「クライスラー・TC バイ・マセラティ」の版間の差分
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2017年9月29日 (金) 00:14時点における版
クライスラー・TC バイ・マセラティ | |
---|---|
ボディ | |
乗車定員 | 2人 |
ボディタイプ | 2ドア コンバーチブル |
駆動方式 | FF |
パワートレイン | |
エンジン |
Kエンジン "ターボ II" 直列4気筒 2.2L TC型 直列4気筒 2.2L 6G72型 V型6気筒 3.0L |
変速機 |
5速MT 3速AT (A413) 4速AT (A604) |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2370mm |
全長 | 4465mm |
全幅 | 1740mm |
全高 | 1318mm |
車両重量 | 1376kg |
その他 | |
製造会社 | クライスラー、マセラティ |
工場 | プレス:トリノ、組立:スパローネ、最終組立:ミラノ |
クライスラー・TC バイ・マセラティ(Chrysler TC by Maserati )は、クライスラーとマセラティにより開発されたGTカーである。クライスラーの広告車(halo car )として企画され、1989年 - 1991年に生産された台数は7,300台。
開発
リー・アイアコッカとアレッサンドロ・デ・トマソの関係は、成功作のデ・トマソ・パンテーラを産み出したフォード時代に始まった。1984年当時、アイアコッカはクライスラーの会長を務め、デ・トマソは傘下にマセラティを擁しており、両者のこうした親交からスポーツクーペの合同開発を発表した。
TCは1986年のロサンゼルスオートショーで披露され、1989年に発売を開始した。ダッジ・デイトナにも用いられた“プラットフォーム”のホイールベースを短縮し、ZFザックス製のショックアブソーバーを搭載。屋根はオペラウィンドウを備えたハードトップと布製の手動式ソフトトップ(タン/黒の2色)が選択可能で、ホイールはイタリアのフォンドメタル製による専用デザインのものが採用された。内装ではシートや内装パネルを中心にイタリア製の皮革があしらわれ、CDプレイヤーが唯一カタログオプションとして用意されていた。
当初エンジンは「ターボ II」の通称で知られる、デイトナに搭載されたクライスラー・Kエンジンのデチューンモデルが、A413型3速ATと共に組み合わせられた。1990年モデル以降、「ターボ II」は三菱自動車工業製の6G72型エンジンに変更され、ATも4速モデルのA604型に格上げされた。
なお、500台限定でゲトラグ製5速MTと独自チューンの2.2Lエンジンを組み合わせたモデルが製造された。このエンジンは「ターボ II」をベースとしているが、バルブカバーに"Maserati"の文字が入っていることから、「マセラティエンジン」の通称で呼ばれている。シリンダーヘッドは既存の「ターボ II」のSOHC・8バルブから、コスワースが制作したDOHC・16バルブへ変更されている。この他、ピストンはドイツのマーレ製、ターボチャージャーは石川島播磨重工業(現:IHI)製、カムシャフトはアメリカ合衆国のフロリダ州を拠点とするクレーン・カムズ(Crane Cams)製と各国から集められたものだが、組み立て・仕上げ工程は一貫してマセラティが担当していた。
販売台数・価格
TCはクライスラーのディーラー網のうち、選出された300件のみで販売された。価格はすべて米ドル。
年度 | 生産数 | 販売価格 |
---|---|---|
1989年 | 3,764台 | $33,000 |
1990年 | 1,900台 | $35,500 |
1991年 | 1,636台 | $37,000 |
競合他車
TCの主な競合車にはビュイック・リアッタやキャデラック・アランテなどが挙げられる。両車は前輪駆動・コンバーチブルなどTCとの共通項が多く、特にアランテはV型8気筒を搭載するなどTCより上級のクラスではあるが、ピニンファリーナが生産の一部を担当するなどキャラクター性も似通っている。
同時期に市場に投入されたリアッタは、販売力に勝り廉価だったことも奏してTC比で堅調な売り上げを記録した。
出典
- Lyons, Stephen. "Chrysler's TC by Maserati," Allpar.com, undated document, retrieved on August 11, 2008.
- "Chrysler's TC by Maserati," How Chrysler Works, by the auto editors of Consumer Guide, June, 1 2007., retrieved on August 11, 2008.