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「旧車會」の版間の差分

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'''旧車會'''(きゅうしゃかい)とは、大人になっても子供の頃の暴走族が忘れられず、自身がまだ若かった頃に流行っていたオートバイの車種今は絶版になり生産されていない[[旧車]]と呼ばれる古い[[オートバイ]]に[[暴走族]]を意識した改造を施しミュージックコールと呼ばれるエンジンの空ぶかし行為やミュージックホーンと呼ばれるラッパを鳴らしながら暴走族の様に集団で珍走ツーリングる中高年の[[組織 (社会科学)|組織]]・[[団体]]。「'''会'''」の字に[[旧字体]]である「'''會'''」を用いるのが表記上の特徴。
'''旧車會'''(きゅうしゃかい)とは、大人になっても子供の頃の暴走族が忘れられず真似をしてみたいとか、自身がまだ若かった10代の頃に暴走族の間で流行っていた400CC以下のオートバイの車種に拘り、今は絶版になり生産されていない[[旧車]]と呼ばれる古い[[オートバイ]]に当時の[[暴走族]]をした改造を施しミュージックコールと呼ばれるエンジンの空ぶかし行為やミュージックホーンと呼ばれるラッパを鳴らしながら、未成年の暴走族の頃の様に集団で珍走ツーリングにふける中高年の[[組織 (社会科学)|組織]]・[[団体]]。「'''会'''」の字に[[旧字体]]である「'''會'''」を用いるのが表記上の特徴で心理学的見地からは[[ピーターパン症候群]]の一種として考えられている


旧車會は従来の未成年の暴走族とは異なり構成員は主に二十を超えた成人が主体になっている。見た目は未成年の暴走族の様な格好をしているが実際には成人した中高年が多くを占める。従来の暴走族同様に路上で無意味にコールやラッパを鳴らす等の迷惑行為を行うのは同じだが旧車會は警察に捕まる事を警戒し共同危険行為はない。ノーヘル運転や信号無視等のあからさまな暴走行為を行わない限り共同危険行為として検挙し難くいとされている為である。
旧車會は従来の未成年の暴走族とは異なり構成員は主に二十を超えた成人が主体になって活動している。見た目は未成年の暴走族の様な格好をしているが実際には成人した中高年が多くを占める。路上で無意味にコールやラッパを鳴らす等の迷惑行為を行うのは暴走族と似ている旧車會は警察に捕まる事を警戒し共同危険行為は行わない傾向にあるこれは、ノーヘル運転や信号無視等のあからさまな暴走行為を行わない限り共同危険行為として検挙し難くいとされている為である。


旧車會は従来の未成年の暴走族とは異なり堂々とノーヘル運転や信号無視等の交通違反は行わないものの、必ずヘルメットを着用し信号も守りつつ捕まらない程度に陰湿にコールやラッパを鳴らしながら迷惑運転を繰り返す傾向がある。大人になっても不良を演じ、格好いいと思い込んでいる。臆病であったりするので本当の不良にはなりきれない。その筋での経験や武勇伝が多い人程持て囃される。グループ内では喧嘩や犯罪行為に対する虚言が多い。「凄い力」がある自分を妄想し、悦に入る。また、そういった設定のキャラクター作りをしている。公共の場所で大人が暴走族のコスプレをして騒ぎ同年代の家族連れから白い目で見られていても、やている本人はイケてるから注目されているのだと勘違いしている。要は良い年して子供の暴走族の真似をして喜んでいる「'''[[中二病]]'''」をこじらせてしまったちょっと痛い中高年の暴走族のコスプレの方々の集まりが旧車會である。
旧車會は従来の未成年の暴走族とは異なり堂々とノーヘル運転や信号無視等の交通違反は行わないものの、必ずヘルメットを着用し信号も守りつつも、捕まらない程度に陰湿にコールやラッパを鳴らしながら迷惑運転を繰り返す傾向がある。大人になっても反社会的な行動や不良を演じ、格好いいと思い込んでいる。根は臆病であったりするので本当の不良にはなりきれない。その筋での経験や武勇伝が多い人程持て囃される。グループ内では喧嘩や犯罪行為に対する虚言が多い。「凄い力」がある自分を妄想し、悦に入る。また、そういった設定のキャラクター作りをしている。路上や公共の場所で良い年した大人が暴走族のコスプレをして騒ぎ同年代の家族連れから白い目で見られていても、コールラッパを鳴らしている本人はイケてるから注目されているのだと勘違いしている。要は良い年して子供の暴走族の真似をして喜んでいる「'''[[中二病]]'''」をこじらせてしまった傍から見ててちょっと痛い中高年の暴走族のコスプレの方々の集まりが旧車會である。


