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'''旧車會'''(きゅうしゃかい)とは、[[旧車]]と呼ばれる古い[[オートバイ]]に[[暴走族]]風の改造を施しツーリングする[[組織 (社会科学)|組織]]・[[団体]]。「会」の字に[[旧字体]]である「'''會'''」を用いるのが表記上の特徴。
'''旧車會'''(きゅうしゃかい)とは、大人になっても子供の頃の暴走族を忘れられず[[旧車]]と呼ばれる古い[[オートバイ]]に当時の[[暴走族]]を意識した改造を施しミュージックコールと呼ばれるエンジンの空ぶかし行為やミュージックホーンと呼ばれるラッパを鳴らしながら暴走族の様に集団で珍走ツーリングする[[組織 (社会科学)|組織]]・[[団体]]。「''''''」の字に[[旧字体]]である「'''會'''」を用いるのが表記上の特徴。


旧車會は従来の未成年の暴走族とは異なり構成員は主に二十を超えた成人で構成されている。未成年の暴走族の様な格好をしていても実際は成人で共同危険行為で捕まる事を恐れている。旧車會は従来の未成年の暴走族とは異なり堂々とノーヘルで信号無視等の交通違反は行わない。必ずヘルメットを着用し信号を守りつつコールやラッパを鳴らしながら自己主張しながら走行する。大人になっても不良を演じ、格好いいと思い込んでいる。その筋での経験や武勇伝が多い人程持て囃される。グループ内では喧嘩や犯罪行為に対する虚言が多い。「凄い力」がある自分を妄想し、悦に入る。また、そういった設定のキャラクター作りをしている。公共の場で暴走族のコスプレをして騒ぎ同年代の家族連れから白い目で見られていても、やっている本人はイケてるから注目されているのだと勘違いしている。要は良い年して子供の暴走族の真似をして喜んでいる「'''[[中二病]]'''」をこじらせてしまったちょっと痛い大人の暴走族のコスプレの方々の集まりが旧車會である。
交通法規守るなどの暴走族とは違った行動をとると自称している。だが、実態は暴走族と変わらない走行を続けている。そのようことから警察からは暴走族の一形態として取り扱われている<ref>[http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kotsu/torishimari/bosozoku.html 暴走族等に対する取締り 警視庁]</ref><ref>[https://www.police.pref.osaka.jp/03kotsu/bousouzoku/02kyuusyakai_1.html 大阪府警察 | 暴走族を追放しよう! 暴走をしない、させない、見に行かない]</ref>。なお、「'''[[旧車会]]'''」と呼ばれる古いオートバイや自動車など愛好者の集まりとは、同じように旧車を愛好する点では共通性がるものののバイクの改造の性質や行において差異が見られている。

旧車會は信号無視等のあからさまな暴走行為は行わない為共同危険行為として検挙し難くいとされているが、大人になっても暴走族特有のコール等の迷惑行為を行う為通報されてしまう事も多く、集団の最後尾にはパトカーが付き添い監視されている事が多い。旧車會の多くは不良を意識しマフラーを意図的に大きな音がする物に変更しナンバーも見え難く隠蔽しているケースが多く中には目に余る迷惑行為をやり過ぎて逮捕されてしまうケースもある。

旧車會は暴走族とは違い交通法規は守ると自称している。しかし、実態は暴走族の格好をし暴族が縄張りを主張するコール等の迷惑行う点において矛盾している。そのから警察からは暴走族の一形態として取り扱われている<ref>[http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kotsu/torishimari/bosozoku.html 暴走族等に対する取締り 警視庁]</ref><ref>[https://www.police.pref.osaka.jp/03kotsu/bousouzoku/02kyuusyakai_1.html 大阪府警察 | 暴走族を追放しよう! 暴走をしない、させない、見に行かない]</ref>。なお、「'''[[旧車会]]'''」と呼ばれる古いオートバイの一般の集まりとは旧車を愛好する点では共通性が見られるものの旧車會は暴走族崇拝やその性質や行において差異が見られる。

