「みんなの森 ぎふメディアコスモス」の版間の差分
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{{建築物 |
{{建築物 |
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|名称 = みんなの森 ぎふメディアコスモス |
|名称 = みんなの森 ぎふメディアコスモス<br />'Minna no Mori' Gifu Media Cosmos |
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|旧名称 = |
|旧名称 = |
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|画像 = [[File:Gifu media cosmos.JPG| |
|画像 = [[File:Gifu media cosmos.JPG|300px]] |
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|画像説明 = |
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|画像説明 = ぎふメディアコスモス(岐阜市立新中央図書館) |
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|用途 = 公益複合施設(図書館・地域交流など) |
|用途 = 公益複合施設<!--(図書館・地域交流など)--><ref name="概要">{{Cite web |url=https://g-mediacosmos.jp/cosmos/about.html |title=ぎふメディアコスモスについて |publisher=みんなの森 ぎふメディアコスモス |accessdate=2016-03-04}}</ref> |
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|旧用途 = [[岐阜大学]]医学部、附属病院用地 |
|旧用途 =<!-- [[岐阜大学]]医学部、医学部附属病院用地--> |
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|設計者 = [[伊東豊雄]]建築設計事務所 |
|設計者 = [[伊東豊雄]]建築設計事務所<ref name="概要" /> |
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|構造設計者 = |
|構造設計者 =arup |
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|設備設計者 = |
|設備設計者 =イーエスアソシエイツ・大瀧設備事務所 |
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|施工 =[[戸田建設]]・[[大日本土木]]・[[市川工務店]]・[[雛屋建設社]]JV |
|施工 = [[戸田建設]]・[[大日本土木]]・[[市川工務店]]・[[雛屋建設社]]JV<ref name="概要" /> |
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|建築主 = |
|建築主 = |
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|事業主体 = [[岐阜市]] |
|事業主体 = [[岐阜市]] |
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|管理運営 = 岐阜市 |
|管理運営 = 岐阜市 |
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|構造形式 = [[RC造]]、[[S造]]、[[木造]] |
|構造形式 = [[RC造]]、[[S造]]、[[木造]]<ref name="概要" /> |
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|敷地面積 = 14,725.39 |敷地面積ref = <ref name="概要" />|敷地面積備考 = |
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|建築面積 = 7,363.84 |建築面積ref = <ref name="概要" />|建築面積備考 = 本体棟+付属棟 |
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|延床面積 = 15,295.04 |延床面積ref = <ref name="概要" />|延床面積備考 = 本体棟+付属棟 |
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|階数 = 地下1階、地上2階<ref name="概要" /> |
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|高さ = 16.09m<ref name="概要" /> |
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|エレベーター数 = |
|エレベーター数 = |
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|戸数 = |
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|駐車台数 = 約300台 |
|駐車台数 = <!--約300台--> |
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|着工 =2011年 |
|着工 = 2011年 |
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|竣工 =2015年 |
|竣工 = 2015年2月12日 |
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|開館開所 =2015年 |
|開館開所 = 2015年7月18日 |
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|改築 = |
|改築 = |
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|解体 = |
|解体 = |
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|所在地郵便番号 = 500-8076 |
|所在地郵便番号 = 500-8076 |
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|所在地 = 岐阜県岐阜市司町 |
|所在地 = 岐阜県岐阜市司町40番地5 |
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|座標右上表示 = |
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|座標右上表示 = Yes |
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|文化財指定 = |
|文化財指定 = |
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|指定日 = |
|指定日 = |
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|備考 = |
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|備考 =web: [https://g-mediacosmos.jp/ https://g-mediacosmos.jp/] |
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'''みんなの森 ぎふメディアコスモス'''は、[[岐阜県]][[岐阜市]]にある複合施設である。 |
'''みんなの森 ぎふメディアコスモス'''は、[[岐阜県]][[岐阜市]]にある複合施設である。[[岐阜市立図書館|岐阜市立中央図書館]]を中核施設とする。2015年7月18日開館。 |
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メディアコスモスは図書館機能・地域交流機能を持つ複合施設・公益文化施設であり、[[岐阜大学]]医学部・附属病院跡地の[[市街地再開発事業]]として整備された。JR[[岐阜駅]]や[[名鉄岐阜駅]]から約2km北に位置し、[[岐阜城]]がそびえる[[金華山 (岐阜県)|金華山]]のふもとに位置する{{sfn|新建築|2015-09|p=94}}。敷地の南側には公的機関が集積しており、老朽化した公共施設の再集約や中心市街地の活性化などを図る「つかさのまち夢プロジェクト」の第1期整備に含まれる<ref>[http://www.city.gifu.lg.jp/secure/15008/20101012gaiyouban.pdf 岐阜大学医学部等跡地利用計画に係る基本的な考え方] 岐阜市</ref><ref>[http://www.city.gifu.lg.jp/secure/15008/20101012gaiyouban.pdf 岐阜大学医学部等跡地整備基本計画] 岐阜市</ref>。 |
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== 概要 == |
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'''みんなの森 ぎふメディアコスモス'''は、[[岐阜大学]]医学部・附属病院移転後に跡地の[[市街地再開発事業]]として整備された図書館機能、地域交流機能を持つ複合施設であり公益文化施設である。 |
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[[岐阜市]]中心部の広大な医学部跡地は公的機関が集積する地区に位置し、老朽化した公共施設の再集約や中心市街地の活性化などを図る跡地利用計画の第1期整備に含まれる。<ref> [http://www.city.gifu.lg.jp/secure/15008/20101012gaiyouban.pdf 岐阜大学医学部等跡地利用計画に係る基本的な考え方]</ref><ref> [http://www.city.gifu.lg.jp/secure/15008/20101012gaiyouban.pdf 岐阜大学医学部等跡地整備基本計画]</ref> |
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== 歴史 == |
