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[[2009年]]6月26日に『'''痕 -きずあと-'''』というタイトルで発売。キャラクターデザインは[[甘味みきひろ]]が担当。主人公以外の登場人物がフルボイスとなるほか、新キャラクター「高砂六花」が追加された。 |
[[2009年]]6月26日に『'''痕 -きずあと-'''』というタイトルで発売。キャラクターデザインは[[甘味みきひろ]]が担当。主人公以外の登場人物がフルボイスとなるほか、新キャラクター「高砂六花」が追加された。 |
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元々は2005年に[[PlayStation Portable]]で発売の予定だったが、[[2007年]]6月に「コンシューマーでは原作の大幅な改編により世界観が壊れてしまう」との理由で製作を断念し、Windowsで作り直されることになったものである<ref>[http://web.archive.org/web/20070609154546/http://www.aquaplus.co.jp/kiz.html PlayStation(R)Portable版 『痕-きずあと-』についてのお知らせ](2007年6月9日時点の[[インターネット |
元々は2005年に[[PlayStation Portable]]で発売の予定だったが、[[2007年]]6月に「コンシューマーでは原作の大幅な改編により世界観が壊れてしまう」との理由で製作を断念し、Windowsで作り直されることになったものである<ref>[http://web.archive.org/web/20070609154546/http://www.aquaplus.co.jp/kiz.html PlayStation(R)Portable版 『痕-きずあと-』についてのお知らせ](2007年6月9日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref>。 |
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2011年12月9日には[[ダウンロード販売]]版が配信開始された。 |
2011年12月9日には[[ダウンロード販売]]版が配信開始された。 |
2017年9月4日 (月) 18:04時点における版
ジャンル | ビジュアルノベル |
---|---|
対応機種 |
PC-9800 MS-DOS Windows95/98/Me/2000/XP |
発売元 | Leaf |
発売日 |
1996年7月26日 2002年7月26日(以下02版) 2009年6月26日(以下09版) |
レイティング | 18禁 |
キャラクター名設定 | 不可 |
エンディング数 |
17(旧版修正前) 14(旧版修正後) 18(02版) 26(09版) |
セーブファイル数 |
4(旧版) 20(02リニューアル版) 80(09版) |
BGMフォーマット |
FM・MIDI(DOS版) CD-DA(Windows旧版) PCM(02版) |
キャラクターボイス |
なし(旧・02版) あり(09版) |
CGモード | あり |
音楽モード | あり |
回想モード |
なし(旧版) あり(02・09版) |
メッセージスキップ |
既読 選択(09版) |
オートモード |
なし あり(02・09版) |
備考 |
Leaf Visual Novel Series Vol.2 |
『痕』(きずあと)は、1996年にLeafから発売されたアダルトゲーム。同社のビジュアルノベルシリーズ第二弾。
本項目では2002年に発売されたリニューアル版と、2009年に発売された再度のリニューアル版についても記述することとする。
概要
主人公の柏木耕一が大学の夏休みの間、いとこである柏木四姉妹宅で体験するサスペンスストーリー。数々の不可解な出来事から、主人公の血筋の謎や舞台である隆山の伝説の真意が明らかにされてゆく。
前作『雫』のオカルティックなイメージは継承しつつも、より深みのあるシナリオと、キャラクター設定の秀逸さで多くのファンを釘付けにした。
