「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」の版間の差分
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2017年7月29日 (土) 00:19時点における版
ザ・マミー/呪われた砂漠の王女 | |
---|---|
The Mummy | |
監督 | アレックス・カーツマン |
脚本 |
デヴィッド・コープ クリストファー・マッカリー ディラン・カスマン |
原案 |
カール・フロイント 『ミイラ再生』 |
製作 |
アレックス・カーツマン クリス・モーガン ショーン・ダニエル サラ・ブラッドショー |
製作総指揮 |
ジェブ・ブロディ ロベルト・オーチー |
出演者 |
トム・クルーズ アナベル・ウォーリス ソフィア・ブテラ ジェイク・ジョンソン コートニー・B・ヴァンス ラッセル・クロウ |
音楽 | ブライアン・タイラー |
撮影 | ベン・セレシン |
編集 |
ポール・ハーシュ ジーナ・ハーシュ アンドリュー・モンドシェイン |
製作会社 |
パーフェクト・ワールド・ピクチャーズ K/Oペーパー・プロダクツ ショーン・ダニエル・カンパニー |
配給 |
ユニバーサル・ピクチャーズ 東宝東和 |
公開 |
2017年6月9日 2017年7月28日 |
上映時間 | 110分[1] |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $125,000,000[2] |
興行収入 | $390,163,935[2] |
次作 | Bride of Frankenstein |
『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』(のろわれたさばくのおうじょ、原題: The Mummy)は、2017年にアメリカ合衆国で公開されたホラー映画である。監督はアレックス・カーツマン、主演はトム・クルーズが務めた。本作は1932年に公開された映画『ミイラ再生』をリブートした作品であり、ダーク・ユニバースの第1作目となる作品でもある[3]。
ストーリー
古代エジプト。アマネット王女は皇位継承順位第1位にあったが、父親であるメネプトレ大王に男児が生まれたため、女王として権力を握る夢が潰えてしまった。王の座を諦められなかったアマネットはセトに魂を売り、自分の邪悪な精神を具現化するためのダガーを入手した。一族を殺したアマネットは、自分の恋人にその罪を着せようとしたが、神官たちに真相を見破られてしまった。神官たちはアマネットを永久に生き埋めにする刑に処した。
現代のイラク。反乱軍の拠点を空爆した後、ニック・モートンとクリス・ヴェイルは偶然にもアマネット王女の墓を発見してしまった。考古学者のジェニー・ハルジーが調査したところ、その墓は監獄として設計されていることが判明した。グリーンウェイ大佐はアマネットの棺をイギリスへ持ち帰る決断を下した。棺を空輸する飛行機の中、墓で砂漠のクモにかまれたことが原因で、ヴェイルがアマネットの邪悪な力に憑依されてしまった。棺を開けようとしたヴェイルを何とか撃ち殺したニックだったが、グリーンウェイ大佐が銃撃戦で死んでしまった。その直後、飛行機はカラスの群れに襲撃され墜落してしまう。事前にパラシュートで脱出していたジェニー以外の全員が死んでしまった。数日後、霊安室で目を覚ましたニックは、ヴェイルの幽霊から「アマネットがセトを現代に蘇らせるための肉体を探している」と告げられる。
2000年以上にも及ぶ封印から解放されたとはいえ、アマネットの肉体はすでに腐敗しきっていた。そこで、アマネットは墜落現場にやって来た救急隊員の生気を吸い取り、自らの肉体を復活させると共に、彼らをアンデッドとして自分の配下に加えた。その後、アマネットはニックとジェニーを罠に掛け、配下たちに2人を殺させようとした。しかし、あと一歩のところで、駆けつけてきたプロディジウム(ロンドン自然史博物館の地下に本部を構える対モンスター組織)の部隊によって身柄を拘束されてしまった。部隊を率いていたジキル博士は「君がアマネットの墓所を開放したとき、彼女は君に呪いを掛けた」「私はアマネットが儀式を完遂するのを妨害しないつもりだ。セトが君に憑依したときこそ、あいつを叩き潰すチャンスになるからだ」とニックに告げた。
その頃、アマネットは監視の隙を突いて脱走に成功した。一方、ジキル博士の様子もどんどんおかしくなっていった。彼のもう一つの人格であるエドワード・ハイドが表に出て来てしまったからである。
