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2016年9月29日 (木) 13:24時点における版
『Hint』(ヒント)はニッポン放送、Cerevo、グッドスマイルカンパニーが共同開発したラジオプレーヤー[1]。
概要
東京のラジオ局・ニッポン放送アナウンサーの吉田尚記が、「カッコいいラジオが欲しい」という理念の元で立ち上がった「ラジオ開発プロジェクト」から誕生した、いわば「次世代のラジオ」といえる[1]ラジオプレーヤーである。ニッポン放送が製品コンセプトを、ネット家電における新興企業であるCerevoがハードの仕様設計と試作機の開発、フィギュア制作会社のグッドスマイルカンパニーが製品のデザインを、それぞれ役割を分担して製品開発を行っている[2][3]。製品名のHintの由来は「気配」というところから来ている[4]。
形状は「ワインボトル程度」の大きさをした筒形で[3]、主な機能として、FM補完放送(ワイドFM)に対応したFMラジオチューナー[5]に加え、Bluetoothを用いた無線接続によるワイヤレススピーカー機能を搭載、これによりスマートフォンやタブレット端末、パソコンから流れる音声を、Hintから再生することができる[2][3]。本体の上部には無指向性スピーカーがつけられており、音響面ではニッポン放送の技術部の監修を受け、「人の声が心地よく聴こえる柔らかいサウンド」になるように設計されている[2]。
また、最大の特徴として、これまで吉田が関わってきたトーン音を利用して情報を発信する「トーンコネクト」の技術が採用されており、Googleが開発したBluetooth Low Energy(BLE)のビーコン規格であるEddystone[6]を組み合わせた、「ラジオで流れた音声に反応して、対応したスマートフォンにURLを通知する」というスマートフォン連携機能が搭載されている[2][3]。
この機能の活用方法として、放送されたラジオ番組の音声にDTMFの音を流し、それを含む情報をHintで解析したうえで、BLEのビーコンによってスマートフォンに送ることで、「番組で紹介したWebサイトのURLをスマートフォンへ自動的に通知する」ということが可能となる[2]。従来までのトーンコネクトは専用のアプリを必要としていたが、今回Eddystoneを採用したことにより、Androidでは標準機能として扱えるほか、iOSでもGoogle Chromeをインストールしておくことでこの機能を使用することができる[7]。
吉田はこの機能について「このラジオがあれば自動でURLが送られてくるので、『続きはウェブで』というものが必要なくなる。ラジオショッピングで欲しいものがあったとして、わざわざ電話をかけなくてもいい」と説明している[1]。発表時点でニッポン放送ではDTMFの音を活用した放送はしていないものの、将来的には吉田の担当番組などから行っていくことにしている[8]。
また、Hint自体も、DTMFの音に合わせLEDを点灯させることができ[2]、さらに、放送している番組内容に合わせ、ラジオのスタジオからHintに対し「制御情報」を発信することで[3]、一斉にあらゆる場所にある全てのHintのLEDの色を変えることができる機能が搭載される[2]。
なお、DTMFの音にアドレスデータを入れて送るトーンコネクトに加え、そのトーンコネクトを放送で用いてBLEのビーコンでスマートフォンに配信する技術は、株式会社トーンコネクトが特許出願を行っている[8]。これは「同じような規格が乱立して複雑にならないようにするため」で、今後他の放送局や家電メーカーでこの技術を採用する場合は歓迎するとしている[8]。
入手方法としては、2016年7月20日から2016年9月20日まで、「CAMPFIRE」を用いてクラウドファンディングを行うことにしており[2][3]、出資できる金額は21,500円からで、販売は2016年度を目標にしている[3]。将来的に市販する場合は、ニッポン放送、Cerevo、グッドスマイルカンパニーの3社がそれぞれ販路を確保することになっている[9]。
仕様
- Bluetooth 4.2搭載
- スピーカーユニット:50mm経1基、最大出力3W
- サイズ:80x80x287mm、950g
- 電源:ACアダプタまたはリチウムイオン充電池(同梱)
- バッテリー充電時間:約3時間
- バッテリー連続稼働時間:4〜6時間(ラジオ連続聴取において)
脚注
- ^ a b c 長田雄太 (2016年7月20日). “ニッポン放送、Cerevo、GOOD SMILE COMPANY 異色の3社合同による次世代ラジオ「Hint(ヒント)」発表会見を速報レポート”. アニメイトタイムズ 2016年7月20日閲覧。
- ^ a b c d e f g h 編集部:小澤貴信 (2016年7月20日). “Cerevoとニッポン放送が共同開発したラジオ「Hint」。スマホにURLを通知可能”. Phile-web 2016年7月20日閲覧。
- ^ a b c d e f g 太田亮三 (2016年7月20日). “ラジオ局が作ったラジオ「Hint」、Bluetooth連携でスマホにURLを配信可能”. ケータイ Watch 2016年7月20日閲覧。
- ^ 北島幹雄/ASCII STARTUP (2016年7月20日). “ニッポン放送・Cerevo・グッドスマイルカンパニーがカッコいい新型ラジオでコラボ ニッポン放送がつくる本気のラジオ「Hint」登場”. ASCII.jp 2016年7月20日閲覧。
- ^ AM放送の受信には対応していない。
- ^ 第718回:Eddystone とは,ケータイ Watch,2016年7月28日
- ^ 放送音声からURLを取得できるラジオ受信機『Hint』。ワイドFMでAM放送も受信、Bluetoothスピーカー機能搭載,Engadget Japanese,2016年7月20日
- ^ a b c 山崎健太郎 (2016年7月20日). ““ラジオ局が作る、本気のラジオ”「H!nt」。無指向性&BTスピーカー機能も”. AV Watch 2016年7月20日閲覧。
- ^ yoshidahisanoriのツイート(755756567350259713)