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{{Infobox musical
『'''スパマロット'''』(''Spamalot'')は、映画『[[モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル]]』(1975年)から「割愛された」[[コメディ]][[ミュージカル]]である。
|name=Monty Python's Spamalot<br>スパマロット
|image=Spamalotlondon.jpg
|caption=ロンドン・パレスシアターでの公演の看板
|music= [[ジョン・デュ・プレ]] <br/> [[エリック・アイドル]] <br/> [[ニール・イネス]]
|lyrics= エリック・アイドル
|book= エリック・アイドル
|basis= 『[[モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル]]』
| premiere_date = 2005年3月17日
| premiere_location = {{仮リンク|シュバート・シアター (ニューヨーク)|label=シュバート・シアター|en|Shubert Theatre (New York City)}}
|productions={{plainlist|
* 2004年 [[シカゴ]]
* 2005年 [[ブロードウェイ・シアター|ブロードウェイ]]
* 2006年 [[ウェスト・エンド・シアター|ウェスト・エンド]]
* 2007年 [[オーストラリア]]
* 2008年 [[北アメリカ|北米]]ツアー
* 2008年 [[バルセロナ]]
* 2009年 北米ツアー
* 2009年 [[マドリード]]
* 2010年 [[英国]]ツアー
* 2012年 ウェスト・エンド再演
* 2013年 北米ツアー
* 2015年 英国ツアー}}<!-- For productions other than New York, London and national tours in US or UK, describe these in the body of the article, but not the infobox. -->
<!-- 作品賞以外の賞(脚本賞、主演男優賞、助演男優賞、製作者賞など)は入力しないでください。 -->
|awards= [[トニー賞 ミュージカル作品賞]] <br/> [[ドラマ・デスク・アワード]]ミュージカル作品賞{{enlink|Drama Desk Award for Outstanding Musical|a=on}} <br/> ドラマ・デスク・アワード作詞賞{{enlink|Drama Desk Award for Outstanding Lyrics|a=on}}<br>[[グラミー賞]]最優秀ミュージカル・ショー・アルバム賞{{enlink|Grammy Award for Best Musical Theater Album|a=on}}
}}
{{external media | image1 = [[:en:File:Spamalot.jpg]]<br>? ブロードウェイ・オリジナル版のウィンドウ・カード }}


'''スパマロット'''({{lang-en-short|''Monty Python's Spamalot''}})は、[[1975年]]の映画『[[モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル]]』を原案とした、[[2005年]]の[[ミュージカル]]作品である。映画同様、この作品も[[アーサー王物語|アーサー王伝説]]の不遜なパロディであるが、筋書きは映画とやや異なっており、原作映画から「割愛された」ミュージカルという形を取っている。
[[モンティ・パイソン]]メンバーの[[エリック・アイドル]]が[[脚本]]と[[作詞]]を担当。作曲はアイドルとジョン・ドゥ・プレが共同で行った。[[ブロードウェイ]]での初演は2005年3月17日。


2005年に[[ブロードウェイ・シアター|ブロードウェイ]]で上演されたオリジナル版は、[[マイク・ニコルズ]]が監督し、{{仮リンク|第59回トニー賞|en|59th Tony Awards}}[[トニー賞 ミュージカル作品賞|ミュージカル作品賞]]を含め、3つの[[トニー賞]]最優秀賞を獲得したほか、14部門にノミネートされた。1,500回を超えたオリジナル版のロングランには、200万人以上が足を運び、1億7,500万ドル以上の興行収入を得た<ref name="playbillend">{{Cite web | last=Gans | first=Andrew | url=http://www.playbill.com/news/article/123622.html | title=Spamalot Will Now Close Jan.&nbsp;11, 2009 | work=[[Playbill]] | date=2008-11-21 | accessdate=2009-10-25 | archiveurl=https://web.archive.org/web/20090107131616/http://www.playbill.com/news/article/123622.html | archivedate=2009-01-07 |url-status=dead|url-status-date=2017-09}}</ref>。
映画と同様に[[アーサー王伝説]]の不謹慎な[[パロディ]]だが、ブロードウェイ劇場のパロディが含まれている点などが異なる。


== キャスト ==
== あらすじ ==
{{要あらすじ|date=2017-06-10}}
オリジナル版の主要キャストは次のとおり。

*[[アーサー王]]:[[ティム・カリー]]
== ミュージカル・ナンバー ==
*パッツィ:マイケル・マクグラス
[[エリック・アイドル]]はミュージカルの[[リブレット (音楽)|リブレット]](脚本と詞)を担当し、作曲には[[ジョン・デュ・プレ]]が協力した。ミュージカル中の曲のうち、"Knights of the Round Table"(円卓の騎士の歌)と "Brave Sir Robin" は[[ニール・イネス]]が『[[モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル]]』のために作曲したもの、"[[Always Look on the Bright Side of Life]]" は『[[ライフ・オブ・ブライアン]]』の作中曲としてアイドルが書き下ろしたものである。その他にもパイソンズのテレビシリーズ・オリジナルアルバムから曲が引用されている。
*ロビン卿:デヴィッド・ハイド

*[[ランスロット]]卿:[[ハンク・アザリア]]
作品には原作映画や他のパイソン作品からの引用が数多く含まれている。例えば『[[木こりの歌]]』の一節、『[[バカ歩き省]]』への言及、『{{仮リンク|選挙速報スペシャル|en|Election Night Special}}』や『[[死んだオウム]]』のくだり、"''Knights of the Round Table''" 中で引用される『[[スパム (モンティ・パイソン)|スパム]]』(作品の語源となった部分の歌詞、原作映画にも登場)などである。他にも "''Fisch Schlapping Dance''" では『[[モンティ・パイソン シングス#通常版トラック6〜10|フィンランド]]』と『{{仮リンク|フィッシュ・スラッピング・ダンス|en|The Fish-Slapping Dance}}』が引用されている。舞台のブックレットには、"''Dik Od Triaanenen Fol (Finns Ain't What They Used To Be)''" と題されたミュージカルに関するギャグ・頁が含まれている。これはペイリンが書いたもので、原作映画のクレジットに登場する「偽」[[スウェーデン語]]字幕を再録している。
*[[ガラハッド]]卿:クリストファ・シーバー

*[[湖の乙女]]:[[サラ・ラミレス]]
; 第1幕 (Act I)
* Tuning**
* Overture
* "Historian's Introduction to Act I" – 歴史学者
* "Finland" / "Fisch Schlapping Dance" – 領主、一座
* "Monk's Chant" – 一座
* "King Arthur's Song" – アーサー王、パッツィ*
* "I Am Not Dead Yet" – まだ死んでいないフレッド、ランス、ロビン、死体たち{{efn|Not Dead Fred, Lance, Robin, and Bodies}}
* "Come with Me" – アーサー王、湖の乙女、湖の少女たち{{efn|King Arthur, Lady of the Lake, and Laker girls}}
* "Laker Girls Cheer" – 湖の少女たち
* "The Song That Goes Like This" – ガラハッド卿、湖の乙女
* "All for One" – アーサー王、パッツィ、ロビン卿、ランスロット卿、ガラハッド卿、ベディヴィア卿
* "Knights of the Round Table" – 一座
* "The Song That Goes Like This" (Reprise) – 湖の乙女
* "Find Your Grail" – 湖の乙女、一座
* "Run Away!" – 一座
* The Intermission**

; 第2幕 (Act II)
* "Historian's Introduction to Act II" – 歴史学者
* "[[Always Look on the Bright Side of Life]]"<ref>{{Cite web|和書|url=http://a-ticket.jp/pc/special/36/int03.html|publisher=a-ticket|work=特集|ミュージカル「モンティ・パイソンのスパマロット featuring SPAM(R)」|page=3|accessdate=2017-10-09|archivedate=2017-10-09|archiveurl=https://web.archive.org/web/20171009051218/http://a-ticket.jp/pc/special/36/int03.html|title=どんな時も人生の明るい面に目を向けようということがミュージカルのテーマのひとつ}}</ref> – パッツィ、アーサー王、騎士たち、「ニッ」の騎士
* "Brave Sir Robin" – ロビン卿、[[吟遊詩人]]たち
* "You Won't Succeed on Broadway" – ロビン卿、[[アンサンブル]]
* "Whatever Happened to My Part?" – 湖の乙女
* "Where Are You?" – ハーバート王子
* "Here Are You" – ハーバート王子
* "His Name is Lancelot" – ランスロット卿、ハーバート王子、アンサンブル
* "I'm All Alone" – アーサー王、パッツィ、騎士たち
* "Twice in Every Show" – 湖の乙女、アーサー王
* "Act II Finale: I Am Not Dead Yet (Reprise) / Find Your Grail (Reprise) / The Song That Goes Like This (Reprise II)" – 一座
* "Bows: Always Look on the Bright Side of Life (Reprise)" – 一座、観客

; 注釈
* <nowiki>*</nowiki>:オリジナル・キャスト・アルバムには未収録。
* <nowiki>**</nowiki>:アルバムには収録されているが実際の公演では未使用の曲。
* また、オリジナル版の曲 "''You Won't Succeed On Broadway''" は、全英ツアーでは "''Star Song''" に差し替えられた。


== 登場人物 ==
== 登場人物 ==
原作映画にも登場する人物には、略称でキャストを併記した。GCがチャップマン、JCがクリーズ、TGがギリアム、EIがアイドル、TJがジョーンズ、MPがペイリン、NIが[[ニール・イネス]]を表す。
[[File:Excalibur-spam.jpg|thumb|right|200px|アーサー王とパッツィ。2009年の公演にて。]]
=== キャメロットの宮廷 ===
=== キャメロットの騎士たち ===
{{div col|colwidth=30em}}
*アーサー王 : ブリトン人の王。3つまで数えられない。
* [[アーサー王|ブリテン王アーサー]] (GC):3以上の数を数えられない。
*殺人をものともしないランスロット卿 : 「ひと味違う」騎士。ほとんど[[精神異常]]。
* [[ランスロット|殺人をものともしないランスロット卿]]{{efn|{{lang-en-short|Sir Lancelot the Homicidally Brave|links=no}}、直訳は「殺人的に勇敢なランスロット卿」}}(JC):周りとひと味違う騎士で、ほとんど[[精神病]]的。
*ランスロット卿ほど勇敢ではないロビン卿 : ミュージカル劇の世界に精通している臆病者の[[騎士]]。
* ランスロット卿ほど勇敢でないロビン卿{{efn|{{lang-en-short|Sir Robin, the Not-Quite-So-Brave-as-Sir-Lancelot|links=no}}}}(EI):臆病者の騎士だが、ミュージカル劇の世界に精通している。
*デニス・ガラハッド卿 : 颯爽とした美男子。かつては[[政治]]活動に熱心な農夫デニス・ガラハド。
* [[ガラハッド|元気よくハンサムなデニス・ガラハッド卿]]{{efn|{{lang-en-short|Sir Dennis Galahad, The Dashingly Handsome|links=no}}}}(MP):颯爽とした美男子だが、かつては政治活動に熱心な小作農だった。
*[[腸]]が奇妙な音を立てる[[ベディヴィア]]卿 : 賢いが臭い騎士。
* [[ベディヴィア|腸が奇妙な音を立てるベディヴィア卿]]{{efn|{{lang-en-short|Sir Bedevere, The Strangely Flatulent|links=no}} なお "flatulent" には「仰々しい」という意味もあり、二つ名は「奇妙なほど仰々しいベディヴィア卿」と受け取ることもできる。}}(TJ)
*パッツィ : アーサー王の忠実なる召使い兼[[ウマ|馬]]。常に側にいる。
* パッツィ{{enlink|Patsy (Monty Python)|a=on}}(TG、アーサー王の従者/馬{{efn|原作の『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』では、馬を調達できなかった代わりに、パッツィ役のギリアムらがココナッツの殻を鳴らしながら歩き、馬の代用としたシーンがある。}})
*コンコード : ランスロット卿の忠実なる召使い兼馬。胸に[[矢]]が刺さっても死なない。
* コンコード:ランスロットの従者/馬。胸に矢が刺さっても死なない。
*ブラザー・メイナード : アーサー王のgo-to guy for God。
* メイナード修道士 (EI):[[キャメロット]]の聖職者。
*ボース卿 : 不運にもアンティオキアの[[殺人ウサギ]]の犠牲となる。
* [[ボールス|ボーズ卿]] (TG):不運にも殺人ウサギの餌食となる。
*登場しない卿 : 名前のとおり。[[ドン・キホーテ|ドンキホーテ]]の扮装をしている。
* 「この作品には登場しない」卿{{efn|{{lang-en-short|Sir Not-Appearing-In-This-Show|links=no}}}}:[[ドン・キホーテ]]の格好をしている。
{{Div col end}}