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=== 背景 === |
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[[File:Gifu City Library2008-1.jpg|thumb|left|1958年開館で2015年に閉館した岐阜市立図書館本館]] |
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1958年(昭和33年)に開館した[[岐阜市立図書館]]本館は開館から50年以上が経過しており<ref name=chunichi20150305>「『メディアコスモス』に役目譲る 市立図書館57年で最終章」中日新聞, 2015年3月5日</ref>、エレベーターがないなどバリアフリーに対応していなかった<ref name=gifu20140429>「社説: 岐阜市の新図書館 サービス向上に期待」岐阜新聞, 2014年4月29日</ref>。閲覧席は少なく、建物の老朽化が深刻だった<ref name=kohogifu20120415>「みんなの森 ぎふメディアコスモス」広報ぎふ, 2012年4月15日号</ref>。図書館の専用駐車場はなく、午前10時から午後6時という開館時間は勤め人にとって利用しにくかった<ref name=gifu20140429/>。 |
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== 施設 == |
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; 岐阜市立中央図書館 |
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: 2Fと1F |
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2002年(平成14年)1月には岐阜市2館目の図書館として、JR[[岐阜駅]]東高架下の[[ハートフルスクエアーG]]に加納分館が開館。2002年度の蔵書数は約16万冊の本館に対して加納分館は約7万冊だったが、貸出冊数は本館の約16万冊に対して加納分館は約50万冊、利用者数は本館の約5万人に対して加納分館は約18万人と、新しくて立地のよい加納分館は新たな利用者層を掘り起こした。一方で2002年度の本館の貸出冊数は、蔵書数約5万冊の長森図書室をも下回った。 |
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; 市民活動交流センター |
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: 1F、市民活動支援、外国人市民支援 |
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2014年時点の岐阜市立図書館本館の蔵書数約20万冊は[[岐阜県立図書館]]の約1/5であり、ひとつの分館といくつかの図書室があるものの、借りた館でしか図書の返却ができなかった<ref name=gifu20140429/>。1995年以前から書庫不足の状態が続いており、1年間に8,000冊を購入しても7,000冊を廃棄せざるをえない状況だった<ref name=chunichi20150305/>。全国にある人口20万以上の133自治体の中で、本館の延床面積は122位、蔵書数は123位と、いずれも下位に低迷していた(2011年度)<ref name=asahi20120410>「図書館力 期待と現実 ニーズは高め 資料費が悩み」朝日新聞, 2012年4月10日</ref>。 |
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; スタジオ |
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{{-}} |
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: 1F、5室 |
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=== 開館前 === |
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[[File:Toyo Ito 2009.jpg|thumb|150px|設計を担当した[[伊東豊雄]]]] |
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メディアコスモスは「つかさのまち夢プロジェクト」の一環として計画された<ref name=gifu20150913/>。このプロジェクトの第1期では[[岐阜大学]]医学部跡地にメディアコスモスを建設し、第2期にはメディアコスモス南側(2016年時点では暫定的に駐車場)に[[岐阜市役所]]新庁舎を建設し、第3期には現行の岐阜市役所本庁舎跡に市民文化ホールを建設する<ref name=gifu20150913/>。財源には国からの補助金、蓄えてきた基金、有利な起債を最大限に利用<ref name=kohogifu20120415/>。 |
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; ホール |
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: 1F |
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2005年度に基本構想を策定し、2010年度に基本計画を策定・設計者を選出した{{sfn|岐阜市立図書館|2015|p=25}}。設計プロポーザルには全国から70人が応募、まずは選考委員会が3者に絞り、2011年(平成23年)2月6日の公開プレゼンテーションで[[伊東豊雄]]建築設計事務所が設計者に選出された<ref name=chunichi20110207>「岐阜市中央図書館 設計者に伊東氏選出 緑と一体化の構造提案」中日新聞, 2011年2月7日</ref>。伊東は[[仙台市図書館|仙台市民図書館]]を内包する[[せんだいメディアテーク]]や[[多摩美術大学]]八王子図書館の設計者でもあり、2013年(平成25年)には[[プリツカー賞]]を受賞した。2012年度時点では総工費を100億円と見込んでおり、国からの補助金などを活用して岐阜市の負担は約30億円となる予定だった<ref name=asahi20120410/>。 |
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; 展示室 |
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: 1F、2室 |
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[[File:Gufu Media Cosmos 1F ac (4).jpg|thumb|left|木造格子屋根の実物大模型]] |
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; 店舗 |
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: 1F |
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岐阜市は2013年度末の工事完成、2014年(平成26年)秋の開館を目指していたが、耐火構造などの点が問題視されて[[国土交通省]]からの認定取得が遅れて着工がずれ込み、開館予定時期が2015年(平成27年)春に延期された<ref name=gifu20120907>「岐阜市 『メディアコスモス』着工遅れ 来年度末完成『難しい』」岐阜新聞, 2012年9月7日</ref>。木造でうねりのある屋根など特殊な構造で施工例がないため、2013年2月には本体工事の一般競争入札に参加申込をしていた共同事業体すべてが辞退して入札が成立せず、開館予定時期が再び遅れて2015年夏以降となった<ref name=chunichi20130207>「岐阜市 図書館開館再び遅れ 3JV事態で入札不成立」」中日新聞, 2013年2月7日</ref>。 |
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; レンタサイクル |
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: 1F |
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メディアコスモス関連の議案は2013年6月の岐阜市議会で賛成多数によって可決されたが、[[日本共産党]]議員などからは巨額の予算をかけることに疑問の声が上がっている<ref name=gifu20131227>「14岐阜市長選(上) 大型事業、議論は低調 『メディアコスモス』『新庁舎』」岐阜新聞, 2013年12月27日</ref>。2度目の入札では2013年5月30日に[[戸田建設]]・[[大日本土木]]・[[市川工務店]]・[[雛屋建設社]]共同事業体の落札が決定し<ref>[http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20130606/618709/ 伊東氏設計の木屋根図書館、再入札で戸田JVに] 日経アーキテクチュア, 2013年6月10日</ref>、2013年7月に施工を開始した{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-08-25|p=61}}。 |
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; 広場 |
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: 南側 |
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2014年2月の岐阜市長選挙では現職の[[細江茂光]]以外の2候補が「(メディアコスモス関連事業の)検証が必要」と訴えた<ref name=gifu20131227/>。メディアコスモスの整備に多額の費用を投じるため、岐阜市の2014年度一般会計予算案は過去最高の約1,583億円となった<ref name=nikkenko20140224>「岐阜市 14年度予算案 一般会計 過去最大の1583億円 ぎふメディアコスモスの整備推進」日刊建設工業新聞, 2014年2月24日</ref>。格子状の屋根の組み立ては2014年6月末から9月末まで約100日間を要しており、約8,500人工が参加している{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-08-25|p=63}}。2015年2月12日に竣工し{{sfn|岐阜市立図書館|2015|p=25}}、その後内装工事が行われて書籍が運び込まれた。 |