旧車會は暴走族とは違い交通法規は守ると自称している。しかし、実態は暴走族同様に縄張りを主張する為に行コールやラッパ等を路上で無意味に鳴ら等の迷惑運転を行う。旧車會に集まる車両は暴走族を意識した改造が施されておりマフラーをより大きな音がする物に交換していたりナンバーを見え難く隠蔽する等の行為が目立つ車両が多い。特にコールやラッパ等の騒音に対する苦情や公共の場を占拠する等の迷惑行為から警察に110番通報が入る事も多い。旧車會イベント等の大規模な集団になると最後尾にはパトカーが付き添う形で監視される事が多い。近年では一斉検問を行う等の取り締まりも見られ警察でも暴走族の一形態として取り扱われる様になってきている。<ref>[http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kotsu/torishimari/bosozoku.html 暴走族等に対する取締り 警視庁]</ref><ref>[https://www.police.pref.osaka.jp/03kotsu/bousouzoku/02kyuusyakai_1.html 大阪府警察 | 暴走族を追放しよう! 暴走をしない、させない、見に行かない]</ref>。
旧車會は暴走族の格好をしているだけで、暴走族とは違い交通法規は守ると自称している。しかし、かつての暴走族縄張りを主張する為に行っていた、コールやラッパ等を路上で無意味に鳴らしたり蛇行運転を行う等の迷惑行為を行う点は暴走族と同じで主張には矛盾が見られる。旧車會に集まる車両はどれも暴走族を意識した改造が施されており、特にマフラーをより大きな音がする物に交換していたりナンバーを見え難く隠蔽する等の行為が目立つ車両が多い。特に近隣住民からのコールやラッパ等の騒音に対する苦情や公共の駐車長時間占拠する等の行為から警察に110番通報が入る事も多い。旧車會イベント等の大規模な集団になるとパトカーが付き添う形で監視る事が多い。近年では一斉検問を行う等の取り締まりも見られ警察でも暴走族の一形態として取り扱われる様になってきている。<ref>[http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kotsu/torishimari/bosozoku.html 暴走族等に対する取締り 警視庁]</ref><ref>[https://www.police.pref.osaka.jp/03kotsu/bousouzoku/02kyuusyakai_1.html 大阪府警察 | 暴走族を追放しよう! 暴走をしない、させない、見に行かない]</ref>。


警視庁では当初は共同危険行為の有無と年齢から、騒音程度は大目に見られていた時期も有ったが、旧車會の拡大とその迷惑行為に対する苦情が多く寄せられるにつれ、目に余る酷い運転を行う者に対してはヘルメットを着用していても、暴走族同様に共同危険行為として取り締まるケースも見られる様になった。近年では暴走族追放ポスターのデザインに中高年を意識した物が採用されたり、警視庁が推奨する呼び変え運動では未成年の暴走族は珍走団(ちんそうだん)と呼ばれるのに対し、大人の旧車會は珍古団(ちんこだん)と呼ばれ意図的に変な名前に呼び変える事で、暴走族=ダサい集団に参加させない様にする為の珍呼運動の対象となっている。
なお、「'''[[旧車会]]'''」と呼ばれる古いオートバイを愛好する一般の集まりとは同じ旧車という点では共通性があるものの、旧車會は暴走族崇拝や不良を意識した自己主張の強い集団であり素行面においても一般のオートバイ愛好家とは差異が見られる。


なお、「'''[[旧車会]]'''」と呼ばれる古いオートバイを愛好する一般の集まりとは同じ旧車という点では共通性があるものの、旧車會は暴走族や不良を意識した自己主張の強い集団であり素行面においても一般のオートバイ愛好家とは差異が見られる。一般人の旧車会がDQNの旧車會と同様に見られる事を懸念し、名称を変更するケースも見られ他のバイク乗りからも快く思われていない
更に、旧車會は、違法行為を敢行する者として警察が把握した数で、2017年で、6,304人である。<ref>[https://www.npa.go.jp/hakusyo/h30/honbun/html/u5510000.html 平成30年度警察白書 第5章安全かつ快適な交通の確保 第5節道路交通秩序の維持 第1項交通事故防止に資する交通指導取締り](2018年12月2日閲覧)</ref>