=== その他の登場人物 ===
=== その他の登場人物 ===
{{div col|colwidth=30em}}
*湖の乙女 : 水の中のディーヴァ。すごく情熱的。
* [[湖の乙女]]
*死んでいないフレッド : まだ死んでいない。回復中。
* まだ死んでいないフレッド
*ロビン卿の第一の[[吟遊詩人]] : 黙るべきタイミングが判らない。
* ロビン卿の先導[[吟遊詩人]] (NI):口をつぐむべきポイントが分からない。
*スワンプ城の王 : 無慈悲な金の亡者。[[音楽]]が大嫌い。
* スワンプ城の王(ハーバートの父親){{efn|英語では "The King of Swamp Castle" で、"swamp" には沼地・湿地の意味がある。}}(MP):無慈悲な金の亡者で、音楽・ミュージカルが大嫌いである。
*ハーバート王子 : その息子。歌うことが大好きで、[[ミニーマウス]]と同じぐらい身体がごつい。
* ハーバート王子 (TJ):スワンプ城主の息子。歌好きで{{efn|原作ではテリー・ジョーンズが演じており、ことあるごとにミュージカルを始めようとして父王に叱られる人物である。}}、[[ミニーマウス]]と同じぐらい身体がごつい。
*[[フランス]]人の罵り屋 : 罵倒が大好きなフランス人[[兵士]]。
* フランス人兵士{{efn|原作ではクリーズが演じている<ref>{{YouTube|A8yjNbcKkNY|French Taunter - Monty Python and the Holy Grail - Monty Python}} - {{accessdate|2017-06-10}}</ref>。}}(JC)
*黒騎士 : 両腕両脚を失ってもなお戦おうとするサイコな騎士。
* 黒の騎士{{enlink|Black Knight (Monty Python)}}(声:JC)
*「ニー!」と言う騎士 : 国でもっとも懼れられている[[カルト]]集団 “「ニー!」と言う恐怖の[[騎士団]]”のリーダー。
* 「ニッ!」の騎士{{enlink|Knights who say Ni}}の長 (MP)
*魔法使いのティム : [[放火]]魔。
* 魔法使いティム (JC)
*デニスの母親 : [[政治]]活動に熱心な農婦。
* ガラハッド夫人 (TJ):ガラハッドの母親で政治活動に熱心な農婦。
*[[アンティオキア]]の殺人ウサギ : 大きな汚らわしい[[歯]]をもつ血に飢えた[[ウサギ]]の人形。
* カルバノグの殺人ウサギ{{enlink|Rabbit of Caerbannog}}
*2人の護衛 : 一人は単純な[[概念]]が理解できない。もう一人はよく[[しゃっくり]]をする。
* スワンプ城の衛兵 (EI, MP):片方は単純な[[概念]]が理解できず、もう片方はよく[[しゃっくり]]をする。
*2人の見張番 : 詳細不明の城にいる。[[ツバメ]]と[[ココナッツ]]の話を楽しそうにしている。
* 2人の[[歩哨]]:詳細不明の城におり、[[ツバメ]]と[[ココナッツ]]の話を楽しそうにしている。
*[[歴史学者]] : このミュージカルの[[ナレーター]]。
* 歴史学者(ナレーター役)
*[[フィンランド]]の[[市長]] : このミュージカルに登場するはずのない人物。
*湖の少女たち湖の乙女のバックアップ[[ダンサー]]兼[[チアリーダー]]。
* 湖の少女たち湖の乙女のバックダンサーチアリーダー
*[[円卓の騎士]] すきあらば踊る。
* [[円卓の騎士|円卓の騎士たち]]:あらば踊る。
*ロビンの吟遊詩人たち : ロビン卿のバックアップ・グループ。
* ロビンの吟遊詩人一行
*[[]] 話し方が[[ジョン・クリーズ]]そっくり。
* (GC):ジョン・クリーズそっくりの話し方をする
* [[フィンランド]]の[[市長]] : このミュージカルに登場するはずのない人物
* [[聖杯|聖杯(ホーリー・グレイル)]]の持ち主:公演当日に特定の席に座っていた観客
{{div col end}}


[[File:Excalibur-spam.jpg|thumb|right|200px|アーサー王とパッツィ。2009年の公演にて。]]
== タイトルの由来 ==
原作映画に敬意を表し、6人の俳優で登場する男性登場人物のほとんどが演じられ(女性役も一部含む)、複数の役者が一人複数役を担当している。アーサー王・湖の乙女役のみが一人一役である。ブロードウェイ版では、以下のような配役で演じられた。
[[エリック・アイドル]]が2004年のプレス・リリースで語ったところによれば、タイトルは『ホーリー・グレイル』の中の台詞 “we eat ham, and jam and '''Spam a lot'''” からとられたとのこと。
* ランスロット卿 / 2人目の歩哨 / フランス人兵士 / 「ニッ!」の騎士 / 魔法使いティム
* ロビン卿 / 1人目の歩哨 / メイナード修道士 / 2人目の衛兵
* ガラハッド卿 / スワンプ城主 / 黒の騎士
* パッツィ / [[フィンランド]]の領主 / 1人目の衛兵
* ベディヴィア卿 / ガラハッド夫人 / コンコード
* 歴史学者 / ハーバート王子 / まだ死んでいないフレッド / 主席吟遊詩人 / フランス人兵士の親友


パイソン・メンバーが原作映画で演じていた役は一部がひとつにまとめられている。例えば死体収集人とロビン卿(アイドル)、死体を担ぐ大男とランスロット卿(クリーズ)、政治活動に熱心な小作農デニスとガラハッド卿(ペイリン)などである。
== 受賞歴 ==
[[File:Palace theatre spamalot.JPG|thumb|right|200px|2008年の10月、[[ロンドン]]のパレス劇場で公演されたときの様子。]]
[[File:Shubert Theatre NYC from Shubert Alley.jpg|thumb|right|150px|2005年、ブロードウェイのシューバート劇場で公演されたときの様子。]]
(未完成)


=== キャスト ===
ブロードウェイのオリジナル版は2004–2005年の[[トニー賞]]に14タイトルでノミネートされ、次の3タイトルで受賞した。
{|class="wikitable" style="width:100%; font-size:80%"
*最優秀ミュージカル賞
|-
*最優秀女優賞(ミュージカル部門)([[サラ・ラミレス]])
! 公演<br />(映画版キャスト)
*最優秀演出賞(ミュージカル部門)(マイク・ニコルス)
! style="width:11%;|ブリテン王<br />アーサー<br />([[グレアム・チャップマン|チャップマン]])
! style="width:11%;|湖の乙女<br />( — )
! style="width:11%;|パッツィ<br />([[テリー・ギリアム|ギリアム]])
! style="width:11%;|ランスロット卿<br />([[ジョン・クリーズ|クリーズ]])
! style="width:11%;|ガラハッド卿<br />([[マイケル・ペイリン|ペイリン]])
! style="width:11%;|ロビン卿<br />([[エリック・アイドル|アイドル]])
! style="width:11%;|ベディヴィア卿<br />([[テリー・ジョーンズ|ジョーンズ]])
! style="width:11%;|ハーバート王子<br />(ジョーンズ)
|-
! シカゴ(2004年)<br />ブロードウェイ初演(2005年)
| [[ティム・カリー]]
| [[サラ・ラミレス]]
| {{仮リンク|マイケル・マグラス (俳優)|label=マイケル・マクグラス|en|Michael McGrath (actor)}}
| [[ハンク・アザリア]]
| {{仮リンク|クリストファー・シーバー|en|Christopher Sieber}}
| [[デヴィッド・ハイド・ピアース]]
| スティーヴ・ローズン<ref group="*">Steve Rosen</ref>
| {{仮リンク|クリスチャン・ボール|en|Christian Borle}}
|-
! 全米ツアー<br />(1回目、2006年)
| マイケル・シベリー{{enlink|Michael Siberry|a=on}}
| ピア・グレン<ref group="*">Pia Glenn</ref>
| ジェフ・デュマ{{enlink|Jeff Dumas|a=on}}
| リック・ホームズ<ref group="*">Rick Holmes</ref>
| ブラッドリー・ディーン{{enlink|Bradley Dean|a=on}}
| デイヴィッド・ターナー<ref group="*">David Turner</ref>
| クリストファー・ガー<ref group="*">Christopher Gurr</ref>
| トーマス・デックマン<ref group="*">Thomas Deckman</ref>
|-
! ウェストエンド初演<br />(2006年)
| ティム・カリー
| {{仮リンク|ハンナ・ワディンガム|en|Hannah Waddingham}}
| デイヴィッド・ビレル<ref group="*">David Birell</ref>
| {{仮リンク|トム・グッドマン=ヒル|en|Tom Goodman-Hill}}
| クリストファー・シーバー
| {{仮リンク|ロバート・ハンズ|en|Robert Hands}}
| トニー・ティンバーレイク<ref group="*">Tony Timberlake</ref>
| ダレン・サウスワース<ref group="*">Darren Southworth</ref>
|-
! 全英ツアー<br />(2010年)
| {{仮リンク|フィル・ジューピタス|en|Phill Jupitus}}
| ジョディー・プレンガー<ref group="*">Jodie Prenger</ref><br />ヘイリー・タマドン<ref group="*">Hayley Tamaddon</ref><br />エイミー・ナットオール<ref group="*">Amy Nuttall</ref>
| トッド・カーティ<ref group="*">Todd Carty</ref>
| グレアム・マクダフ<ref group="*">Graham McDuff</ref>
| サイモン・リプキン<ref group="*">Simon Lipkin</ref>
| サミュエル・ホームズ<ref group="*">Samuel Holmes</ref>
| ロビン・アームストロング<ref group="*">Robin Armstrong</ref>
| デイヴィッド・リンガム<ref group="*">David Lingham</ref>
|-
! 全米ツアー<br />(2回目、2010年)
| {{仮リンク|スティーヴ・マッコイ|en|Steve McCoy}}
| キャロライン・バウマン{{enlink|Caroline Bowman|a=on}}
| グレン・ギロン<ref group="*">Glenn Giron</ref>
| アダム・グラバウ<ref group="*">Adam Grabau</ref>
| ジェイコブ・L・スミス<ref group="*">Jacob L. Smith</ref>
| マーティン・グライヤー<ref group="*">Martin Glyer</ref>
| マット・バン<ref group="*">Matt Ban</ref>
| ジョン・ギャリー<ref group="*">John Garry</ref>
|-
! ウェストエンド再演<br />(2012年)
| {{仮リンク|マーカス・ブリグストック|en|Marcus Brigstocke}}<br />{{仮リンク|ジョン・カルショー|en|Jon Culshaw}}
| {{仮リンク|ボニー・ラングフォード|en|Bonnie Langford}}
| トッド・カーティ
| キット・オートン<ref group="*">Kit Orton</ref>
| {{仮リンク|ジョン・ロビンス (俳優)|label=ジョン・ロビンス|en|Jon Robyns}}
| [[ロブ・デラニー]]
| ロビン・アームストロング<ref group="*">Robin Armstrong</ref>
| アダム・エリス<ref group="*">Adam Ellis</ref>
|-
! ハリウッド・ボウル<br />(2015年)
| [[クレイグ・ロビンソン]]
| {{仮リンク|マール・ダンドリッジ|en|Merle Dandridge}}
| [[ワーウィック・デイヴィス]]
| リック・ホームズ<ref group="*">Rick Holmes</ref>
| [[クリスチャン・スレーター]]
| [[ジェシー・タイラー・ファーガソン]]
| [[ケヴィン・チャンバーリン|ケヴィン・チェンバリン]]
| トーマス・デックマン<ref group="*">Thomas Deckman</ref>
|-
| colspan="9"|{{reflist|group="*"|15em}}
|}


== タイトル ==
ノミネートは次のとおり。
ミュージカルの制作者の1人で、[[モンティ・パイソン]]のメンバー、[[エリック・アイドル]]は、[[2004年]]のプレスリリースでタイトルについてこう説明している。
*Best Book of a Musical (Eric Idle)
{{quote|I like the title ''Spamalot'' a lot. We tested it with audiences on my recent US tour and they liked it as much as I did, which is gratifying. After all, they are the ones who will be paying Broadway prices to see the show. It comes from a line in the movie which goes: "we eat ham, and jam, and Spam a lot."<ref>{{cite web|title=MONTY PYTHON'S SPAMALOT MUSICAL TO PREMIERE IN DECEMBER 2004 IN CHICAGO press release Thursday, 26 February 2004|url=http://www.dailyllama.com/news/2004/llama232.html|accessdate=23 January 2014}}</ref><br>(訳:「自分はこの『スパマロット』ってタイトルがとても好きだよ。こないだのアメリカツアーで観客の反応を試したけれど、みんな自分と同じくらい気に入ってくれたらしくて、嬉しいことだね。結局、彼らは公演のためにブロードウェイでのチケット代を払うような人たちなんだ。タイトルは映画の台詞から来てるんだ — 『ハムもジャムも[[スパム (モンティ・パイソン)|スパム]]も食べるよ』ってね{{efn|この文章は劇中[[キャメロット]]で歌われている『[[モンティ・パイソン シングス#通常版トラック16〜20|円卓の騎士の歌]]』''Knights of the Round Table (Camelot Song)'' の歌詞である。}}」)}}
*Best Original Score (Music and/or Lyrics) Written for the Theatre (John Du Prez and Eric Idle (Music); Eric Idle (Lyrics))
*Best Performance by a Leading Actor in a Musical (Hank Azaria)
*Best Performance by a Leading Actor in a Musical (Tim Curry)
*Best Performance by a Featured Actor in a Musical (Michael McGrath)
*Best Performance by a Featured Actor in a Musical (Christopher Sieber)
*Best Scenic Design of a Musical (Tim Hatley)
*Best Costume Design of a Musical (Tim Hatley)
*Best Lighting Design of a Musical (Hugh Vanstone)
*Best Choreography (Casey Nicholaw, in his Broadway debut as choreographer)
*Best Orchestrations (Larry Hochman)


