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日本においては、 [[しんぶん赤旗]]が、現代の宗教界では、議員候補者を「事実上の丸抱えにして支援する方法」が存在するとした上で、[[神道政治連盟]]を「宗教界右派とされる」と報じている事例がある<ref>[http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-06-27/2010062714_02_1.html 「『教団は下請けか』ぐるみ選挙 内部からも批判」]、しんぶん赤旗、2010年6月27日。</ref>。 |
日本においては、 [[しんぶん赤旗]]が、現代の宗教界では、議員候補者を「事実上の丸抱えにして支援する方法」が存在するとした上で、[[神道政治連盟]]を「宗教界右派とされる」と報じている事例がある<ref>[http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-06-27/2010062714_02_1.html 「『教団は下請けか』ぐるみ選挙 内部からも批判」]、しんぶん赤旗、2010年6月27日。</ref>。 |
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2016年5月16日 (月) 05:44時点における版
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宗教右派(しゅうきょううは、英: Religious right)とは
- キリスト教:プロテスタント福音派、キリスト教原理主義などによる勢力キリスト教右派[1]。
- ユダヤ教:アメリカにはユダヤ教を基盤とする勢力[2]ユダヤ教右派。
- インド:ヒンドゥー教を基盤とする勢力ヒンドゥー・ナショナリズム。
ここでは、1.のプロテスタント福音派、キリスト教原理主義などによる政治・社会運動について記述する。
概要
宗教右派は「キリスト教右派」とも呼ばれ、保守的なプロテスタント福音派、キリスト教原理主義者など主に白人の保守的なキリスト教徒を動員して、伝統的諸価値を擁護・促進する政治・社会運動を指す[3][4]。特に白人の福音派が中心となっているといわれるが、カトリック保守派も含まれる[5]。
堀内一史によると、宗教右派は、キリスト教右派(英語: Christian right)、キリスト教保守派(英語: Conservative Christianity)、宗教保守派(英語: Religious Christianity)、プロ・ファミリー派と同義で使用されているとしている[6]。
宗教右派を構成する「政治 ・宗教的に保守的なキリスト教福音派とその下位集団であるキリスト教原理主義者」の 「福音派」の定義を、簡潔にまとめると「 ①キリストの十字架上の死の贖罪効果を信じ、②キリストによって生まれ変わったと実感する「ボーン・アゲイン」体験を有し、③聖書の無謬性を信じ、④福音の社会的拡大に実行を伴う強い関心を示す人々」を指すという[3]。
対称的な勢力として「宗教左派」、「キリスト教左派」などがある
特徴・主張内容
宗教右派は、中絶 、同性愛、公教育などの問題を生命観や家族観、道徳観などにかかわるもので「(世俗的)個人の権利」を尊重するリベラリズムだけでは判断しがたい領域を含んでいる」ため、世俗的人間中心主義を克服、とくに内政問題において価値基準と影響を示している[7]。 この勢力による運動は、1920年代に始まり、1970年代後半以降、共和党の大きな支持母体となっている[8][9][10]。
政治・選挙との関係
中絶問題
中絶問題は、「「家族」「秩序」といったモラルの問題としてとらえる反対派 、女性の社会進出や貧困などの社会問題としてとらえる容認派」との間で論争が続いている。「「人間は神が造った」という聖書の教えをそのまま信じる人々」の原理主義は影響を与えている。1992年のアメリカ大統領選挙での妊娠中絶権の論争では、(当時)現職のブッシュ大統領(共和党)、クリントン・アーカンソー州知事(民主党)、ぺロ一(無所属)の争いとなった。キリスト原理主義は、共和党が中絶全面禁止をうたった綱領に影響を与え、「共和党は「中絶反対」、民主党は「中絶容認」の立場を」明らかにした[11]。
同性愛
(教派による見解の違い等は、キリスト教と同性愛を参照。)
宗教右派は反同性愛運動を進めている。本格化したのは1970年代で、ストーンウォール事件(1969年)を機に本格化したゲイ解放運動に対し、宗教右派は「反対運動(第一次バックラッシュ)で「子供たちを守れ」キャンペーンなどテレヴァンジェリストに依拠して宗教的言説を前面を押し出したものであった。1990年代には、実現すべく政治(共和党)に接近し、両者を「家族の価値」言説」を結び付けた。この第二次バックラッシュを受け、1996年連邦議会は婚姻防衛法を制定したという[12]。
また、ブッシュ大統領支持母体の一つは宗教右派団体にとって同姓同士の結婚を裁判所が認めることは許しがたいことであった。ブッシュ大統領は、2004年一般教書演説の中で政権のスローガンである「思いやり」を中心に「「神」や、「信仰」「家族」といった言葉を随所に散りばめ」「宗教色と保守色の強い演説に」した。また、不変の価値として「勇気、思いやり、畏敬、誠実、異なる信仰や宗教の尊重」を挙げ、「宗教に関連しては特に同性愛者同士の結婚への反対」を示し、宗教右派団体へのメッセージとしたという[13]。
イラク戦争
2001年の9・11の同時多発テロ以降、「宗教右派」は、「ネオコン」と呼ばれた政策集団と共にブッシュ政権に大きく影響力をもち、2003年のイラク戦争を推し進めた世界観は両者によって形成されたといわれている[14]。
その他
日本においては、 しんぶん赤旗が、現代の宗教界では、議員候補者を「事実上の丸抱えにして支援する方法」が存在するとした上で、神道政治連盟を「宗教界右派とされる」と報じている事例がある[15]。
東京新聞が日本会議について「宗教右派の流れを汲む」と報じた事例[16]、古谷経衡が日本会議を「宗教右派や軍恩関係団体から構成される」とした事例[17]、神奈川新聞が日本会議の前身の1つが「宗教右派を集めた『日本を守る会』」であると報じた事例[18]、上杉聰が日本を守る会(日本会議の前身の1つ)を「宗教右派の総結集」による結成とした事例[19]がある。これらに対し日本会議広報部は、日本会議は決して宗教右派の流れを汲むものでも、右翼と結びついた組織でもないと全否定している[20]。とくに、東京新聞の報道について、取材が行われないままの中傷であり、名誉棄損も成り立つ内容であるとし、謝罪を要請した上で強く抗議している[20]。
脚注
- ^ 畠山圭一『日米新秩序の構想: 次なる五十年の世界的使命を果たすために』、行研、p262
- ^ 1 October 2013 Pew Research survey of American Jews, Chapter 6 "Social and Political Views"
- ^ a b 堀内一史 2006, p. 50-51.
