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2018年11月25日 (日) 23:01時点における版
ボディーガード(英: bodyguard)は、政府首脳、国賓、会社役員、著名人等、要人の身辺の安全を確保し、誘拐、暗殺などの脅威から守る人(およびその職業)の総称。
概要
多くの場合、政府首脳や王族・皇族などの重要な公人は、警察や治安部隊による数人〜数十人の警護官によって護衛されている。重要度の低い、もしくは襲撃の危険の少ない公人の場合は、運転手や秘書を兼ねたボディーガードを1人だけつけていることや、自費で民間のボディーガード(警備員)を雇っていることもある。公的な組織に所属している場合、「クロース・プロテクション・オフィサー(close protection officer、近接保護官)」などと呼ばれる場合もある。
ボディーガード達は、護衛対象を様々な攻撃や、災害・事故・病気などから護ることを職務としている。そのため、プロのボディーガードたちは通常、職務上必要とされる格闘や武器の操法、応急手当などの能力を備えている。
各国のボディーガード
日本
政府組織
- セキュリティポリス(SP)
- 皇宮護衛官とは、皇宮警察本部に属し、天皇・皇族の護衛、皇居の警備を任務としている司法警察職員。護衛を担当する皇宮護衛官は護衛部に属している。戦前の宮内省皇宮警察には特別警衛掛という護衛専門部署が設けられていた。
- 身辺警戒員(Protection Officer=略称PO)
- PO(身辺警戒員)とは、2012年に新設された、警察による暴力団対策の新たな試みである。各都道府県警察では、暴力団排除条例の施行後、同条例に基づいて暴力団との絶縁を図ったことを原因として暴力団員から危害を加えられる恐れのある者のボディーガードを任務とするPOの育成を実施し、POの取り組みを通じて暴力団排除条例の実効性強化に努めているところである。警察庁では、全国で数千名程度の警察官を非常勤の身辺警戒員に指名することを検討している[1]。
- 身辺警戒員は、都道府県警察に属する警備・刑事・生活安全等の各部門に勤務している警察官の中から選抜され、銀色の円形で“桜の枠の中にPO”が刻印されたバッジを着用すること、非常勤の警護員であることが特徴である。
- POは、保護対象に対して暴力団による襲撃が差し迫っていると認められる場合に出動し、覆面パトカー等を活用してSPと同様の警護を行うことが任務である。POによる警護を行う必要性は認められないが、暴力団とのトラブルが懸念される保護対象に対しては、携帯式の緊急通報装置の貸与、警察本部の保護対策官との携帯電話等による常時連絡態勢の確保、対象者の生活圏周辺への警ら実施、自身による警備業者の活用や防犯の助言等の保護対策が講じられる[2]。
民間
日本では、民間のボディーガード(SP)は、警備業について定めた警備業法第二条一項四号の警備業務の一つとして規定されており、そのため警備業界では四号業務と呼ばれている。彼らの身分はあくまでも民間人(警備員)であって、現行犯でない逮捕や身体捜検といった一切の法的特権を有しない。また、警護の方法にも警備業法により様々な制約がある。例えば、装備できる武器は、警察の許可を受けた特殊警棒やフラッシュライト、防刃ベスト、刺又等、非殺傷性の防犯用品に限定されている。
警備会社や私立探偵が行うボディーガードは、護身術や警戒監視能力等の各種技能と無線機や隠しカメラ等の装備を駆使して顧客に対する暴行や脅迫を抑止し、顧客の生命と財産を防護する。実際に襲撃があった場合は、顧客の保護を第一義として、民間人にも許されている現行犯と緊急避難の法的根拠をもって加害者の制圧に努め、その身柄を確保して警察に引き渡す。なお、警備業法の定めにより、犯人の身柄確保に手錠を使用することは許されない。万一顧客が受傷した場合には、応急救護処置を行いつつ医療機関に移送することとなる。日本の警備会社では、ボディガードが有する技能を活かした副業として、医療機関の警備や、精神疾患を有する患者の外出や移送時の付き添い業務も請け負う。
芸能界や経済界における著名人の中には、万一の事態に備えてボディーガードを雇っている者もいる。今日、ボディーガードに対する需要は極めて高く、身辺警護専門の警備会社が数多く存在するほか、興信所の私立探偵も調査会社として培ってきた技能を活かしてボディーガードや四号警備を仕事の一つにしている。
ボディーガード(身辺警護・要人警護)の国内教育訓練機関としては、世界最大の国際ボディーガード組織IBA(International Bodyguard Association=国際ボディーガード協会;本部アイルランド)の日本支部が2007年に設立された他、2010年には別団体として国内に本拠地を置く日本ボディーガード協会も設立された。
中華民国
- 中華民国国家安全局
中華人民共和国
大韓民国
- 大韓民国大統領室(従来は別だった秘書部門とボディーガード部門が2008年に統合された)
アメリカ
- アメリカ合衆国シークレットサービス(United States Secret Service)
ロシア
ドイツ
- ドイツ連邦刑事局近接警護部隊(Close Protection Group)
ボディーガードを主題とした作品
- ボディガード牙 - 原作:梶原一騎・作画:中城健による劇画、および千葉真一主演による1973年の日本映画。
- ザ・ボディガード - 1974年のテレビドラマで、主演は千葉真一。
- ボディガード - 1992年のケビン・コスナー主演のアメリカ合衆国の映画。
- マイ・ボディガード - 落ちぶれたボディーガードと護衛対象の少女の心の触れ合いを描いた映画。
- 用心棒 - 日本古来のボディーガードを扱った映画。
- マルタイの女 - 1997年の伊丹十三監督の映画。『ミンボーの女』公開後の、伊丹へ対する山口組系後藤組構成員による襲撃事件で、自身が「マルタイ」(護衛対象者)になった経験がヒントになっている。
- 火曜サスペンス劇場・身辺警護シリーズ
- ボディーガード - 1997年の長渕剛主演のテレビドラマ。
- 傷だらけの女 - 1999年の高島礼子主演のテレビドラマ。
- 4号警備 - 2017年の窪田正孝主演のテレビドラマ。
- BG〜身辺警護人〜 - 2018年の木村拓哉主演のテレビドラマ。
- 闇のイージス - 自身を「護り屋」と呼称し、「イージスの盾」と呼ばれる義手で音速の銃弾を弾く。
- 暁の護衛
- トランスポーター2
- フルメタル・パニック!
- 東京警備指令 ザ・ガードマン
- 守護神・ボディーガード 進藤輝
脚注
- ^ 2012/02/16 産経新聞「身辺警戒員」警戒時の装着バッジ公開 警察庁
- ^ 「保護対策実施要綱の制定について(依命通達)」警察庁