関連情報雑誌の人気投票では、しばらくの間上位5位以内が定位置となり、次作『To Heart』の発売以降もそれを維持し続けた。その終盤には、他のランクイン作品はすべてWindows98以降の256色や65536色の作品である中に、PC-9800シリーズを前提とした16色ゲームが混在する状態になっていた。
リニューアル版(2002年)
2002年7月26日発売。脚本を担当した高橋龍也と原画を担当した水無月徹は、Leafを退社済みであったために外注扱いでの参加となっており、両者が関わった最後のLeaf作品である。
リニューアル版(2009年)
2009年6月26日に『痕 -きずあと-』というタイトルで発売。キャラクターデザインは甘味みきひろが担当。主人公以外の登場人物がフルボイスとなるほか、新キャラクター「高砂六花」が追加された。
元々は2005年にPlayStation Portableで発売の予定だったが、2007年6月に「コンシューマーでは原作の大幅な改編により世界観が壊れてしまう」との理由で製作を断念し、Windowsで作り直されることになったものである[1]。
2011年12月9日にはダウンロード販売版が配信開始された。
あらすじ
共通
- 大学生の耕一は、離れて暮らしていた父親が亡くなり、葬式に参列するために、従姉妹の四姉妹の元へやってきた。葬儀を済ませてからも、大学が夏休みのためしばらく滞在していたが、そのうちに奇妙な悪夢を見るようになる。見知らぬフローリングの床にうずくまり、自身の裡から突き上げてくる強烈な殺人衝動を必死で抑え込むという夢だった。
- ある日耕一は、夢の中でとうとう殺人衝動に負け、暴力的なまでの力で、一般市民を虐殺してしまう。ただの夢だと思っていたが、翌朝のテレビで、近所の公園で猟奇殺人事件が起こったというニュースを知る。その公園は紛れもなく、夢の中で自分が暴れていた場所だった。
千鶴ルート
- 四姉妹の長女、千鶴は、耕一が鬼として覚醒し、犯行を行ったのではないかと考える。一方、耕一は自分の夢を分析することで、犯人は自分ではないと考える。そんななか、知人の美人ジャーナリスト、相田響子が誘拐され、陵辱される事件が発生する。千鶴は耕一が犯人であると確信し、耕一を人気のない河原へおびき出した。耕一は千鶴に殺されかけるが、そこに現れた千鶴は真犯人に襲われる。
- (ハッピーエンド) - その時、耕一の鬼として力が目覚め、真犯人を返り討ちにする。誤解のとけた耕一と千鶴は結ばれることとなる。
- (バッドエンド) - 千鶴は真犯人にあえなく殺される。真犯人は鬼の力によって屋敷を襲い、千鶴の妹の楓と初音を凌辱するのだった。
主な登場人物
PC版の声優は非公開。
- 柏木 耕一(かしわぎ こういち)
- 主人公。20歳の大学生。一人暮らしをしていたが、従姉妹の四姉妹と暮らしていた父親が亡くなり、葬式のために彼女たちのところへやってきた。四姉妹のもとに滞在してから、毎晩奇妙な夢に悩まされている。
- 柏木 千鶴(かしわぎ ちづる)
- 誕生日:5月13日。血液型:AB型。年齢:23歳。
- 柏木四姉妹の長女。地元の国立大学卒業。叔父(耕一の父)亡き後、家業の温泉旅館で会長を務める。耕一の従姉で、耕一にとって「憧れのお姉さん」的な女性。温和でかわいらしい性格。黒髪のロングヘアー。家事は壊滅的なレベルで、特に料理は「千鶴さんの料理は一言、やばい」と耕一に言わしめたほどだが、手料理を食べさせることが大好きなため、柏木家では危険視されている。胸は特別小さいわけではないが、梓がいるため強いコンプレックスを持っている。初期設定では目つきが鋭かった。
- 柏木 梓(かしわぎ あずさ)
- 誕生日:8月30日。血液型:A型。年齢:18歳。
- 柏木四姉妹の次女。高校3年生。勝気で意地っ張りだが、意外にも柏木家の厨房を一手に預かる料理上手。赤系の髪でショート。耕一にとってはケンカ友達のような存在。トレードマークは白いヘアバンド(リーフファイト97では黄色)。勉強は苦手で偏差値の低い私立女子高に通っている。高校では陸上部に所属しており、他の姉妹に比べると多少の日焼けが見受けられる。四姉妹の中で唯一の巨乳持ち。
- 柏木 楓(かしわぎ かえで)
- 誕生日:11月15日。血液型:B型。年齢:16歳。
