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「当番弁護士制度」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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誤った知識。被告人に当番弁護士は付きません。逮捕後の被疑者に付きます。つまり、被告人になれば国選弁護人が選任されます。刑訴36条
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== 制度趣旨 ==
== 制度趣旨 ==
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* [[日本司法支援センター]]
* [[日本司法支援センター]]
* [[救援連絡センター]]
* [[救援連絡センター]]

== 脚注 ==
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== 外部リンク ==
== 外部リンク ==

2019年1月13日 (日) 07:37時点における版

当番弁護士制度(とうばんべんごしせいど)とは、弁護士会被疑者無償弁護士を派遣する制度である[1]

制度趣旨

現行法上、刑事事件被疑者として逮捕された者には弁護権が保障されている(日本国憲法第34条)が、弁護士依頼費用を負担できるほどの財力を有していない者に対しては、起訴後の国選弁護制度刑事訴訟法36条)による国からの補助があるのみである。従って、逮捕後の捜査段階において、財力を持たない者は、自己を弁護する権利を正当に行使できない虞が生じてしまうことになる。過去には「取調官による暴力・自白の強要」「捜査官による事実の歪曲」など、弁護士を通じた防御が為されていれば起こらなかったと考えられるような問題が、裁判の中で明らかになる事例がある。しかしながら、取調室という密室で行われた事に関して、弁護士を通じていない被疑者が不当性を立証することは困難であり、冤罪の温床として、多くの法学者により対策が求められていた。

このような事態を重く見た日弁連が、1990年に大分県弁護士会で行われていた制度から始まり、各都道府県の弁護士会の協力によって1992年から全国的に実施された。2002年に、日弁連が発表した統計では、刑事事件で逮捕された人の約4割にあたる6万3千人が本制度を利用するに至っている。

なお、近年では民事においても当番弁護士制度を導入する弁護士会が出てきている(後述)。

制度の概要

  • 逮捕後、当番弁護士を呼んで欲しい旨を警察に告げると、所管の弁護士会へ連絡してもらえる。家族や知人が依頼することもできる。
  • 基本的に24時間対応だが、夜間等においては留守番電話などで受付のみしている所が多い。
  • 逮捕後、当番弁護士としての最初の依頼は無料である。引き続き弁護を依頼する場合には、弁護費用が必要となるが、経済的に負担が困難な場合には法律扶助制度の適用を受けることができる。

問題

現在の制度は、以下のような問題を残したままである。

  • 当番弁護士の派遣は、弁護士会による完全なボランティアである。無料となっている当番弁護士としての最初の派遣の際の担当弁護士の報酬・経費は、弁護士会の予算から支出されており、公的な支援体制はない。
  • そもそも起訴前の弁護士による弁護は、法的な整備が遅れている為、警察側が協力に否定的な場合は刑事訴訟法39条3項(「捜査のための必要」であれば接見交通権を制限できる)を盾に認めないことが多い。
  • 逮捕者=犯罪者という誤解から、(実際に存在し得るその権利の濫用による社会的な費用負担も含め)当番弁護士制度そのものに否定的な考えが一部に根強く残っている。
  • 通常、捜査当局側は逮捕した被疑者に対して「弁護士を呼ぶ権利がある」と口頭で簡単に伝えるのみで、本制度の存在や法的扶助に関しての説明は無い為、「権利はあっても弁護士の知り合いはいない。費用も無い」と本制度の存在を知らず、活用できずに送検に至る被疑者が多数存在する。

法的整備

  • 2001年6月内閣の司法制度改革審議会がまとめた最終報告に「被疑者に対する公的弁護制度を導入し、被疑者段階と被告人段階とを通じ一貫した弁護体制を整備すべき」と明記された。
  • 司法制度改革審議会の報告を受けて発足した司法制度改革推進本部に、公的弁護制度検討会が設置され、法的整備への具体的な方策が検討されている。

当番弁護士制度の外部支援者

家事当番弁護士制度

大阪弁護士会2007年10月1日から、離婚相続などを巡って訴訟や調停の当事者になった人を対象に、初回の相談に無料で応じる家事当番弁護士制度を導入している。このような調停などに弁護士が関与する割合が低いため、弁護士に依頼しやすい環境を整えて手続などを助言し、早期に紛争を解決するのが狙いである。

関連項目

脚注

  1. ^ 平井宜雄、新堂幸司、金子宏『法律学小辞典第4版補訂版』有斐閣、2008年、936頁。ISBN 978-4-641-00027-8 

外部リンク