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; 駐車場 |
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: 有料 約300台 |
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2011年度には施設名称の公募を行い、1,386点の応募作品の中から「メディアコスモス」に決定、岐阜市によって「みんなの森」が加えられた。館長も公募が行われ、2015年4月には[[吉成信夫]]が館長に就任した<ref name=chunichi20151104>「岐阜市立中央図書館長 吉成信夫さん」中日新聞, 2015年11月4日</ref>。吉成はこの時まで岩手県のNPO法人「岩手子ども環境研究所」(森と風のがっこう)で理事長を務めており、2003年から7年間は[[いわて子どもの森|岩手県立児童館 いわて子どもの森]]の館長を務めている<ref name=chunichi20151104/>。2015年3月29日には岐阜市立図書館本館が閉館した<ref name=chunichi20150305/>。 |
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=== 開館後 === |
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[[File:Libraries in Gifu, Gifu OSM.png|thumb|left|350px|岐阜市中心部におけるメディアコスモスの位置]] |
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* 「[[名鉄岐阜駅]]」・「JR[[岐阜駅]]」下車。徒歩約25分、岐阜バス約10分 |
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開館日の2015年7月18日は悪天候だったが、約300人が開館時間を待って行列を作り<ref name=chunichi20150718d>「ぎふメディアコスモス 待望の開館」中日新聞, 2015年7月19日</ref>、初日には家族連れなど約7,700人の来館者でにぎわった<ref name=chunichi20150719c>「知・絆・文化の拠点 開館 ぎふメディアコスモス」中日新聞, 2015年7月19日</ref>。晴天となった20日は約300台の駐車場がほぼ満車となり、岐阜市外から訪れる人も多かった<ref name=chunichi20150721/>。18日から20日の3連休中には約25,000人が訪れており<ref name=chunichi20150721>「3連休 2万5000人来場 ぎふメディアコスモス 館内ツアーやライブ好評」中日新聞, 2015年7月21日</ref>、開館から20日間で計10万人を超える来館者があった<ref name=yomiuri20150809/>。 |
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開館から1か月時点で、新図書館の1日あたり貸出冊数は4,400冊だった。旧館時代の2014年度は1日あたり580冊であり、新館の貸出冊数は旧館の7.5倍に上っている<ref name=chunichi20150826>「メディコスの利用好調 図書館貸し出し7.5倍に」中日新聞, 2015年8月26日</ref>。図書館以外のホールなどを含めた施設全体の入場者は約167,000人であり、1日平均は5,300人に達した<ref name=chunichi20150826/>。開館から1か月半の新規登録者数は1万人を越えた<ref name=gifu20150913/>。40歳以下の貸出者率は59.6%であり、2014年度の29.7%から倍増している<ref name=gifu20150913/>。開館3か月の貸出冊数は旧館の約7.4倍に<ref name=asahi20151018>「図書館貸出冊数7倍に ぎふメディアコスモス開館3カ月」朝日新聞, 2015年10月18日</ref>。40歳以下が60.7%で旧館の2倍以上に<ref name=asahi20151018/>。新規登録者数は約16,500人であり、うち4割は22歳以下<ref name=asahi20151018/>。開館からの3か月間に日本各地の[[教育委員会]]など60を超す団体が視察や見学で訪れた<ref name=asahi20151018/>。10月16日までの約3か月間の図書館の入館者数は延380,776人で、1日平均4,327人だった<ref name=asahi20151018/>。 |
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[[File:杭州图书馆三楼自习阅读厅.jpg|thumb|right|友好協力協定を結んだ中国の杭州図書館]] |
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岐阜市は1979年から中国・[[杭州市]]と友好都市協定を結んでおり、2015年8月8日には岐阜市立中央図書館が{{仮リンク|杭州図書館|zh|杭州图书馆}}と友好協力協定を結んだ<ref name=yomiuri20150809>「岐阜市と杭州市の図書館が友好協定」読売新聞, 2015年8月9日</ref>。職員の相互交流、書籍の交換、交流活動などを行うという<ref name=yomiuri20150809/>。杭州図書館は約430万冊の蔵書を持つ<ref name=yomiuri20150809/>中国有数の図書館である。2015年から岐阜市美術展の会場はメディアコスモスに移転している<ref name=chunichi20151014>「岐阜市美展 メディコス初開催 全国からの386点並ぶ」中日新聞, 2015年10月14日</ref>。 |
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岐阜市は2014年12月からカフェレストランの出店者を募集していたが、出店を検討していた3社はスペースの狭さなどの理由でいずれも辞退<ref name=chunichi20151006b>「スタバ来年2月出店 ぎふメディアコスモス 公共施設初直営店」中日新聞, 2015年10月6日</ref><ref name=chunichi20151006a>「スタバ直営店 来年出店へ 岐阜『メディアコスモス』内」中日新聞, 2015年10月6日</ref>。2015年7月に施設が開館してもカフェレストラン用のスペースは空いたままとなっていた<ref name=yomiuri20151006>「メディアコスモスにスタバ 2月開店」読売新聞, 2015年10月6日</ref>。岐阜市は2015年3月に出店者を再公募し、9月29日にコーヒーチェーン店の[[スターバックス]]と基本協定を締結<ref name=chunichi20151006b/>。契約期間は3年間で2019年3月末までの3年間であり、スタバは岐阜県8店目、岐阜市4店目の出店である<ref name=chunichi20151006b/>。公立図書館としては[[カルチュア・コンビニエンス・クラブ]](CCC)が運営している[[武雄市図書館]]と[[海老名市立図書館]]にスタバが出店しているが、直営店としては岐阜市立中央図書館が初出店である<ref name=chunichi20151006a/>。2016年2月24日に開館したスタバは建物との一体感を重視し、テーブルや天井に[[飛騨杉]]を使用している<ref name=gifu20160225>「メディアコスモスにスターバックス開店 にぎわい共有」岐阜新聞, 2016年2月25日</ref>。 |
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2015年末には岐阜市民が選んだ「2015年の岐阜市政十大ニュース」第1位に「みんなの森 ぎふメディアコスモスの開館」が選ばれた<ref name=gifu20151223>「今年の岐阜市政十大ニュース 1位『メディアコスモス開館』」岐阜新聞, 2015年12月23日</ref>。2016年1月には原研哉が担当したピクトグラムなどのサインが[[日本グラフィックデザイナー協会]](JAGDA)によるJAGDA賞 環境・空間部門に選ばれた<ref>[http://www.jagda.or.jp/awards/category/2016/ JAGDA賞 2016] 日本グラフィックデザイナー協会</ref>。2016年5月9日には年間目標に設定していた入場者数100万人を達成した<ref name=gifu20160510>「『メディアコスモス』出足快調 来館者100万人達成」岐阜新聞, 2016年5月10日</ref>。2016年には[[照明学会]]による照明デザイン賞 最優秀賞を受賞した<ref name=ieij>[https://www.ieij.or.jp/award/design_his.html 2016年 照明デザイン賞 講評] 照明学会</ref>。優秀賞には[[ザ・リッツ・カールトン京都]]や[[ロームシアター京都]]などが選ばれているが、最優秀賞のメディアコスモスは他を引き離す高得点だったという<ref name=ieij/>。 |
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2015年3月には屋根の施工不良が原因の雨漏りがあり、2015年4月から2016年5月には屋根内部の結露による計19回の漏水があった<ref name=gifu20160528>「昨年4月から19回漏水 メディアコスモス、屋根内部で結露」岐阜新聞, 2016年5月28日</ref>。2016年7月9日から8月21日には開館一周年記念事業が開催された<ref>{{Cite web | authorlink = http://www.city.gifu.lg.jp/ | title = 平成28年市長の記者会見 6月2日 | work = | publisher = [[岐阜市]] | date = | url = http://www.city.gifu.lg.jp/26058.htm | format = | doi = | accessdate = 2016-08-09}}</ref><ref>{{Cite web | authorlink = http://www.city.gifu.lg.jp/ | title = ぎふメディアコスモス 開館1周年記念事業等について | work = | publisher = [[岐阜市]] | date = 2016-06-02 | url = http://www.city.gifu.lg.jp/secure/29967/3_mediacosmos1syuunen.pdf |
