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2016年11月11日 (金) 03:47時点における版
Tomo Akikawabaya | |
---|---|
ジャンル |
テクノポップ エクスペリメンタル |
職業 |
ミュージシャン 写真家 |
担当楽器 |
ボーカル ギター ピアノ キーボード シンセサイザー バイオリン |
活動期間 | 1979年 - |
レーベル |
Castle Records (1983年 - 1986年) Minimal Wave (2015年) |
共同作業者 |
Beata Beatrix Takaaki Han-ya ロバート・ワイアット The Future Eve |
公式サイト | Robert Wyatt & The Future Eve |
Tomo Akikawabaya(とも あきかわばや)は、日本のミュージシャン、エクスペリメンタル・アーティスト。
略歴
1978〜1979年、ファッション勉学のために渡英。その際ロンドンの友人宅で地下室を練習場所としていた当時のバンドDesperate Bicyclesと出会う。偶然、メンバー入替えに際し、ギタリストとしてバンドの一員となる。その在籍時、メンバー間での呼び名がTomoであった。しかしファースト・アルバム(タイトル・Remorse Code)のレコーディング直前に帰国。
1979〜1980年、帰国後は、東京都内のライブハウスにて、ギターソロによるインプロヴィゼーションのライブ活動を行う。
1981年より、Tomo Akikawabaya名義にて、アルバムThe Castleのスタジオ録音を開始。それを期に、ボーカルとシンセサイザーを中心としたスタイルへとサウンドを変化させた。
しかし、ライブを一切行わず、スタジオワークのみ(全詞・英語)の活動は当時の日本のインディペンデント市場に於いて周知される事なく、ボックスセット限定版(1986年)を最終リリースとしてTomo名義の活動を終える。
ボックスセットのタイトル Rivage De La Convulsionは、当時Tomoと交流のあった日本のフランス文学者、評論家・生田耕作氏(1924〜1994年)に翻訳を依頼したもの。
スタジオでのレコーディング期間、ミキサーを担当していた半谷高明氏(Bea Pot Studio)のデモテープを聞くに際して、その特異な才能に感銘を受け、半谷氏とのユニットを結成。
1987年以降(ユニット)名義はBeata Beatrixとなり、同名義に於ける録音は現在までに凡そアルバム4枚分(全て未発表)に及ぶ。1997年にベスト盤(CD)をPR用のみに制作。そのアルバムがきっかけとなり、In The Nursery、ロバート・ワイアット等との共演が生まれた。
2014年に、ロバート・ワイアットとの共作を発表するに際して、新たに名義をThe Future Eveと変更し、その活動をHP(Robert Wyatt & The Future Eve - KiTsuNe)にて公開、現在に至る。 最新作Ring Vesrionのマスタリングはテイラー・デュプリー。
音楽性
テクノミュージックをベースとしながらも、歌(歌詞)は独自の世界観をもつ。作品への主な影響は、主に文学で有り、エドガー・アラン・ポー、マルキ・ド・サド、ローデンバック、アーサー・マッケン、ロード・ダンセイニ、シェリダン・レ・ファニュ、ジョリス=カルル・ユイスマンス等であった。
The Castle
冒頭 Rebirth の前奏部には、Tomo自身の心臓音が含まれて居り、連続する(巨大な)花びらの開花、無限に生まれでる夢をイメージした。
- Mars - ローデンバックの小説「死都ブリュージュ」をベースとしている。
- Fire - フランスの現代美術家、イヴ・クラインの作品(炎)をイメージの源泉としている。また「死と陶酔」はアルバム全体のテーマとなっている。
- Sleeping Sickness - 再び、アルバム冒頭(Rebirth)への回帰をイメージした作品。
- レコーディングで使われた機材の一部は、当時、同じスタジオでデモ録音を行っていたSALON MUSICの吉田仁氏から借り受けたもの。
- The Castleはアルバムを通し、イギリス文学の研究家、松岡和子が英詩を監修した。
アルバム・ジャケット ジャケット撮影に於いては、モデル・アンジュ の為に、Tomo自身のデザインにより4点のドレスを制作。スタジオと野外(熱海)での2回の撮影を(Tomo自身が立会い)カメラマン・横木安良夫氏が行った。 The Castleでのドレスは、ロジェ・ヴァディム監督の映画「悪徳の栄」(マルキ・ド・サド原作)でのカトリーヌ・ドヌーブが着用したドレスを元にしたもの。
ロンドン滞在時(1978〜1979年)、Tomoの師事したデザイナーはSouth Moltonにアトリエを構えたクチュリエ、Hachi氏。後にダイアナ王妃のドレスデザインで話題となった人物。
モデルのアンジュは、ジャケット撮影以降、ジバンシーの専属モデルとなりパリに渡り、トップモデルとして活躍。またYMOの映画プロパガンダ(1984年)には、女優として出演。