== パイソンメンバーの反応 ==
== 日本公演 ==
{{rquote|right|「金儲けしてやったのに、恩知らずのくそったれたちは全く感謝しようともしない。『スパマロット』から100万ドルずつ懐に入るのは一体誰だって言うんだ?」|[[エリック・アイドル]]<ref>{{cite news| url=https://edition.cnn.com/2009/SHOWBIZ/TV/10/24/monty.python.40/index.html | title=Monty Python's 40 years of silliness | publisher=[[CNN]] | date=24 October 2009|accessdate=23 May 2010|quote="I'm making them money, and the ungrateful bastards never thank me," Idle joked. "Who gave them a million dollars each for 'Spamalot'?" It was Idle, who adapted "Monty Python and the Holy Grail" into the musical hit "Spamalot."}}</ref>}}
日本版として『'''モンティ・パイソンのスパマロット'''』の題名で、2012年1月に[[赤坂ACTシアター]]で、同年2月に[[森ノ宮ピロティホール]]で公演された。
日本公演に当たって作品製作の経緯を聞かれたアイドルは、2000年頃から脚本を書き始め、数曲のデモテープと共に送ったところ、メンバーから快諾されたと答えている<ref>{{Cite web|和書|url=http://a-ticket.jp/pc/special/36/int01.html|title=ミュージカルで大切なことは、観客に何かを感じてもらい、一緒に旅に参加してもらうこと|publisher=a-ticket|work=特集 ミュージカル「モンティ・パイソンのスパマロット featuring SPAM(R)」|page=3|archiveurl=https://web.archive.org/web/20171009051021/http://a-ticket.jp/pc/special/36/int01.html|archivedate=2017-10-09|accessdate=2017-10-09}}</ref>。しかしながら、完成した作品にはパイソン・メンバーから賛否両論が噴出した。


オーディオ・インタビューに答えた[[テリー・ギリアム]]は、作品について「ライト版パイソン」({{lang-en-short|Python-lite}})と答えた<!--<ref name="tgint">[http://www.quickstopentertainment.com/?p=1095 Quickcast Interview with Terry Gilliam] by Ken Plume</ref>--><ref>{{cite book|url=https://books.google.co.jp/books?id=R9KrAgAAQBAJ&pg=PA51|title=The Cinema of Terry Gilliam: It's a Mad World|page=51|editor=Jeff Birkenstein, Anna Froula, Karen Randell|accessdate=2017-06-10|date=2013-04-16|publisher=Columbia University Press}}</ref>。後に[[BBCニュース]]のインタビューに答えたギリアムは、「年金を助けて、パイソンズを生き存えさせているよ」と述べた<ref>{{cite news |url=http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/4732374.stm|title=Battle-scarred Gilliam looks to future – Feb.&nbsp;22, 2006 |date=22 February 2006 |work=[[BBCニュース|BBC News]]| first=Neil | last=Smith|publisher=[[英国放送協会|BBC]]|accessdate=2017-06-10|quote= "It helps with the pension fund, and it helps keep Python alive," he smiles."As much as we'd like to pull the plug on the whole thing it carries on - it's got a life of its own." }}</ref>。
2015年に再演予定<ref>[http://www.theaterguide.co.jp/theater_news/2014/08/25_02.php 福田雄一演出『モンティ・パイソンのSPAMALOT』が再演](シアターガイド、2014年8月25日)</ref>。


ギリアムと原作映画を監督した[[テリー・ジョーンズ]]は、2005年5月に率直な意見を表明し、「『スパマロット』は完全に的外れだ。雰囲気で充ち満ちている」「関心のあることをやるのが好きだ。自分の優先順位リストで、パイソンを復活させるのはあまり高くないところにある」と述べた<ref>{{Cite web|url=http://www.absolutenow.com/news/20050506.html|title=Entertainment News – May&nbsp;06, 2005|date=2005-05-06|publisher=AbsoluteNow.com|archiveurl=https://archive.is/20120630051729/http://www.absolutenow.com/news/20050506.html|archivedate=2012-06-30|accessdate=2017-06-10|quote=Terry, 62, who co-directed the 1975 film, written by the Python team, said: "Spamalot is utterly pointless. It's full of air." {{interp|中略}} He said: "I like doing things I'm interested in. Regurgitating Python is not high on my list of priorities."|url-status=dead|url-status-date=2017-06-10}}</ref>。一方で、ブロードウェイ公演の直後に収録されたラジオインタビューで作品について問われた時には、「ああ、あれは物凄く良くて面白いと思う。あの作品を好きな観客を観るのは素晴らしいね。{{interp|中略}}あれは本当の『パイソン』じゃない。大部分エリック{{interp|・アイドル}}のものだ」と述べた{{efn|原文は以下の通り。
{{quotation|"Well, I thought it was terrific good fun. It's great to see the audience loving it. I suppose I had reservations as far as…well…the idea of doing scenes from a film on stage. I just don’t get the point of it. They do them terribly well…I mean, they really are good…but I just quite don’t understand what that's about. It isn’t really 'Python.' It is very much Eric." {{interp|中略}} "...I think the best parts of the musical are the new things. For instance, when they do the Andrew Lloyd Webber take-off and this girl comes in and sings 'Whatever Happened to My Part' since she hasn’t appeared since the opening number and she's really furious! That is one of the great moments where the show really comes alive for me."|テリー・ジョーンズ、{{仮リンク|WBON|en|WBON|label=98.5 WBON-FM}}(インタビュアー:{{仮リンク|デニス・ダニエル|en|Dennis Daniel}})<ref>{{Cite web |url=http://www.herecomethewilddogs.com/jones.htm |title=Lethally Funny Python |publisher=herecomethewilddogs.com|url-status=dead|url-status-date=2017-06-10|archiveurl=https://web.archive.org/web/20080514045958/http://www.herecomethewilddogs.com/jones.htm|archivedate=2008-05-14|accessdate=2017-06-10}}</ref>}}}}。

2006年10月のインタビューで[[マイケル・ペイリン]]は、「みんな『スパマロット』がよくやっていることに大喜びしている。みんな受益者だからね!素晴らしいショーだよ。全員で書いたものじゃないから『パイソン』ではないけれど、誰一人として集まって『パイソン』の舞台を書こうとしなかったんだ。エリックは次第に堪忍袋の緒が切れて、『じゃあ、それなら自分でやろうじゃないか』と言ったんだ。彼はこっちに小片や曲やら全てを送ってきて、僕らは『ああ、これなら構わない、進めてくれ』と言った。結果はエリック含め全員が驚くほどの大ヒットで、今じゃみんな、幾分不十分だったけども協力したことを誇っているよ」と述べている<ref>{{cite web |url=https://www.timeout.com/london/books/michael-palin-interview-2|title=Michael Palin: Interview – Oct.&nbsp;31, 2006 |date=31 October 2006 |work=Time Out|accessdate=2017-06-10|first=John|last=O‘Connell|quote=We’re all hugely delighted that ‘Spamalot’ is doing so well. Because we’re all beneficiaries! [Laughs] It’s a great show. It’s not ‘Python’ as we would have written it. But then, none of us would get together and write a ‘Python’ stage show. Eric eventually ran out of patience and said, ‘Well, I’ll do it myself then.’ He sent us bits and songs and all that and we said, ‘Yeah, that’s all right, have a go.’ But its success is so enormous that it took us all by surprise, including Eric, and now we’re just proud to be associated with it, rather pathetically. }}</ref>。

2008年に『{{仮リンク|ラスヴェガス・レビュー・ジャーナル|en|Las Vegas Review-Journal}}』のインタビューを受けた[[ジョン・クリーズ]]は、次のように答えている。
{{quotation|「ああ、その通り。結局『スパマロット』は立派なものになった。凄まじい公演を繰り広げているよ。公演に足を運ばない人と楽しい夕べを過ごさない人は無視するね。あれは自分が観た中で1番ばかばかしいやつだし、エリックは素晴らしい仕事をしたと思う」<ref>{{Cite web |url=http://www.lvrj.com/blogs/elfman/John_Cleese_Loves_Spamalot_Doesnt_Know_Its_Closing_Also_He_Declares_Its_Not_a_Fortune_to_be_God.html |title=John Cleese Loves ‘Spamalot,’ Doesn’t Know It’s Closing, Also He Declares, ‘It’s Not a Fortune to be God|first=Doug|last=Elfman|date=2008-05-05|url-status=dead|url-status-date=2017-06-10|archiveurl=https://web.archive.org/web/20100625034045/http://www.lvrj.com/blogs/elfman/John_Cleese_Loves_Spamalot_Doesnt_Know_Its_Closing_Also_He_Declares_Its_Not_a_Fortune_to_be_God.html|archivedate=2010-06-25|accessdate=2017-06-10|quote=“Yeah, that’s right,” he said. “And in the end I think ‘Spamalot’ turned out splendidly. It’s had a tremendous run. I defy anyone to go and not have a really fun evening. It’s the silliest thing I’ve ever seen and I think Eric did a great job.”}}</ref>}}
記事でも言及されているように、クリーズはミュージカル用に「神」の声を収録したが、アイドルがのちに再録音したため、一時期ふたりの関係が冷え込んだことが知られている<ref>{{cite news|url=http://www.dailymail.co.uk/news/article-2074372/Monty-Python-stars-John-Cleese-Eric-Idle-fall-West-End-hit-Spamalot.html|publisher=[[デイリー・メール]]|accessdate=2017-06-10|date=2011-12-15|title=Spat-alot! Monty Python stars Cleese and Idle fall out over money from West End hit|first=Sara|last=Nathan|first2=Ben|last2=Todd}}</ref>。

== 作品の批評と興行収入 ==
[[File:Shubert Theatre NYC from Shubert Alley.jpg|thumb|right|150px|2005年、ブロードウェイ・シューバート劇場での公演]]
[[File:Palace theatre spamalot.JPG|thumb|right|200px|2008年の10月、[[ロンドン]]・パレス劇場での公演]]
オリジナル版は興行的・批評的に成功を収め、『[[バラエティ (アメリカ合衆国の雑誌)|バラエティ]]』誌では、予約販売で1,800万ドルもの売り上げがあったと報じた(チケットの金額は36ドルから179ドルまで){{Citation needed|date=August 2008}}。[[ロンドン]]・[[ウェスト・エンド]]に移ってから、舞台はすぐに大成功した。チケット予約販売の大盛況を受け、公演開始の4ヶ月前に4週間の上演延長が決定されたほどだった<ref>{{cite news |title=We love Spam a lot: Python musical extends run |url=http://www.chortle.co.uk/news/2006/06/24/4276/we_love_spam_a_lot |work=Chortle: The UK Comedy Guide |date=24 June 2006 |accessdate=13 October 2007}}</ref>。

ブロードウェイのミュージカル・ファンたちは、他のミュージカルやジャンル一般への言及を賞賛している。作品には次のような言及が含まれる。"The Song That Goes Like This" は[[アンドルー・ロイド・ウェバー]]作品や、ブロードウェイ作品に登場するパワー・バラードのパロディである。騎士たちは『[[屋根の上のバイオリン弾き]]』や『[[ウエスト・サイド物語]]』を思わせる曲に合わせて踊っている。"His Name Is Lancelot" では、ランスロット卿が[[ピーター・アレン]]の真似をする。「この作品には登場しない」卿は『[[ラ・マンチャの男]]』に登場する[[ドン・キホーテ]]の格好をしている。フランス軍の兵隊には、『[[レ・ミゼラブル (ミュージカル)|レ・ミゼラブル]]』に登場するエポニーヌの格好をした者がいる。ハーバート王子の歌には、[[スティーヴン・ソンドハイム]]の『[[カンパニー (ミュージカル)|カンパニー]]』中の "Another Hundred People" から引用された一節がある。"You Won't Succeed (On Broadway)"は『[[プロデューサーズ (ミュージカル)|プロデューサーズ]]』や『{{仮リンク|イエントル|en|Yentl}}』(『[[愛のイエントル]]』の原作)のパロディである{{Citation needed|date=October 2009}}。