警視庁では未成年の暴走族を珍走団(ちんそうだん)と呼ぶのに対し成人の旧車會を珍古団(ちんこだん)と呼び従来の暴走族とは年齢と共同危険行為の有無で分類している。


== 概要 ==
== 概要 ==
旧車會の活動内容は暴走族全盛期に流行った古いオートバイを所有し、マフラー、ホーン、アップハンドル、3段シート、布たれ風防、ロケットカウルといった昔の暴走族を模したバイクに自身も未成年の暴走族の様な格好をし、当時の暴走族がやっていた縄張りを主張するコールを行いながら集団でバイクを走らせる。集団の中ではぶち上げロケット等の目立つ改造やコールが上手い人程持て囃されるのも暴走族と傾向が同じではあるが、未成年の暴走族の様な縄張りや掟等は存在せず目立って粋がる事以外に目的が有る訳ではない。
旧車會の活動は、主に古いオートバイを所有して[[レストア]]や改造を行ったり、歓談や[[オートバイツーリング|ツーリング]]などの「暴走族風だが暴走族とは違った法規を守る集団走行」などを行うと自称している。集団走行は主に休日の昼間や週末の夜間に行われる。その構成員は、[[少年]]期に暴走族に参加経験がある[[成人]]が主体となるが、暴走族への参加経験がない成人が加わることもある。[[1980年代]]の最盛期に比べて縮小した国内二輪市場の中では活気を呈しているようであるが、その直接的ルーツは違法行為を働いていた暴走族であり、実質は呼称を替えただけの成人暴走族であることがほとんどである<ref name="aera">整然と走行中「中年暴走族」 『[[AERA]]』2012年12月17日号</ref>。


旧車會は主に成人した大人で構成それており、未成年の暴走族とは違い深夜に集団走行が行われる事は少なく、自称ツーリング活動は主に週末や休日の真昼間に行われる事が多い。その構成員は、[[少年]]期に暴走族経験が有る[[成人]]が主体となっていたが、近年ではネットが普及した事で地元のチーム形式ではなく県外からもSNSを通じて広く仲間を募る事が多く、近年では顔見知りでない者と一緒に走行する事も珍しくはなく何処の[[馬の骨]]かもわからない人や暴走族験が全くない素人や、当時暴走族に憧れていたが喧嘩や捕まるのが怖くて暴走族に入れなかった中年デビューの参加者が多くを占める様になってきている。
[[1990年代]]半ばから[[2000年]]前後の時期においては[[共同危険行為]]はしないのが建前であったが、[[2000年代]]初頭から一部の構成メンバーの粗暴な一面が発露し、結果的に成人版[[暴走族]]と誤解されている<ref name="iza-2011">[https://web.archive.org/web/20120106001637/http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/489405/ イザ!:「改造バイク集団で料金所突破 大阪府警、旧車會メンバー逮捕」(2011年2月1日)] - [[産経デジタル|iZA]] - データなし。(2012年1月6日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref>。集団走行によるエンジン音や派手な改造などへの誤解によって社会問題となってきている地域もある<ref name="iza-2011" /><ref name="response-2005">[http://response.jp/issue/2005/0719/article72665_1.html レスポンス - 2005年07月19日 - 旧車会は暴走族に近い…警察庁が実態把握急ぐ] [[Response.]]</ref>。


[[1980年代]]の最盛期に比べて縮小した国内二輪市場の中では活気を呈しているようであるが、旧車會のルーツは昔の暴走族でその実態は年々厳しくなる取り締まりから逃れる為に呼称を変えただけで、その実態はヘルメットを被っただけの成人版暴走族である事が殆どである<ref name="aera">整然と走行中「中年暴走族」 『[[AERA]]』2012年12月17日号</ref>。
2000年代に入ってから警察の調査が進む事により、旧車會は暴走族の一類型とみなされている。一方で、旧車會のメンバー自身は自分達が旧来の暴走族とは違うということをアピールしているが[[高速道路]]の[[サービスエリア]]に駐車していて110番が入ることある<ref name="aera" />。[[2005年]]の時点で全国に約200の団体<ref name="response-2005" />、[[2011年]]の時点では約650団体があり増加傾向にあるという<ref name="iza-2011" />。