帰国後、アンジュがカメラマンに転身した際、Tomoはアンジュの撮影でのスタイリング、及び(女優、歌手等の)衣装制作を務める。他にも横木安良夫を始めとし、著名なカメラマン達との仕事を通じ、撮影技術を学び、現在では自らがカメラマンとしても活動を行う。
Diamond
アルバムThe Castleに続き、発表された作品。12インチ盤での冒頭には、曲ラスト部の逆回転テープが付けられて居り、(聞く都度)冒頭へと常に回帰する構造となっている。そのアイデアはニーチェの「永劫回帰」からで有り、有限な世界への嘆きと達観、その歌詞を体現したものである。
- The Hill of Dreams - アーサー・マッケンの同名小説に捧げられたもので、焼ける様な夕焼けと鐘の音を再現した作品。
- 曲の後半部には、当時の革新的な楽器GIZMOTRONが使用されて居り、他にもアルバム The Castle での Fire と Dark に於いても効果的に使用されている。
リイシュー The Invitation of The Dead
長年、インターネットに於いてTomoの曲が拡散し続けた事により、世界中に多くのファンが生まれた。また各レーベルから再発オファーも相次ぎ、2015年、予てよりTomo自身が関心を寄せるVeronica VasickaのレーベルMinimal Waveにて再発が決定。
同レーベルでは、再発に伴いオリジナル・マスターテープからの音源を(デジタル化)新たにマスタリング処理。ジャケットには当時の未発表写真と、 Tomo自身が撮影したThe Castleで実際に使用したドレスの写真を採用し、2枚組、見開きジャケットでリリースされた。ジャケットのデザインはマーク・ジェイコブスやCélineなどのブランドのパッケージングを手がけるグラフィック・デザイナー、Peter Milesが担当した。
再発盤には発表されているレコードのうち、Mars、The Castle、1985 からの全曲が収録されている。
ディスコグラフィ
シングル
発売年 | タイトル | レーベル | 収録曲 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|
1st | 1983年 | Mars | Castle Records |
|
12" シングル |
2nd | 1985年 | Anju | Castle Records |
|
12" シングル |
3rd | 1985年 | 1985 | Castle Records |
|
7" シングル |
4th | 1986年 | Kojiki To Onna | Castle Records |
|
12" シングル |
アルバム
発売年 | タイトル | レーベル | 収録曲 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1984年 | The Castle | Castle Records |
|
12" Double LP |
2015年 | The Invitation of The Dead | Minimal Wave |
|
12" Double LP |
ボックスセット
発売年 | タイトル | レーベル | 収録曲 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1986年 | Rivage De La Convulsion | Castle Records | Mars
The Castle
Anju
Kojiki To Onna
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限定33部、内3枚が白シルククロス装 |
参加/共作
発売年 | アーティスト | アルバム | レーベル | 収録曲 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1998年 | In The Nursery | LINGUA | ITN | Shonen No Hi | Vocal参加
Cinemix(Remix-2008年)も存在する。 |
2003年 | Robert Wyatt | Cuckooland | Domino Recording Co | Tom Hays Fox | ブライアン・イーノが詩と朗読を担当。タイトルTom Hays Foxはワイアット自身がTomoの実名をもじったもの。ワイアットとの共作は「KiTsuNe / Brian the Fox」として1998〜2015年の間にバージョンが幾つか存在する。 |
2015年 | Nao Katafuchi | Émergence | Nadanna/Anna Logue | Awakening | AwakeningにVocal参加。冒頭とラストには、Tomoの作品Ray(ピアノ)がサンプリングされている。 |
未発表
タイトル | 備考 |
---|---|
The April | BOX SETをリリースした以降の録音。 |
注釈
- 現在の活動 The Future Eve 、カメラマン共に、Tomoの名義は Thと記号化されている。