『{{仮リンク|スレート (雑誌)|label=スレート|en|Slate (magazine)}}』のサム・アンダーソンは、「パイソンは『スパマロット』で描かれるような怠惰なコメディ的なものに対する反応の中で作り上げられたものだ—ペイリンがかつて『簡単で謳い文句のような反応』と言っていたもので、メンバーは過去の作品に迎合せざるを得なくなった」「『スパマロット』は、ポスト・パイソンの搾取という長過ぎて面白くもない慣習—本やアクション・フィギュア、テレビゲーム—を持った、けばけばしいクライマックスだ。{{interp|慣習とは}}引用文を本来の場所で使って元々の作品を上演する代わりに、古い素材を一連のスローガンのように扱う{{interp|ことである}}」<ref>{{cite web |url=http://www.slate.com/id/2121214/ |title=And Now For Something Completely Deficient |first=Sam |last=Anderson |date=21 June 2006 |publisher=Slate.com|accessdate=2017-06-10|quote=Python was formed in reaction to exactly the kind of lazy comedy represented by Spamalot—what Michael Palin once described as the "easy, catch-phrase reaction" the members had all been forced to pander in their previous writing jobs. {{interp|中略}} Spamalot is the gaudy climax of a long, unfunny tradition of post-Python exploitation—books, actions figures, video games—that treats the old material as a series of slogans to be referenced without doing any of the work that made the lines so original in the first place. It is shorthand Python.}}</ref>と述べた。

ウェストエンド版には絶賛のレビューも寄せられた。『[[デイリー・テレグラフ]]』のチャールズ・スペンサーは、作中のジョークを引用しつつ記事を書き、「素晴らしい夜で、そうでない感想を寄せた人には誰でも屁をひってやる」({{lang-en-short|"It's a wonderful night, and I fart in the general direction of anyone who says otherwise"|links=no}})と述べた<ref name="telegraph1">{{cite news |first=Charles |last=Spencer |authorlink=:en:Charles Spencer (journalist) |title=Truly, a knight to remember |url=http://www.telegraph.co.uk/arts/main.jhtml?xml=/arts/2006/10/17/btspam17.xml |format=review |work=[[デイリー・テレグラフ|The Daily Telegraph]]|date= 17 October 2006| location=London | accessdate=23 May 2010|deadlink=2017-06-10}}</ref>。『[[インデペンデント]]』紙のポール・テイラーは、「作品は、パイソン由来の基本的な素材だけでなく、素晴らしいベテランであるマイク・ニコルズの監督で加わった驚くべきスピード、ウィット、生意気さ、ショービジネスへの抜け目無さのおかげで、観る人を大いに笑わせて弱らせる」と評した<ref name="independent1">{{cite news |first=Paul |last=Taylor |title=First Night |url=http://arts.independent.co.uk/theatre/reviews/article1879460.ece |format=review |work=[[インデペンデント|The Independent]] |date=17 October 2006 | location=London|quote=it leaves you that high and weak with laughter, thanks not just to the Python provenance of the basic material but to the phenomenal speed, wit, cheek and showbiz knowingness of the direction, which is by the great veteran, Mike Nichols}}</ref>。『[[ガーディアン]]』紙の{{仮リンク|マイケル・ビリントン (批評家)|label=マイケル・ビリントン|en|Michael Billington (critic)}}はそこまで熱狂せず、「ふざけまくったミュージカルを楽しく観ている間、ショーの[[ニューヨーク]]にある起源は、「[[ユダヤ人]]無しでショービズの成功なんてできない」と述べる常軌を逸したナンバーで明確に表されていた。これは[[大西洋]]のこちら側ではあまり受けないブロードウェイの内輪ネタだ」と述べた{{r|guardian1}}。ビリントンはさらに、「皮肉はあったが一晩保たせるには不十分だった。胸に手を当てて、わたしはエリック・アイドルの生意気な『スパマロット』より、[[アラン・ジェイ・ラーナー|ラーナー]]や{{仮リンク|フレデリック・ロウ|label=ロウ|en|Frederick Loewe}}の『{{仮リンク|キャメロット (ミュージカル)|label=キャメロット|en|Camelot (musical)}}』が観たかったのだ」と付け加えた<ref name="guardian1">{{cite news |first=Michael |last=Billington |authorlink=:en:Michael Billington (critic) |title=Spamalot |url=http://arts.guardian.co.uk/reviews/story/0,,1924220,00.html |format=review |work=[[ガーディアン|The Guardian]] |date=17 October 2006 | location=London|quote=But, while I'm happy to see musicals spoofed, the show's New York origins are clearly exposed in a would-be outre number which announces "we won't succeed in show business if we don't have any Jews": a Broadway in-joke that has little purchase this side of the Atlantic. {{interp|中略}} Irony has its place but it's not quite enough to sustain a whole evening. With hand on heart, I'd much rather watch Lerner and Loewe's Camelot than Eric Idle's smart-arsed Spamalot.}}</ref>。

=== ココナツ・オーケストラの世界記録 ===
2006年3月22日、ブロードウェイ初演から1周年を記念し、劇場外の[[ニューヨーク]]・{{仮リンク|シュバート・アリー|en|Shubert Alley}}で1,789人が半分に割った[[ココナツ]]殻を叩き、「世界最大のココナツ・オーケストラ」({{lang-en-short|"World's Largest Coconut Orchestra"|links=no}})として演奏した{{r|BBC658187}}。この演奏は[[ギネス世界記録]]に認定されたが、2007年4月23日に[[トラファルガー広場]]で行われた5,567人の演奏によって塗り替えられた{{r|BBC658187}}。後者にはロンドン版の出演者や、パイソンズのジョーンズ・ギリアムも参加し、"[[Always Look on the Bright Side of Life]]" 曲中の[[口笛]]に合わせてココナツが打ち鳴らされた。これはこの年の[[ゲオルギオスの日]]を祝って行われたもので、この後『[[モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル]]』の上映も行われた<ref name="BBC658187">{{cite news |title=Spamalot cast sets coconut record |url=http://news.bbc.co.uk/1/hi/england/london/6586187.stm |publisher=[[BBC]]|work=[[BBCニュース|BBC News]]|date=23 April 2007|accessdate=2017-06-10}}</ref>。

== 受賞とノミネート ==
オリジナル版のブロードウェイ公演では、湖の乙女役を演じる[[サラ・ラミレス]]が、{{en|"I've no Grammy, no reward/I've no Tony Award."}}(意味:「[[グラミー賞|グラミー]]なんて取ってないわ、賞だって1つも、[[トニー賞]]だって」)と歌い上げる。皮肉なことに、公演のオリジナル・キャストで収録したアルバムは[[2006年]]の[[グラミー賞]]{{仮リンク|グラミー賞 最優秀ミュージカル・ショー・アルバム賞|label=最優秀ミュージカル・ショー・アルバム賞|en|Grammy Award for Best Musical Theater Album}}を獲得し<ref>{{cite news|url=http://www.playbill.com/article/monty-pythons-spamalot-cast-album-snags-grammy-award-com-130760|title=Monty Python's Spamalot Cast Album Snags Grammy Award|author=Ernio Hernandez, Andrew Gans|date=2006-02-08|publisher=PLAYBILL|accessdate=2016-08-02}}</ref>、ラミレス自身は[[2005年]]の[[トニー賞]]{{仮リンク|トニー賞ミュージカル助演女優賞|label=ミュージカル助演女優賞|en|Tony Award for Best Featured Actress in a Musical}}を獲得した<ref>{{cite news|url=http://www.nytimes.com/2005/06/06/theater/theaterspecial/spamalot-and-doubt-win-the-top-tony-awards.html?_r=0|title='Spamalot' and 'Doubt' Win the Top Tony Awards|author=JESSE MCKINLEY|date=2005-06-06|publisher=[[ニューヨーク・タイムズ]]|accessdate=2016-08-02}}</ref>。この2つの賞を受賞したことで、劇中の曲 {{en|"The Diva's Lament"}} の歌詞は少しずつ変更された。元々、この曲の歌詞は {{en|"My Tony Award/won't keep me out of Betty Ford's{{enlink|Betty Ford Center|a=on}}"}}(意味:私のトニー賞は自分をベティ・フォーズから自由にしてくれない)というものだった{{efn|{{仮リンク|ベティ・フォード・センター|en|Betty Ford Center}}は、[[カリフォルニア州]]にある[[薬物依存症]]からの回復施設である。}}。{{仮リンク|ローレン・ケネディ|en|Lauren Kennedy}}がサラ・ラミレスの役を引き継いだ際には、歌詞が {{en|"My predecessor won awards/and now she's in Betty Ford's"}}(意味:私の前任者は賞は取ったけれど、今はベティ・フォーズにいるわ)となり、後にもう1度 {{en|"'''All our''' Tony Awards/won't keep me out of Betty Ford's."}}(意味:私たちの獲ったトニー賞はみんな自分をベティ・フォーズから自由にしてくれない)と変えられた<ref>{{cite web|url=http://www.playbill.com/celebritybuzz/article/97709-DIVA-TALK-Chatting-with-Spamalots-Lauren-Kennedy-Plus-a-Powerful-Public-Sings|title=playbill.com|work=Playbill|accessdate=21 November 2014}}</ref>。また、ツアーにおいては、ピア・グレン({{lang-en-short|Pia Glenn}})が {{en|"All our ''goddamn'' awards/won't keep me out of Betty Ford's."}} との歌詞で歌っている{{efn|"goddamn" は "damned" と同義の言葉。イギリス英語では通常 "goddamn" の方を用いる<ref>{{Cite encyclopedia|author=[[小西友七]]|author2=南出康世|date=2001-04-25|year=2001|title=goddamn|encyclopedia=ジーニアス英和大辞典|place=[[東京都]][[文京区]]|publisher=[[大修館書店]]|publication-date=2011|series=[[ジーニアス (辞典)|ジーニアス]]|id={{NCID|BA51576491}}. {{ASIN|4469041319}}. {{全国書誌番号|20398458}}|isbn=978-4469041316|oclc=47909428}}</ref>。「ちきしょう」と怒りを表す時などに用いられる言葉で、あまり行儀の良い言葉ではない。}}。またロンドン公演では、{{仮リンク|ハンナ・ワディンガム|en|Hannah Waddingham}}が {{en|"I'm as depressed as I can be/ I've got constant PMT."}}(意味:「これ以上ないくらい憂鬱だわ、いつも[[月経前症候群|生理前みたいに憂鬱]]」)と歌っている。

ツアー公演には、{{仮リンク|エリオット・ノートン賞|label=ボストン・エリオット・ノートン賞|en|Elliot Norton Awards}}({{lang-en-short|Boston's Elliot Norton Award for Outstanding Visiting Production|links=no}})の賞も与えられている。