旧車會は、違法行為を敢行する者として警察が把握した数で、2017年で、6,304人である。<ref>[https://www.npa.go.jp/hakusyo/h30/honbun/html/u5510000.html 平成30年度警察白書 第5章安全かつ快適な交通の確保 第5節道路交通秩序の維持 第1項交通事故防止に資する交通指導取締り](2018年12月2日閲覧)</ref>


== 概要 ==
== 概要 ==
旧車會は主に成人した大人で構成れており、未成年の暴走族とは違い深夜に集団走行が行われる事は少ない。自称ツーリング活動は主に週末や休日の真昼間に行われる事が多い。当初は[[少年]]期に暴走族経験が有る[[成人]]が主体となっていた近年ではネットが普及した事で地元のチーム形式ではなく県外からも広く仲間を募る事が多くなってきている。近年では顔見知りでない者と一緒に走行する事も珍しくはなく何処の[[馬の骨]]かもわからない人物や暴走族験が全くない素人や、当時暴走族に憧れていたが喧嘩や逮捕さるのが怖くて少年期に暴走族に入れなかった中年デビューの参加者が多くを占める様になってきている。
旧車會の活動内容は暴走族全盛期に流行った古いオートバイを所有し、マフラー、ホーン、アップハンドル、3段シート、布たれ風防、ロケットカウルといった昔の暴走族を模したバイクに自身も未成年の暴走族の様な格好をし、当時の暴走族がやっていた縄張りを主張するコールを行いながら集団でバイクを走らせる。集団の中ではぶち上げロケット等の目立つ改造やコールが上手い人程持て囃されるのも暴走族と傾向が同じではあるが、未成年の暴走族の様な縄張りや掟等は存在せず目立って粋がる事以外に目的が有る訳はない


旧車會は、SNS、ブログ、掲示板等の今時の方法を駆使し県外からも広く参加者を募る傾向がある。共同危険行為は行わないと言っても特定のリーダーに属している訳でもなく参加者独自の傾向がみられる。そもそも、厳格にルールが決められている訳でもなく蛇行運転やタコ踊りをする者もいる。珍走ツーリング参加時にケツモチ料と称し身の安全を保証する代わり参加者から小銭を請求するグループも存在する。
旧車會は主に成人した大人で構成れており、未成年の暴走族とは違い深夜に集団走行が行われる事は少なく、自称ツーリング活動は主に週末や休日の真昼間に行われる事が多い。その構成員[[少年]]期に暴走族経験が有る[[成人]]が主体となっていたが、近年ではネットが普及した事で地元のチーム形式ではなく県外からもSNSを通じて広く仲間を募る事が多くなってきている。近年では顔見知りでない者と一緒に走行する事も珍しくはなく何処の[[馬の骨]]かもわからない人物や暴走族験が全くない素人や、当時暴走族に憧れていたが喧嘩や検挙さるのが怖くて少年期に暴走族に入れなかった中年デビューの参加者が多くを占める様になってきている。

従来の暴走族は特定のリーダーの元に集う地元のチーム形式の集団で縄張り意識が強かった。昔は素人が勝手に暴走族や不良の格好をしたりする事はご法度でハッタリ者は殴られるのが一般的であった。従来の暴走族は他のチームとの喧嘩も多く傷害で逮捕されるか共同危険行為にしても、罰則は免許取り消し家庭裁判所で審判を受けなくてはならず、ヤンキー根性がなくては務まらなかった一方で二十歳を迎えると引退する掟も存在していた。近年では地元の暴走族も既に解体されて存在しない事が多く、現役の暴走族のチームは数名規模の少人数である事が殆どで暴走族による凶悪事件は減ったが、その一方で不良の経験が全くない素人でも安全にこの手の活動が行えるようになった事で、旧車會と言う攻撃性を排除した[[マイルドヤンキー]]的なコスプレに近い組織が新たに形成されるに至り、現在では集団に参加する敷居が低くなった事で素人も取り込んで従来の暴走族よりも大規模化する要因となっている。