[[1990年代]]半ばから[[2000年]]前後の時期においては[[共同危険行為]]はしないのが建前であったが、[[2000年代]]初頭から一部の構成メンバーの粗暴な一面が発露し、逮捕者が相次ぎ結果的に成人版[[暴走族]]と認識される様になった。<ref name="iza-2011">[https://web.archive.org/web/20120106001637/http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/489405/ イザ!:「改造バイク集団で料金所突破 大阪府警、旧車會メンバー逮捕」(2011年2月1日)] - [[産経デジタル|iZA]] - データなし。(2012年1月6日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref>。集団走行によるエンジン音や派手な改造などへの誤解によって社会問題となってきている地域もある<ref name="iza-2011" /><ref name="response-2005">[http://response.jp/issue/2005/0719/article72665_1.html レスポンス - 2005年07月19日 - 旧車会は暴走族に近い…警察庁が実態把握急ぐ] [[Response.]]</ref>。

[[2000年代]]に入ってから警察の調査が進む事により、旧車會は暴走族の一類型とみなされている。一方で、旧車會のメンバー自身は自分達が旧来の暴走族とは違うということをアピールしているが[[高速道路]]の[[サービスエリア]]でコールやラッパを鳴らして騒ぎ110番通報が入る多い。<ref name="aera" />。[[2005年]]の時点で全国に約200の団体<ref name="response-2005" />、[[2011年]]の時点では約650団体があり増加傾向にあるという<ref name="iza-2011" />。

旧車會には従来の未成年の暴走族の様に縄張りを争って喧嘩をしたり二十歳を迎えたら引退する掟は存在せず従来の未成年の暴走族が少子高齢化により数が少なくなった一方で年々高齢化と増加傾向に有り集団の数が増えるに伴い各地でトラブルを起こす事例が相次いでいる。

[[2011年]]には旧型車両に不正改造などをし、大きな音をたてて集団走行をする「旧車會(きゅうしゃかい)」と呼ばれるグループの中で、千葉県浦安市内を拠点としていた2輪車の旧車会「都會(みやこかい)・絆」と「ドラちゃん一家」の解散式が30日、市川市の行徳署敷地内で行われた。旧車会は各地に存在するが、解散式を行うのは極めて珍しいという。 双方の一部のメンバーが共謀して複数件の自動車保険金詐欺事件を起こしたことから、解散を決めた。解散式では、絆のリーダー(67)さんが「不正改造や爆音走行などの不法行為をやめ、社会に貢献することを誓う」と宣誓し=写真、県警によるオートバイの整備指導が行われた。

[[2011年]]には改造バイクに乗り、集団で高速道路の料金所を突破したとして、大阪府警高速隊は1日、道路整備特別措置法違反(料金所突破)容疑で、バイク販売修理店経営(34)=大阪市東淀川区大道南=と、生コン会社員(27)=大阪府岸和田市八阪町=の両容疑者を逮捕した。2人はそれぞれ元暴走族で、改造した旧型バイクを連ねて走る「旧車會」のメンバー。府警によると、料金所を突破した容疑で旧車會メンバーを摘発したのは全国初という。
[[2014年]]には大阪府茨木市を拠点とする旧車會、音泥棒麗心愚(おどろぼうれいしんぐ)の男女3人(親子含む)が立ち寄った先のコンビニの店長らに因縁をつけて土下座させ商品のたばこを脅し取り、さらに別の男がコンビニを管轄する営業所長に示談金名目で金銭を要求し逮捕される[[コンビニ土下座強要事件]]があった。裁判の供述では過去にもファミレスで焼きそばが冷えていると言い無料にして貰った事がある。別のコンビニで妻の肩にぶつかった詫び料としてクオカードを受け取ったこともあった。かつてコンビニで賞味期限切れの食品を購入して体調を崩した旨を伝えたところ、現金10万円を受け取ることができた経験を思い出したと語った。

[[2015年]]には旧車會、昭和倶楽部(しょうわくらぶ)が[[初日の出暴走]]と呼ばれる、元旦に初日の出を目指し集団で暴走行為をしたとして、警視庁交通執行課は1日、道交法違反(共同危険行為)容疑で、埼玉県狭山市根岸の会社員、(40)ら男3人を逮捕した。同課によると全員容疑を認め、容疑者は「若いときの暴走行為が忘れられない。パトカーに追われて昔の血が騒いだ」と話しているという。20kmほど逃走するも自分のバイクから漏れたオイルで滑って転倒し身柄確保された。