=== オリジナル版・ブロードウェイ公演 ===
{| class="wikitable sortable" width="95%"
|-
! width="5%"| 年
! width="22%"| 賞名
! width="33%"| 部門
! width="30%"| 対象者
! width="10%"| 結果
|-
| rowspan="28" align="center"| 2005
| rowspan="14"| [[トニー賞]]
| [[トニー賞 ミュージカル作品賞|ミュージカル作品賞]]
| {{center|{{Ndash}}}}
| {{won}}
|-
| {{仮リンク|トニー賞ミュージカル脚本賞|label=ミュージカル脚本賞|en|Tony Award for Best Book of a Musical}}
| [[エリック・アイドル]]
| {{nom}}
|-
| {{仮リンク|トニー賞オリジナル楽曲賞|label=オリジナル楽曲賞|en|Tony Award for Best Original Score}}
| [[ジョン・デュ・プレ]]、<br>エリック・アイドル
| {{nom}}
|-
| rowspan="2"| [[トニー賞 ミュージカル主演男優賞|ミュージカル主演男優賞]]
| [[ハンク・アザリア]]
| {{nom}}
|-
| [[ティム・カリー]]
| {{nom}}
|-
| rowspan="2"| {{仮リンク|トニー賞ミュージカル助演男優賞|label=ミュージカル助演男優賞|en|Tony Award for Best Featured Actor in a Musical}}
| {{仮リンク|マイケル・マクグラス|en|Michael McGrath (actor)}}
| {{nom}}
|-
| {{仮リンク|クリストファー・シーバー|en|Christopher Sieber}}
| {{nom}}
|-
| {{仮リンク|トニー賞ミュージカル助演女優賞|label=ミュージカル助演女優賞|en|Tony Award for Best Featured Actress in a Musical}}
| [[サラ・ラミレス]]
| {{won}}
|-
| {{仮リンク|トニー賞ミュージカル演出賞|label=ミュージカル演出賞|en|Tony Award for Best Direction of a Musical}}
| [[マイク・ニコルズ]]
| {{won}}
|-
| {{仮リンク|トニー賞振付賞|label=振付賞|en|Tony Award for Best Choreography}}
| {{仮リンク|ケイシー・ニコロウ|en|Casey Nicholaw}}
| {{nom}}
|-
| {{仮リンク|トニー賞編曲賞|label=編曲賞|en|Tony Award for Best Orchestrations}}
| {{仮リンク|ラリー・ホークマン|en|Larry Hochman}}
| {{nom}}
|-
| {{仮リンク|トニー賞ミュージカル装置デザイン賞|label=ミュージカル装置デザイン賞|en|Tony Award for Best Scenic Design in a Musical}}
| rowspan="2"| {{仮リンク|ティム・ハトリー|en|Tim Hatley}}
| {{nom}}
|-
| {{仮リンク|トニー賞ミュージカル衣装デザイン賞|label=ミュージカル衣装デザイン賞|en|Tony Award for Best Costume Design in a Musical}}
| {{nom}}
|-
| {{仮リンク|トニー賞ミュージカル照明デザイン賞|label=ミュージカル照明デザイン賞|en|Tony Award for Best Lighting Design in a Musical}}
| {{仮リンク|ヒュー・ヴァンストーン|en|Hugh Vanstone}}
| {{nom}}
|-
| rowspan="12"| [[ドラマ・デスク・アワード]]
| {{仮リンク|ドラマ・デスク・アワード ミュージカル作品賞|label=ミュージカル作品賞|en|Drama Desk Award for Outstanding Musical}}
| {{center|{{Ndash}}}}
| {{won}}
|-
| {{仮リンク|ドラマ・デスク・アワード ミュージカル脚本賞|label=ミュージカル脚本賞|en|Drama Desk Award for Outstanding Book of a Musical}}
| エリック・アイドル
| {{nom}}
|-
| rowspan="2"| {{仮リンク|ドラマ・デスク・アワード ミュージカル男優賞|label=ミュージカル男優賞|en|Drama Desk Award for Outstanding Actor in a Musical}}
| ハンク・アザリア
| {{nom}}
|-
| [[デヴィッド・ハイド・ピアース]]
| {{nom}}
|-
| rowspan="2"| {{仮リンク|ドラマ・デスク・アワード ミュージカル助演男優賞|label=ミュージカル助演男優賞|en|Drama Desk Award for Outstanding Featured Actor in a Musical}}
| {{仮リンク|クリスティアン・ボール|en|Christian Borle}}
| {{nom}}
|-
| マイケル・マクグラス
| {{nom}}
|-
| {{仮リンク|ドラマ・デスク・アワード ミュージカル演出賞|label=ミュージカル演出賞|en|Drama Desk Award for Outstanding Director of a Musical}}
| マイク・ニコルズ
| {{nom}}
|-
| {{仮リンク|ドラマ・デスク・アワード 振付賞|label=振付賞|en|Drama Desk Award for Outstanding Choreography}}
| ケイシー・ニコロウ
| {{nom}}
|-
| {{仮リンク|ドラマ・デスク・アワード 編曲賞|label=編曲賞|en|Drama Desk Award for Outstanding Orchestrations}}
| ラリー・ホークマン
| {{nom}}
|-
| {{仮リンク|ドラマ・デスク・アワード 作詞賞|label=作詞賞|en|Drama Desk Award for Outstanding Lyrics}}
| エリック・アイドル
| {{won}}
|-
| {{仮リンク|ドラマ・デスク・アワード 装置デザイン賞|label=装置デザイン賞|en|Drama Desk Award for Outstanding Set Design}}
| rowspan="2"| ティム・ハトリー
| {{nom}}
|-
| {{仮リンク|ドラマ・デスク・アワード 衣装デザイン賞|label=衣装デザイン賞|en|Drama Desk Award for Outstanding Costume Design}}
| {{won}}
|-
| colspan=1| {{仮リンク|ドラマ・リーグ・アワード|en|Drama League Award}}
| Distinguished Performance
| サラ・ラミレス
| {{nom}}
|-
| {{仮リンク|シアター・ワールド・アワード|en|Theatre World Award}}
| {{center|{{Ndash}}}}
| ハンク・アザリア
| {{won}}
|-
| align="center"| 2006
| [[グラミー賞]]
| {{仮リンク|グラミー賞 最優秀ミュージカル・ショー・アルバム賞|label=最優秀ミュージカル・ショー・アルバム賞|en|Grammy Award for Best Musical Theater Album}}
| {{center|{{Ndash}}}}
| {{won}}
|}

=== オリジナル版・ロンドン公演 ===
{| class="wikitable" width="%"
|-
! width="5%"| 年
! width="22%"| 賞名
! width="33%"| 部門
! width="30%"| 対象者
! width="10%"| 結果
|-
| rowspan="7" align="center"| 2007
| rowspan="7"| [[ローレンス・オリヴィエ賞]]
| {{仮リンク|ローレンス・オリヴィエ賞最優秀新作ミュージカル賞|label=最優秀新作ミュージカル賞|en|Laurence Olivier Award for Best New Musical}}
| {{center|{{Ndash}}}}
| {{nom}}
|-
| {{仮リンク|ローレンス・オリヴィエ賞最優秀ミュージカル男優賞|label=最優秀ミュージカル男優賞|en|Laurence Olivier Award for Best Actor in a Musical}}
| [[ティム・カリー]]
| {{nom}}
|-
| {{仮リンク|ローレンス・オリヴィエ賞最優秀ミュージカル女優賞|label=最優秀ミュージカル女優賞|en|Laurence Olivier Award for Best Actress in a Musical}}
| {{仮リンク|ハンナ・ワディンガム|en|Hannah Waddingham}}
| {{nom}}
|-
| {{仮リンク|ローレンス・オリヴィエ賞最優秀ミュージカル助演俳優賞|label=最優秀ミュージカル助演俳優賞|en|Laurence Olivier Award for Best Performance in a Supporting Role in a Musical}}
| {{仮リンク|トム・グッドマン=ヒル|en|Tom Goodman-Hill}}
| {{nom}}
|-
| {{仮リンク|ローレンス・オリヴィエ賞最優秀装置デザイン賞|label=最優秀装置デザイン賞|en|Laurence Olivier Award for Best Set Design}}
| rowspan="2"| {{仮リンク|ティム・ハトリー|en|Tim Hatley}}
| {{nom}}
|-
| {{仮リンク|ローレンス・オリヴィエ賞最優秀衣装デザイン賞|label=最優秀衣装デザイン賞|en|Laurence Olivier Award for Best Costume Design}}
| {{nom}}
|-
| {{仮リンク|ローレンス・オリヴィエ賞最優秀照明デザイン賞|label=最優秀照明デザイン賞|en|Laurence Olivier Award for Best Lighting Design}}
| {{仮リンク|ヒュー・ヴァンストーン|en|Hugh Vanstone}}
| {{nom}}
|}

== 訴訟問題 ==
パイソンズは『[[モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル]]』のプロデューサーだった{{仮リンク|マーク・フォーステイター|en|Mark Forstater}}から『スパマロット』の著作権使用料に関する訴訟を起こされ、2013年に敗訴した。彼はパイソンズに支払われる利益の14分の1を得ることになった。パイソンズは訴訟に関連して合計80万ドルの出費を余儀なくされ、これが2014年の『[[モンティ・パイソン 復活ライブ!]]』開催に繋がった<ref>{{cite news |author= |coauthors= |title=John Cleese: Monty Python reunion is happening because of my £800,000 legal bill |url=http://www.mirror.co.uk/tv/tv-news/john-cleese-monty-python-reunion-3591253 |quote=Last July, the Pythons lost a royalties case to Mark Forstater, who produced 1975 film Monty Python And The Holy Grail. ... |newspaper=[[Daily Mirror]] |date=May 23, 2014 |accessdate=2014-12-28 }}</ref><ref name=royal>{{cite web|title= Monty Python sued over Spamalot royalties|url=http://www.bbc.co.uk/news/entertainment-arts-20556684|publisher=[[BBC News Online]]|quote= Mr Forstater claimed he was entitled to one-seventh of this figure, the same share enjoyed by each of the other Pythons - but was told he was only entitled to one-fourteenth, and has been paid accordingly since 2005. ...|date= 30 November 2012|accessdate=2012-11-30}}</ref><ref>{{cite news|title = Monty Python lose Spamalot court battle|url=http://www.bbc.co.uk/news/entertainment-arts-23195478|quote=Mark Forstater, who produced the 1975 film Monty Python And The Holy Grail, claimed he was underpaid royalties since the musical's launch in 2005. ...|publisher=[[BBC News]]|date = 4 July 2013|accessdate = 5 July 2013}}</ref>。

== 各地での公演 ==
{{節スタブ|date=2017-06-10}}
=== 日本公演 ===
2012年、『'''モンティ・パイソンのスパマロット'''』の題名で演じられた。公演に当たってアイドル出演の特別動画が公開されたほか<ref>{{YouTube|z4C9VPIBLAo|モンティ・パイソンのスパマロット-CM エリック・アイドル出演Ver - SPAMALOTJP}} - {{accessdate|2017-06-10}}</ref>、実際に来日して記者会見に出席した<ref>{{YouTube|5Xybaj63SXc|エリック・アイドル来日会見 - 朝日新聞社}} - {{accessdate|2017-06-10}}</ref>。企画・脚色・演出は[[福田雄一]]。その後2015年、2021年に再演されている。再演時の題名は『'''モンティ・パイソンのSPAMALOT'''』。

* 公演期間
;2012年
: 2012年1月9日 - 1月22日([[赤坂ACTシアター]])
: 2012年2月2日 - 2月5日([[森ノ宮ピロティホール]])

;2015年
: 2015年2月16日 - 3月1日(赤坂ACTシアター)
: 2015年3月6日 - 3月8日(森ノ宮ピロティホール)
: 2015年3月14日 - 3月15日([[福岡市民会館]]大ホール)

;2021年
: 2021年1月18日 - 2月14日([[東京建物 Brillia HALL]])
: 2021年2月18日 - 2月23日([[オリックス劇場]])
: 2021年2月26日 - 2月28日(福岡市民会館大ホール)

;主な配役
{| class="wikitable"
{| class="wikitable"
|+
|+主な配役
! &nbsp; !! 2012年 !! 2015年
! &nbsp; !! 2012年 !! 2015年 !! 2021
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! アーサー王
! アーサー王
| COLSPAN="2"| [[ユースケ・サンタマリア]] || [[山田孝之]]<ref name=":2021">{{Cite web|url=https://www.spamalot.jp/cast.html|title=CAST|website=ミュージカル「モンティ・パイソンのSPAMALOT」featuring SPAM公式ホームページ|accessdate=2021-05-28}}</ref>
| COLSPAN="2" | [[ユースケ・サンタマリア]]
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! ランスロット卿
! ランスロット卿
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| COLSPAN="2"|[[池田成志]] || [[賀来賢人]]{{R|:2021}}
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! ロビン卿
! ロビン卿
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| [[戸次重幸]]([[TEAM NACS]]) || [[貴水博之]] || [[小関裕太]]{{R|:2021}}
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! デニス・ガラハッド卿
! ガラハッド卿
| [[賀来賢人]] || [[松下優也]]
| 賀来賢人 || [[松下優也]] || [[三浦宏規]]{{R|:2021}}
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! マルチ
! マルチ
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! パッツィ
! パッツィ
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! ベデヴィア卿
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! 湖の貴婦人
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<div class="references-small"><references group="#" /></div>

企画・脚色・演出は、[[福田雄一]]が担当。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
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{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{notelist}}
=== 出典 ===
{{Reflist|2}}

=== 参考文献 ===
{{Refbegin}}
* [[ニューヨーク・タイムズ]]による作品評(登録が必要)- [https://web.archive.org/web/20120729070049/http://theater2.nytimes.com/mem/theater/treview.html?res=9C00E5DC103CF93BA25750C0A9639C8B63 A Quest Beyond The Grail]
* {{Cite web|url=http://www.theatre.com/show/id/3000660/Spamalot|title=Photos, Videos, Cast Interviews and Information on the West End Production|publisher=Theatre.com|url-status=dead|url-status-date=2016-08-02|archiveurl=https://web.archive.org/web/20061119182538/http://www.theatre.com/show/id/3000660/Spamalot|archivedate=2006-11-19|accessdate=2016-08-02}}
* ブロードウェイ公演でいくつかのシーンを削除したことへの説明 - [https://web.archive.org/web/20050507095232/http://www.msnbc.msn.com/id/6999424/site/newsweek/ MSNBC/Newsweek interview with Idle and Nichols]
* 2005年5月の[[ティム・カリー]]に対するインタビュー、[https://web.archive.org/web/20060629000153/http://www.americantheatrewing.org/media/downstage/mp3/Episode53.mp3 視聴も可能 (MP3)] - {{Cite web|url=http://www.americantheatrewing.org/downstagecenter/detail/tim_curry/|title=Tim Curry interview|publisher={{仮リンク|アメリカン・シアター・ウィング|en|American Theatre Wing}} ダウンステージ・センター|url-status=dead|url-status-date=2016-08-02|archiveurl=https://web.archive.org/web/20070410171203/http://www.americantheatrewing.org/downstagecenter/detail/tim_curry|archivedate=2007-04-10|accessdate=2016-08-02}} -
* ウェスト・エンド版に対する[[デイリー・テレグラフ]]の批評 - {{Cite web|url=http://www.telegraph.co.uk/arts/main.jhtml?xml=/arts/2006/10/17/btspam17.xml|title=Truly, a knight to remember|author=Charles Spencer|archiveurl=https://web.archive.org/web/20080617072445/http://www.telegraph.co.uk/arts/main.jhtml?xml=%2Farts%2F2006%2F10%2F17%2Fbtspam17.xml|archivedate=2008-06-17|accessdate=2016-08-02|url-status=dead|url-status-date=2016-08-02}}
* [http://www.richard-chamberlain.info/2009/spamalot.html Tribute to Richard Chamberlain website Spamalot]{{リンク切れ|date=2017年9月 |bot=InternetArchiveBot }}(登録が必要)
* [http://www.spotlighttheatre.com.au/ Spot Light Theatre Australia – Spamalot starting 24 July 2009]
{{Refend}}


