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2016年11月10日 (木) 17:25時点における版
久美かおり(くみかおり、本名・深町陽子、1949年 - )は、日本の元歌手、元女優。 渡辺プロダクションに1967年から1970年まで所属していた。 「くちづけが怖い」で、第10回日本レコード大賞・新人賞(女性)を受賞。ザ・タイガースの主演映画全て(3作)でヒロイン役を務めたことでも知られる。
経歴・人物
東京都渋谷区出身。東洋音楽大学付属高等学校(現在の東京音楽大学付属高等学校)2年生の時、ジャズシンガーを志し、マーサ三宅(大橋巨泉の元夫人)に師事する。ホテルニューオータニなどでジャズを歌っていたところ平尾昌晃に認められたことがきっかけで、渡辺プロダクションに所属する。
東海林修に師事しながら、渡辺プロダクションが経営していたミュージック・スポット「メイツ」で活動。1967年12月に公開された植木等主演の映画『日本一の男の中の男』に白鳥英美子や平山みきとともに「メイツガールズ」として出演する。
1968年2月、映画『ザ・タイガース 世界はボクらを待っている』のヒロイン・シルビイ役に抜擢され、注目される。またこの頃、『題名のない音楽会』(NETテレビ)に出演したり、映画『100発100中 黄金の眼』の主題歌やレナウンのコマーシャルソングを歌った。
同年7月に日本コロムビアから『くちづけが怖い』でレコードデビューし、梢みわ、浅尾千亜紀と共に次世代の「ナベプロ3人娘」として当時期待された。同年12月には第10回日本レコード大賞・新人賞(女性部門)を受賞した際、『くちづけが怖い』の歌唱披露時に思わず感極まり涙をこらえ、特に1番目の歌詞が殆ど歌えなくなるシーンがあった。
しかし、1969年7月公開の映画『ザ・タイガース ハーイ!ロンドン』の撮影を最後に芸能活動を休業し、翌1970年3月に芸能界を引退した。その後はニッポン放送でアシスタント・ディレクターとして月曜日から金曜日まで生番組『カメ・カメ・ポップス』を担当(週刊平凡 1970年12月24日号 21頁)。1973年に作曲家・編曲家の溝淵新一郎と結婚した。
引退後は表舞台に出ることはないが、1982年に一度だけ沢田研二のラジオ番組『NISSIAN ミッドナイト・ステーション 夜は気ままに』(TBSラジオ)に出演しており、「芸能界一番の思い出は、ザ・タイガースと共に、映画(『ザ・タイガース ハーイ!ロンドン』の撮影でイギリス・ロンドンへ行ったこと」だと明かした。
2000年12月に、シングル盤A・B面曲を全て収録したCD『星のプリンス』が発売。
2007年10月には、ヒロイン役で出演したザ・タイガース主演映画全3作がDVDビデオソフトとして発売され、6枚組DVD-BOX『東宝GSエイジコレクション』の特典ディスクにメッセージ文を寄せている。
エピソード
- 映画『ザ・タイガース 世界はボクらを待っている』のヒロイン役公募(オーディション)に合格してデビューしたと誤解されていることが少なくない。
- デビュー直後は、ザ・タイガースのファンによる嫉妬・嫌がらせが強かったが、やがて「憧れのお姉さん」として応援するファンが多くなった(当時「メイツ」で開催されたファンを招いた誕生パーティーの写真を見ると、写っているのはティーンエージャーとみられる女性がほとんどである)。
- 引退理由について、ザ・タイガースのファンからによる嫉妬・嫌がらせが続いたからだと語られていることが多いが、引退後の『週刊セブンティーン』(1970年9月15日号)に掲載されたインタビューによると、自分自身が希望する芸能活動の方向性が所属事務所側の考えと違ったことが引退理由である(嫉妬・嫌がらせについては、一切語られていない)。
- 1970年4月20日の新聞テレビ欄に『プレイガール』(東京12チャンネル)の第55話「謎の尼寺博徒」の出演者として名前が掲載されているが、既に休業・引退状態だったことや本人の芸能活動志向から考えると、何かの間違いである可能性が高い。
- TBSラジオ『サタケミキオと宅間孝行』(2007年5月13日放送)にゲスト出演した笑福亭鶴瓶が高校生時代、ファンだった事を明かしている。
ディスコグラフィー
シングル
- くちづけが怖い / 夜明けの海(1968年6月15日)コロムビア、P-22
- 今日から私は / 草の鏡(1968年9月1日)コロムビア、P-34
- 愛の小鳥 / 愛のディンガリン(1969年2月1日)コロムビア、P-50
- 髪がゆれている / 小さな鳩 (1969年8月1日)コロムビア、P-67
コンパクト盤
- くちづけが怖い / 夜明けの海 / 今日から私は / 草の鏡(1968年11月)コロムビア、JSS-89
- くちづけが怖い / 今日から私は / 愛の小鳥 / 愛のディンガリン(1969年3月)コロムビア、ASS-421
出演
映画
- 日本一の男の中の男(1967年。製作/東宝=渡辺プロダクション 配給/東宝)
- ザ・タイガース 世界はボクらを待っている(1968年。製作/東宝=渡辺プロダクション 配給/東宝)
- ザ・タイガース 華やかなる招待(1968年。製作/東京映画=渡辺プロダクション 配給/東宝)
- ザ・タイガース ハーイ!ロンドン(1969年。製作/東京映画=渡辺プロダクション 配給/東宝)
外部リンク
- 久美かおりさんライブラリー(ファンによる非公認サイト)