「永瀬隆」の版間の差分
m cewbot: 修正ウィキ文法 69: ISBNの構文違反 |
|||
| 23行目: | 23行目: | ||
== 著書 == |
== 著書 == |
||
* 虎と十字架 1987.8 青山英語学院 |
* 虎と十字架 1987.8 青山英語学院 ISBN 4943947409 |
||
* 岩波ブックレット 「戦場にかける橋」のウソと真実 1986年 岩波書店 ISBN |
* 岩波ブックレット 「戦場にかける橋」のウソと真実 1986年 岩波書店 ISBN 978-4000030090 |
||
* ドキュメントクワイ河捕虜墓地捜索行 1988年 社会思想社 ISBN |
* ドキュメントクワイ河捕虜墓地捜索行 1988年 社会思想社 ISBN 439011266X ISBN-13 978-4390112666 |
||
* 陸軍通訳の責任 E・ロマックスと共著 1997年 私家版 |
* 陸軍通訳の責任 E・ロマックスと共著 1997年 私家版 |
||
* 俳句戦記 我が青春の墓標 2004年 私家版 |
* 俳句戦記 我が青春の墓標 2004年 私家版 |
||
| 33行目: | 33行目: | ||
== 編著 == |
== 編著 == |
||
* カウラ日本兵捕虜収容所 1990年 青木書店 永瀬隆・吉田晶編 |
* カウラ日本兵捕虜収容所 1990年 青木書店 永瀬隆・吉田晶編 ISBN 4-250-89041-4 |
||
== 関連図書 == |
== 関連図書 == |
||
2016年11月15日 (火) 19:13時点における版
永瀬 隆（ながせ たかし en:Takashi Nagase、1918年[1]2月20日[2] - 2011年6月21日[3]）は、日本の英語教師、社会活動家、元陸軍通訳。泰緬鉄道建設の現場に関わり、その現場の内容を後世に伝えるための活動と、それに伴う社会活動をタイにおいて続けた、日本の戦争証言者として知られる。かつての大日本帝国陸軍における英語通訳任務の従事者だった人物。
経歴
岡山県都窪郡福田村（現：岡山県岡山市南区福田地域）生まれ[1]。
1941年青山学院文学部英語科を卒業[4]。同年12月[4]、英語通訳として陸軍省に入省する[5]。1943年、婚約者を置いてタイに赴き[6]泰緬鉄道の建設にあたり、『建設作戦要員』として通訳に従事する。40万人のうち12万人が死んだといわれる捕虜(en:Far East prisoners of war)虐待の現場に出くわし、戦後において、この一件についての証言活動に至る。1945年9月、イギリス軍の墓地捜索隊の通訳となる[5]。
1946年7月、日本に帰国[5]。帰国時にタイの人々から、物資不足にも関わらず日本兵に対して飯盒一杯分の米と中皿一皿分のザラメが支給された[7]。のちの永瀬のタイにおける社会活動は、この恩に報いるためでもあったとされる[7]。復員が遅れたため、婚約者は別の男性と結婚してしまい、結果として別れる事となった[6]。千葉県立佐原女子高等学校などに勤務[4]。1953年に同校を退職[1]し、帰郷。1955年[4]から岡山県倉敷市で英語塾『青山英語学院』を経営する[5]。1962年に藤原佳子と結婚する[1]。
1964年より毎年タイを訪問し、泰緬鉄道建設に駆り出されて病死などで死亡した連合国兵士およびアジア人兵士労働者への慰霊活動を始める。1986年には、タイにて『クワイ河平和寺院』を建立する[4]。同年、タイの青少年に奨学金を授与する目的で、『クワイ河平和基金』を設立[4]し、代表となる。同年に、岩波ブックレット「『戦場にかける橋』のウソと真実」を、著書として出す。1995年から横浜市でイギリス連邦軍戦死者の追悼礼拝を開催[4]。1997年からカーンチャナブリー県周辺域の無医村に対する巡回診療活動の支援を始める[8]。