キャスト
- ニック・モートン
- 演 - トム・クルーズ、日本語吹替 - 森川智之[4][5]
- 図らずもアマネット王女の墓を暴いてしまった男。王女に呪いをかけられ、セトに憑依されてしまった。
- ジェニー・ハルジー
- 演 - アナベル・ウォーリス、日本語吹替 - 沢城みゆき[4][5]
- 対モンスター組織「プロディジウム」に所属するエージェント。表向きは考古学者として活動している。かつて、ニックと恋愛関係にあった。
- アマネット[6]
- 演 - ソフィア・ブテラ、日本語吹替 - ベッキー[7][5]
- 現代に蘇ったエジプトの悪しき王女。
- クリス・ヴェイル
- 演 - ジェイク・ジョンソン、日本語吹替 - 中村悠一[4][5]
- ニックの親友。
- グリーンウェイ大佐
- 演 - コートニー・B・ヴァンス、日本語吹替 - 高岡瓶々[4][5]
- ニックとクリスの上官。
- ヘンリー・ジキル博士
- 演 - ラッセル・クロウ、日本語吹替 - 山路和弘[4][5]
- プロディジウムを率いる優秀な科学者。自身の心に潜む邪悪を取り除こうとした実験に失敗して以来、エドワード・ハイドという人格を内面に宿すようになってしまった。ハイドが表面に出てこないように、博士は定期的に薬を服用し続けなくてはならない状態にある。
- マリク
- 演 - マーワン・ケンザリ、日本語吹替 - 鈴木達央[4][5]
- プロディジウムの構成員の一人で、セキュリティ部門を統括している。
- セト
- 演 - ハビエル・ボテット
- 古代エジプトで崇拝されていた神で、砂漠や嵐、暗闇、暴力を司っており、アマネット王女の陰謀に荷担した。
- メネプトレ大王
- 演 - セルヴァ・ローゼリンガム
- ファラオ。アマネットの父親。
製作
2012年、ユニバーサル・ピクチャーズは『ミイラ再生』を現代版にリブートする計画を進めていると発表した[8]。監督としてはレン・ワイズマンとアンディ・ムスキエティの名前が挙がったが、正式な契約には至らなかった[9][10]。
2015年11月、トム・クルーズがユニバーサルとの出演交渉に入ったという報道があった[11]。12月にはソフィア・ブテラにオファーが出ていると報じられた[12]。ブテラを推薦したのはカーツマンである。『キングスマン』に出ていたブテラの演技に何か光るものを感じたのだという。カーツマンは「ブテラの瞳を見てご覧なさい。そこで全てが演じられている。『キングスマン』を見て、私はそれに気付いたんだ。何も言わずとも、彼女の目は私に多くのものを伝えてくれた。彼女にどんなメイクを施そうと、どんなCG加工を施そうと、情感豊かな表現が出来るだろうと思った。」と述べている[13]。残りのキャストは2016年3月から5月の間に決まっていった[14][15][16][17][18][19]。
撮影
2016年4月3日、本作の主要撮影がイギリスのオックスフォードで始まった[20][21]なお、撮影はサリーやロンドンでも行われ[22]、イギリスでの撮影は2016年7月17日に終了した[23]。その後、ナミビアでの撮影が行われ、全ての撮影が終了したのは8月13日のことだった[24]。
公開
当初、本作は2016年中に全米公開される予定だったが[25][26]、2017年6月9日公開に延期されることとなった[27]。なお、2017年5月22日に発生したマンチェスターでのテロを受けて、ユニバーサル・ピクチャーズは31日に予定されていた本作のロンドンプレミアを中止した[28]。
トラブル
2016年12月20日、本作の予告編が公開されたが、付与されていたはずの音声効果が消失したバージョンが公開されてしまったことが判明した[29]。このバージョンの予告編の流出を止めるべく、IMAXはデジタルミレニアム著作権法に基づいた対応を行うこととなった[30]。
興行収入
専門家は本作がアメリカ合衆国での公開初週末に3500万ドル~4000万ドルを稼ぎ出すと予想している[31]。本作は木曜日のレイトショーにおいて266万ドルを稼ぎ出した[32]。2017年6月9日、本作は全米4035館で封切られ、公開初週末に3168万ドルを稼ぎ出し、週末興行収入ランキング初登場2位となった[33]。この数字は1999年に公開された『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』(本作と同様に『ミイラ誕生』をリブートした作品)が記録した4336万ドルを下回るものであった[34]。
