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「動吻動物」の版間の差分

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== 分類 ==
== 分類 ==
現存する動吻動物は[[キクロラグ目]](円蓋目、キョクヒチュウ目とも)と[[ホマロラグ目]](平蓋目、ピクノフィエス目とも)の2つの[[目 (分類学)|目]]に分かれ、8[[科 (分類学)|科]]20[[属 (分類学)|属]]約200[[種 (分類学)|種]]が知られている<ref name="shira"/><ref name="murakami"/><ref>{{cite book|和書|chapter=生物分類表|title=岩波生物学辞典|edition=第4版CD-ROM版|editor=[[八杉龍一]]、[[小関治男]]、古谷雅樹、[[日高敏隆]]|year=1998|publisher=岩波書店}}</ref><ref>{{cite journal||last=Martin V. Sørensen=Joans Thormar|year=2010|title=<i>Wollunquaderes majkenae</i> gen. et sp. nov.—a new cyclorhagid kinorhynch genus and species from the Coral Sea, Australia|year=2003|journal=Mar. Biodiv.|volume=42|idoi=10.1007/|url=http://www.springerlink.com/content/4602234366002m72/}}</ref>。
現存する動吻動物は[[キクロラグ目]](円蓋目、キョクヒチュウ目とも)と[[ホマロラグ目]](平蓋目、ピクノフィエス目とも)の2つの[[目 (分類学)|目]]に分かれ、8[[科 (分類学)|科]]20[[属 (分類学)|属]]約200[[種 (分類学)|種]]が知られている<ref name="shira"/><ref name="murakami"/><ref>{{cite book|和書|chapter=生物分類表|title=岩波生物学辞典|edition=第4版CD-ROM版|editor=[[八杉龍一]]、[[小関治男]]、古谷雅樹、[[日高敏隆]]|year=1998|publisher=岩波書店}}</ref><ref>{{cite journal||last=Martin V. Sørensen=Joans Thormar|year=2010|title=''Wollunquaderes majkenae'' gen. et sp. nov.—a new cyclorhagid kinorhynch genus and species from the Coral Sea, Australia|year=2003|journal=Mar. Biodiv.|volume=42|idoi=10.1007/|url=http://www.springerlink.com/content/4602234366002m72/}}</ref>。


== 参考文献 ==
== 参考文献 ==

2016年11月15日 (火) 13:05時点における版

動吻動物門
分類
: 動物界 Animalia
上門 : 脱皮動物上門 Ecdysozoa
: 動吻動物門 Kinorhyncha
学名
Kinorhyncha Reinhard, 1887
和名
動吻動物門

動吻動物(どうふんどうぶつ、学名:Kinorhyncha)は、偽体腔を持つ体長 1 mm以下の小さな無脊椎動物で、世界中に広く分布し、潮間帯から超深海の泥や砂の中に住む[1]、いわゆる間隙生動物として知られている。海藻帯などから採集されることもある[1][2]

構造

体は第1体節からなる頭部(吻部)、第2体節からなる頸部、第3体節以降の11節からなる胴部に分けられる[1]。頭部は胴部へ引き込むことができ、その際には頸部が蓋の役割をする[1]。頭部の出し入れに伴って、棘を引っかけ、前進する[2]。とげは表皮から分泌されるクチクラの一部であり、成長のたびに何度も生え変わる。

生態など

動吻動物は海底の海藻の間や泥中の珪藻およびデトリタスと呼ばれる有機堆積物などを食糧とする。頭部の逆棘を利用し、これを出し入れすることで前進し、体に生えた棘もこれを補佐する。体は腹側には曲げることが可能である。

潮間帯から超深海まで分布し、世界中に広く分布している。特に酸素濃度の高い砂泥で高密度に生息し、場所によっては線虫ソコミジンコについで、個体数の上で優先種となる[1]。反対に貧酸素環境に弱く、汚染海域ではすぐに姿を消すことから、海洋の汚染指数を測る指標生物としての利用が期待されている[1]

成長の際には脱皮を行い、脱皮殻はほぼ全体の形を保つ。雌雄異体で、終端体節に雄は交尾棘、雌は生殖孔を持つ[1]。幼生は自由生活である。しかし生殖および初期発生についてはほとんど分かっていない[1]

系統

古くは線形動物輪形動物腹毛動物などとともに袋形動物門にまとめられていたが、現在ではそれぞれ独立の門として扱われる[3]。系統的には胴甲動物鰓曳動物に近いと考えられ、これらの3門をまとめて有棘動物とする説もある[4]。より大きくは脱皮動物に含まれる。

分類

現存する動吻動物はキクロラグ目(円蓋目、キョクヒチュウ目とも)とホマロラグ目(平蓋目、ピクノフィエス目とも)の2つのに分かれ、820約200が知られている[1][2][5][6]

参考文献

  1. ^ a b c d e f g h i 白山義久 著「動吻動物門」、白山義久編 編『無脊椎動物の多様性と系統(節足動物を除く)』(第6版)裳華房、2006年(初版2000年)、148-150頁。ISBN 4785358289 
  2. ^ a b c 村上知里「動吻動物に関する研究-日本における新分布域の報告-」(PDF)『日本海洋生物研究所年報』2003年、43-50頁。 
  3. ^ 白山義久「いわゆる袋形動物の系統関係」『無脊椎動物の多様性と系統(節足動物を除く)』、157-158頁。 
  4. ^ Neuhaus, B; Higgins, RP (2002). “Ultrastructure, biology, and phylogenetic relationships of Kinorhyncha”. Integrative and Comparative Biology 42 (3): 619-632. doi:10.1093/icb/42.3.619. http://icb.oxfordjournals.org/cgi/content/abstract/42/3/619. 
  5. ^ 八杉龍一小関治男、古谷雅樹、日高敏隆 編「生物分類表」『岩波生物学辞典』(第4版CD-ROM版)岩波書店、1998年。 
  6. ^ Martin V. Sørensen=Joans Thormar (2003). Wollunquaderes majkenae gen. et sp. nov.—a new cyclorhagid kinorhynch genus and species from the Coral Sea, Australia”. Mar. Biodiv. 42. http://www.springerlink.com/content/4602234366002m72/.