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[[言語]]の変化とその伝わり方から、その背景にある歴史を浮かび上がらせる手法をもちいており、古代日本の言語の変化を調査して、その時代変化から古代における[[国家]]の変遷を考察した[[書籍]]を数多く書いている。ただし、その内実は、[[エラム]]と[[沖永良部島|永良部]]、[[アテナイ]]と[[嘉手納町|嘉手納]]を結び付けるなど、[[日本語]]と外国の似た地名や人名を結びつけるものが多く、歴史を題材に採った[[語呂合わせ]]大会と評する者もいる<ref>[[植木不等式]]「『日本国誕生の秘密はすべて「おとぎ話」にあった』 - 言語復元史学の成果!? 天孫はアマゾンでお供の猿はサルタン?」([[と学会]]『トンデモ本1999』[[光文社]]、pp.161-165)</ref>。 |
[[言語]]の変化とその伝わり方から、その背景にある歴史を浮かび上がらせる手法をもちいており、古代日本の言語の変化を調査して、その時代変化から古代における[[国家]]の変遷を考察した[[書籍]]を数多く書いている。ただし、その内実は、[[エラム]]と[[沖永良部島|永良部]]、[[アテナイ]]と[[嘉手納町|嘉手納]]を結び付けるなど、[[日本語]]と外国の似た地名や人名を結びつけるものが多く、歴史を題材に採った[[語呂合わせ]]大会と評する者もいる<ref>[[植木不等式]]「『日本国誕生の秘密はすべて「おとぎ話」にあった』 - 言語復元史学の成果!? 天孫はアマゾンでお供の猿はサルタン?」([[と学会]]『トンデモ本1999』[[光文社]]、pp.161-165)</ref>。 |
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また言語の[[専門家]]としての立場から[[ノストラダムス]]『[[ミシェル・ノストラダムス師の予言集|予言集]]』を解釈したと主張した『[[真説ノストラダムスの大予言]]』([[KKロングセラーズ]]、1990年)は[[ベストセラー]]となり、[[1991年]]のベストセラー「新書・ノンフィクション」部門第2位、総合部門第19位にランクインした([[トーハン|東販]]調べ)<ref>1991年3月時点では公称35万部の売上([[SPA!]] 1991年3月20日号「ノストラダムス本どれを信じたらいいのか」より)、1997年時点では公称38万部の売上([[日経エンタテインメント!]]ウェブサイト掲載「これが最も売れている予言書トップ30」([http://web.archive.org/web/20010211204834/http://netnavi.nikkeibp.co.jp/ent/index/9710/report/news0302.html 本誌独自調査 予言書ベストセラーランキング これが最も売れている予言書トップ30(ホームページ版オリジナル)])([[インターネット |
また言語の[[専門家]]としての立場から[[ノストラダムス]]『[[ミシェル・ノストラダムス師の予言集|予言集]]』を解釈したと主張した『[[真説ノストラダムスの大予言]]』([[KKロングセラーズ]]、1990年)は[[ベストセラー]]となり、[[1991年]]のベストセラー「新書・ノンフィクション」部門第2位、総合部門第19位にランクインした([[トーハン|東販]]調べ)<ref>1991年3月時点では公称35万部の売上([[SPA!]] 1991年3月20日号「ノストラダムス本どれを信じたらいいのか」より)、1997年時点では公称38万部の売上([[日経エンタテインメント!]]ウェブサイト掲載「これが最も売れている予言書トップ30」([http://web.archive.org/web/20010211204834/http://netnavi.nikkeibp.co.jp/ent/index/9710/report/news0302.html 本誌独自調査 予言書ベストセラーランキング これが最も売れている予言書トップ30(ホームページ版オリジナル)])([[インターネットアーカイブ]]のミラー)による)。</ref>。この本は以降シリーズ化されたが、やはり d'Auxerre(ドセール / [[オセール]]の)を「[[ダウ]]競り」と読むなどの手法がダジャレ的であると評する者がいる<ref>[[山本弘_(作家)|山本弘]]『トンデモノストラダムス本の世界』[[宝島社]]文庫、1999年、pp.135-146</ref>。なお、加治木自身は、その手法について、『予言集』の[[ミシェル・ノストラダムス師の予言集#第一序文|第一序文]]に「聴覚に注意しろ」とあることに従ったもので、自身の勝手な解釈法ではないと釈明しているが、実際の原文にそのような句はなく、[[ピエール・ブランダムール]]の現代フランス語による釈義にも出ていない<ref>Pierre Brind'Amour, ''Nostradamus : Les Première Centuries, ou, Prophéties (édition Macé Bonhomme de 1555)'', Genève ; Droz, 1996</ref>。 また、彼の解釈や語学力、その他の認識の問題点は、[[志水一夫_(作家)|志水一夫]]が詳細に指摘している<ref>「附篇 加治木義博氏に答える - その手口と内幕」(志水『トンデモ・ノストラダムス解剖学』データハウス、1998年)</ref>。 |
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== トリビア == |
== トリビア == |
2017年9月5日 (火) 00:57時点における版
加治木 義博(かじき よしひろ、1923年 - 2016年)は、日本の著述家。
人物