本作は韓国で公開初日に660万ドルを稼ぎ出した。この数字はユニバーサル・ピクチャーズが韓国で配給した映画の中で最高のものである[35]。
評価
本作は批評家から酷評された。特に、ダーク・ユニバースの導入のために組み込まれた要素が却って全体の流れを分かりにくくしていることに批判が集中した[36]。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには230件のレビューがあり、批評家支持率は15%、平均点は10点満点で4.2点となっている。サイト側による批評家の見解の要約は「ユニバーサル製作のモンスター映画にあった面白みに欠け、多くのモンスター映画にあるようなスリルが届いてこない。『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』はダーク・ユニバースの構想を早急に見直した方が良いと示唆している。」となっている[37]。また、Metacriticには44件のレビューがあり、加重平均値は34/100となっている[38]。なお、本作のシネマスコアはB-となっている[39]。
アップロックスのヴィンス・マンシーニは「『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』は、どこかで見たことがある要素の不出来な寄せ集めが好きな人向けの映画だ」と述べている[40]。インディワイアーのデヴィッド・エーリッヒは本作にD-評価を下し、「古き良きハリウッドのアイコンを現代に蘇らせようとした作品の一つである。しかし、昔ながらの題材を浪費している。これでは映画製作とは言えない。墓荒らしである。」「トム・クルーズ出演作品の中で最低の出来だと思う」と酷評している[41]。
出典
- ^ http://www.imdb.com/title/tt2345759/
- ^ a b “The Mummy (2017)”. 2017年6月8日閲覧。
- ^ “Universal Stakes Out Release Date for Third Monster Movie”. 2017年4月22日閲覧。
- ^ a b c d e f “森川智之、沢城みゆき、中村悠一、鈴木達央ら人気声優『ザ・マミー』吹き替え版に集結!”. シネマトゥデイ. (2017年6月23日) 2017年6月23日閲覧。
- ^ a b c d e f g “ザ・マミー/呪われた砂漠の王女”. 2017年7月27日閲覧。
- ^ アマネットという名前は、エジプト神話に登場する女神、アマウネトに由来する。
- ^ “ベッキーが王女ミイラに!トム・クルーズ主演「ザ・マミー」で吹替担当”. 映画ナタリー. (2017年7月6日) 2017年7月6日閲覧。
- ^ “The Mummy Gets Reboot from Prometheus Writer Jon Spaihts”. 2017年4月22日閲覧。
- ^ “Director Len Wiseman Exits ‘The Mummy’ Reboot at Universal”. 2017年4月22日閲覧。
- ^ “‘Mummy’ Reboot Loses ‘Mama’ Director Andy Muschetti (Exclusive)”. 2017年4月22日閲覧。
- ^ “Tom Cruise in Talks to Star in ‘The Mummy’ Reboot (EXCLUSIVE)”. 2017年4月22日閲覧。
- ^ “'Kingsman' Actress Sofia Boutella in Talks to Star in 'The Mummy' (Exclusive)”. 2017年4月22日閲覧。
- ^ “The Mummy: Filmmaker Alex Kurtzman on Resurrecting Universal's Classic Monsters and Building a Shared Universe”. 2017年4月22日閲覧。
- ^ “7:11 - 2016年5月7日”. 2017年4月22日閲覧。
- ^ “Tom Cruise’s ‘Mummy’ Reboot Casts Annabelle Wallis”. 2017年4月22日閲覧。
- ^ “Marwan Kenzari Joins Tom Cruise in ‘The Mummy’ Reboot”. 2017年4月22日閲覧。