旧車會の活動内容は暴走族全盛期に流行った古いオートバイを所有し、マフラー、ホーン、アップハンドル、3段シート、布たれ風防、ロケットカウルといった昔の暴走族を模したバイクに自身も未成年の暴走族の様な格好をし、当時の暴走族がやっていた縄張りを主張するコールを行いながら集団でバイクを走らせる。集団の中ではぶち上げロケット等の目立つ改造やコールが上手い人程持て囃されるのも暴走族と傾向が同じではあるが、未成年の暴走族の様な縄張りや掟等は存在せず日頃の憂さ晴らしや人前で目立って粋がる事が主な目的である


[[1980年代]]の最盛期に比べて縮小した国内二輪市場の中では活気を呈しているようであるが、旧車會のルーツは昔の暴走族でその実態は年々厳しくなる取り締まりから逃れる為に呼称を変えただけで、その実態はヘルメットを被っただけの成人版暴走族である事が殆どである<ref name="aera">整然と走行中「中年暴走族」 『[[AERA]]』2012年12月17日号</ref>。
[[1980年代]]の最盛期に比べて縮小した国内二輪市場の中では活気を呈しているようであるが、旧車會のルーツは昔の暴走族でその実態は年々厳しくなる取り締まりから逃れる為に呼称を変えただけで、その実態はヘルメットを被っただけの成人版暴走族である事が殆どである<ref name="aera">整然と走行中「中年暴走族」 『[[AERA]]』2012年12月17日号</ref>。
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== 人気の高い車種 ==
== 人気の高い車種 ==
[[File:Honda CBX400F.jpg|thumb|220px|旧車會で人気が高いとされる[[ホンダ・CBX400F]]([[1981年]]型)]]主体となるのは暴走族全盛期に流行った[[1970年代]]から1980年代に製造されたオートバイ、特に[[カワサキ・Z400FX]]、[[カワサキ・KH|KH250・400]]、[[スズキ・GT380]]、[[GSX250E・400E]]、[[ホンダ・ホーク|ホンダ・CB400TホークII]]、[[ホンダ・ホーク|CB400NホークIII]]などが人気のある車種である<ref name="aera" />。なかでも[[1981年]]から[[1984年]]に販売された[[ホンダ・CBX400F]]、[[スズキ・GS400E]]は最も人気がある車種であり、販売当時の新車価格をはるかに上回る高値で取引されるため[[二輪車盗|盗難被害率]]が高く、[[ホンダ・CBX400F]]については盗難保険の加入を拒否されたことで話題となった。
[[File:Honda CBX400F.jpg|thumb|220px|旧車會で人気が高いとされる[[ホンダ・CBX400F]]([[1981年]]型)]]主体となるのは暴走族全盛期に流行った[[1970年代]]から1980年代に製造されたオートバイ、特に[[カワサキ・Z400FX]]、[[カワサキ・KH|KH250・400]]、[[スズキ・GT380]]、[[GSX250E・400E]]、[[ホンダ・ホーク|ホンダ・CB400TホークII]]、[[ホンダ・ホーク|CB400NホークIII]]などが人気のある車種である<ref name="aera" />。なかでも[[1981年]]から[[1984年]]に販売された[[ホンダ・CBX400F]]、[[スズキ・GS400E]]は最も人気がある車種であり、販売当時の新車価格をはるかに上回る高値で取引されるため[[二輪車盗|盗難被害率]]が高く、[[ホンダ・CBX400F]]については盗難保険の加入を拒否されたことで話題となった。
[[サムネイル]]

近年では[[CBX400F]]の中古車価格高騰に伴い海外向けに輸出された[[CBX550F]]を外国から輸入し新規登録時に排気量区分を400CCに偽り書類偽装し登録された車両も出回っている。(暴走族及び旧車會は大型自動二輪免許免許を所有していない人が多い為)
近年では[[CBX400F]]の中古車価格高騰に伴い海外向けに輸出された[[CBX550F]]を外国から輸入し新規登録時に排気量区分を400CCに偽り書類偽装し登録された車両も出回っている。(暴走族及び旧車會は大型自動二輪免許免許を所有していない人が多い為)
こういった旧車と呼ばれる古い時代の希少車をベースに、[[マフラー (原動機)|マフラー]]、[[三段シート]]、[[カウル#オートバイ|ロケットカウル]]等を装着し個性的な“'''族車'''”に改造して使用される。
こういった旧車と呼ばれる古い時代の希少車をベースに、[[マフラー (原動機)|マフラー]]、[[三段シート]]、[[カウル#オートバイ|ロケットカウル]]等を装着し個性的な“'''族車'''”に改造して使用される。