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
{{Commonscat|Spamalot}}
{{Wikiquotelang|en|Spamalot}}
{{commonscat|Spamalot}}
*[http://www.montypythonsspamalot.com/ 公式サイト]
* {{official|http://www.montypythonsspamalot.com/}}{{en icon}}
*[http://www.spamalot.jp/ 日本公演公式サイト]
* {{official|http://www.spamalot.jp/|日本公演公式サイト}}
** {{official|http://www.spamalot.jp/2012/|2012年版}}{{ja icon}}
*{{ibdb title|384262}}
* [http://www.spamalotelmusical.com/ スペイン版公式サイト]
* [https://web.archive.org/web/20090605024807/http://www.spamalot.de/ ドイツ版公式サイト]
* [https://web.archive.org/web/20100821123717/http://www.muzyczny.org/spektakle/lista%2Cszczegoly%3Aspamalot.html ポーランド版公式サイト]
* [https://web.archive.org/web/20100523141600/http://www.spamalotdemusical.nl/ オランダ版公式サイト]
* [http://www.spamalot.se スウェーデン版公式サイト]


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[[Category:トニー賞受賞作]]

2024年9月1日 (日) 02:24時点における最新版

Monty Python's Spamalot
スパマロット
ロンドン・パレスシアターでの公演の看板
作曲 ジョン・デュ・プレ
エリック・アイドル
ニール・イネス
作詞 エリック・アイドル
脚本 エリック・アイドル
原作モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル
初演 2005年3月17日 – シュバート・シアター英語版
上演
受賞 トニー賞 ミュージカル作品賞
ドラマ・デスク・アワードミュージカル作品賞 (en
ドラマ・デスク・アワード作詞賞 (en
グラミー賞最優秀ミュージカル・ショー・アルバム賞 (en
ウェブサイト http://www.montypythonsspamalot.com
テンプレートを表示
画像外部リンク
en:File:Spamalot.jpg
? ブロードウェイ・オリジナル版のウィンドウ・カード

スパマロット: Monty Python's Spamalot)は、1975年の映画『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』を原案とした、2005年ミュージカル作品である。映画同様、この作品もアーサー王伝説の不遜なパロディであるが、筋書きは映画とやや異なっており、原作映画から「割愛された」ミュージカルという形を取っている。

2005年にブロードウェイで上演されたオリジナル版は、マイク・ニコルズが監督し、第59回トニー賞英語版ミュージカル作品賞を含め、3つのトニー賞最優秀賞を獲得したほか、14部門にノミネートされた。1,500回を超えたオリジナル版のロングランには、200万人以上が足を運び、1億7,500万ドル以上の興行収入を得た[1]

あらすじ

[編集]

ミュージカル・ナンバー

[編集]

エリック・アイドルはミュージカルのリブレット(脚本と詞)を担当し、作曲にはジョン・デュ・プレが協力した。ミュージカル中の曲のうち、"Knights of the Round Table"(円卓の騎士の歌)と "Brave Sir Robin" はニール・イネスが『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』のために作曲したもの、"Always Look on the Bright Side of Life" は『ライフ・オブ・ブライアン』の作中曲としてアイドルが書き下ろしたものである。その他にもパイソンズのテレビシリーズ・オリジナルアルバムから曲が引用されている。

作品には原作映画や他のパイソン作品からの引用が数多く含まれている。例えば『木こりの歌』の一節、『バカ歩き省』への言及、『選挙速報スペシャル英語版』や『死んだオウム』のくだり、"Knights of the Round Table" 中で引用される『スパム』(作品の語源となった部分の歌詞、原作映画にも登場)などである。他にも "Fisch Schlapping Dance" では『フィンランド』と『フィッシュ・スラッピング・ダンス英語版』が引用されている。舞台のブックレットには、"Dik Od Triaanenen Fol (Finns Ain't What They Used To Be)" と題されたミュージカルに関するギャグ・頁が含まれている。これはペイリンが書いたもので、原作映画のクレジットに登場する「偽」スウェーデン語字幕を再録している。

第1幕 (Act I)
  • Tuning**
  • Overture
  • "Historian's Introduction to Act I" – 歴史学者
  • "Finland" / "Fisch Schlapping Dance" – 領主、一座
  • "Monk's Chant" – 一座
  • "King Arthur's Song" – アーサー王、パッツィ*
  • "I Am Not Dead Yet" – まだ死んでいないフレッド、ランス、ロビン、死体たち[注釈 1]
  • "Come with Me" – アーサー王、湖の乙女、湖の少女たち[注釈 2]
  • "Laker Girls Cheer" – 湖の少女たち
  • "The Song That Goes Like This" – ガラハッド卿、湖の乙女
  • "All for One" – アーサー王、パッツィ、ロビン卿、ランスロット卿、ガラハッド卿、ベディヴィア卿
  • "Knights of the Round Table" – 一座
  • "The Song That Goes Like This" (Reprise) – 湖の乙女
  • "Find Your Grail" – 湖の乙女、一座
  • "Run Away!" – 一座
  • The Intermission**
第2幕 (Act II)
  • "Historian's Introduction to Act II" – 歴史学者
  • "Always Look on the Bright Side of Life"[2] – パッツィ、アーサー王、騎士たち、「ニッ」の騎士
  • "Brave Sir Robin" – ロビン卿、吟遊詩人たち
  • "You Won't Succeed on Broadway" – ロビン卿、アンサンブル
  • "Whatever Happened to My Part?" – 湖の乙女
  • "Where Are You?" – ハーバート王子
  • "Here Are You" – ハーバート王子
  • "His Name is Lancelot" – ランスロット卿、ハーバート王子、アンサンブル
  • "I'm All Alone" – アーサー王、パッツィ、騎士たち
  • "Twice in Every Show" – 湖の乙女、アーサー王
  • "Act II Finale: I Am Not Dead Yet (Reprise) / Find Your Grail (Reprise) / The Song That Goes Like This (Reprise II)" – 一座
  • "Bows: Always Look on the Bright Side of Life (Reprise)" – 一座、観客
注釈
  • *:オリジナル・キャスト・アルバムには未収録。
  • **:アルバムには収録されているが実際の公演では未使用の曲。
  • また、オリジナル版の曲 "You Won't Succeed On Broadway" は、全英ツアーでは "Star Song" に差し替えられた。

登場人物

[編集]

原作映画にも登場する人物には、略称でキャストを併記した。GCがチャップマン、JCがクリーズ、TGがギリアム、EIがアイドル、TJがジョーンズ、MPがペイリン、NIがニール・イネスを表す。

キャメロットの騎士たち

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その他の登場人物

[編集]
  • 湖の乙女
  • まだ死んでいないフレッド
  • ロビン卿の先導吟遊詩人 (NI):口をつぐむべきポイントが分からない。
  • スワンプ城の王(ハーバートの父親)[注釈 9](MP):無慈悲な金の亡者で、音楽・ミュージカルが大嫌いである。
  • ハーバート王子 (TJ):スワンプ城主の息子。歌好きで[注釈 10]ミニーマウスと同じぐらい身体がごつい。
  • フランス人兵士[注釈 11](JC)
  • 黒の騎士 (Black Knight (Monty Python)(声:JC)
  • 「ニッ!」の騎士 (Knights who say Niの長 (MP)
  • 魔法使いティム (JC)
  • ガラハッド夫人 (TJ):ガラハッドの母親で政治活動に熱心な農婦。
  • カルバノグの殺人ウサギ (Rabbit of Caerbannog
  • スワンプ城の衛兵 (EI, MP):片方は単純な概念が理解できず、もう片方はよくしゃっくりをする。
  • 2人の歩哨:詳細不明の城におり、ツバメココナッツの話を楽しそうにしている。
  • 歴史学者(ナレーター役)
  • 湖の少女たち(湖の乙女のバックダンサー・チアリーダー)
  • 円卓の騎士たち:隙あらば踊る。
  • ロビンの吟遊詩人一行
  • 神 (GC):ジョン・クリーズそっくりの話し方をする。
  • フィンランド市長 : このミュージカルに登場するはずのない人物
  • 聖杯(ホーリー・グレイル)の持ち主:公演当日に特定の席に座っていた観客
アーサー王とパッツィ。2009年の公演にて。

原作映画に敬意を表し、6人の俳優で登場する男性登場人物のほとんどが演じられ(女性役も一部含む)、複数の役者が一人複数役を担当している。アーサー王・湖の乙女役のみが一人一役である。ブロードウェイ版では、以下のような配役で演じられた。

  • ランスロット卿 / 2人目の歩哨 / フランス人兵士 / 「ニッ!」の騎士 / 魔法使いティム
  • ロビン卿 / 1人目の歩哨 / メイナード修道士 / 2人目の衛兵
  • ガラハッド卿 / スワンプ城主 / 黒の騎士
  • パッツィ / フィンランドの領主 / 1人目の衛兵
  • ベディヴィア卿 / ガラハッド夫人 / コンコード
  • 歴史学者 / ハーバート王子 / まだ死んでいないフレッド / 主席吟遊詩人 / フランス人兵士の親友

パイソン・メンバーが原作映画で演じていた役は一部がひとつにまとめられている。例えば死体収集人とロビン卿(アイドル)、死体を担ぐ大男とランスロット卿(クリーズ)、政治活動に熱心な小作農デニスとガラハッド卿(ペイリン)などである。

キャスト

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公演
(映画版キャスト)
ブリテン王
アーサー
チャップマン
湖の乙女
( — )
パッツィ
ギリアム
ランスロット卿
クリーズ
ガラハッド卿
ペイリン
ロビン卿
アイドル
ベディヴィア卿
ジョーンズ
ハーバート王子
(ジョーンズ)
シカゴ(2004年)
ブロードウェイ初演(2005年)
ティム・カリー サラ・ラミレス マイケル・マクグラス英語版 ハンク・アザリア クリストファー・シーバー英語版 デヴィッド・ハイド・ピアース スティーヴ・ローズン[* 1] クリスチャン・ボール英語版
全米ツアー
(1回目、2006年)
マイケル・シベリー (en ピア・グレン[* 2] ジェフ・デュマ (en リック・ホームズ[* 3] ブラッドリー・ディーン (en デイヴィッド・ターナー[* 4] クリストファー・ガー[* 5] トーマス・デックマン[* 6]
ウェストエンド初演
(2006年)
ティム・カリー ハンナ・ワディンガム英語版 デイヴィッド・ビレル[* 7] トム・グッドマン=ヒル英語版 クリストファー・シーバー ロバート・ハンズ英語版 トニー・ティンバーレイク[* 8] ダレン・サウスワース[* 9]
全英ツアー
(2010年)
フィル・ジューピタス英語版 ジョディー・プレンガー[* 10]
ヘイリー・タマドン[* 11]
エイミー・ナットオール[* 12]
トッド・カーティ[* 13] グレアム・マクダフ[* 14] サイモン・リプキン[* 15] サミュエル・ホームズ[* 16] ロビン・アームストロング[* 17] デイヴィッド・リンガム[* 18]
全米ツアー
(2回目、2010年)
スティーヴ・マッコイ英語版 キャロライン・バウマン (en グレン・ギロン[* 19] アダム・グラバウ[* 20] ジェイコブ・L・スミス[* 21] マーティン・グライヤー[* 22] マット・バン[* 23] ジョン・ギャリー[* 24]
ウェストエンド再演
(2012年)
マーカス・ブリグストック英語版
ジョン・カルショー英語版
ボニー・ラングフォード英語版 トッド・カーティ キット・オートン[* 25] ジョン・ロビンス英語版 ロブ・デラニー ロビン・アームストロング[* 26] アダム・エリス[* 27]
ハリウッド・ボウル
(2015年)
クレイグ・ロビンソン マール・ダンドリッジ英語版 ワーウィック・デイヴィス リック・ホームズ[* 28] クリスチャン・スレーター ジェシー・タイラー・ファーガソン ケヴィン・チェンバリン トーマス・デックマン[* 29]
  1. ^ Steve Rosen
  2. ^ Pia Glenn
  3. ^ Rick Holmes
  4. ^ David Turner
  5. ^ Christopher Gurr
  6. ^ Thomas Deckman
  7. ^ David Birell
  8. ^ Tony Timberlake
  9. ^ Darren Southworth
  10. ^ Jodie Prenger
  11. ^ Hayley Tamaddon
  12. ^ Amy Nuttall
  13. ^ Todd Carty
  14. ^ Graham McDuff
  15. ^ Simon Lipkin
  16. ^ Samuel Holmes
  17. ^ Robin Armstrong
  18. ^ David Lingham
  19. ^ Glenn Giron
  20. ^ Adam Grabau
  21. ^ Jacob L. Smith
  22. ^ Martin Glyer
  23. ^ Matt Ban
  24. ^ John Garry
  25. ^ Kit Orton
  26. ^ Robin Armstrong
  27. ^ Adam Ellis
  28. ^ Rick Holmes
  29. ^ Thomas Deckman

タイトル

[編集]