鹿児島県出身。歴史言語学者と自称し、文化人類学の分野でも独自の研究を続けた。[1]「言語復元史学会」という団体を主宰している(学会と名乗っているが、これは日本学術会議協力学術研究団体ではない)。元同盟通信社記者、元大阪府文化財保護審議委員会委員。
言語の変化とその伝わり方から、その背景にある歴史を浮かび上がらせる手法をもちいており、古代日本の言語の変化を調査して、その時代変化から古代における国家の変遷を考察した書籍を数多く書いている。ただし、その内実は、エラムと永良部、アテナイと嘉手納を結び付けるなど、日本語と外国の似た地名や人名を結びつけるものが多く、歴史を題材に採った語呂合わせ大会と評する者もいる[2]。
また言語の専門家としての立場からノストラダムス『予言集』を解釈したと主張した『真説ノストラダムスの大予言』(KKロングセラーズ、1990年)はベストセラーとなり、1991年のベストセラー「新書・ノンフィクション」部門第2位、総合部門第19位にランクインした(東販調べ)[3]。この本は以降シリーズ化されたが、やはり d'Auxerre(ドセール / オセールの)を「ダウ競り」と読むなどの手法がダジャレ的であると評する者がいる[4]。なお、加治木自身は、その手法について、『予言集』の第一序文に「聴覚に注意しろ」とあることに従ったもので、自身の勝手な解釈法ではないと釈明しているが、実際の原文にそのような句はなく、ピエール・ブランダムールの現代フランス語による釈義にも出ていない[5]。 また、彼の解釈や語学力、その他の認識の問題点は、志水一夫が詳細に指摘している[6]。
トリビア
小説も書いており、本人の主張では、ラグナロクに触発されたという小説『落・奈落』(1967年)は1987年にSF専門誌から高く評価されたというが、『SFマガジン』『本の雑誌』などの書評を調査した志水によれば、珍本としての評価は見られるが、作品価値を高く評価された形跡は見当たらないという。
著書
- 『新せんい読本 - 合成繊維・化学繊維』(三一書房、1958年)
- 『落・奈落』(1967年)
- 『異説・日本古代国家』(田畑書店、1973年)
- 『邪馬臺国の言葉 - 言語復原史学入門』(コスモ出版社、1976年)
- 『鹿児島方言小辞典』(南日本新聞開発センター、1977年)
- 『焼酎入門』(カラーブックス 590、保育社、1982年)
- 『日本人のルーツ - その探求の一方法』(カラーブックス 600、保育社、1983年)
- 『垂仁天皇の邪馬壹国 - 「魏志倭人伝」詳解1』(言語復原史学会、1984年)
- 『邪馬臺国の風雲 - 「魏志倭人伝」詳解2』(言語復原史学会、1985年)
- 『邪馬壹国大移動 - 「魏志倭人伝」詳解4』(言語復元史学会、1985年)
- 『真説ノストラダムスの大予言』シリーズ(KKロングセラーズ)
- 『真説ノストラダムスの大予言 - 「1999年人類滅亡」は絶対にない!!』(1990年12月)
- 『真説ノストラダムスの大予言2 - 詩篇に隠された未来予知の秘法』(1991年6月)
- 『真説ノストラダムスの大予言 - 人類最終戦争・第三次欧州大戦1991-1995』(1991年6月)
- 『真説ノストラダムスの大予言 日本篇 - 詩篇が告げる世紀末日本の運命』(1991年12月)
- 『真説ノストラダムスの大予言 あなたの未来予知篇 - 全訳「予言集」による運命予知法』(1992年12月)
- 『真説ノストラダムスの大予言 - 激動の日本・激変する世界』(1993年12月)
- 『真説ノストラダムスの大予言 - 黄金の世紀』(1998年12月)
- 『真説ノストラダムスの大予言 - 新たなる時代への序曲』(2002年2月)
- 『真説日本誕生』シリーズ(KKロングセラーズ)
- 『真説日本誕生 - 黄金の女王・卑弥呼』(1992年4月)
- 『真説日本誕生 - 卑弥呼を攻めた神武天皇』(1992年8月)
- 『真説日本誕生 - 誰が巨大古墳を造ったのか』(1992年11月)
- 『真説日本誕生 - 建国前夜の巨大連邦発見』(1993年8月)
- 『真説日本誕生 - 虚構の大化改新と日本政権誕生』(1994年2月)
- 『真説日本誕生 - 謎の天孫降臨と大和朝廷の秘密』(1995年2月)
- 『真説黙示録の大予言 - 大崩壊の時代に突入した世界』(KKロングセラーズ、1994年)
- 『次の大地震衝撃の「完全予知」法』(KKロングセラーズ、1995年)
- 『日本国誕生の秘密はすべて「おとぎ話」にあった』(徳間書店、1996年)
- 『驚異の「バイオ植物」療法』(KKロングセラーズ、1996年)
- 『老いない脳の秘密』(KKロングセラーズ、2004年)
- 『真説日本史 - 篤姫を生んだ鹿児島こそスメル八千年帝国の理想郷だった』(KKロングセラーズ、2009年)
脚注
- ^ 真説ノストラダムスの大予言 - 黄金の世紀の巻末紹介記事
- ^ 植木不等式「『日本国誕生の秘密はすべて「おとぎ話」にあった』 - 言語復元史学の成果!? 天孫はアマゾンでお供の猿はサルタン?」(と学会『トンデモ本1999』光文社、pp.161-165)
- ^ 1991年3月時点では公称35万部の売上(SPA! 1991年3月20日号「ノストラダムス本どれを信じたらいいのか」より)、1997年時点では公称38万部の売上(日経エンタテインメント!ウェブサイト掲載「これが最も売れている予言書トップ30」(本誌独自調査 予言書ベストセラーランキング これが最も売れている予言書トップ30(ホームページ版オリジナル))(インターネットアーカイブのミラー)による)。
- ^ 山本弘『トンデモノストラダムス本の世界』宝島社文庫、1999年、pp.135-146
- ^ Pierre Brind'Amour, Nostradamus : Les Première Centuries, ou, Prophéties (édition Macé Bonhomme de 1555), Genève ; Droz, 1996
- ^ 「附篇 加治木義博氏に答える - その手口と内幕」(志水『トンデモ・ノストラダムス解剖学』データハウス、1998年)