2018年12月14日 (金) 13:39時点における版

旧車會(きゅうしゃかい)とは、大人になっても子供の頃の暴走族が忘れられず真似をしてみたいとか、自身がまだ若かった10代の頃に暴走族の間で流行っていた400CC以下のオートバイの車種に拘り、今は絶版になり生産されていない旧車と呼ばれる古いオートバイに当時の暴走族を模した改造を施し、ミュージックコールと呼ばれるエンジンの空ぶかし行為やミュージックホーンと呼ばれるラッパを鳴らしながら、未成年の暴走族の頃の様に集団で珍走ツーリングにふける中高年の組織団体。「」の字に旧字体である「」を用いるのが表記上の特徴で心理学的見地からはピーターパン症候群の一種として考えられている。

旧車會は従来の未成年の暴走族とは異なり、構成員は主に二十を超えた成人が主体になって活動している。見た目は未成年の暴走族の様な格好をしているが、実際には成人した中高年が多くを占める。路上で無意味にコールやラッパを鳴らす等の迷惑行為を行うのは暴走族と似ているが、旧車會は警察に捕まる事を警戒して共同危険行為は行わない傾向にある。これは、ノーヘル運転や信号無視等のあからさまな暴走行為を行わない限り共同危険行為として検挙し難くいとされている為である。

旧車會は従来の未成年の暴走族とは異なり、堂々とノーヘル運転や信号無視等の交通違反は行わないものの、必ずヘルメットを着用し信号も守りつつも、捕まらない程度に陰湿にコールやラッパを鳴らしながら迷惑運転を繰り返す傾向がある。大人になっても反社会的な行動や不良を演じ、格好いいと思い込んでいる。根は臆病であったりするので本当の不良にはなりきれない。その筋での経験や武勇伝が多い人程持て囃される。グループ内では喧嘩や犯罪行為に対する虚言が多い。「凄い力」がある自分を妄想し、悦に入る。また、そういった設定のキャラクター作りをしている。路上や公共の場所で良い年した大人が暴走族のコスプレをして騒ぎ同年代の家族連れから白い目で見られていても、コールやラッパを鳴らしている本人達はイケてるから注目されているのだと勘違いしている。要は良い年して子供の暴走族の真似をして喜んでいる「中二病」をこじらせてしまった傍から見ててちょっと痛い中高年の暴走族のコスプレの方々の集まりが旧車會である。

旧車會は暴走族の格好をしているだけで、暴走族とは違い交通法規は守ると自称している。しかし、かつての暴走族が縄張りを主張する為に行っていた、コールやラッパ等を路上で無意味に鳴らしたり蛇行運転を行う等の、迷惑行為を行う点は暴走族と同じで主張には矛盾が見られる。旧車會に集まる車両はどれも暴走族を意識した改造が施されており、特にマフラーをより大きな音がする物に交換していたり、ナンバーを見え難く隠蔽する等の行為が目立つ車両が多い。特に近隣住民からのコールやラッパ等の騒音に対する苦情や、公共の駐車場等を長時間占拠する等の行為から警察に110番通報が入る事も多い。旧車會イベント等の大規模な集団になると、パトカーが付き添う形で監視する事が多い。近年では一斉検問を行う等の取り締まりも見られ、警察でも暴走族の一形態として取り扱われる様になってきている。[1][2]

警視庁では当初は共同危険行為の有無と年齢から、騒音程度は大目に見られていた時期も有ったが、旧車會の拡大とその迷惑行為に対する苦情が多く寄せられるにつれ、目に余る酷い運転を行う者に対してはヘルメットを着用していても、暴走族同様に共同危険行為として取り締まるケースも見られる様になった。近年では暴走族追放ポスターのデザインに中高年を意識した物が採用されたり、警視庁が推奨する呼び変え運動では未成年の暴走族は珍走団(ちんそうだん)と呼ばれるのに対し、大人の旧車會は珍古団(ちんこだん)と呼ばれ意図的に変な名前に呼び変える事で、暴走族=ダサい集団に参加させない様にする為の珍呼運動の対象となっている。

なお、「旧車会」と呼ばれる古いオートバイを愛好する一般の集まりとは、同じ旧車という点では共通性があるものの、旧車會は暴走族や不良を意識した自己主張の強い集団であり、素行面においても一般人のオートバイ愛好家とは差異が見られる。一般人の旧車会がDQNの旧車會と同様に見られる事を懸念し、名称を変更するケースも見られ他のバイク乗りからも快く思われていない。