== 人気の高い車種 ==
== 人気の高い車種 ==
[[File:Honda CBX400F.jpg|thumb|220px|旧車會で人気が高いとされる[[ホンダ・CBX400F]]([[1981年]]型)]]主体となるのは暴走族全盛期に流行った[[1970年代]]から1980年代に製造されたオートバイ、特に[[カワサキ・Z400FX]]、[[カワサキ・KH|KH250・400]]、[[スズキ・GT380]]、[[GSX250E・400E]]、[[ホンダ・ホーク|ホンダ・CB400TホークII]]、[[ホンダ・ホーク|CB400NホークIII]]などが人気のある車種である<ref name="aera" />。なかでも[[1981年]]から[[1984年]]に販売された[[ホンダ・CBX400F]]、[[スズキ・GS400E]]は最も人気がある車種であり、販売当時の新車価格をはるかに上回る高値で取引されるため[[二輪車盗|盗難被害率]]が高く、[[ホンダ・CBX400F]]については盗難保険の加入を拒否されたことで話題となった。
[[File:Honda CBX400F.jpg|thumb|220px|旧車會で人気が高いとされる[[ホンダ・CBX400F]]([[1981年]]型)]]

主体となるのは[[1970年代]]から1980年代に製造されたオートバイ、特に[[カワサキ・Z400FX]]、[[カワサキ・KH|KH250・400]]、[[スズキ・GT380]]、[[GSX250E・400E]]、[[ホンダ・ホーク|ホンダ・CB400TホークII]]、[[ホンダ・ホーク|CB400NホークIII]]などが人気のある車種である<ref name="aera" />。なかでも[[1981年]]から[[1984年]]に販売された[[ホンダ・CBX400F]]、[[スズキ・GS400E]]は最も人気がある車種であり、
近年では[[CBX400F]]の中古車価格高騰に伴い輸出仕様車の[[CBX550F]]を外国から輸入し新規登録時に排気量区分を400CCに偽り書類偽装して登録された車両も出回っている。
販売当時の新車価格をはるかに上回る高値で取引されるため[[二輪車盗|盗難被害率]]が高く、
[[ホンダ・CBX400F]]につては盗難保険の加入を拒否されで話題となった<ref>[https://web.archive.org/web/20120909032451/http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120906-OYO1T00856.htm 読売新聞 - 2012年9月6日 - 狙われる名車CBX 盗難率他車種の3倍] - [[YOMIURI ONLINE]] - データなし(2012年9月9日アーカイブ)</ref>。こういった希少車を、改造し[[マフラー (原動機)|マフラー]]、[[三段シート]]、布タレ風防あるいは[[カウル#オートバイ|ロケットカウル]]などを装着するなど個性的な“'''族車'''”に改造して旧車をカスタムする。
こう旧車呼ばれる古いの希少車をベースに、[[マフラー (原動機)|マフラー]]、[[三段シート]]、[[カウル#オートバイ|ロケットカウル]]を装着個性的な“'''族車'''”に改造して使用される。


== 脚注 ==
== 脚注 ==

2018年11月5日 (月) 09:53時点における版

旧車會(きゅうしゃかい)とは、大人になっても子供の頃の暴走族を忘れられず旧車と呼ばれる古いオートバイに当時の暴走族を意識した改造を施しミュージックコールと呼ばれるエンジンの空ぶかし行為やミュージックホーンと呼ばれるラッパを鳴らしながら暴走族の様に集団で珍走ツーリングする組織団体。「」の字に旧字体である「」を用いるのが表記上の特徴。

旧車會は従来の未成年の暴走族とは異なり構成員は主に二十を超えた成人で構成されている。未成年の暴走族の様な格好をしていても実際は成人で共同危険行為で捕まる事を恐れている。旧車會は従来の未成年の暴走族とは異なり堂々とノーヘルで信号無視等の交通違反は行わない。必ずヘルメットを着用し信号を守りつつコールやラッパを鳴らしながら自己主張しながら走行する。大人になっても不良を演じ、格好いいと思い込んでいる。その筋での経験や武勇伝が多い人程持て囃される。グループ内では喧嘩や犯罪行為に対する虚言が多い。「凄い力」がある自分を妄想し、悦に入る。また、そういった設定のキャラクター作りをしている。公共の場で暴走族のコスプレをして騒ぎ同年代の家族連れから白い目で見られていても、やっている本人はイケてるから注目されているのだと勘違いしている。要は良い年して子供の暴走族の真似をして喜んでいる「中二病」をこじらせてしまったちょっと痛い大人の暴走族のコスプレの方々の集まりが旧車會である。

