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「タナガワトウダイグサ」の版間の差分

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== 特徴 ==
== 特徴 ==
高さ16-30メートルの多肉な樹木で<ref name="hjb">{{Harvcoltxt|Beentje|1994}}.</ref>、枝は5-6稜を持ち、幅11センチメートル以下である<ref name="hjb" />。節はほとんどない<ref name="hjb" />。多肉質な枝に沿って対になった刺があ<ref name="hjb" />。白い[[乳液]]を含む<ref name="hjb"/>。葉は長さ6ミリメートル以下で、[[落葉]]性である<ref name="hjb" />。[[杯状花序]]は赤く、花柄が短い[[集散花序]]を構成する<ref name="hjb" />。果実は赤色で3裂する[[蒴果]]、直径約5ミリメートル<ref name="hjb" />。
高さ16-30メートルの多肉な樹木で<ref name="hjb">{{Harvcoltxt|Beentje|1994}}.</ref>、幹が[[単幹]]で直径40センチメートル前後<ref name="c&rm">{{Harvcoltxt|Carter|R.-Smith|1988|p=497&ndash;8}}.</ref>、樹皮が黄味がかった緑色で<ref name="c&rm" />、枝は5-6稜を持ち、幅11センチメートル以下である<ref name="hjb" />。節はほとんどない<ref name="hjb" />が、最末小枝は多肉質で幅5-10センチメートル、10-35センチメートルの間隔でくびれている<ref name="c&rm" />。多肉質な枝に沿って対になった刺があ<ref name="hjb" />、長さ3-4ミリメートルである<ref name="c&rm" />。白い[[乳液]]を含む<ref name="hjb"/>。葉は[[落葉]]性で<ref name="hjb" />[[Δ|デルタ字]]状、8-12×4-6ミリメートルである<ref name="c&rm" />。[[杯状花序]]は4×12ミリメートル前後非常に広い杯状の[[総苞]]を有し全体が暗紅色であり、横楕円形で2.5×5ミリメートル前後の[[蜜腺]]が5-6本、横楕円形で2×4ミリメートルの[[裂片]]が5-6あり<ref name="c&rm" />、長さ2.5センチメートル以下の[[花柄]]を有する1-3出で2叉の<ref name="c&rm" />[[集散花序]]を構成する<ref name="hjb" />。[[苞葉]]は円形で2.5×4.5ミリメートル前後である<ref name="c&rm" />。[[雄蕊]](おしべ)は長さ3.75ミリメートルである<ref name="c&rm" />。[[雌花]]は[[花被]]が3裂で裂片は1ミリメートル前後、[[花柱]]が長さ1ミリメートル、厚く多肉質、基部で繋がり、先端が厚く、2裂する<ref name="c&rm" />。果実は赤色で3裂する[[蒴果]]で<ref name="hjb" />未熟な蒴果は長さ14ミリメートルの[[小花柄]]上に突出し、6×10ミリメートルである<ref name="c&rm" />。

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File:Eu-tanaensis_cyathia7_morawetz415.jpg|杯状花序。
File:Eu-tanaensis_cyathia7_morawetz415.jpg|杯状花序。
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本種が見られるのは[[ケニア]]のみ、それもたった42平方キロメートルの{{仮リンク|ヴィツウ森林保護区|en|Witu Forest}}({{Lang-en-short|Witu Forest Reserve}})内の、[[半落葉性]]の[[湿地林]]のみである<ref name="IUCN" />。{{Harvcoltxt|Beentje|1994}} は10本の樹木のみが存在を知られているとしていたが、[[東アフリカ]]のレッドリスト({{Lang-en-short|East African Plant Red List Authority}})による評価がなされた2006年を経た時点ではさらに数が減って成木が4本確認されたのみであり、容易に絶滅しかねない状況となっている<ref name="IUCN" />。
本種が見られるのは[[ケニア]]のみ、それもたった42平方キロメートルの{{仮リンク|ヴィツウ森林保護区|en|Witu Forest}}({{Lang-en-short|Witu Forest Reserve}})内の、[[半落葉性]]の[[湿地林]]のみである<ref name="IUCN" />。{{Harvcoltxt|Beentje|1994}} は10本の樹木のみが存在を知られているとしていたが、[[東アフリカ]]のレッドリスト({{Lang-en-short|East African Plant Red List Authority}})による評価がなされた2006年を経た時点ではさらに数が減って成木が4本確認されたのみであり、容易に絶滅しかねない状況となっている<ref name="IUCN" />。


