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「歩荷」の版間の差分

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== 参考文献 ==
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* {{Cite book|和書 |author=[[新田次郎]] |date=1965-07 |title=強力伝・孤島 |edition=改訂版 |series=[[新潮文庫]] |publisher=[[新潮社]] |isbn=4-10-112202-4 ISBN-13 978-4-10-112202-1 |ref=Nitta 1965}}
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==関連項目==
==関連項目==

2016年11月15日 (火) 18:59時点における版

背負子で歩荷をする山小屋の従業員。(富士山、2010年)。これは荷物が少ない例。ベテランの歩荷は、しばしばミカン箱 4~7箱ほどの荷物を背負子に高々と積み上げて、荷物の大半が自身の頭の上にあるような状態で運ぶ。写真の人は腕を広げているが、荷物が多い時は腕をからだの前で組んで、軽い「腕組み」をするような状態で歩くことも多い。

歩荷(ぼっか)あるいはボッカとは、荷物を背負って山越えをすること[1]。特に、山小屋などに荷揚げをすること[1]。また、それを職業とする人[1]

概要

歩荷は人が背中に荷物を背負って歩きなどの自然の中を運ぶことである。歩荷は、日本では一般に、背負子(しょいこ)に箱詰めなどした荷物などを何段にも重ねて乗せ、その背負子を背負って運ぶ。

現代日本では、歩荷はほぼ全員男性であるが、かつては女の歩荷も珍しくはなかった。野口英世の母親の野口シカも、一時期であるが歩荷をやっていた。

なお強力あるいは剛力(いずれも「ごうりき」と読む)は、歩荷も行う。ただ強力は登山案内も行う。ヒマラヤ山脈等のシェルパも、重い荷物を背負って運ぶこと、つまりボッカを行う。アフリカ南アメリカでは荷物をに引っ掛けて背負って運ぶ人々がいる。

背負子を用いる時の運搬量

背負子を用いると大量の荷物を運ぶことができ、歩荷の1回の運搬量は一般に数十kg。時には100kg弱になることもある。日本では多くの強力が活躍していた富士山立山では、100kgを超える荷物を背負って標高3,000m程度の高所まで登る者もいた。新田次郎の小説『強力伝』は、展望図指示盤(風景指示盤)を標高2,932mの白馬岳山頂に白馬大雪渓ルートで担ぎ上げた強力の実話を基に書かれているが、この展望図指示盤というのは花崗岩製で、実に重さ50(約187.5kg)の部分が2基、さらに30貫(約112.5kg)の部分が2基からなっていたのである[2][3](富士山の卓越した強力であった小見山正1941年(昭和16年)8月に行った実話[2][3]に基づく創作作品であり、多少の脚色はある)。

日本における歩荷の推移

かつて日本ではどの地方でも広く見られたが、自動車の普及や道路鉄道の発達、人件費の高騰などから徐々に減少し、20世紀後半には、山小屋など、直接自動車道がつながっていない場所に物資を運搬するときのみに使用されるようになった。しかもその後、山小屋へもヘリコプターで運ぶことが徐々に一般的になり、歩荷の仕事はさらに減ることになった。歩荷の仕事で生活しようとする若者はほぼいなくなり、もともと歩荷の仕事をしていた人も歳をとり退職し、数が減っていったのである。現在、歩荷を専門職とする人を一年を通して見ることができるのは尾瀬の尾瀬ヶ原地区のみ、とされている。(白馬岳にもプロの歩荷はいるが、夏山期に限られる。)ただし山小屋の従業員やアルバイト従業員が臨時に(夏季などに)歩荷の仕事をすることは、現在でも各地の山域で見られる。

また、かつては山岳の山頂に測量のための標石を設置する際にも測量技術者などによって歩荷が行われていたが、昨今では新たに標石を設置・交換することは稀なので、この歩荷がおこなわれることは稀となっている。ただし、測量の際には技術者が山頂まで徒歩で測量機材を運ぶことがあり、こうした歩荷は今でも行われることがある。また、山岳での高層気象観測も機会が減りつつある上に、山小屋向け運搬同様に、多くの場合はヘリコプターで運ばれるようになっている。

脚注・出典

  1. ^ a b c デジタル大辞泉
  2. ^ a b 新田(1965年)
  3. ^ a b 白馬岳と金時山(父娘が繋ぐ山)”. 白馬岳だより(ウェブサイト). 株式会社白馬館 (2011年9月1日). 2012年2月4日閲覧。

参考文献

  • 新田次郎『強力伝・孤島』(改訂版)新潮社新潮文庫〉、1965年7月。ISBN 4-10-112202-4 ISBN 978-4-10-112202-1{{ISBN2}}のパラメータエラー: 無効なISBNです。 

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