旧車會は信号無視等のあからさまな暴走行為は行わない為共同危険行為として検挙し難くいとされているが、大人になっても暴走族特有のコール等の迷惑行為を行う為通報されてしまう事も多く、集団の最後尾にはパトカーが付き添い監視されている事が多い。旧車會の多くは不良を意識しマフラーを意図的に大きな音がする物に変更しナンバーも見え難く隠蔽しているケースが多く中には目に余る迷惑行為をやり過ぎて逮捕されてしまうケースもある。

旧車會は暴走族とは違い交通法規は守ると自称している。しかし、実態は暴走族の格好をし暴走族が縄張りを主張するコール等の迷惑行動を行う点において矛盾している。その様な事から警察からは暴走族の一形態として取り扱われている[1][2]。なお、「旧車会」と呼ばれる古いオートバイの一般の集まりとは旧車を愛好する点では共通性が見られるものの旧車會は暴走族崇拝やその性質や素行において差異が見られる。

警視庁では未成年の暴走族を珍走団(ちんそうだん)と呼ぶのに対し成人の旧車會を珍古団(ちんこだん)と呼び従来の暴走族とは年齢と共同危険行為の有無で分類している。

概要

旧車會の活動内容は暴走族全盛期に流行った古いオートバイを所有し、マフラー、ホーン、アップハンドル、3段シート、布たれ風防、ロケットカウルといった昔の暴走族を模したバイクに自身も未成年の暴走族の様な格好をし、当時の暴走族がやっていた縄張りを主張するコールを行いながら集団でバイクを走らせる。集団の中ではぶち上げロケット等の目立つ改造やコールが上手い人程持て囃されるのも暴走族と傾向が同じではあるが、未成年の暴走族の様な縄張りや掟等は存在せず目立って粋がる事以外に目的が有る訳ではない。

旧車會は主に成人した大人で構成それており、未成年の暴走族とは違い深夜に集団走行が行われる事は少なく、自称ツーリング活動は主に週末や休日の真昼間に行われる事が多い。その構成員は、少年期に暴走族経験が有る成人が主体となっていたが、近年ではネットが普及した事で地元のチーム形式ではなく県外からもSNSを通じて広く仲間を募る事が多く、近年では顔見知りでない者と一緒に走行する事も珍しくはなく何処の馬の骨かもわからない人や暴走族験が全くない素人や、当時暴走族に憧れていたが喧嘩や捕まるのが怖くて暴走族に入れなかった中年デビューの参加者が多くを占める様になってきている。

1980年代の最盛期に比べて縮小した国内二輪市場の中では活気を呈しているようであるが、旧車會のルーツは昔の暴走族でその実態は年々厳しくなる取り締まりから逃れる為に呼称を変えただけで、その実態はヘルメットを被っただけの成人版暴走族である事が殆どである[3]

1990年代半ばから2000年前後の時期においては共同危険行為はしないのが建前であったが、2000年代初頭から一部の構成メンバーの粗暴な一面が発露し、逮捕者が相次ぎ結果的に成人版暴走族と認識される様になった。[4]。集団走行によるエンジン音や派手な改造などへの誤解によって社会問題となってきている地域もある[4][5]

2000年代に入ってから警察の調査が進む事により、旧車會は暴走族の一類型とみなされている。一方で、旧車會のメンバー自身は自分達が旧来の暴走族とは違うということをアピールしているが高速道路サービスエリアでコールやラッパを鳴らして騒ぎ110番通報が入る事も多い。[3]2005年の時点で全国に約200の団体[5]2011年の時点では約650団体があり増加傾向にあるという[4]

旧車會には従来の未成年の暴走族の様に縄張りを争って喧嘩をしたり二十歳を迎えたら引退する掟は存在せず従来の未成年の暴走族が少子高齢化により数が少なくなった一方で年々高齢化と増加傾向に有り集団の数が増えるに伴い各地でトラブルを起こす事例が相次いでいる。