本種は違法伐採やィツウの林縁にまで入り込んで行われる[[農牧]]活動といった脅威に晒されている<ref name="IUCN" />。ヴィツウ森林保護区は法的に保護されてはいるものの、民間事情の不安定さにより法律が施行されなかったり研究意欲が削がれたりしてきたことから、タナガワトウダイグサは依然絶滅の瀬戸際にある状況であるといえる<ref name="IUCN" />。
本種は違法伐採やィツウの林縁にまで入り込んで行われる[[農牧]]活動といった脅威に晒されている<ref name="IUCN" />。ヴィツウ森林保護区は法的に保護されてはいるものの、民間事情の不安定さにより法律が施行されなかったり研究意欲が削がれたりしてきたことから、タナガワトウダイグサは依然絶滅の瀬戸際にある状況であるといえる<ref name="IUCN" />。


2人の保護活動家がタナガワトウダイグサを栽培していることが知られており、繁殖や自生地への[[再導入]]に向けての基金が求められているところである<ref name="IUCN" />。
2人の保護活動家がタナガワトウダイグサを栽培していることが知られており、繁殖や自生地への[[再導入]]に向けての基金が求められているところである<ref name="IUCN" />。

なお、多肉化するトウダイグサ属植物であるため、[[ワシントン条約]](CITES)附属書IIの適用対象となる<ref name="IUCN" />。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
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英語:
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* {{Cite book|last=Beentje|first=H.J.|year=1994|url=http://www.nzdl.org/gsdlmod?e=d-00000-00---off-0unescoen--00-0----0-10-0---0---0direct-10---4-------0-1l--11-en-50---20-about---00-0-1-00-0--4----0-0-11-10-0utfZz-8-10&a=d&c=unescoen&cl=CL1.6&d=HASH01b88f73433d5003648dbf5b.12.53|title=Kenya Trees, Shrubs and Lianas|location=Nairobi, Kenya|publisher=National Museum of Kenya|isbn=9966-9861-0-3|ref=harv}}
* {{Cite book|last=Beentje|first=H.J.|year=1994|url=http://www.nzdl.org/gsdlmod?e=d-00000-00---off-0unescoen--00-0----0-10-0---0---0direct-10---4-------0-1l--11-en-50---20-about---00-0-1-00-0--4----0-0-11-10-0utfZz-8-10&a=d&c=unescoen&cl=CL1.6&d=HASH01b88f73433d5003648dbf5b.12.53|title=Kenya Trees, Shrubs and Lianas|location=Nairobi, Kenya|publisher=National Museum of Kenya|isbn=9966-9861-0-3|ref=harv}}
* CAMP Workshop, Kenya (November 1996). (1998). ''Euphorbia tanaensis''. The IUCN Red List of Threatened Species 1998: e.T30898A9581019. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.1998.RLTS.T30898A9581019.en. Downloaded on '''29 September 2018'''.
* CAMP Workshop, Kenya (November 1996). (1998). ''Euphorbia tanaensis''. The IUCN Red List of Threatened Species 1998: e.T30898A9581019. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.1998.RLTS.T30898A9581019.en. Downloaded on '''24 January 2019'''.
* {{Cite book|last=Carter|first=Susan|last2=R.-Smith|first2=A.|year=1988|url=https://books.google.co.jp/books?id=fnDoVdC1pcwC&pg=PA497&dq=Candollea+29+390&hl=ja&sa=X&ved=0ahUKEwjg4PDrs-PdAhXFyLwKHbIoChMQ6AEILzAB#v=onepage&q=Candollea%2029%20390&f=false|title=Euphorbiaceae (Part 2)|series=Flora of Tropical East Africa: Prepared at the Royal Botanic Gardens/Kew with assistance from the East African Herbarium|editor=R.M.Polhill|location=Rotterdam and Brookfield|publisher=A.A.Balkema|isbn=90 6191 338 1|ncid=BA13596927|ref=harv}}
* Maundu, Patrick and Bo Tengnäs (eds.) (2005). [http://www.worldagroforestry.org/publication/useful-trees-and-shrubs-kenya ''Useful Trees and Shrubs for Kenya''], [http://www.worldagroforestry.org/usefultrees/pdflib/Euphorbia_candelabrum_KEN.pdf p. 231]. Nairobi, Kenya: World Agroforestry Centre&mdash;Eastern and Central Africa Regional Programme (ICRAF-ECA). {{ISBN|9966-896-70-8}} Accessed online 29 September 2018 via http://www.worldagroforestry.org/usefultrees
日本語・英語:
日本語・英語:
* IUCN(国際自然保護連合)編、岩槻邦男・太田英利 訳『IUCNレッドリスト 世界の絶滅危惧生物図鑑』丸善出版、2014年、189頁。{{ISBN|978-4-621-08764-0}}(原典: [http://s3.amazonaws.com/iucnredlist-newcms/staging/species-of-the-day/euphorbia-tanaensis/pdfs/original/euphorbia-tanaensis.pdf?1466624286 Species of the Day: ''Euphorbia tanaensis'']. {{Accessdate|2018-09-29}}画像もこちらを参照。
* IUCN(国際自然保護連合)編、岩槻邦男・太田英利 訳『IUCNレッドリスト 世界の絶滅危惧生物図鑑』丸善出版、2014年、189頁。{{ISBN2|978-4-621-08764-0}}(原典: [http://s3.amazonaws.com/iucnredlist-newcms/staging/species-of-the-day/euphorbia-tanaensis/pdfs/original/euphorbia-tanaensis.pdf?1466624286 Species of the Day: ''Euphorbia tanaensis'']. {{Accessdate|2019-01-24}})


