全国「精神病」者集団

全国「精神病」者集団（ぜんこくせいしんびょうしゃしゅうだん）は、1974年に結成され2018年4月まで存続した「精神病」者個人と団体の全国規模の連合体組織で、「精神病」者のみによって運営されていた。英語名はJapan National Group of Mentally Disabled People。2018年5月1日をもって2つの独立した団体となり、いずれも全国「精神病」者集団の名称を使用しないこととなった。一方の名称は「精神障害者権利主張センター・絆」、他方の名称は2018年5月21日現在未定。旧・全国「精神病」者集団Webページは、歴史史料として維持されている。

概要

1974年5月に結成され、2018年4月まで存続した、精神障害者の個人及び団体で構成される全国組織・連合体である。精神障害者の世界組織である世界精神医療ユーザー・サバイバーネットワークに加盟していた。精神障害者の利益を代表して、精神保健福祉法の非自発的入院制度や成年後見制度に反対し、障害者権利条約の完全履行に向けた取り組みをしてきた。 　日常の活動は主に、精神科病院への訪問面会、生活保護や障害年金の獲得への協力、交流会の開催といった精神障害者同士の互助を中心としたセルフヘルプ活動の連絡と実践であった。結成当初は、精神障害者と犯罪を結びつける刑法改正による保安処分の新設に対して反対の立場を示し、差別や偏見の克服のためにさまざまな取り組みをおこなってきた。

2018年3月、2つの独立した団体とする合意が成立、2018年4月30日をもって解散した。この経緯は、全国「精神病」者集団ニュース最終号記事に詳しく述べられている。

なお、世界精神医療ユーザー・サバイバーネットワークへの日本からの加盟団体を含め、全国「精神病」者集団が日本唯一の加盟団体として行っていた活動の今後については、2018年5月30日時点では未定。

全国「精神病」者集団が規定する原則

• 「精神病」者の生命の遵守
• 「精神病」者の権利主張
• 「精神病」者総体の利益追求
• 助け合い、連帯し、上記目的を達成する

つながり

• 世界精神医療ユーザー・サバイバーネットワーク　正会員
• 日本障害フォーラム　オブザーバー会員

参考図書

• 「精神医療」長野英子・一の門ヨーコ（現代書館）
• 「精神医療ユーザーのめざすもの−欧米のセルフヘルプ活動」（解放出版社）
• 「『精神障害者』の解放と連帯」吉田おさみ（新泉社）
• 「“狂気”からの反撃――精神医療解体運動への視点」吉田おさみ（新泉社）
• 「わが主イエス・キリスト」菅原ぺて呂（聖書の友社）
• 「大地に伏―精神障害者の求道記」菅原ぺて呂（拍樹社）
• 「分裂病の社会学Ⅱ――病者の解放のために」香川悟（素人社）

関連項目

• 精神障害
• 精神障害者患者会
• 障害者権利条約
• Psychiatric survivors movement

外部リンク

• 精神障害者権利主張センター・絆
• 2018年5月1日に発足した新団体の1つ（名称未定）
• arsvi.com　全国「精神病」者集団（Web魚拓　2018年5月21日　2017年7月30日　2016年11月17日）
• 全国「精神病」者集団の結成前後―大阪・名古屋・京都・東京の患者会の歴史桐原尚之・長谷川唯、立命館人間科学研究，28，27-40，2013