の作業に忙しい小室のスーパーバイザーになって欲しいという依頼から始まっている。
このアルバムに収録されている「OPERA NIGHT」はTM NETWORKデビューアルバム『RAINBOW RAINBOW』作成時のデモテープの中の1曲の「OPEN YOUR HEART」(後に1994年リリースの『TMN RED』に収録)という楽曲の作り替えであり、「CHRISTMAS CHORUS」は『CHILDHOOD'S END』作成時に収録されなかった曲である。その他の曲は1989年3月以降から作った曲だが、「RUNNING TO HORIZON」はTM NETWORKのシングル「DIVE INTO YOUR BODY」と同時に作った曲であり、多数決で「DIVE INTO YOUR BODY」はTM NETWORKの曲になった。
小室は「ボーカルとバックの響きを上手く調整できた。今までではありがちだった『バックと歌メロが別物』みたいな作りではない」と振り返っている[1]。
リリース
1989年12月9日にEPIC/SONY RECORDSよりリリースされた。
2013年7月17日にリマスター音源・Blu-spec CD2規格でGT musicレーベルより再リリースされた。
ツアー
概要
アルバムリリース直後の12月16日の名古屋市総合体育館 レインボーホールから、1990年1月28日の横浜アリーナまで9都市全16公演で「Tetsuya Komuro Tour '89〜'90 Digitalian is eating breakfast」と題したソロライブツアーが行われた。
マイケル・ジャクソンの「バッド・ワールド・ツアー」と同じシステムが導入され、同ツアーに関わったスタッフが来日してサポートした[1]。
日向大介が自身のプライベートスタジオである「Studio AVR」で開発したシステム「カレント・バッファー・ドライブ」を採用した。シールドケーブルを1kmつないでも、制作現場と変わらない音がライブ会場で鳴らされ、音の立ち上がりも早くなるというシステムである。ダイレクト・ボックスを使うとどうしても音がスローダウンするし、周波数特性も悪くなるため、ダイレクト・ボックスが電圧を上げるのに対し、このシステムでは電流を上げる様に設計された[3]。
シンクラヴィア本体はステージ裏に用意された専用ブースに置き、ゴミやステージ上の照明から保護した。更に電波等照明のモニターの干渉を防ぐために、銅膜でシールド加工を施した[3]。
セットリスト
- WINTER DANCE
- DIGITALIAN
- SHOUT
- KISS YOU
- HURRY FOR WORKING LOVERS
- NEVER CRY FOR ME
- IN THE FACTORY
- 組曲 "VAMPIER HUNTER D" (Instrumental)
- 合戦 (Instrumental)
- OPERA NIGHT
- I WANT YOU BACK
- GRAVITY OF LOVE
- 20th CENTURY BOY
- DREAM RUSH
- CHRISTMAS CHORUS
- 会場によって曲目、順番に変更あり。
公演日程
- 1989年12月16日 名古屋市総合体育館 レインボーホール
- 1989年12月17日 名古屋市総合体育館 レインボーホール
- 1989年12月19日 新潟市産業振興センター
- 1989年12月24日 横浜アリーナ
- 1989年12月25日 横浜アリーナ
- 1989年12月27日 東京ベイNKホール
- 1989年12月28日 東京ベイNKホール
- 1990年1月1日 福岡国際センター
- 1990年1月7日 郡山総合体育館
- 1990年1月12日 北海道立産業共進会場
- 1990年1月16日 大阪城ホール
- 1990年1月17日 大阪城ホール
- 1990年1月19日 広島サンプラザ
- 1990年1月22日 ワールド記念ホール
- 1990年1月27日 横浜アリーナ
- 1990年1月28日 横浜アリーナ
批評
専門評論家によるレビュー | |
---|---|
レビュー・スコア | |
出典 | 評価 |
CDジャーナル | 否定的[4] |
- 音楽情報サイト『CDジャーナル』では、「TMの延長戦といった趣きでポップな仕上がり」、「残念ながら本作では、彼の引き出し全てを開放するまでには至っていない」と評されている[4]。
収録曲
全編曲: 小室哲哉。 | ||||
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 時間 |
---|---|---|---|---|
1. | 「DIGITALIAN」(Instrumental) | - | 小室哲哉 | |
2. | 「SHOUT」 | 小室哲哉 | 小室哲哉 | |