|||
| format = PDF | doi = | accessdate = 2016-08-09}}</ref><ref>{{Cite web | authorlink = http://g-mediacosmos.jp/ | title = 開館一周年記念事業「みんなの森のフム・ドキ・ワイ2016」開催 | work = | publisher = みんなの森 ぎふメディアコスモス | date = | url = http://g-mediacosmos.jp/information/2016/07/2016-11.html | format = | doi = | accessdate = 2016-08-09}}</ref>。開館からの1年間の来館者数は120万人を突破している<ref name=sankei20160728>「みんなの森 ぎふメディアコスモス 空気の流れもデザイン」産経新聞, 2016年7月28日</ref>。2016年秋には、[[長良橋通り]]の若宮町交差点=金宝町交差点間の約800mを[[トランジットモール]]とする社会実験を行う予定である<ref name=gifu20160227>「メディアコスモスの人出、商店街に導け バス利用や歩行者天国 岐阜市、今秋に社会実験 長良橋通りでマイカー規制」岐阜新聞, 2016年2月27日</ref>。歩行者天国でフリーマーケットなどを開催し、メディアコスモスと柳ヶ瀬商店街の回遊性が高まるかどうか調査する<ref name=gifu20160227/>。 |
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== 建築 == |
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=== 建物 === |
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構造は[[RC造]]・[[S造]]・[[木造]]の混構造であり、2階の床面まではRC造、2階の鉄骨マリオン柱と外周のT型柱で木造屋根を支持している{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-08-25|p=62}}。壁面は鉄筋コンクリート耐震壁と鋼板耐震壁を併用している{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-08-25|p=62}}。建築面積は7,363.84m<sup>2</sup>、延床面積は15,295.04m<sup>2</sup><ref name="概要" />。建物は東西90m・南北80m、地下1階・地上2階建であり、高さは16.09mである<ref name="概要" />。ワンフロアが80m×90mという広さにもかかわらず、2階は壁のないワンルームとなっている{{sfn|新建築|2015-09|p=94}}。近くに[[長良川]]があって地下水が豊富なため、伏流水を使用した輻射冷暖房を採用している<ref name=sankei20160728/>。メディアコスモスは[[地下水]]・[[太陽光]]・太陽熱をエネルギー源として利用しており<ref name=asahi20150719/>、1990年の同規模建物に比べて消費エネルギーを半分に抑えている<ref name=asahi20150807/>。 |
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=== 屋根・天井 === |
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[[File:Gufu Media Cosmos ac (4).jpg|thumb|left|波打つ天井と天井を支持する鉄骨柱]] |
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[[金華山 (岐阜県)|金華山]]から続く山並みを想起させる、波打つような木造屋根が特徴<ref name=gifu20150719a>「メディアコスモス開館 岐阜市立中央図書館を併設 益川さんら参加、記念式典」岐阜新聞, 2015年7月19日</ref><ref name=chunichi20150719b>「知の森へようこそ ぎふメディアコスモスが開館」中日新聞, 2015年7月19日</ref>。屋根の大きさは南北約80m・東西約90mであり、幅12cm、長さ12m、厚さ2cmの細長いヒノキ板を正三角形に見えるように組んで造っている<ref name=gifu20141125>「県産材で波打つ屋根 メディアコスモス、工事終盤」岐阜新聞, 2014年11月25日</ref>。屋根にはマウンドと呼ばれる13か所の突起部があり、マウンドの高さは最大4m<ref name=gifu20141125/>。 |
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マウンドの影響で屋根は緩やかにうねっており、これほど大きな規模でうねった屋根を木材で造るのは世界初である<ref name=gifu20141125/>。うねりの関係で板と板の交点は直線状に並ばず微妙に曲がるため、現場で[[モックアップ|実物大模型]]を作成して課題を解決し、23,000か所の座標をはじき出して施工を進めた<ref name=gifu20141125/>。全国から160人の[[大工#造作大工(たたき大工)|造作大工]]が参加しており、建設途中には建築関係者の視察が相次いだ<ref name=gifu20141125/>。ヒノキ板は岐阜県産の銘木「[[東濃ひのき]]」である<ref name=mainichi20141019>「岐阜市の『知』『文化』『絆』の拠点 オープンまで1年切る」毎日新聞, 2014年10月19日</ref><ref name=mainichi20151018>「伸びゆく岐阜市展望 本格的稼働『みんなの森 ぎふメディアコスモス』」毎日新聞, 2015年10月18日</ref>。1階の天井はヒノキ集成材の[[ルーバー]]天井としており、ダクトや配管を見せる構造としている{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-08-25|p=59}}。 |
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{{-}} |
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=== 内装 === |
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[[File:Gufu Media Cosmos ac (10).jpg|thumb|耐火性に配慮された内装]] |
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2階のヒノキ板による天井からは、直径8mから直径14mまで4種類の大きさの布製天蓋がつり下がっている。グローブ(傘)と呼ばれるこの半透明の天蓋は、中央部に設けられた可動式の換気口で自然換気を行っている<ref name=asahi20150807>「建築は『みんな』のために 伊東豊雄さん『脱近代』の新境地」朝日新聞, 2015年8月7日</ref><ref name=mainichi20141019/>。グローブにはすべて異なる透かし模様が施されており{{sfn|新建築|2015-09|p=91}}、表面パターンは[[日本デザインセンター]]と[[安東陽子]]デザインが共同で検討している{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-08-25|p=64}}。天蓋を{{仮リンク|ベルマウス|en|Bell mouth}}形状にすることで換気量を倍増させており<ref name=mainichi20141019/>、秋季の気候条件の良い日はほぼ自然換気のみの空調となる{{sfn|新建築|2015-09|p=99}}。この天蓋は採光の役目も有しており、半透明の天蓋が光を透過・反射・拡散させることで{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-08-25|p=58}}、自然光を取り入れた明るい空間を演出している<ref name=gifu20150719a/>。 |
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メディアコスモスは[[準防火地域]]にあり、延床面積は1,500m<sup>2</sup>を超えるため、建築基準法において[[耐火建築物]]とすることが求められた。グローブは[[耐燃性|難燃性]]の[[ポリエステル]]素材でできており、グローブ本体に着炎したとしても[[耐燃性|自己消化]]能力を持つ{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-08-25|p=67}}。書架はグローブを中心に弧を描いて配置されており、その背板と床板は延焼防止効果を持つ[[プレキャストコンクリート]]造である{{sfn|新建築|2015-09|p=93}}。すべての書架はグループ化されており、たとえ書籍が燃えても他のグループの書架には燃え移らない仕組みとなっている{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-08-25|p=66}}。1階には防炎加工したカーテンが引かれており、2階のブラインドには不燃加工した和紙が用いられている{{sfn|日経アーキテクチュア|2015-08-25|p=67}}。[[藤江和子]]アトリエが家具デザインを担当した{{sfn|新建築|2015-09|p=91}}。 |
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=== 屋外空間 === |
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[[File:Gufu Media Cosmos outdoor ac (1).jpg|thumb|left|「せせらぎの並木 テニテオ」にある小川と小径]] |
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[[石川幹子]]がランドスケープデザインを担当。敷地内には[[金華橋通り]]に沿って、幅30m・長さ240mの遊歩道「せせらぎの並木 テニテオ」が設けられている{{sfn|日経コンストラクション|2015-10-26|p=9}}。施設の前庭となる部分には「みんなの広場 カオカオ」が設けられている{{sfn|日経コンストラクション|2015-10-26|p=9}}。これらの遊歩道と広場を合わせると約1.3ヘクタールとなり、開放感あふれる空間を創出している{{sfn|日経コンストラクション|2015-10-26|p=9}}。6列の並木が遊歩道を構成しており、内側の4列には[[カツラ (植物)|カツラ]]が、金華橋通り側の1列には[[シラカシ]]や[[ヤマモモ]]などの[[常緑樹]]が、施設側には[[シデコブシ]]や[[ヒトツバタゴ]]などの[[落葉樹]]が用いられている{{sfn|日経コンストラクション|2015-10-26|p=9}}。金華橋通りから1列目と2列目の間には小川が設けられ、2列目と3列目の間には小径が設けられている{{sfn|日経コンストラクション|2015-10-26|p=9}}。 |
