「3D XPoint」の版間の差分
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'''3D XPoint''' ('''スリーディークロスポイント'''<ref>{{citation| url = https://www.youtube.com/watch?v=Wgk4U4qVpNY| title = 3D XPoint™ Technology Revolutionizes Storage Memory| type= video, infomercial| work = www.youtube.com| publisher = Intel}}</ref>)は2015年7月、[[インテル]]と[[マイクロン・テクノロジ|マイクロン]]によって発表された[[不揮発性メモリ]]の技術である。同技術を使用した記憶装置製品にインテルは '''Optane''' ('''オプテイン''')、マイクロンは '''QuantX''' ('''クアンテックス''')と別のブランド名を冠している。 |
'''3D XPoint''' ('''スリーディークロスポイント'''<ref>{{citation| url = https://www.youtube.com/watch?v=Wgk4U4qVpNY| title = 3D XPoint™ Technology Revolutionizes Storage Memory| type= video, infomercial| work = www.youtube.com| publisher = Intel}}</ref>)は2015年7月、[[インテル]]と[[マイクロン・テクノロジ|マイクロン]]によって発表された[[不揮発性メモリ]]の技術である。同技術を使用した記憶装置製品にインテルは '''Optane''' ('''オプテイン''')、マイクロンは '''QuantX''' ('''クアンテックス''')と別のブランド名を冠している。 |
2019年3月1日 (金) 00:17時点における版
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3D XPoint (スリーディークロスポイント[1])は2015年7月、インテルとマイクロンによって発表された不揮発性メモリの技術である。同技術を使用した記憶装置製品にインテルは Optane (オプテイン)、マイクロンは QuantX (クアンテックス)と別のブランド名を冠している。
材料や動作原理の詳細については明かされていなかったが、外部企業による検証が行われPCM(相変化メモリ)であることが分かった。ビットの記録はバルク抵抗の変化と積層可能な交差格子状の記憶素子の配列の組み合わせで行われる。また、セレクタにオボニックスイッチ(OTS:Ovonic Threshold Switch)を使っていることも大きな特徴と言える。
「3D XPointはDRAMの凡そ半分の価格になるだろうが、NANDフラッシュに比較すれば4・5倍となるだろう」とマイクロンのストレージソリューション担当ヴァイスプレジデントは述べている[2]。 インテルの主張によれば同技術を用いた製品をNANDフラッシュと比較した場合、レイテンシは1/10に、書き込み寿命は3倍に、書き込み速度は4倍に、読み込み速度は3倍に改善され、消費電力は30%に軽減される。[3][4]
開発背景と技術解説
3D XPointの開発開始はおおよそ2012年に遡る。インテルとマイクロンは3D XPoint以前に同技術とは別の、相変化記録技術を利用した不揮発性メモリ(相変化メモリ)を開発してきた[note 1]。マイクロンのCEOマーク・ダーカンによれば、3D XPointのアーキテクチャは以前提供していた相変化メモリとは別の物であり、これまで伝統的に用いられてきたゲルマニウムアンチモンテルル(GeSbTe)のような相変化材料に比べ高速で安定したカルコゲナイド材料を、セル選択素子と記憶素子の双方に使用している[6]。
2015年現在、両社とも同技術の全容を公開していないが、(NANDフラッシュとは異なり)「電子[の蓄積]によるものではない」としている [7]。 3D Xpointは電気抵抗を利用し、ビット単位でのアドレスが可能であるとされている[8] 。 メモリベンチャーのクロスバーによって開発されている抵抗変化型メモリとの類似点が指摘されてきたが、3D Xpointの記録メカニズムはクロスバーの技術とは異なっている[9] 。 3D XPointの開発者は同技術がバルク材料の抵抗の変化に基づいているとしている[10]。 インテルのCEOブライアン・クラーザーニッチは3D XPointについて繰り返される質問に対し、同技術のスイッチングはバルク材料の特性を利用したものだと答えている[11]。インテルによれば 3D XPoint は相変化記録技術もメモリスタも使用していない[12]。
ザ・レジスターのクリス・メラーは「3D XPointと同等の性能と寿命を持つ、抵抗変化型や相変化型のメモリのサンプルを作成したサプライヤーはないようだ」と記事に記した。[13]。
3D XPointの各記憶素子はトランジスタを使用しないため、記録密度はDRAMと比較し4倍程度になるだろう[14]。
成果物
まず2015年に、インテルとマイクロンの合弁会社であるIM・フラッシュ・テクノロジーズが運営するユタ州リーハイのウェハー工場において、少量の128Gbitチップが生産された。このチップは64Gbitの層が2段に積層されたものである[9][15]。IM・フラッシュ・テクノロジーズのCEOガイ・ブラロックは2016年の初頭に、チップの大量生産の開始には12から18か月ほどの時間を要するとした[16]。
2015年の半ば、3D XPoint技術を用いたストレージ製品にOptaneのブランド名を冠する事とインテルが発表した[17]。 容量当たりの見込み単価はNANDフラッシュよりも高く、DRAMよりも安いことが期待されていた[誰によって?]が、実際の製品価格へと反映されるかどうかは不明である[18]。
2016年初頭、IM・フラッシュ・テクノロジーズは第一世代のSSDは95000 IOPSのスループットと9マイクロ秒のレイテンシを実現するだろうと発表した[16]。2016年のインテル・デベロッパー・フォーラムでは3D XPointを使用した140GBの開発用の基盤とNANDフラッシュによるSSDをそれぞれPCI Expressに接続した上で比較し、ベンチマークの値が2.4から3倍改善されている事を示す実演が行われた[19]。
2018年5月30日,Intelが「Optane DC」不揮発性メモリを発表した [20] 。 DDR4のメモリスロットに挿入できるようにすることでアクセス速度の向上を図っている。
脚注
出典
- ^ “3D XPoint™ Technology Revolutionizes Storage Memory”, www.youtube.com (Intel)