1992年にカーンチャナブリー県の名誉県民に推戴され、同年に岡山県三木記念賞を受賞[8]。2002年、イギリス政府より特別感謝状を受けた[4]。2005年、読売国際協力賞を受賞[4][9]。2006年、これまでの功績によりJEATH戦争博物館の敷地内に永瀬の銅像が建てられた[10]。2008年に山陽新聞社賞を受賞[8]。
日本人女性ホームズ恵子（en:Keiko Holmes）、高尾慶子（イギリス人に関するエッセイ多数）を仲介に元イギリス兵捕虜（Eric Lomax ほか）との和解活動を行なう（高尾の著書参照）。
2009年9月16日、長年の活動を夫婦二人三脚で支え合った妻である佳子と死別[11]。2005年前後より症状が常態化していたC型肝炎に伴う肝硬変および種々の合併症による[12]。
2011年6月21日、胆のう炎のため[9]岡山県倉敷市の病院で死去。93歳没[3]。死後、遺体は荼毘に付され遺骨となった後、当人の遺言により、永瀬が支援を続けてきた留学生ら、ならびに彼の晩年の生涯を20年に渡り追い続けてきた地元放送局である瀬戸内海放送の『テレメンタリー』地方担当製作スタッフ（当時。のちの映画『クワイ河に虹をかけた男』製作スタッフ）らの手によって、クウェー川鉄橋付近に散骨された[13]。
2013年に Eric Lomax の自伝を基にオーストラリア・イギリスで制作された映画『レイルウェイ 運命の旅路』では、真田広之（青年期は石田淡朗）が永瀬役を演じた。
2016年、瀬戸内海放送に遺された『テレメンタリー』の取材記録および映像素材の再構成によるドキュメンタリー映画『クワイ河に虹をかけた男』が公開された。監督は同番組プロデューサーとして永瀬の後半生に付き添い続けた満田康弘。
著書
- 虎と十字架 1987.8 青山英語学院 ISBN 4943947409
- 岩波ブックレット 「戦場にかける橋」のウソと真実 1986年 岩波書店 ISBN 978-4000030090
- ドキュメントクワイ河捕虜墓地捜索行 1988年 社会思想社 ISBN 439011266X ISBN-13 978-4390112666
- 陸軍通訳の責任 E・ロマックスと共著 1997年 私家版
- 俳句戦記 我が青春の墓標 2004年 私家版
訳書
- 泰緬鉄道の奴隷たち レオ・ローリングス著 1980年 青山英語学院
編著
- カウラ日本兵捕虜収容所 1990年 青木書店 永瀬隆・吉田晶編 ISBN 4-250-89041-4
関連図書
- クワイ河に虹をかけた男 元陸軍通訳 永瀬隆の戦後 満田康弘著 2011年 梨の木舎 ISBN 978-4-8188-1102-5
脚注
- ^ a b c d 満田, 2011年, p.261 より
- ^ 満田, 2011年, p.200 より
- ^ a b asahi.com（朝日新聞社）：「戦場にかける橋」建設に関わった永瀬隆さん死去 - おくやみ・訃報
- ^ a b c d e f g h i “第12回（2005年度）読売国際協力賞”. 読売新聞. (2005年10月20日) 2014年2月23日閲覧。
- ^ a b c d カンチャナブリ - 東南アジアの歴史
- ^ a b 満田, 2011年, p.118 より
- ^ a b 満田, 2011年, p.88 より
- ^ a b c 満田, 2011年, p.260 より
- ^ a b 「戦場にかける橋」工事で通訳、永瀬隆氏死去 : 社会 : YOMIURI ONLINE（読売新聞）
- ^ 満田, 2011年, p.194 より
- ^ 満田, 2011年, p.249 より
- ^ 満田, 2011年, p.195 より
- ^ テレメンタリー2011年9月26日放映分（テレビ朝日公式）