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遊歩道中央部には幅員8mの歩道が設けられており、朝市などのイベント開催を想定した幅員となっている{{sfn|日経コンストラクション|2015-10-26|p=10}}。遊歩道の一部は施設開業前の2013年12月に先行オープンしており、2014年12月にはイルミネーションが行われた{{sfn|日経コンストラクション|2015-10-26|p=10}}。幅45mの広場の面積は2,470m<sup>2</sup>であり、2か所に[[ドライミスト]]発生装置が設置されている{{sfn|日経コンストラクション|2015-10-26|p=11}}。敷地の北側は住宅地に近いため、四季によって変化が生じる樹木が植えられている{{sfn|日経コンストラクション|2015-10-26|p=11}}。 |
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<gallery> |
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File:Gufu Media Cosmos pictogram ac (2).jpg|館内に設置されているフロアマップ |
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File:Gufu Media Cosmos 1F ac (8).jpg|1階のルーバー天井 |
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File:Gufu Media Cosmos ac (20).jpg|グローブ内部と最上部の開口部分 |
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File:Gufu Media Cosmos ac (21).jpg|グローブと木製天井 |
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</gallery> |
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== 特色 == |
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=== 施設全体の特色 === |
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[[File:Gufu Media Cosmos outdoor ac (2).jpg|thumb|スターバックスが入居しているカフェレストラン(せり出し部分)]] |
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{|class="wikitable" style="font-size:smaller" |
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|- |
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| 2階 || [[岐阜市立図書館|岐阜市立中央図書館]] |
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| 1階 || 市民活動交流センター・多文化交流プラザ、展示ギャラリー、開放書庫、[[ローソン]]、[[スターバックス]] |
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|- |
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| 屋外 || 遊歩道、みんなの広場 |
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|} |
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メディアコスモスは岐阜市立中央図書館を中核施設とし、市民活動交流センターや多目的ホールなどを備える<ref name=chunichi20150719b/>。施設全体の総事業費は125億円<ref name=chunichi20150718b>「文化の森 開館 ぎふメディアコスモス」中日新聞, 2015年7月18日</ref>。開館初年度の目標入場者数は年間100万人<ref name=chunichi20150718a/>。岐阜県出身の物理学者・[[益川敏英]]が名誉館長に就任している<ref name=chunichi20150718a>「知・文化・絆の拠点 ぎふメディアコスモスきょう開館」中日新聞, 2015年7月18日</ref>。 |
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人員は岐阜市立図書館本館時代の20人から71人に増えており、人件費だけで年間2億9000万円と旧館より2億円増加した<ref name=yomiuri20150424>「『ぎふメディアコスモス』開館準備進む 効率的な運営必要」読売新聞, 2015年4月24日</ref>。維持管理費約3億円、イベント事業費約1億円などをふくめて、メディアコスモスの運営には年間最低7億円を必要とする<ref name=yomiuri20150424/>。 |
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開館1か月半時点では68%が自家用車で来場しており、バス利用者は5%にすぎなかったため、渋滞の解消や公共交通機関の利用促進などが課題とされている<ref name=gifu20150913>「『ぎふメディアコスモス』開館1カ月半 居心地よいと好調」岐阜新聞, 2015年9月13日</ref>。1階にはコンビニエンスストアの[[ローソン]]とコーヒーチェーン店の[[スターバックス]]が進出している。 |
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2014年6月には経済産業省が主導する[[よろず支援拠点]](地域経済課題支援機関)が岐阜県でも開始されたが、2015年7月には拠点をメディアコスモス内に移した<ref name=chubukeizai20160725>「3年目迎えた『岐阜県よろず拠点』(上) 広域化と深化で経営バックアップ」中部経済新聞, 2016年7月25日</ref>。相談時に司書が同席するなど図書館ならではの対応を行っており、主婦や若者が起業相談に訪れるなど、よろず支援拠点の利用者層には変化がみられるという<ref name=chubukeizai20160725/>。 |
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=== 市民活動スペースの特色 === |
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[[File:Gufu Media Cosmos 1F gallery ac (1).jpg|thumb|right|多彩な利用方法ができる1階のギャラリーやホール部分]] |
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1階はホールやギャラリーなどを備えた市民の活動や交流の場であり、2階が岐阜市立中央図書館<ref name=asahi20150719>「メディアコスモス、開館 岐阜市の文化拠点 市民ら列」朝日新聞, 2015年7月19日</ref>、施設外は遊歩道が整備された広場となっている<ref name=gifu20150913/>。1階の中央部には60万冊を収容できるガラス張りの書庫があり、その周囲に職員のためのスペースが設けられている{{sfn|新建築|2015-09|p=92}}。展示ギャラリー、多目的ホール、市民活動交流センターなど、市民活動のためのスペースは通路を挟んだ外周にある{{sfn|新建築|2015-09|p=92}}。 |
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1階の「ドキドキテラス」は床面が周囲よりも一段低くなっており、岐阜市出身の[[日比野克彦]]や伊東豊雄建築設計事務所などによる市民向けワークショップでギャラリーなどの用途が検討された{{sfn|新建築|2015-09|p=92}}。1階にある「みんなのホール」は最大230席であり、音楽コンサート・芝居・落語・講演会などを開催している<ref name=mainichi20151018/>。1階のギャラリーでは絵画や美術品の展示会が開かれている。市民活動を支援する交流センター、国際交流や多文化共生を進める交流プラザなどもあり、有料貸出のスタジオ4室はセミナー・シンポジウム・ダンス器楽演奏・会合などに使用されている<ref name=mainichi20151018/>。 |
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=== 図書館の特色 === |
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[[File:Gufu Media Cosmos ac (9).jpg|thumb|left|グローブを中心に弧を描くように配置された書架]] |
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岐阜市立中央図書館の延床面積は旧館の2,000 m<sup>2</sup>から9,400 m<sup>2</sup>と4.7倍になり、蔵書可能冊数は旧館の20万冊から90万冊と4.5倍になっている{{sfn|岐阜市立図書館|2015|p=25}}。座席数は旧館の130席から910席と7.0倍になった{{sfn|岐阜市立図書館|2015|p=25}}。専門書が多い[[岐阜県立図書館]]に対して、岐阜市立中央図書館は一般向け本を増やすことで差別化を図っている<ref name=gifu20140429/>。開館時間を旧館時代から前後に延長している上に、分館や図書室とのネットワーク化を行い、いずれの館でも返却可能となっている<ref name=gifu20140429/>。メディアコスモスの定期休館日は毎月最終火曜日のみであり、岐阜県立図書館(毎週月曜日)とずらされている<ref name=gifu20140429/>。 |