- ^ Sociology: understanding a diverse society Margaret L. Andersen, Howard Francis Taylor , Cengage Learning, 2005 ISBN 978-0-534-61716-5, ISBN 978-0-534-61716-5
- ^ Deckman, Melissa Marie (2004). School Board Battles: The Christian Right in Local Politics. Georgetown University Press. p. 48. ISBN 9781589010017 April 10, 2014閲覧。
- ^ 堀内一史 2006, p. 51.
- ^ 藤本龍児「ネオコンと宗教右派 一公共哲学的観点による比較一」、『宗教と社会』Vol.13、「宗教と社会」学会、2007年 ,51−73頁。
- ^ 堀内一史 2006, p. 51-65.
- ^ Williams, Daniel K. (2010). God's Own Party: The Making of the Christian Right. New York: Oxford University Press. pp. 1, 2. ISBN 9780195340846
- ^ ジョン・ヒックス. The Political subsistence of the Religious Right. The American Religious Experience 2016年5月7日閲覧。.
- ^ 三井宏隆、「妊娠中絶権をめぐる論争について」、『哲学』95、慶應大学、1993、pp212-215。
- ^ 小泉明子、『同性婚と「家族の価値」 : 合衆国文化戦争の一側面』京都大学、2011年。
- ^ 村上直久、「ブッシュ米大統領の2004年一般教書演説のディスコース分析」、『長岡技術科学大学言語・人文科学論集』18、長岡技術科学大学、2004年、159-178頁。
- ^ 藤本龍児、「序章 近代社会と宗教」、『アメリカの公共宗教―多元社会における精神性』エヌティティ出版、2009年、p40。ISBN-13: 978-4757142282
- ^ 「『教団は下請けか』ぐるみ選挙 内部からも批判」、しんぶん赤旗、2010年6月27日。
- ^ 「日本最大の右派組織 日本会議を検証」、こちら特報部、東京新聞、2014年7月31日。
- ^ 「『慰安婦日韓合意』で保守派激怒の理由と背景」、Yahoo News、2015年12月31日。
- ^ 「時代の正体<260> 日本会議を追う(2) 国民投票への『名簿』」、神奈川新聞、2016年2月17日。
- ^ 引用エラー: 無効な
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タグです。「uesugi
」という名前の注釈に対するテキストが指定されていません - ^ a b 日本会議事務総局公式サイト、平成26年9月29日、2016年4月25日閲覧。
参考文献
- 堀内一史「アメリカにおける宗教右派の政治化」『麗澤学際ジャーナル』第14巻第2号、麗澤大学、2006年、NAID 110007326835。
- 飯山雅史『アメリカの宗教右派』、中公新書ラクレ新書、2008年。
- 藤本龍児、『アメリカの公共宗教―多元社会における精神性』エヌティティ出版、2009年。ISBN-13: 978-4757142282
- Armstrong, Karen (2001). The Battle for God: A History of Fundamentalism. New York: Ballantine Books. ISBN 0-345-39169-1
- Brasher, Brenda E. (2001). The Encyclopedia of Fundamentalism. New York: Routledge. ISBN 0415922445
- Diamond, Sara. 1995. Roads to Dominion: Right-Wing Movements and Political Power in the United States. New York: Guilford.
- Marsden; George M. (1980). Fundamentalism and American Culture: The Shaping of Twentieth Century Evangelicalism, 1870-1925 Oxford University Press, ([1])
- Marty, Martin E. and R. Scott Appleby (eds.). The Fundamentalism Project. Chicago: University of Chicago Press.
- (1991). Volume 1: Fundamentalisms Observed. ISBN 0-226-50878-1
- (1993). Volume 2: Fundamentalisms and Society. ISBN 0-226-50880-3
- (1993). Volume 3: Fundamentalisms and the State. ISBN 0-226-50883-8
- (1994). Volume 4: Accounting for Fundamentalisms. ISBN 0-226-50885-4
- (1995). Volume 5: Fundamentalisms Comprehended. ISBN 0-226-50887-0
- Martin, William. (1996). With God on Our Side: The Rise of the Religious Right in America, New York: Broadway Books.
- Ribuffo, Leo P. (1983). The Old Christian Right: The Protestant Far Right from the Great Depression to the Cold War. Philadelphia: Temple University Press.
- Shapiro, Ben. Brainwashed: How Universities Indoctrinate America's Youth (ISBN 0785261486), 2004.
- Shapiro, Ben. Porn Generation: How Social Liberalism Is Corrupting Our Future (ISBN 0895260166), Regnery, 2005.