- 柏木四姉妹の三女。高校2年生。成績優秀で、進学校に通っている。中学時代、告白を断られたことを逆恨みした不良に、6人がかりで襲われたが、素手で撃退し、病院送りにするという傷害事件を起こしたことがある。運動能力が高く、足も非常に速い。近頃は口数が少なくなり、なぜか耕一を避けるようなそぶりを見せており、理由は楓のルートで判明する。叔父(耕一の父、賢治)に一番なついていたらしい。セーラー服におかっぱ。普段の性格はやや天然ボケ。実はお笑い好きで、深夜に放送しているラジオとテレビのお笑い番組をチェックしている。バッドエンドでは、真犯人に姉の千鶴を殺害され、初音とともに強姦された挙げ句、耕一も殺害される。
- 柏木 初音(かしわぎ はつね)
- 誕生日:2月27日。血液型:O型。年齢:15歳。
- 柏木四姉妹の四女。高校1年生。容姿・性格共にあどけなさを残しており、耕一を「お兄ちゃん」と呼んで慕っている、素直で純真な少女。末っ子らしく、甘えん坊な一面も。耕一にとって「理想の妹」的な存在。栗色でウェーブのかかったロングヘアー。耕曰く料理など、家事は得意らしい。勉強は苦手だが瞬間記憶能力のようなものを持ち、トランプの神経衰弱などにおいては無敵の強さを誇る。頭頂部には一房の癖毛が立っており、アンテナと称されることもある。旧版の原画集によれば、デザイン初期の段階では四姉妹全員にこの毛があったが、彼女以外はオミットされた。「鬼」の角をイメージしていたと思われる。
- 同じくLeaf作品である『To Heart』において、チョイ役としてだがCGありで出演している。
- 柏木 賢治(かしわぎ けんじ)
- 耕一の父親。車の運転中に崖から転落して死亡した。
- 長瀬 源三郎(ながせ げんざぶろう)
- 耕一の父親が死亡した事故について、捜査している刑事。元はやり手の刑事だったが、独断専行が問題視され窓際族へ追いやられる。娘がいる。
- 柳川 裕也(やながわ ゆうや)
- 長瀬と共に捜査活動をする若い刑事。
- 日吉 かおり(ひよし かおり)
- 梓と同じ高校の後輩で、陸上部のマネージャーを務める。広い額の美少女。明朗活発で愛想は良いが本質は極めて自己中心的で嫉妬深い性格。極度のレズビアンで、梓を狙っており、耕一を邪険に扱い、あからさまに敵視する。処女だったが、真犯人に拉致され、薬を飲まされて繰り返し凌辱される、薬の影響で犯人に犯されている最中に見た幻覚は、梓との性行為だったらしく梓の名前を呼んでいた。
- 相田 響子(あいだ きょうこ)
- 鶴来屋会長である千鶴を取材に来た、女性誌のルポライター。巨乳のスマートな美女。颯爽とした性格で凛とした雰囲気であり、耕一を憧れさせた。だが、夜中に調査にでかけた際、犯人に拉致される。目覚めたときには全裸で首輪や手錠、鎖で拘束されていた。怯える響子は逃げ出そうとするが、捕まり犯人に激しく犯される。泣きながら許しを請うようになり、凛とした面影はどこにもなくなった。
- 小出 由美子(こいで ゆみこ)
- 耕一の大学の同期生で、地元の神話伝承を調べにやってきていたところを、偶然に出会う。監禁されレイプされる。
- 阿部 隆之(あべ たかゆき)
- 地元のコンビニでアルバイトをしている大学生。吉川というヤクザと同棲していた。
- 足立(あだち)
- 伯父(四姉妹の父)の友人。千鶴が会長を務める鶴来屋の社長。
- 高砂 六花(たかさご りっか)
- 2009年版に登場する新キャラクター。18歳のメイド。前の主人から暇を出されて隆山を訪れるが、手持ちの金が尽きて、行き倒れていたところを耕一に助けられ、一時的に柏木家に身を寄せる。背が低いことを気にしている。
スタッフ
- 脚本:高橋龍也
- ショートシナリオ脚本:青紫(1996年版修正前のみ)
- 高砂六花シナリオ:JIGY(2009年版)
- 原画:1996年、2002年版 水無月徹 2009年版 甘味みきひろ
- 音楽:石川真也、下川直哉、中上和英、高橋龍也(高橋は1996年版のみスタッフロールに記載)
主題歌
2009年版のみ。
- OP:花詞(ハナコトバ)
- 作詞:SHINO
- 作曲:Kushiko
- 編曲:衣笠道雄
- 歌:Suara
- ED:うつせみ
- 作詞:須谷尚子
- 作曲:下川直哉
- 編曲:衣笠道雄
- 歌:Suara
長瀬一族
前作『雫』との接点として、同作の主人公「長瀬祐介」及びその血縁者として登場する「長瀬源一郎」と同じ姓を名乗る刑事、「長瀬源三郎」が登場する。以降、Leaf・アクアプラス大阪開発室の作品、及び東京開発室の一部の作品には必ず「長瀬」を名乗るキャラクターが登場するようになる。製作サイドからは公式に「『うたわれるもの』のゲンジマルを除く全員が血縁者」とされているが『まじかるアンティーク』の長瀬源之助は地球ではない世界の住人のためその関係は明らかで無い。