旧車會は、違法行為を敢行する者として警察が把握した数で、2017年で、6,304人である。[3]

概要

旧車會は主に成人した大人で構成されており、未成年の暴走族とは違い深夜に集団走行が行われる事は少ない。自称ツーリング活動は主に週末や休日の真昼間に行われる事が多い。当初は少年期に暴走族経験が有る成人が主体となっていた。近年ではネットが普及した事で地元のチーム形式ではなく県外からも広く仲間を募る事が多くなってきている。近年では顔見知りでない者と一緒に走行する事も珍しくはなく、何処の馬の骨かもわからない人物や暴走族験が全くない素人や、当時は暴走族に憧れていたが喧嘩や逮捕さるのが怖くて、少年期に暴走族に入れなかった中年デビューの参加者が多くを占める様になってきている。

旧車會は、SNS、ブログ、掲示板等の今時の方法を駆使し県外からも広く参加者を募る傾向がある。共同危険行為は行わないと言っても特定のリーダーに属している訳でもなく参加者独自の傾向がみられる。そもそも、厳格にルールが決められている訳でもなく蛇行運転やタコ踊りをする者もいる。珍走ツーリング参加時にケツモチ料と称し身の安全を保証する代わり参加者から小銭を請求するグループも存在する。

従来の暴走族は特定のリーダーの元に集う地元のチーム形式の集団で縄張り意識が強かった。昔は素人が勝手に暴走族や不良の格好をしたりする事はご法度でハッタリ者は殴られるのが一般的であった。従来の暴走族は他のチームとの喧嘩も多く傷害で逮捕されるか共同危険行為にしても、罰則は免許取り消し家庭裁判所で審判を受けなくてはならず、ヤンキー根性がなくては務まらなかった一方で二十歳を迎えると引退する掟も存在していた。近年では地元の暴走族も既に解体されて存在しない事が多く、現役の暴走族のチームは数名規模の少人数である事が殆どで暴走族による凶悪事件は減ったが、その一方で不良の経験が全くない素人でも安全にこの手の活動が行えるようになった事で、旧車會と言う攻撃性を排除したマイルドヤンキー的なコスプレに近い組織が新たに形成されるに至り、現在では集団に参加する敷居が低くなった事で素人も取り込んで従来の暴走族よりも大規模化する要因となっている。

旧車會の活動内容は暴走族全盛期に流行った古いオートバイを所有し、マフラー、ホーン、アップハンドル、3段シート、布たれ風防、ロケットカウルといった昔の暴走族を模したバイクに自身も未成年の暴走族の様な格好をし、当時の暴走族がやっていた縄張りを主張するコールを行いながら集団でバイクを走らせる。集団の中ではぶち上げロケット等の目立つ改造やコールが上手い人程持て囃されるのも暴走族と傾向が同じではあるが、未成年の暴走族の様な縄張りや掟等は存在せず日頃の憂さ晴らしや人前で目立って粋がる事が主な目的である。

1980年代の最盛期に比べて縮小した国内二輪市場の中では活気を呈しているようであるが、旧車會のルーツは昔の暴走族でその実態は年々厳しくなる取り締まりから逃れる為に呼称を変えただけで、その実態はヘルメットを被っただけの成人版暴走族である事が殆どである[4]

1990年代半ばから2000年前後の時期においては共同危険行為はしないのが建前であったが、2000年代初頭から一部の構成メンバーの粗暴な一面が発露し、逮捕者が相次ぎ結果的に成人版暴走族と認識される様になった。[5]。集団走行によるエンジン音や派手な改造などへの誤解によって社会問題となってきている地域もある[5][6]

2000年代に入ってから警察の調査が進む事により、旧車會は暴走族の一類型とみなされている。一方で、旧車會のメンバー自身は自分達が旧来の暴走族とは違うということをアピールしているが高速道路サービスエリアでコールやラッパを鳴らして騒ぎ110番通報が入る事も多い。[4]2005年の時点で全国に約200の団体[6]2011年の時点では約650団体があり増加傾向にあるという[5]

旧車會には従来の未成年の暴走族の様に縄張りを争って喧嘩をしたり二十歳を迎えたら引退する掟は存在せず従来の未成年の暴走族が少子高齢化により数が少なくなった一方で年々高齢化と増加傾向に有り集団の数が増えるに伴い各地でトラブルを起こす事例が相次いでいる。