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メディアコスモス2階は30万冊を収容できる開架閲覧エリアであり、1階中央の図書館部分には60万冊を収容できる開放書庫がある。ワンフロアからなる2階は11のエリアに分かれ、子どもたちが調べものをしながら学習できる「チャイルドグローブ」、親子で絵本の読み聞かせなどができる「親子グローブ」、貴重な郷土資料などが閲覧できる「リサーチグローブ」などがある<ref name=gifu20150913/>。畳コーナーなどもあり、くつろぎながら読書ができるなど、従来の図書館のイメージを覆している<ref name=gifu20150913/>。 |
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[[File:Gufu Media Cosmos 1F ac (3).jpg|thumb|1階の開放書架]] |
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岐阜市立中央図書館の開館時点の蔵書数は約30万冊であり、最終的には90万冊を想定している<ref name=chunichi20150718a/>。書架はグローブを中心として渦巻き状に配置されており<ref name=gifu20150719a/>、広さや開放感を出すために高さが低くされている<ref name=mainichi20151018/>。児童エリアの書架の高さはわずか120cmである{{sfn|新建築|2015-09|p=97}}。910席の座席があり<ref name=asahi20150719/><ref name=gifu20150719a/>、読書や学習に適した中学・高校生の専用スペース、新聞コーナー、貸出前の本を携えて[[金華山 (岐阜県)|金華山]]を眺望できる金華山テラス、視覚障害者を対象に資料の朗読サービスをする「対面読書のへや」、PCの持ち込みができ調べものや研究に使う「研究のへや」、2-6人のグループ学習用の「みんなで学ぶへや」、こどもたちが読み聞かせに集中できる独立型の「おはなしのへや」、視聴覚資料を鑑賞できる「みる・きくシート」などがある<ref name=mainichi20151018/>。 |
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岐阜市立中央図書館は「滞在型図書館」をキーワードとし、乳幼児、小学生の子どもがいる20代・30代の親、中高生、青年の利用者層の開拓に努めている{{sfn|吉成|2016-04}}。児童書エリアと他のエリアを隔てる壁やガラスなどは存在しない{{sfn|吉成|2016-04}}。おしゃべりや幼児の泣き声などもある程度容認しており、それらに対するクレームは想定より少ないという<ref name=nikkei20151024>「本の森でゆったり 若者・子連れに盛況、岐阜の図書館」日本経済新聞, 2015年10月24日</ref>。来場者のうち6割は女性である<ref name=gifu20150913/>。 |
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[[File:Gufu Media Cosmos YA room ac.jpg|thumb|left|ヤングアダルト専用の「談話のへや」]] |
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書架ごとに司書手作りの紹介POPが掲示されており、司書の発案で「子ども司書講座」や[[柳ヶ瀬 (岐阜市)|柳ヶ瀬商店街]]との連携などが事業化されている{{sfn|吉成|2016-04}}。「子ども司書講座」は小中学生が4日間16コマで司書の仕事を体験する企画であり、レファレンス、本の分類、読み聞かせなどの技術を習得した<ref name=dayori201607/>。コミュニティ放送局の[[シティエフエムぎふ|FMわっち]]では毎月1回「小さな司書のラジオ局」がオンエアされ、企画から台本執筆から包装までのすべてを子どもが担当している<ref name=dayori201607/>。2015年10月11日には岐阜県出身の[[直木賞]]作家・[[朝井リョウ]]を招き、岐阜市内の中高生から募集した自作短編小説について語る開館記念イベントを開催した<ref name=dayori201607/>。 |
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大人は使用できない[[ヤングアダルト#文学におけるヤングアダルト|ヤングアダルト]]専用のエリアが設けられており{{sfn|吉成|2016-04}}、鍵をかけてはいけないヤングアダルトのためのグループ室がある。フロアの中央部にある展示スペースには、市民が創る「[[まちライブラリー]]」が常設化されており{{sfn|吉成|2016-04}}、図書館の利用者を間接的につなぐ試みを行っている。2016年1月30日には「まちライブラリー」を提唱した[[礒井純充]]を招いた講演会を行った<ref name=dayori201607>『岐阜市立図書館だより』岐阜市立図書館, 2016年7月号</ref>。1類の書架には「[[徹子の部屋|哲子の部屋]]」が設置されており、哲子が著名人の名言や小説に登場する名文句を紹介している。2015年12月にはNPO法人と協力して、岐阜市の歴史や文化を紹介する「おとなの夜学」を初開催した。 |
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<gallery> |
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File:Gufu Media Cosmos 1F ac (2).jpg|ギャラリーホワイエから見た開放書庫 |
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File:Gufu Media Cosmos ac (3).jpg|高さが低く設定されている書架 |
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File:Gufu Media Cosmos terrace ac (2).jpg|ひだまりテラス(2階部分) |
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File:Gufu Media Cosmos group study room ac.jpg|グループ学習室 |
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File:Gufu Media Cosmos ac (2).jpg|視聴覚コーナーとひだまりテラス |
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File:Gufu Media Cosmos terrace ac (3).jpg|ひだまりテラス |
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</gallery> |
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== 基礎情報 == |
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* 延床面積 : 15,300m<sup>2</sup>(うち図書館は9,400m<sup>2</sup>){{sfn|岐阜市立図書館|2015|p=25}} |
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* 開館時間 : 午前9時-午後9時(うち図書館は午前9時-午後8時){{sfn|岐阜市立図書館|2015|p=25}} |
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* 休館日 : 毎月最終火曜日、年末年始 |
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* アクセス : [[名鉄岐阜駅]]・[[JR東海|JR]][[岐阜駅]]から徒歩25分、または[[岐阜バス]]に乗車して約10分 |
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== 脚注 == |
== 脚注 == |
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{{Reflist}} |
{{Reflist|2}} |
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{{脚注ヘルプ}} |
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== |
== 参考文献 == |
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* {{cite journal |
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* [[岐阜市立図書館]] |
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|author= |
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|title=みんなの森 ぎふメディアコスモス : 岐阜県岐阜市 |
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|journal=近代建築 |
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|publisher=近代建築社 |
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|volume=69 |
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|issue=10 |
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|year=2015-10 |
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}} |
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* {{cite journal |
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|author= |
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|title=architectural design みんなの森 ぎふメディアコスモス |