ミュージカルの制作者の1人で、モンティ・パイソンのメンバー、エリック・アイドルは、2004年のプレスリリースでタイトルについてこう説明している。

I like the title Spamalot a lot. We tested it with audiences on my recent US tour and they liked it as much as I did, which is gratifying. After all, they are the ones who will be paying Broadway prices to see the show. It comes from a line in the movie which goes: "we eat ham, and jam, and Spam a lot."[4]
(訳:「自分はこの『スパマロット』ってタイトルがとても好きだよ。こないだのアメリカツアーで観客の反応を試したけれど、みんな自分と同じくらい気に入ってくれたらしくて、嬉しいことだね。結局、彼らは公演のためにブロードウェイでのチケット代を払うような人たちなんだ。タイトルは映画の台詞から来てるんだ — 『ハムもジャムもスパムも食べるよ』ってね[注釈 12]」)

パイソンメンバーの反応

[編集]
「金儲けしてやったのに、恩知らずのくそったれたちは全く感謝しようともしない。『スパマロット』から100万ドルずつ懐に入るのは一体誰だって言うんだ?」

エリック・アイドル[5]

日本公演に当たって作品製作の経緯を聞かれたアイドルは、2000年頃から脚本を書き始め、数曲のデモテープと共に送ったところ、メンバーから快諾されたと答えている[6]。しかしながら、完成した作品にはパイソン・メンバーから賛否両論が噴出した。

オーディオ・インタビューに答えたテリー・ギリアムは、作品について「ライト版パイソン」(: Python-lite)と答えた[7]。後にBBCニュースのインタビューに答えたギリアムは、「年金を助けて、パイソンズを生き存えさせているよ」と述べた[8]

ギリアムと原作映画を監督したテリー・ジョーンズは、2005年5月に率直な意見を表明し、「『スパマロット』は完全に的外れだ。雰囲気で充ち満ちている」「関心のあることをやるのが好きだ。自分の優先順位リストで、パイソンを復活させるのはあまり高くないところにある」と述べた[9]。一方で、ブロードウェイ公演の直後に収録されたラジオインタビューで作品について問われた時には、「ああ、あれは物凄く良くて面白いと思う。あの作品を好きな観客を観るのは素晴らしいね。[中略]あれは本当の『パイソン』じゃない。大部分エリック[・アイドル]のものだ」と述べた[注釈 13]

2006年10月のインタビューでマイケル・ペイリンは、「みんな『スパマロット』がよくやっていることに大喜びしている。みんな受益者だからね!素晴らしいショーだよ。全員で書いたものじゃないから『パイソン』ではないけれど、誰一人として集まって『パイソン』の舞台を書こうとしなかったんだ。エリックは次第に堪忍袋の緒が切れて、『じゃあ、それなら自分でやろうじゃないか』と言ったんだ。彼はこっちに小片や曲やら全てを送ってきて、僕らは『ああ、これなら構わない、進めてくれ』と言った。結果はエリック含め全員が驚くほどの大ヒットで、今じゃみんな、幾分不十分だったけども協力したことを誇っているよ」と述べている[11]

2008年に『ラスヴェガス・レビュー・ジャーナル英語版』のインタビューを受けたジョン・クリーズは、次のように答えている。

「ああ、その通り。結局『スパマロット』は立派なものになった。凄まじい公演を繰り広げているよ。公演に足を運ばない人と楽しい夕べを過ごさない人は無視するね。あれは自分が観た中で1番ばかばかしいやつだし、エリックは素晴らしい仕事をしたと思う」[12]

記事でも言及されているように、クリーズはミュージカル用に「神」の声を収録したが、アイドルがのちに再録音したため、一時期ふたりの関係が冷え込んだことが知られている[13]

作品の批評と興行収入

[編集]
2005年、ブロードウェイ・シューバート劇場での公演
2008年の10月、ロンドン・パレス劇場での公演

オリジナル版は興行的・批評的に成功を収め、『バラエティ』誌では、予約販売で1,800万ドルもの売り上げがあったと報じた(チケットの金額は36ドルから179ドルまで)[要出典]ロンドンウェスト・エンドに移ってから、舞台はすぐに大成功した。チケット予約販売の大盛況を受け、公演開始の4ヶ月前に4週間の上演延長が決定されたほどだった[14]

ブロードウェイのミュージカル・ファンたちは、他のミュージカルやジャンル一般への言及を賞賛している。作品には次のような言及が含まれる。"The Song That Goes Like This" はアンドルー・ロイド・ウェバー作品や、ブロードウェイ作品に登場するパワー・バラードのパロディである。騎士たちは『屋根の上のバイオリン弾き』や『ウエスト・サイド物語』を思わせる曲に合わせて踊っている。"His Name Is Lancelot" では、ランスロット卿がピーター・アレンの真似をする。「この作品には登場しない」卿は『ラ・マンチャの男』に登場するドン・キホーテの格好をしている。フランス軍の兵隊には、『レ・ミゼラブル』に登場するエポニーヌの格好をした者がいる。ハーバート王子の歌には、スティーヴン・ソンドハイムの『カンパニー』中の "Another Hundred People" から引用された一節がある。"You Won't Succeed (On Broadway)"は『プロデューサーズ』や『イエントル英語版』(『愛のイエントル』の原作)のパロディである[要出典]

スレート英語版』のサム・アンダーソンは、「パイソンは『スパマロット』で描かれるような怠惰なコメディ的なものに対する反応の中で作り上げられたものだ—ペイリンがかつて『簡単で謳い文句のような反応』と言っていたもので、メンバーは過去の作品に迎合せざるを得なくなった」「『スパマロット』は、ポスト・パイソンの搾取という長過ぎて面白くもない慣習—本やアクション・フィギュア、テレビゲーム—を持った、けばけばしいクライマックスだ。[慣習とは]引用文を本来の場所で使って元々の作品を上演する代わりに、古い素材を一連のスローガンのように扱う[ことである]」[15]と述べた。

ウェストエンド版には絶賛のレビューも寄せられた。『デイリー・テレグラフ』のチャールズ・スペンサーは、作中のジョークを引用しつつ記事を書き、「素晴らしい夜で、そうでない感想を寄せた人には誰でも屁をひってやる」(英: "It's a wonderful night, and I fart in the general direction of anyone who says otherwise")と述べた[16]。『インデペンデント』紙のポール・テイラーは、「作品は、パイソン由来の基本的な素材だけでなく、素晴らしいベテランであるマイク・ニコルズの監督で加わった驚くべきスピード、ウィット、生意気さ、ショービジネスへの抜け目無さのおかげで、観る人を大いに笑わせて弱らせる」と評した[17]。『ガーディアン』紙のマイケル・ビリントン英語版はそこまで熱狂せず、「ふざけまくったミュージカルを楽しく観ている間、ショーのニューヨークにある起源は、「ユダヤ人無しでショービズの成功なんてできない」と述べる常軌を逸したナンバーで明確に表されていた。これは大西洋のこちら側ではあまり受けないブロードウェイの内輪ネタだ」と述べた[18]。ビリントンはさらに、「皮肉はあったが一晩保たせるには不十分だった。胸に手を当てて、わたしはエリック・アイドルの生意気な『スパマロット』より、ラーナーロウ英語版の『キャメロット英語版』が観たかったのだ」と付け加えた[18]

ココナツ・オーケストラの世界記録

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2006年3月22日、ブロードウェイ初演から1周年を記念し、劇場外のニューヨークシュバート・アリー英語版で1,789人が半分に割ったココナツ殻を叩き、「世界最大のココナツ・オーケストラ」(英: "World's Largest Coconut Orchestra")として演奏した[19]。この演奏はギネス世界記録に認定されたが、2007年4月23日にトラファルガー広場で行われた5,567人の演奏によって塗り替えられた[19]。後者にはロンドン版の出演者や、パイソンズのジョーンズ・ギリアムも参加し、"Always Look on the Bright Side of Life" 曲中の口笛に合わせてココナツが打ち鳴らされた。これはこの年のゲオルギオスの日を祝って行われたもので、この後『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』の上映も行われた[19]

受賞とノミネート

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オリジナル版のブロードウェイ公演では、湖の乙女役を演じるサラ・ラミレスが、"I've no Grammy, no reward/I've no Tony Award."(意味:「グラミーなんて取ってないわ、賞だって1つも、トニー賞だって」)と歌い上げる。皮肉なことに、公演のオリジナル・キャストで収録したアルバムは2006年グラミー賞最優秀ミュージカル・ショー・アルバム賞英語版を獲得し[20]、ラミレス自身は2005年トニー賞ミュージカル助演女優賞英語版を獲得した[21]。この2つの賞を受賞したことで、劇中の曲 "The Diva's Lament" の歌詞は少しずつ変更された。元々、この曲の歌詞は "My Tony Award/won't keep me out of Betty Ford's (en"(意味:私のトニー賞は自分をベティ・フォーズから自由にしてくれない)というものだった[注釈 14]ローレン・ケネディ英語版がサラ・ラミレスの役を引き継いだ際には、歌詞が "My predecessor won awards/and now she's in Betty Ford's"(意味:私の前任者は賞は取ったけれど、今はベティ・フォーズにいるわ)となり、後にもう1度 "All our Tony Awards/won't keep me out of Betty Ford's."(意味:私たちの獲ったトニー賞はみんな自分をベティ・フォーズから自由にしてくれない)と変えられた[22]。また、ツアーにおいては、ピア・グレン(: Pia Glenn)が "All our goddamn awards/won't keep me out of Betty Ford's." との歌詞で歌っている[注釈 15]。またロンドン公演では、ハンナ・ワディンガム英語版"I'm as depressed as I can be/ I've got constant PMT."(意味:「これ以上ないくらい憂鬱だわ、いつも生理前みたいに憂鬱」)と歌っている。

ツアー公演には、ボストン・エリオット・ノートン賞英語版(英: Boston's Elliot Norton Award for Outstanding Visiting Production)の賞も与えられている。

オリジナル版・ブロードウェイ公演

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賞名 部門 対象者 結果
2005 トニー賞 ミュージカル作品賞
 –
受賞
ミュージカル脚本賞英語版 エリック・アイドル ノミネート
オリジナル楽曲賞英語版 ジョン・デュ・プレ
エリック・アイドル
ノミネート
ミュージカル主演男優賞 ハンク・アザリア ノミネート
ティム・カリー ノミネート
ミュージカル助演男優賞英語版 マイケル・マクグラス英語版 ノミネート
クリストファー・シーバー英語版 ノミネート
ミュージカル助演女優賞英語版 サラ・ラミレス 受賞
ミュージカル演出賞英語版 マイク・ニコルズ 受賞
振付賞英語版 ケイシー・ニコロウ英語版 ノミネート
編曲賞英語版 ラリー・ホークマン英語版 ノミネート
ミュージカル装置デザイン賞英語版 ティム・ハトリー英語版 ノミネート
ミュージカル衣装デザイン賞英語版 ノミネート
ミュージカル照明デザイン賞英語版 ヒュー・ヴァンストーン英語版 ノミネート
ドラマ・デスク・アワード ミュージカル作品賞英語版
 –
受賞
ミュージカル脚本賞英語版 エリック・アイドル ノミネート
ミュージカル男優賞英語版 ハンク・アザリア ノミネート
デヴィッド・ハイド・ピアース ノミネート
ミュージカル助演男優賞英語版 クリスティアン・ボール英語版 ノミネート
マイケル・マクグラス ノミネート
ミュージカル演出賞英語版 マイク・ニコルズ ノミネート
振付賞英語版 ケイシー・ニコロウ ノミネート
編曲賞英語版 ラリー・ホークマン ノミネート
作詞賞英語版 エリック・アイドル 受賞
装置デザイン賞英語版 ティム・ハトリー ノミネート
衣装デザイン賞英語版 受賞
ドラマ・リーグ・アワード英語版 Distinguished Performance サラ・ラミレス ノミネート
シアター・ワールド・アワード英語版
 –
ハンク・アザリア 受賞
2006 グラミー賞 最優秀ミュージカル・ショー・アルバム賞英語版
 –
受賞

オリジナル版・ロンドン公演

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賞名 部門 対象者 結果
2007 ローレンス・オリヴィエ賞 最優秀新作ミュージカル賞英語版
 –
ノミネート
最優秀ミュージカル男優賞英語版 ティム・カリー ノミネート
最優秀ミュージカル女優賞英語版 ハンナ・ワディンガム英語版 ノミネート
最優秀ミュージカル助演俳優賞英語版 トム・グッドマン=ヒル英語版 ノミネート
最優秀装置デザイン賞英語版 ティム・ハトリー英語版 ノミネート
最優秀衣装デザイン賞英語版 ノミネート
最優秀照明デザイン賞英語版 ヒュー・ヴァンストーン英語版 ノミネート

訴訟問題

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パイソンズは『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』のプロデューサーだったマーク・フォーステイター英語版から『スパマロット』の著作権使用料に関する訴訟を起こされ、2013年に敗訴した。彼はパイソンズに支払われる利益の14分の1を得ることになった。パイソンズは訴訟に関連して合計80万ドルの出費を余儀なくされ、これが2014年の『モンティ・パイソン 復活ライブ!』開催に繋がった[24][25][26]