== 関連文献 ==
== 関連文献 ==
* {{Cite journal|last=Bally|first=P.R.O.|authorlink=:en:Peter René Oscar Bally|year=1964|title=Miscellaneous notes on the flora of Tropical East Africa, including descriptions of new taxa, 16–22|journal=Candollea|volume=19|page=160<!--|pages=145–166-->|doi=10.5169/seals-880377|url=https://www.e-periodica.ch/digbib/view?pid=can-002%3A1964%3A19#164}} - 本種の形態が初めて記された文献。この時点では1958年1月1日以降であるにもかかわらず[[タイプ (分類学)|タイプ]]が指定されていなかったため、無効名と見做される (参照: [[国際藻類・菌類・植物命名規約|ICN]] 2018年版、[https://www.iapt-taxon.org/nomen/pages/main/art_40.html 第40条1項])。
* {{Cite journal|journal=Candollea|number=29|page=390|year=1974|ref=harv}}(本種の原[[記載]]文献。)
* {{Cite journal|last=Bally|first=P.R.O.|authorlink=:en:Peter René Oscar Bally|last2=Carter|first2=Susan|authorlink2=:en:Susan Carter Holmes|year=1974|title=Miscellaneous notes on the flora of Tropical East Africa|journal=Candollea|volume=29|issue=2|page=390|doi=10.5169/seals-880150|url=https://www.e-periodica.ch/digbib/view?pid=can-002:1974:29::601#414}} - 本種の原[[記載]]文献。ここで漸くタイプ([[:en:Percy James Greenway|Greenway]] 9473; [[キュー王立植物園]]所蔵; cf. [https://data.kew.org/records/occurrences/0bf37c54-6184-4ff5-b5d6-67235297f3f7 K000237687]<sup>([https://www.gbif.org/occurrence/912213761 GBIF], [https://plants.jstor.org/stable/10.5555/al.ap.specimen.k000237687 JSTOR])</sup> & [https://data.kew.org/records/occurrences/945e34be-460d-45b3-9588-e7ee07733e69 K000237688]<sup>([https://www.gbif.org/occurrence/912213733 GBIF], [https://plants.jstor.org/stable/10.5555/al.ap.specimen.k000237688 JSTOR])</sup>)が提示され、有効名となった。ただし {{Harvcoltxt|Carter|R.-Smith|1988}} で指摘されている通り、バリーが示した採取地情報は誤ったものとなっている。

== 外部リンク ==
{{Commonscat}}
{{Wikispecies|Euphorbia tanaensis|''Euphorbia tanaensis''}}