2011年には旧型車両に不正改造などをし、大きな音をたてて集団走行をする「旧車會(きゅうしゃかい)」と呼ばれるグループの中で、千葉県浦安市内を拠点としていた2輪車の旧車会「都會(みやこかい)・絆」と「ドラちゃん一家」の解散式が30日、市川市の行徳署敷地内で行われた。旧車会は各地に存在するが、解散式を行うのは極めて珍しいという。 双方の一部のメンバーが共謀して複数件の自動車保険金詐欺事件を起こしたことから、解散を決めた。解散式では、絆のリーダー(67)さんが「不正改造や爆音走行などの不法行為をやめ、社会に貢献することを誓う」と宣誓し=写真、県警によるオートバイの整備指導が行われた。

2011年には改造バイクに乗り、集団で高速道路の料金所を突破したとして、大阪府警高速隊は1日、道路整備特別措置法違反(料金所突破)容疑で、バイク販売修理店経営(34)=大阪市東淀川区大道南=と、生コン会社員(27)=大阪府岸和田市八阪町=の両容疑者を逮捕した。2人はそれぞれ元暴走族で、改造した旧型バイクを連ねて走る「旧車會」のメンバー。府警によると、料金所を突破した容疑で旧車會メンバーを摘発したのは全国初という。

2014年には大阪府茨木市を拠点とする旧車會、音泥棒麗心愚(おどろぼうれいしんぐ)の男女3人(親子含む)が立ち寄った先のコンビニの店長らに因縁をつけて土下座させ商品のたばこを脅し取り、さらに別の男がコンビニを管轄する営業所長に示談金名目で金銭を要求し逮捕されるコンビニ土下座強要事件があった。裁判の供述では過去にもファミレスで焼きそばが冷えていると言い無料にして貰った事がある。別のコンビニで妻の肩にぶつかった詫び料としてクオカードを受け取ったこともあった。かつてコンビニで賞味期限切れの食品を購入して体調を崩した旨を伝えたところ、現金10万円を受け取ることができた経験を思い出したと語った。

2015年には旧車會、昭和倶楽部(しょうわくらぶ)が初日の出暴走と呼ばれる、元旦に初日の出を目指し集団で暴走行為をしたとして、警視庁交通執行課は1日、道交法違反(共同危険行為)容疑で、埼玉県狭山市根岸の会社員、(40)ら男3人を逮捕した。同課によると全員容疑を認め、容疑者は「若いときの暴走行為が忘れられない。パトカーに追われて昔の血が騒いだ」と話しているという。20kmほど逃走するも自分のバイクから漏れたオイルで滑って転倒し身柄確保された。

人気の高い車種

旧車會で人気が高いとされるホンダ・CBX400F1981年型)

主体となるのは暴走族全盛期に流行った1970年代から1980年代に製造されたオートバイ、特にカワサキ・Z400FXKH250・400スズキ・GT380GSX250E・400Eホンダ・CB400TホークIICB400NホークIIIなどが人気のある車種である[3]。なかでも1981年から1984年に販売されたホンダ・CBX400Fスズキ・GS400Eは最も人気がある車種であり、販売当時の新車価格をはるかに上回る高値で取引されるため盗難被害率が高く、ホンダ・CBX400Fについては盗難保険の加入を拒否されたことで話題となった。

近年ではCBX400Fの中古車価格高騰に伴い輸出仕様車のCBX550Fを外国から輸入し新規登録時に排気量区分を400CCに偽り書類偽装して登録された車両も出回っている。 こういった旧車と呼ばれる古い時代の希少車をベースに、マフラー三段シートロケットカウル等を装着し個性的な“族車”に改造して使用される。

脚注

関連項目

  • チャンプロード - 暴走族・旧車會を主に取り扱う専門雑誌。誌名で直接的に「旧車會」を謳った別冊ムックも刊行している。
  • 旧車会 - 「旧車會」以前より存在する旧車の愛好家の集まり。
  • 旧車 - クラシックカー・ビンテージカー・絶版車などとも呼ばれる古い車両。オートバイだけでなく自動車も含めて呼ばれる。

外部リンク