2011年には旧型車両に不正改造などをし、大きな音をたてて集団走行をする「旧車會(きゅうしゃかい)」と呼ばれるグループの中で、千葉県浦安市内を拠点としていた2輪車の旧車会「都會(みやこかい)・絆」と「ドラちゃん一家」の解散式が30日、市川市の行徳署敷地内で行われた。旧車会は各地に存在するが、解散式を行うのは極めて珍しいという。 双方の一部のメンバーが共謀して複数件の自動車保険金詐欺事件を起こしたことから、解散を決めた。解散式では、絆のリーダー(67)さんが「不正改造や爆音走行などの不法行為をやめ、社会に貢献することを誓う」と宣誓し=写真、県警によるオートバイの整備指導が行われた。

2011年には改造バイクに乗り、集団で高速道路の料金所を突破したとして、大阪府警高速隊は1日、道路整備特別措置法違反(料金所突破)容疑で、バイク販売修理店経営(34)=大阪市東淀川区大道南=と、生コン会社員(27)=大阪府岸和田市八阪町=の両容疑者を逮捕した。2人はそれぞれ元暴走族で、改造した旧型バイクを連ねて走る「旧車會」のメンバー。府警によると、料金所を突破した容疑で旧車會メンバーを摘発したのは全国初という。

2014年には大阪府茨木市を拠点とする旧車會、音泥棒麗心愚(おどろぼうれいしんぐ)の男女3人(親子含む)が立ち寄った先のコンビニの店長らに因縁をつけて土下座させ商品のたばこを脅し取り、さらに別の男がコンビニを管轄する営業所長に示談金名目で金銭を要求し逮捕されるコンビニ土下座強要事件があった。裁判の供述では過去にもファミレスで焼きそばが冷えていると言い無料にして貰った事がある。別のコンビニで妻の肩にぶつかった詫び料としてクオカードを受け取ったこともあった。かつてコンビニで賞味期限切れの食品を購入して体調を崩した旨を伝えたところ、現金10万円を受け取ることができた経験を思い出したと語った。

2015年には旧車會、昭和倶楽部(しょうわくらぶ)が初日の出暴走と呼ばれる、元旦に初日の出を目指し集団で暴走行為をしたとして、警視庁交通執行課は1日、道交法違反(共同危険行為)容疑で、埼玉県狭山市根岸の会社員、(40)ら男3人を逮捕した。同課によると全員容疑を認め、容疑者は「若いときの暴走行為が忘れられない。パトカーに追われて昔の血が騒いだ」と話しているという。20kmほど逃走するも自分のバイクから漏れたオイルで滑って転倒し身柄確保された。

人気の高い車種

旧車會で人気が高いとされるホンダ・CBX400F1981年型)

主体となるのは暴走族全盛期に流行った1970年代から1980年代に製造されたオートバイ、特にカワサキ・Z400FXKH250・400スズキ・GT380GSX250E・400Eホンダ・CB400TホークIICB400NホークIIIなどが人気のある車種である[4]。なかでも1981年から1984年に販売されたホンダ・CBX400Fスズキ・GS400Eは最も人気がある車種であり、販売当時の新車価格をはるかに上回る高値で取引されるため盗難被害率が高く、ホンダ・CBX400Fについては盗難保険の加入を拒否されたことで話題となった。

サムネイル 近年ではCBX400Fの中古車価格高騰に伴い海外向けに輸出されたCBX550Fを外国から輸入し新規登録時に排気量区分を400CCに偽り書類偽装し登録された車両も出回っている。(暴走族及び旧車會は大型自動二輪免許免許を所有していない人が多い為) こういった旧車と呼ばれる古い時代の希少車をベースに、マフラー三段シートロケットカウル等を装着し個性的な“族車”に改造して使用される。

脚注

関連項目

  • チャンプロード - 暴走族・旧車會を主に取り扱う専門雑誌。誌名で直接的に「旧車會」を謳った別冊ムックも刊行している。
  • 旧車会 - 「旧車會」以前より存在する旧車の愛好家の集まり。
  • 旧車 - クラシックカー・ビンテージカー・絶版車などとも呼ばれる古い車両。オートバイだけでなく自動車も含めて呼ばれる。

外部リンク