3. | 「OPERA NIGHT」 | 小室みつ子 | 小室哲哉 | |
4. | 「I WANT YOU BACK」 | 小室哲哉 | 小室哲哉 | |
5. | 「GRAVITY OF LOVE」 | 小室哲哉 | 小室哲哉 |
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 時間 |
---|---|---|---|---|
6. | 「HURRAY FOR WORKING LOVERS」 | 小室哲哉 | 小室哲哉 | |
7. | 「NEVER CRY FOR ME」 | 小室みつ子 | 小室哲哉 | |
8. | 「WINTER DANCE」(Instrumental) | - | 小室哲哉 | |
9. | 「RUNNING TO HORIZON」 | 小室みつ子 | 小室哲哉 | |
10. | 「CHRISTMAS CHORUS」 | 小室哲哉 | 小室哲哉 | |
合計時間: |
楽曲解説
1.DIGITALIAN
- 「いきなり歌から始まるのは恥ずかしい」という理由でワンクッションとして入れた[5]。
- テーマは「アイドリング」「スピード感」としている[5]。
- 効果音は自宅録音で制作した素材をそのまま使用している[5]。
2.SHOUT
3.OPERA NIGHT
4.I WANT YOU BACK
- コンセプトは「『金曜日のライオン (Take it to the Lucky)』の続編」とし、歌詞に出てくる女性である「ジュリアのその後」をテーマにした[5]。別歌詞バージョンが、CoCoの「春・ミルキーウェイ」(作詞は吉澤久美子。『Strawberry』に収録)として提供された。
6.HURRAY FOR WORKING LOVERS
7.NEVER CRY FOR ME
8.WINTER DANCE
- TM NETWORKのシングル「DIVE INTO YOUR BODY」と同時に作った曲である[5]。
- 「クリスマスソングを1度はソロでやってみたい」という一ミュージシャンのわがままで作った[5]。
スタッフ・クレジット
参加ミュージシャン
- ウォーレン・ククルロ - ギター(#2)
- 松本孝弘 - ギター(#4,5,9)
- 木根尚登 - アコースティック・ギター(#10)
- スタン・ハリソン - サクソフォーン(#6)
- 日向大介 - シンクラヴィアオペレーター
スタッフ
- 小室哲哉 - 作曲、編曲、プロデューサー
- 高橋伸明 - アート・ディレクション、デザイン
- 日向大介 - コ・プロデューサー、ミキシング(#1,7)
- GOH HOTODA - レコーディング・エンジニア
- スティーブ・ジャクソン - ミキシング
- 久保こーじ - プロダクションアシスタント
- シェップ・ペティボーン - プロデューサー、ミキシング(#5.9)
リリース日一覧
No. | 日付 | レーベル | 規格 | 規格品番 | 最高順位 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1989年12月9日 | EPIC/SONY RECORDS | CD CT |
ESCB-1013 (CD) ESTB-1013 (CT) |
4位 | |
2 | 2013年7月17日 | ソニー・ミュージックダイレクト/GT music | ブルースペックCD2 | MHCL-30103 | 165位[8] | デジタルリマスター |
参考文献
- リットーミュージック刊「小室哲哉 Digitalian is eating breakfast」
脚注
- ^ a b c d e f ソニー・マガジンズ刊「WHAT's IN?」1989年12月号より。
- ^ 角川書店刊『CDでーた』1989年12月20日号4Pより。
- ^ a b リットーミュージック刊「サウンド&レコーディング・マガジン」1990年3月号4P-7Pより。
- ^ a b “小室哲哉 / Digitalian is eating breakfast [廃盤]”. CDジャーナル. 音楽出版. 2018年12月8日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n ソニー・マガジンズ刊「WHAT's IN?」1991年1月号94Pより。
- ^ “TOUR '89~'90 ~Digitalian is eating breakfast~”. LiveFans. SKIYAKI APPS. 2018年12月8日閲覧。
- ^ 角川書店刊 『告白は踊る』 小室哲哉著より。
- ^ “Digitalian is eating breakfast”. オリコンニュース. オリコン. 2018年12月8日閲覧。