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|journal=建築技術 |
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|issue=793 |
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|year=2016-02 |
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|ref={{sfnref|建築技術|2016-02}} |
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* {{cite journal |
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|author= |
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|title=みんなの森 ぎふメディアコスモス : 設計 伊東豊雄建築設計事務所 |
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|journal=新建築 |
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|publisher=新建築社 |
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|volume=90 |
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|issue=12 |
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|year=2015-09 |
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}} |
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* {{cite journal |
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|title=特集 都市木造の革新 |
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|journal=日経アーキテクチュア |
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|publisher=日経BP社 |
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|year=2013-04-10 |
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* {{cite journal |
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|title=みんなの森 ぎふメディアコスモス(岐阜市) 空気の流れを実感する日本家屋のような風通し |
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|journal=日経アーキテクチュア |
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|publisher=日経BP社 |
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|issue=1054 |
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|year=2015-08-25 |
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* {{cite journal |
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|author= |
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|title=土木のチカラ 市中心部で新たに生まれた「明るい森」 : みんなの森 ぎふメディアコスモス(岐阜市) |
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|journal=日経コンストラクション |
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|publisher=日経BP社 |
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|issue=626 |
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|year=2015-10-26 |
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* {{cite book |
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|author=岐阜市立図書館 |
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|title=平成27年度 図書館要覧 |
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|publisher=岐阜市立図書館 |
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|year=2015 |
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* {{cite journal |
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|last=吉成 |first=信夫 |
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|title=子どもの声は未来の声 次世代型図書館をめざして |
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|journal=図書館雑誌 |
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|publisher=日本図書館協会 |
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|volume=110 |
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|year=2016-04 |
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}} |
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== 外部リンク == |
== 外部リンク == |
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{{Commonscat|Gifu Media Cosmos}} |
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{{Commonscat|Gifu City Chuo Library|岐阜市立中央図書館}} |
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* [https://g-mediacosmos.jp/ みんなの森 ぎふメディアコスモス] |
* [https://g-mediacosmos.jp/ みんなの森 ぎふメディアコスモス] |
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* [http://g-mediacosmos.jp/lib/ 岐阜市立中央図書館] |
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* [http://g-mediacosmos.jp/center/ 市民活動交流センター] |
* [http://g-mediacosmos.jp/center/ 市民活動交流センター] |
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{{DEFAULTSORT:みんなのもりきふめていあんこすもす}} |
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{{Architecture-stub}} |
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[[Category:岐阜市の建築物]] |
[[Category:岐阜市の建築物]] |
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[[Category:岐阜 |
[[Category:岐阜市の教育]] |
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[[Category:2015年竣工の建築物]] |
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[[Category:2015年開業の施設]] |
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[[Category:伊東豊雄]] |
2016年8月9日 (火) 22:58時点における版
みんなの森 ぎふメディアコスモス 'Minna no Mori' Gifu Media Cosmos | |
---|---|
情報 | |
用途 | 公益複合施設[1] |
設計者 | 伊東豊雄建築設計事務所[1] |
構造設計者 | arup |
設備設計者 | イーエスアソシエイツ・大瀧設備事務所 |
施工 | 戸田建設・大日本土木・市川工務店・雛屋建設社JV[1] |
事業主体 | 岐阜市 |
管理運営 | 岐阜市 |
構造形式 | RC造、S造、木造[1] |
敷地面積 | 14,725.39 m² [1] |
建築面積 |
7,363.84 m² [1] ※本体棟+付属棟 |
延床面積 |
15,295.04 m² [1] ※本体棟+付属棟 |
階数 | 地下1階、地上2階[1] |
高さ | 16.09m[1] |
着工 | 2011年 |
