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「憲法 (芦部信喜)」の版間の差分

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[[1997年]]には新版(第2版)、[[1999年]]3月には新版補訂版が発行された。1999年6月に著者が死去したが、その後も大きな需要があったことから、[[2002年]]に発行された第3版以降は芦部門下である[[高橋和之 (憲法学者)|高橋和之]]によって、原文の意を損なわないようにするという細心の注意を払いつつ最新[[判例]]・[[立法]]等の補充がなされている(はしがき参照)。
[[1997年]]には新版(第2版)、[[1999年]]3月には新版補訂版が発行された。1999年6月に著者が死去したが、その後も大きな需要があったことから、[[2002年]]に発行された第3版以降は芦部門下である[[高橋和之 (憲法学者)|高橋和之]]によって、原文の意を損なわないようにするという細心の注意を払いつつ最新[[判例]]・[[立法]]等の補充がなされている(はしがき参照)。


[[2016年]]春には累計発行部数が100万部を突破した<ref>[http://web.archive.org/web/20160701135807/http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20160630/KT160628FTI090007000.php 「憲法」読み継がれて100万部 駒ケ根出身の芦部さん著]、[[信濃毎日新聞]](信毎web)、2016年6月30日。([[インターネットアーカイブ]]のキャッシュ)</ref>。
[[2016年]]春には累計発行部数が100万部を突破した<ref>[http://web.archive.org/web/20160701135807/http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20160630/KT160628FTI090007000.php 「憲法」読み継がれて100万部 駒ケ根出身の芦部さん著]、[[信濃毎日新聞]](信毎web)、2016年6月30日。([[インターネットアーカイブ]]のキャッシュ)</ref>。


== 評価 ==
== 評価 ==

2017年9月4日 (月) 23:56時点における版

憲法』(けんぽう、岩波書店、初版1993年、第6版2015年)は、憲法学者芦部信喜が著した憲法学の教科書である。

概略

はしがきによれば、放送大学で1985年に放送された科目「国家と法(1)」の教科書が基となっている(2010年代現在の科目名は「事例から学ぶ日本国憲法」)。門下生である戸波江二(当時は筑波大助教授)が執筆に関与した旨がはしがきにあるものの、戸波の独自の考え方は入っていない。

それ以前からも憲法学の第一人者宮沢俊義の後継者として重要な提言をし、通説ないし最有力説としての地位を築きあげてきた芦部の憲法学を、初めて正式に憲法学の全範囲にわたって一冊の本で体系的に著したものとなった。

日本国憲法第13条を始めとする個人の尊重原理を柱に、基本的人権の尊重が近代立憲主義の下において達成すべき最高の価値であり目的であるとの観点から、統治編の前に人権編から記述を始め、その上でこれらの理念を実現するための手段としての統治機構を最後に配置する。今日では、このような叙述順序は、いわゆる京都学派憲法学の影響を受けたもの(上述佐藤憲法など)を除けば、一般的なものとなっている。

1997年には新版(第2版)、1999年3月には新版補訂版が発行された。1999年6月に著者が死去したが、その後も大きな需要があったことから、2002年に発行された第3版以降は芦部門下である高橋和之によって、原文の意を損なわないようにするという細心の注意を払いつつ最新判例立法等の補充がなされている(はしがき参照)。

2016年春には累計発行部数が100万部を突破した[1]

評価

他の憲法学の教科書に比べ、本自体が物理的に薄く、字数も少ない(特に統治部分)ことで知られており、内容的に圧縮されている。

この本が出版されるまで司法試験受験者の間で広く読まれていた佐藤幸治『憲法』は、文章量が多く、難解であったのに対し、本書は、通説としての立場に加え簡潔な記述で主要論点を網羅したものであることなどから、受験者の間で支持を集めた[要出典]

しかし、憲法という科目の特質上、知識のない初学者が本文の記述のみから表面的でない深い理解を得るのは困難であり、芦部の「現代人権論」、「憲法訴訟の理論」、「憲法訴訟の現代的展開」や『憲法学』I・II・IIIなどの著作集を読む、本書に依拠した講義を受ける、基本的な立場を同じくする学者の著書(高橋ほか『憲法I・II』(有斐閣)、高見勝利『芦部憲法学を読む』等)を読むなどすることが望ましい[要出典]

書籍情報

脚注

関連項目