各地での公演

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日本公演

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2012年、『モンティ・パイソンのスパマロット』の題名で演じられた。公演に当たってアイドル出演の特別動画が公開されたほか[27]、実際に来日して記者会見に出席した[28]。企画・脚色・演出は福田雄一。その後2015年、2021年に再演されている。再演時の題名は『モンティ・パイソンのSPAMALOT』。

  • 公演期間
2012年
2012年1月9日 - 1月22日(赤坂ACTシアター
2012年2月2日 - 2月5日(森ノ宮ピロティホール
2015年
2015年2月16日 - 3月1日(赤坂ACTシアター)
2015年3月6日 - 3月8日(森ノ宮ピロティホール)
2015年3月14日 - 3月15日(福岡市民会館大ホール)
2021年
2021年1月18日 - 2月14日(東京建物 Brillia HALL
2021年2月18日 - 2月23日(オリックス劇場
2021年2月26日 - 2月28日(福岡市民会館大ホール)
主な配役
  2012年 2015年 2021年
アーサー王 ユースケ・サンタマリア 山田孝之[29]
ランスロット卿 池田成志 賀来賢人[29]
ロビン卿 戸次重幸TEAM NACS 貴水博之 小関裕太[29]
ガラハッド卿 賀来賢人 松下優也 三浦宏規[29]
マルチ ムロツヨシ じろう(シソンヌ[29]
ベデヴィア卿 皆川猿時 長谷川忍(シソンヌ)[29]
パッツィ マギー 矢本悠馬[29]
湖の貴婦人 彩吹真央 平野綾 新妻聖子[29]

脚注

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注釈

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  1. ^ Not Dead Fred, Lance, Robin, and Bodies
  2. ^ King Arthur, Lady of the Lake, and Laker girls
  3. ^ 英: Sir Lancelot the Homicidally Brave、直訳は「殺人的に勇敢なランスロット卿」
  4. ^ 英: Sir Robin, the Not-Quite-So-Brave-as-Sir-Lancelot
  5. ^ 英: Sir Dennis Galahad, The Dashingly Handsome
  6. ^ 英: Sir Bedevere, The Strangely Flatulent なお "flatulent" には「仰々しい」という意味もあり、二つ名は「奇妙なほど仰々しいベディヴィア卿」と受け取ることもできる。
  7. ^ 原作の『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』では、馬を調達できなかった代わりに、パッツィ役のギリアムらがココナッツの殻を鳴らしながら歩き、馬の代用としたシーンがある。
  8. ^ 英: Sir Not-Appearing-In-This-Show
  9. ^ 英語では "The King of Swamp Castle" で、"swamp" には沼地・湿地の意味がある。
  10. ^ 原作ではテリー・ジョーンズが演じており、ことあるごとにミュージカルを始めようとして父王に叱られる人物である。
  11. ^ 原作ではクリーズが演じている[3]
  12. ^ この文章は劇中キャメロットで歌われている『円卓の騎士の歌Knights of the Round Table (Camelot Song) の歌詞である。
  13. ^ 原文は以下の通り。
    "Well, I thought it was terrific good fun. It's great to see the audience loving it. I suppose I had reservations as far as…well…the idea of doing scenes from a film on stage. I just don’t get the point of it. They do them terribly well…I mean, they really are good…but I just quite don’t understand what that's about. It isn’t really 'Python.' It is very much Eric." [中略] "...I think the best parts of the musical are the new things. For instance, when they do the Andrew Lloyd Webber take-off and this girl comes in and sings 'Whatever Happened to My Part' since she hasn’t appeared since the opening number and she's really furious! That is one of the great moments where the show really comes alive for me." — テリー・ジョーンズ、98.5 WBON-FM英語版(インタビュアー:デニス・ダニエル英語版[10]
  14. ^ ベティ・フォード・センター英語版は、カリフォルニア州にある薬物依存症からの回復施設である。
  15. ^ "goddamn" は "damned" と同義の言葉。イギリス英語では通常 "goddamn" の方を用いる[23]。「ちきしょう」と怒りを表す時などに用いられる言葉で、あまり行儀の良い言葉ではない。

出典

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  1. ^ Gans, Andrew (2008年11月21日). “Spamalot Will Now Close Jan. 11, 2009”. Playbill. 2009年1月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年10月25日閲覧。
  2. ^ どんな時も人生の明るい面に目を向けようということがミュージカルのテーマのひとつ”. 特集|ミュージカル「モンティ・パイソンのスパマロット featuring SPAM(R)」. a-ticket. p. 3. 2017年10月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月9日閲覧。
  3. ^ French Taunter - Monty Python and the Holy Grail - Monty Python - YouTube - 2017年6月10日閲覧。
  4. ^ MONTY PYTHON'S SPAMALOT MUSICAL TO PREMIERE IN DECEMBER 2004 IN CHICAGO press release Thursday, 26 February 2004”. 23 January 2014閲覧。
  5. ^ “Monty Python's 40 years of silliness”. CNN. (24 October 2009). https://edition.cnn.com/2009/SHOWBIZ/TV/10/24/monty.python.40/index.html 23 May 2010閲覧. ""I'm making them money, and the ungrateful bastards never thank me," Idle joked. "Who gave them a million dollars each for 'Spamalot'?" It was Idle, who adapted "Monty Python and the Holy Grail" into the musical hit "Spamalot."" 
  6. ^ ミュージカルで大切なことは、観客に何かを感じてもらい、一緒に旅に参加してもらうこと”. 特集 ミュージカル「モンティ・パイソンのスパマロット featuring SPAM(R)」. a-ticket. p. 3. 2017年10月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月9日閲覧。
  7. ^ Jeff Birkenstein, Anna Froula, Karen Randell, ed (2013-04-16). The Cinema of Terry Gilliam: It's a Mad World. Columbia University Press. p. 51. https://books.google.co.jp/books?id=R9KrAgAAQBAJ&pg=PA51 2017年6月10日閲覧。 
  8. ^ Smith, Neil (22 February 2006). “Battle-scarred Gilliam looks to future – Feb. 22, 2006”. BBC News (BBC). http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/4732374.stm 2017年6月10日閲覧. ""It helps with the pension fund, and it helps keep Python alive," he smiles."As much as we'd like to pull the plug on the whole thing it carries on - it's got a life of its own."" 
  9. ^ Entertainment News – May 06, 2005”. AbsoluteNow.com (2005年5月6日). 2012年6月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年6月10日閲覧。 “Terry, 62, who co-directed the 1975 film, written by the Python team, said: "Spamalot is utterly pointless. It's full of air." [中略] He said: "I like doing things I'm interested in. Regurgitating Python is not high on my list of priorities."”
  10. ^ Lethally Funny Python”. herecomethewilddogs.com. 2008年5月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年6月10日閲覧。
  11. ^ O‘Connell, John (31 October 2006). “Michael Palin: Interview – Oct. 31, 2006”. Time Out. 2017年6月10日閲覧。 “We’re all hugely delighted that ‘Spamalot’ is doing so well. Because we’re all beneficiaries! [Laughs] It’s a great show. It’s not ‘Python’ as we would have written it. But then, none of us would get together and write a ‘Python’ stage show. Eric eventually ran out of patience and said, ‘Well, I’ll do it myself then.’ He sent us bits and songs and all that and we said, ‘Yeah, that’s all right, have a go.’ But its success is so enormous that it took us all by surprise, including Eric, and now we’re just proud to be associated with it, rather pathetically.”
  12. ^ Elfman, Doug (2008年5月5日). “John Cleese Loves ‘Spamalot,’ Doesn’t Know It’s Closing, Also He Declares, ‘It’s Not a Fortune to be God”. 2010年6月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年6月10日閲覧。 ““Yeah, that’s right,” he said. “And in the end I think ‘Spamalot’ turned out splendidly. It’s had a tremendous run. I defy anyone to go and not have a really fun evening. It’s the silliest thing I’ve ever seen and I think Eric did a great job.””
  13. ^ Nathan, Sara; Todd, Ben (2011年12月15日). “Spat-alot! Monty Python stars Cleese and Idle fall out over money from West End hit”. デイリー・メール. http://www.dailymail.co.uk/news/article-2074372/Monty-Python-stars-John-Cleese-Eric-Idle-fall-West-End-hit-Spamalot.html 2017年6月10日閲覧。 
  14. ^ “We love Spam a lot: Python musical extends run”. Chortle: The UK Comedy Guide. (24 June 2006). http://www.chortle.co.uk/news/2006/06/24/4276/we_love_spam_a_lot 13 October 2007閲覧。 
  15. ^ Anderson, Sam (21 June 2006). “And Now For Something Completely Deficient”. Slate.com. 2017年6月10日閲覧。 “Python was formed in reaction to exactly the kind of lazy comedy represented by Spamalot—what Michael Palin once described as the "easy, catch-phrase reaction" the members had all been forced to pander in their previous writing jobs. [中略] Spamalot is the gaudy climax of a long, unfunny tradition of post-Python exploitation—books, actions figures, video games—that treats the old material as a series of slogans to be referenced without doing any of the work that made the lines so original in the first place. It is shorthand Python.”
  16. ^ Spencer, Charles (17 October 2006). “Truly, a knight to remember” (review). The Daily Telegraph (London). http://www.telegraph.co.uk/arts/main.jhtml?xml=/arts/2006/10/17/btspam17.xml 23 May 2010閲覧。 
  17. ^ Taylor, Paul (17 October 2006). “First Night” (review). The Independent (London). http://arts.independent.co.uk/theatre/reviews/article1879460.ece. "it leaves you that high and weak with laughter, thanks not just to the Python provenance of the basic material but to the phenomenal speed, wit, cheek and showbiz knowingness of the direction, which is by the great veteran, Mike Nichols" 
  18. ^ a b Billington, Michael (17 October 2006). “Spamalot” (review). The Guardian (London). http://arts.guardian.co.uk/reviews/story/0,,1924220,00.html. "But, while I'm happy to see musicals spoofed, the show's New York origins are clearly exposed in a would-be outre number which announces "we won't succeed in show business if we don't have any Jews": a Broadway in-joke that has little purchase this side of the Atlantic. [中略] Irony has its place but it's not quite enough to sustain a whole evening. With hand on heart, I'd much rather watch Lerner and Loewe's Camelot than Eric Idle's smart-arsed Spamalot." 
  19. ^ a b c “Spamalot cast sets coconut record”. BBC News (BBC). (23 April 2007). http://news.bbc.co.uk/1/hi/england/london/6586187.stm 2017年6月10日閲覧。 
  20. ^ Ernio Hernandez, Andrew Gans (2006年2月8日). “Monty Python's Spamalot Cast Album Snags Grammy Award”. PLAYBILL. http://www.playbill.com/article/monty-pythons-spamalot-cast-album-snags-grammy-award-com-130760 2016年8月2日閲覧。 
  21. ^ JESSE MCKINLEY (2005年6月6日). “'Spamalot' and 'Doubt' Win the Top Tony Awards”. ニューヨーク・タイムズ. http://www.nytimes.com/2005/06/06/theater/theaterspecial/spamalot-and-doubt-win-the-top-tony-awards.html?_r=0 2016年8月2日閲覧。 
  22. ^ playbill.com”. Playbill. 21 November 2014閲覧。
  23. ^ 小西友七; 南出康世 (25 April 2001). "goddamn". ジーニアス英和大辞典. ジーニアス. 東京都文京区: 大修館書店 (published 2011). ISBN 978-4469041316. OCLC 47909428. NCID BA51576491. ASIN 4469041319. 全国書誌番号:20398458
  24. ^ “John Cleese: Monty Python reunion is happening because of my £800,000 legal bill”. Daily Mirror. (May 23, 2014). http://www.mirror.co.uk/tv/tv-news/john-cleese-monty-python-reunion-3591253 2014年12月28日閲覧. "Last July, the Pythons lost a royalties case to Mark Forstater, who produced 1975 film Monty Python And The Holy Grail. ..." 
  25. ^ Monty Python sued over Spamalot royalties”. BBC News Online (30 November 2012). 2012年11月30日閲覧。 “Mr Forstater claimed he was entitled to one-seventh of this figure, the same share enjoyed by each of the other Pythons - but was told he was only entitled to one-fourteenth, and has been paid accordingly since 2005. ...”
  26. ^ “Monty Python lose Spamalot court battle”. BBC News. (4 July 2013). http://www.bbc.co.uk/news/entertainment-arts-23195478 5 July 2013閲覧. "Mark Forstater, who produced the 1975 film Monty Python And The Holy Grail, claimed he was underpaid royalties since the musical's launch in 2005. ..." 
  27. ^ モンティ・パイソンのスパマロット-CM エリック・アイドル出演Ver - SPAMALOTJP - YouTube - 2017年6月10日閲覧。
  28. ^ エリック・アイドル来日会見 - 朝日新聞社 - YouTube - 2017年6月10日閲覧。
  29. ^ a b c d e f g h CAST”. ミュージカル「モンティ・パイソンのSPAMALOT」featuring SPAM公式ホームページ. 2021年5月28日閲覧。

参考文献

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外部リンク

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