{{Plant-stub}}
{{Plant-stub}}


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[[Category:多肉植物]]
[[Category:多肉植物]]
[[Category:トウダイグサ属]]
[[Category:トウダイグサ属]]
[[Category:ワシントン条約附属書II]]

2023年12月3日 (日) 09:51時点における最新版

タナガワトウダイグサ
タナガワトウダイグサの花序。
保全状況評価
CRITICALLY ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.2.3 (1994))
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 core eudicots
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : バラ上群 superrosids
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : rosid I / Fabidae
: キントラノオ目 Malpighiales
: トウダイグサ科 Euphorbiaceae
: トウダイグサ属 Euphorbia
: タナガワトウダイグサ E. tanaensis
学名
Euphorbia tanaensis P.R.O.Bally & S.Carter
和名
タナガワトウダイグサ

タナガワトウダイグサ[1]学名: Euphorbia tanaensis P.R.O.Bally & S.Carter)とは、トウダイグサ科トウダイグサ属落葉高木の一種である。ケニアのたった1箇所のみに分布するが、その個体数も著しく少なく、絶滅の危機に瀕している(参照: #分布・保全状況)。

特徴

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高さ16-30メートルの多肉な樹木で[2]、幹が単幹で直径40センチメートル前後[3]、樹皮が黄味がかった緑色で[3]、枝は5-6稜を持ち、幅11センチメートル以下である[2]。節はほとんどない[2]が、最末小枝は多肉質で幅5-10センチメートル、10-35センチメートルの間隔でくびれている[3]。多肉質な枝に沿って対になった刺があり[2]、長さ3-4ミリメートルである[3]。白い乳液を含む[2]。葉は落葉性で[2]デルタ字状、8-12×4-6ミリメートルである[3]杯状花序は4×12ミリメートル前後、非常に広い杯状の総苞を有し全体が暗紅色であり、横楕円形で2.5×5ミリメートル前後の蜜腺が5-6本、横楕円形で2×4ミリメートルの裂片が5-6あり[3]、長さ2.5センチメートル以下の花柄を有する1-3出で2叉の[3]集散花序を構成する[2]苞葉は円形で2.5×4.5ミリメートル前後である[3]雄蕊(おしべ)は長さ3.75ミリメートルである[3]雌花花被が3裂で裂片は1ミリメートル前後、花柱が長さ1ミリメートル、厚く多肉質、基部で繋がり、先端が厚く、2裂する[3]。果実は赤色で3裂する蒴果[2]、未熟な蒴果は長さ14ミリメートルの小花柄上に突出し、6×10ミリメートルである[3]

分布・保全状況

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CRITICALLY ENDANGERED (IUCN Red List Ver. 2.3 (1994))[4]

本種が見られるのはケニアのみ、それもたった42平方キロメートルのヴィツウ森林保護区英語版: Witu Forest Reserve)内の、半落葉性湿地林のみである[1]Beentje (1994) は10本の樹木のみが存在を知られているとしていたが、東アフリカのレッドリスト(: East African Plant Red List Authority)による評価がなされた2006年を経た時点ではさらに数が減って成木が4本確認されたのみであり、容易に絶滅しかねない状況となっている[1]

本種は違法伐採やヴィツウの林縁にまで入り込んで行われる農牧活動といった脅威に晒されている[1]。ヴィツウ森林保護区は法的に保護されてはいるものの、民間事情の不安定さにより法律が施行されなかったり研究意欲が削がれたりしてきたことから、タナガワトウダイグサは依然絶滅の瀬戸際にある状況であるといえる[1]

2人の保護活動家がタナガワトウダイグサを栽培していることが知られており、繁殖や自生地への再導入に向けての基金が求められているところである[1]

なお、多肉化するトウダイグサ属植物であるため、ワシントン条約(CITES)附属書IIの適用対象となる[1]

脚注

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  1. ^ a b c d e f g IUCN (2014).
  2. ^ a b c d e f g h Beentje (1994).
  3. ^ a b c d e f g h i j k Carter & R.-Smith (1988:497–8).
  4. ^ CAMP Workshop (1998).

参考文献

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英語:

日本語・英語:

関連文献

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外部リンク

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