- ^ “Russell Crowe in Early Talks to Join Tom Cruise in 'The Mummy'”. 2017年4月22日閲覧。
- ^ “Russell Crowe in Talks to Join Tom Cruise in ‘The Mummy’ Reboot”. 2017年4月22日閲覧。
- ^ “Russell Crowe Joining Tom Cruise In ‘The Mummy’”. 2017年4月22日閲覧。
- ^ “Actor Tom Cruise in Oxford filming for The Mummy reboot”. 2017年4月22日閲覧。
- ^ “First Photos of Tom Cruise on The Mummy Set!”. 2017年4月22日閲覧。
- ^ “Action man! Tom Cruise looks ready for adventure as he begins filming for The Mummy reboot movie in Surrey”. 2017年4月22日閲覧。
- ^ “Tom Cruise and Annabelle Wallis Photos from The Mummy Set”. 2017年4月22日閲覧。
- ^ “The Sarcophagus Closes on ‘The Mummy’; Principal Photography Wraps!”. 2017年4月22日閲覧。
- ^ “Universal to release 'The Huntsman' in 2016, pushes back 'The Mummy'”. 2017年4月22日閲覧。
- ^ “Universal Dates ‘The Mummy’ Reboot For April 2016, Pushes ‘Warcraft’ Out Of ‘Star Wars’ Slot”. 2017年4月22日閲覧。
- ^ “Tom Cruise’s ‘The Mummy’ Gets New Release Date”. 2017年4月22日閲覧。
- ^ “'The Mummy' London Premiere Canceled After Manchester Attack”. 2017年5月25日閲覧。
- ^ “The messed-up Mummy trailer is mutating faster than Universal Pictures can keep up”. 2017年4月22日閲覧。
- ^ “4:20 - 2016年12月21日”. 2017年4月22日閲覧。
- ^ “Box-Office Showdown: Tom Cruise's 'The Mummy' to Get Lassoed by 'Wonder Woman'”. 2017年6月8日閲覧。
- ^ “Why ‘The Mummy’ Turned Crummy At The Domestic B.O. & What This Means For Uni’s ‘Dark Universe’”. 2017年6月9日閲覧。
- ^ “June 9-11, 2017”. 2017年6月22日閲覧。
- ^ “'Wonder Woman' Tops Cruise's 'Mummy' for Second Week at #1”. 2017年6月22日閲覧。
- ^ “‘The Mummy’ Unwraps $6.6M All-Time Opening Day Record In South Korea”. 2017年6月8日閲覧。
- ^ “‘The Mummy’ Reviews: What the Critics Are Saying”. 2017年7月12日閲覧。
- ^ “The Mummy”. 2017年7月12日閲覧。
- ^ “The Mummy”. 2017年7月12日閲覧。
- ^ “13:54 - 2017年6月10日 by@CinemaScore”. 2017年7月12日閲覧。
- ^ “‘The Mummy’ Will Have You Feeling That Old ‘I’ve Just Seen A Hollywood Movie’ Feeling”. 2017年6月8日閲覧。
- ^ “Review: ‘The Mummy’ Is The Worst Tom Cruise Movie Ever”. 2017年6月8日閲覧。