源三郎は源一郎と似たイメージを踏襲しているが、キャラクターデザインや「エリート路線からドロップアウトした妖しい中年警察官」といった設定等、『機動警察パトレイバー』の登場人物・後藤喜一の影響が加わっている。このデザイン路線は次作『To Heart』の長瀬源五郎とセバスチャンにも受け継がれ、後のPlayStation版及びアニメ版では声優として後藤喜一役の大林隆介が演じた。これは同作のヒットもあり、一般には「長瀬一族」のフォーマットとして定着した。次々作『WHITE ALBUM』はら~YOU(現・カワタヒサシ)の原画による作品だが、例外として長瀬のみゲスト原画家扱いで水無月トオル[2]がデザインしている。
『痕』おまけシナリオ盗作疑惑
旧版『痕』で、全キャラ攻略後に出現するおまけシナリオが、1979年度の講談社「星新一ショートショート・コンテスト」受賞により同年「小説現代」に掲載され、後に講談社文庫 『ショートショートの広場(1)』(編:星新一)に収録された、吉沢景介作のショートショート『できすぎ』に酷似していたことが、ネット上を中心に問題となった事件である。
Leaf側は結果的に盗作を行った事実を認め、2001年1月に店頭在庫分が自主回収され、2001年3月に謝罪文が発表された。それ以降の出荷版、及びリメイク版には当該のおまけシナリオは含まれていない。
『痕2』の構想
脚本の高橋龍也は『痕』の続編について、1999年5月20日「サンケイスポーツ」紙で「いますぐということではなくて、機会があればやってみたい。僕のシリーズヒーロー像を投影してますし、多分ライフワークになるでしょう。これで会社をやめられませんね」と語っている。キャラクターもシリーズモノを意識して作っていた。しかし、高橋はその後Leafを辞め、現在のところ続編の構想は立ち消えとなっている。
以下の話はリーフスタッフが『WHITE ALBUM』発売前の1997年12月に出したコピー本[3]で、高橋と水無月が『痕2』をもしやるならということで語ったもの。ただし、会社Leafとして『痕2』の作製を計画していたわけではない。
- 舞台をノスタルジックな田舎から夜の大都会に、季節を夏から冬に移す。
- 作品のコンセプトは、鬼VS人造の鬼。
- 特定エンドの続きではなく、ルート毎に前作『痕』の各キャラクターエンドの続きから始まるマルチスタート方式。
- 新ヒロイン登場。名前は「早紀(さき)」。耕一と同じコンビニのアルバイトをしている。特徴的な柏木四姉妹とは対照的に、"普通"を意識した少女漫画のオーソドックスなヒロイン。眼鏡キャラクター。
- 物語の前半は新ヒロインの早紀を軸に進んでいき、後半は柏木四姉妹を軸に進んでいく。
その他関連作品
- ノベライズ版 - 1996年12月にパラダイムより発売、前薗はるか著。
- カードゲーム - シルバーブリッツのカードゲームLyceeに参戦。収録エキスパンションはLeaf1.1など。
- コミカライズ版 - 『電撃黒「マ)王』(メディアワークス→アスキー・メディアワークス)にて2008年3月発売のVol.3より連載。作画は月吉ヒロキ。同誌は2010年6月発売のVol.12を最後に親雑誌『電撃「マ)王』へ統合されたため、本作も同年7月27日発売の『電撃「マ)王』へ移籍し2010年9月号から2011年1月号まで連載。その後さらに『月刊コミック電撃大王』へ移籍し、2011年5月号から隔月連載され2015年3月号で完結した。単行本全5巻。
- アーケード用格闘ゲーム - 2012年稼働のAQUAPAZZA Version2.0』にプレイヤーキャラクターとして柏木千鶴が登場、同作での声優は柚木涼香[4]。同ゲームのPlayStation 3移植版では、イベントシーンに登場していた他の姉妹にも音声が追加された。声優は柏木梓が中島沙樹、柏木楓が小野涼子、柏木初音が水橋かおり[5]。
脚注
- ^ PlayStation(R)Portable版 『痕-きずあと-』についてのお知らせ(2007年6月9日時点のアーカイブ)
- ^ 名前がカタカナなのはスタッフロールママ
- ^ 過去Leafスタッフは突発本やコピー本をよく発行していた
- ^ AQUAPAZZAキャラクター「柏木千鶴」アクアプラス公式HP
- ^ PS3版スタッフロールより
外部リンク
- Leaf ※18歳未満閲覧禁止