- ^ “Micron reveals marketing details about 3D XPoint memory QuantX”. 14 October 2016閲覧。
- ^ Demerjian, Charlie (Sep 12, 2016). “Intel's Xpoint is pretty much broken. In their own words it isn't close to the promises”. semiaccurate.com. 15 November 2016閲覧。
- ^ [リンク切れ] https://hubb.blob.core.windows.net/5a741d00-0c8a-45e4-9112-cfe073fe4ed1-published/3fde87a3-3307-485e-8528-2c1f6436d737/MASTC01%20-%20MASTC01_-_SF16_MASTC01_102?sv=2014-02-14&sr=c&sig=QY6WHaQ267MeMFMaYT%2BfUJuBzMTkEwjrsv7%2BCzSr6pY%3D&se=2016-10-09T17%3A50%3A09Z&sp=r
- ^ McGrath, Dylan (28 Oct 2009), “Intel, Numonyx claim phase-change memory milestone”, www.eetimes.com
- ^ Clarke, Peter (31 July 2015), “Patent Search Supports View 3D XPoint Based on Phase-Change”, www.eetimes.com
- ^ Neale, Ron (14 Aug 2015), “Imagining What’s Inside 3D XPoint”, www.eetimes.com
- ^ Hruska, Joel (29 July 2015). “Intel, Micron reveal Xpoint, a new memory architecture that could outclass DDR4 and NAND”. ExtremeTech. 2017年4月16日閲覧。
- ^ a b Clarke, Peter (28 July 2015), “Intel, Micron Launch "Bulk-Switching" ReRAM”, www.eetimes.com
- ^ Clarke, Peter (28 July 2015), “Intel, Micron Launch "Bulk-Switching" ReRAM”, www.eetimes.com , ""The switching mechanism is via changes in resistance of the bulk material," was all Intel would add in response to questions sent via email."
- ^ Merrick, Rick, “Intel’s Krzanich: CEO Q&A at IDF”, www.eetimes.com: p. 2
- ^ Mellor, Chris (28 July 2015). “Just ONE THOUSAND times BETTER than FLASH! Intel, Micron's amazing claim”. The Register. 2017年4月15日閲覧。 “An Intel spokesperson categorically denied that it was a phase-change memory process or a memristor technology. Spin-transfer torque was also dismissed”
- ^ By Chris Mellor, The Register. “Goodbye: XPoint is Intel's best exit from NAND production hell.” April 21, 2016. April 22, 2016.
- ^ “Intel’s Xpoint is pretty much broken”. 8 October 2016閲覧。
- ^ Smith, Ryan (18 August 2015), “Intel Announces Optane Storage Brand For 3D XPoint Products”, www.anandtech.com , "products will be available in 2016, in both standard SSD (PCIe) form factors for everything from Ultrabooks to servers, and in a DIMM form factor for Xeon systems for even greater bandwidth and lower latencies. As expected, Intel will be providing storage controllers optimized for the 3D XPoint memory"
- ^ a b Merrick, Rick (14 Jan 2016), “3D XPoint Steps Into the Light”, EE Times
- ^ Smith, Ryan (18 Aug 2015), “Intel Announces Optane Storage Brand For 3D XPoint Products”, AnandTech
- ^ Evangelho, Jason (28 July 2015). “Intel And Micron Jointly Unveil Disruptive, Game-Changing 3D XPoint Memory, 1000x Faster Than NAND”. 2017年4月15日閲覧。 “Intel's Rob Crooke explained, 'You could put the cost somewhere between NAND and DRAM.'”
- ^ Cutress, Ian (26 August 2016). “Intel's 140GB Optane 3D Xpoint PCIe SSD Spotted at IDF”. Anandtech 26 August 2016閲覧。
- ^ 劉 尭 (2018-05-31T12:12). “Intel、DDR4スロットに挿せる1枚で512GBの「Optane DC」不揮発性メモリ”. PC Watch. 2018-06-08T01:27閲覧。