竣工 | 2015年2月12日 |
開館開所 | 2015年7月18日 |
所在地 |
〒500-8076 岐阜県岐阜市司町40番地5 |
座標 | 北緯35度25分38.8秒 東経136度45分35.8秒 / 北緯35.427444度 東経136.759944度座標: 北緯35度25分38.8秒 東経136度45分35.8秒 / 北緯35.427444度 東経136.759944度 |
みんなの森 ぎふメディアコスモスは、岐阜県岐阜市にある複合施設である。岐阜市立中央図書館を中核施設とする。2015年7月18日開館。
メディアコスモスは図書館機能・地域交流機能を持つ複合施設・公益文化施設であり、岐阜大学医学部・附属病院跡地の市街地再開発事業として整備された。JR岐阜駅や名鉄岐阜駅から約2km北に位置し、岐阜城がそびえる金華山のふもとに位置する[2]。敷地の南側には公的機関が集積しており、老朽化した公共施設の再集約や中心市街地の活性化などを図る「つかさのまち夢プロジェクト」の第1期整備に含まれる[3][4]。
歴史
背景
1958年(昭和33年)に開館した岐阜市立図書館本館は開館から50年以上が経過しており[5]、エレベーターがないなどバリアフリーに対応していなかった[6]。閲覧席は少なく、建物の老朽化が深刻だった[7]。図書館の専用駐車場はなく、午前10時から午後6時という開館時間は勤め人にとって利用しにくかった[6]。
2002年(平成14年)1月には岐阜市2館目の図書館として、JR岐阜駅東高架下のハートフルスクエアーGに加納分館が開館。2002年度の蔵書数は約16万冊の本館に対して加納分館は約7万冊だったが、貸出冊数は本館の約16万冊に対して加納分館は約50万冊、利用者数は本館の約5万人に対して加納分館は約18万人と、新しくて立地のよい加納分館は新たな利用者層を掘り起こした。一方で2002年度の本館の貸出冊数は、蔵書数約5万冊の長森図書室をも下回った。
2014年時点の岐阜市立図書館本館の蔵書数約20万冊は岐阜県立図書館の約1/5であり、ひとつの分館といくつかの図書室があるものの、借りた館でしか図書の返却ができなかった[6]。1995年以前から書庫不足の状態が続いており、1年間に8,000冊を購入しても7,000冊を廃棄せざるをえない状況だった[5]。全国にある人口20万以上の133自治体の中で、本館の延床面積は122位、蔵書数は123位と、いずれも下位に低迷していた(2011年度)[8]。
開館前
メディアコスモスは「つかさのまち夢プロジェクト」の一環として計画された[9]。このプロジェクトの第1期では岐阜大学医学部跡地にメディアコスモスを建設し、第2期にはメディアコスモス南側(2016年時点では暫定的に駐車場)に岐阜市役所新庁舎を建設し、第3期には現行の岐阜市役所本庁舎跡に市民文化ホールを建設する[9]。財源には国からの補助金、蓄えてきた基金、有利な起債を最大限に利用[7]。
2005年度に基本構想を策定し、2010年度に基本計画を策定・設計者を選出した[10]。設計プロポーザルには全国から70人が応募、まずは選考委員会が3者に絞り、2011年(平成23年)2月6日の公開プレゼンテーションで伊東豊雄建築設計事務所が設計者に選出された[11]。伊東は仙台市民図書館を内包するせんだいメディアテークや多摩美術大学八王子図書館の設計者でもあり、2013年(平成25年)にはプリツカー賞を受賞した。2012年度時点では総工費を100億円と見込んでおり、国からの補助金などを活用して岐阜市の負担は約30億円となる予定だった[8]。
岐阜市は2013年度末の工事完成、2014年(平成26年)秋の開館を目指していたが、耐火構造などの点が問題視されて国土交通省からの認定取得が遅れて着工がずれ込み、開館予定時期が2015年(平成27年)春に延期された[12]。木造でうねりのある屋根など特殊な構造で施工例がないため、2013年2月には本体工事の一般競争入札に参加申込をしていた共同事業体すべてが辞退して入札が成立せず、開館予定時期が再び遅れて2015年夏以降となった[13]。
メディアコスモス関連の議案は2013年6月の岐阜市議会で賛成多数によって可決されたが、日本共産党議員などからは巨額の予算をかけることに疑問の声が上がっている[14]。2度目の入札では2013年5月30日に戸田建設・大日本土木・市川工務店・雛屋建設社共同事業体の落札が決定し[15]、2013年7月に施工を開始した[16]。
2014年2月の岐阜市長選挙では現職の細江茂光以外の2候補が「(メディアコスモス関連事業の)検証が必要」と訴えた[14]。メディアコスモスの整備に多額の費用を投じるため、岐阜市の2014年度一般会計予算案は過去最高の約1,583億円となった[17]。格子状の屋根の組み立ては2014年6月末から9月末まで約100日間を要しており、約8,500人工が参加している[18]。2015年2月12日に竣工し[10]、その後内装工事が行われて書籍が運び込まれた。
2011年度には施設名称の公募を行い、1,386点の応募作品の中から「メディアコスモス」に決定、岐阜市によって「みんなの森」が加えられた。館長も公募が行われ、2015年4月には吉成信夫が館長に就任した[19]。吉成はこの時まで岩手県のNPO法人「岩手子ども環境研究所」(森と風のがっこう)で理事長を務めており、2003年から7年間は岩手県立児童館 いわて子どもの森の館長を務めている[19]。2015年3月29日には岐阜市立図書館本館が閉館した[5]。
開館後
開館日の2015年7月18日は悪天候だったが、約300人が開館時間を待って行列を作り[20]、初日には家族連れなど約7,700人の来館者でにぎわった[21]。晴天となった20日は約300台の駐車場がほぼ満車となり、岐阜市外から訪れる人も多かった[22]。18日から20日の3連休中には約25,000人が訪れており[22]、開館から20日間で計10万人を超える来館者があった[23]。
開館から1か月時点で、新図書館の1日あたり貸出冊数は4,400冊だった。旧館時代の2014年度は1日あたり580冊であり、新館の貸出冊数は旧館の7.5倍に上っている[24]。図書館以外のホールなどを含めた施設全体の入場者は約167,000人であり、1日平均は5,300人に達した[24]。開館から1か月半の新規登録者数は1万人を越えた[9]。40歳以下の貸出者率は59.6%であり、2014年度の29.7%から倍増している[9]。開館3か月の貸出冊数は旧館の約7.4倍に[25]。40歳以下が60.7%で旧館の2倍以上に[25]。新規登録者数は約16,500人であり、うち4割は22歳以下[25]。開館からの3か月間に日本各地の教育委員会など60を超す団体が視察や見学で訪れた[25]。10月16日までの約3か月間の図書館の入館者数は延380,776人で、1日平均4,327人だった[25]。
岐阜市は1979年から中国・杭州市と友好都市協定を結んでおり、2015年8月8日には岐阜市立中央図書館が杭州図書館と友好協力協定を結んだ[23]。職員の相互交流、書籍の交換、交流活動などを行うという[23]。杭州図書館は約430万冊の蔵書を持つ[23]中国有数の図書館である。2015年から岐阜市美術展の会場はメディアコスモスに移転している[26]。
岐阜市は2014年12月からカフェレストランの出店者を募集していたが、出店を検討していた3社はスペースの狭さなどの理由でいずれも辞退[27][28]。2015年7月に施設が開館してもカフェレストラン用のスペースは空いたままとなっていた[29]。岐阜市は2015年3月に出店者を再公募し、9月29日にコーヒーチェーン店のスターバックスと基本協定を締結[27]。契約期間は3年間で2019年3月末までの3年間であり、スタバは岐阜県8店目、岐阜市4店目の出店である[27]。公立図書館としてはカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が運営している武雄市図書館と海老名市立図書館にスタバが出店しているが、直営店としては岐阜市立中央図書館が初出店である[28]。2016年2月24日に開館したスタバは建物との一体感を重視し、テーブルや天井に飛騨杉を使用している[30]。
2015年末には岐阜市民が選んだ「2015年の岐阜市政十大ニュース」第1位に「みんなの森 ぎふメディアコスモスの開館」が選ばれた[31]。2016年1月には原研哉が担当したピクトグラムなどのサインが日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)によるJAGDA賞 環境・空間部門に選ばれた[32]。2016年5月9日には年間目標に設定していた入場者数100万人を達成した[33]。2016年には照明学会による照明デザイン賞 最優秀賞を受賞した[34]。優秀賞にはザ・リッツ・カールトン京都やロームシアター京都などが選ばれているが、最優秀賞のメディアコスモスは他を引き離す高得点だったという[34]。
2015年3月には屋根の施工不良が原因の雨漏りがあり、2015年4月から2016年5月には屋根内部の結露による計19回の漏水があった[35]。2016年7月9日から8月21日には開館一周年記念事業が開催された[36][37][38]。開館からの1年間の来館者数は120万人を突破している[39]。2016年秋には、長良橋通りの若宮町交差点=金宝町交差点間の約800mをトランジットモールとする社会実験を行う予定である[40]。歩行者天国でフリーマーケットなどを開催し、メディアコスモスと柳ヶ瀬商店街の回遊性が高まるかどうか調査する[40]。
建築
建物
構造はRC造・S造・木造の混構造であり、2階の床面まではRC造、2階の鉄骨マリオン柱と外周のT型柱で木造屋根を支持している[41]。壁面は鉄筋コンクリート耐震壁と鋼板耐震壁を併用している[41]。建築面積は7,363.84m2、延床面積は15,295.04m2[1]。建物は東西90m・南北80m、地下1階・地上2階建であり、高さは16.09mである[1]。ワンフロアが80m×90mという広さにもかかわらず、2階は壁のないワンルームとなっている[2]。近くに長良川があって地下水が豊富なため、伏流水を使用した輻射冷暖房を採用している[39]。メディアコスモスは地下水・太陽光・太陽熱をエネルギー源として利用しており[42]、1990年の同規模建物に比べて消費エネルギーを半分に抑えている[43]。
屋根・天井
金華山から続く山並みを想起させる、波打つような木造屋根が特徴[44][45]。屋根の大きさは南北約80m・東西約90mであり、幅12cm、長さ12m、厚さ2cmの細長いヒノキ板を正三角形に見えるように組んで造っている[46]。屋根にはマウンドと呼ばれる13か所の突起部があり、マウンドの高さは最大4m[46]。
マウンドの影響で屋根は緩やかにうねっており、これほど大きな規模でうねった屋根を木材で造るのは世界初である[46]。うねりの関係で板と板の交点は直線状に並ばず微妙に曲がるため、現場で実物大模型を作成して課題を解決し、23,000か所の座標をはじき出して施工を進めた[46]。全国から160人の造作大工が参加しており、建設途中には建築関係者の視察が相次いだ[46]。ヒノキ板は岐阜県産の銘木「東濃ひのき」である[47][48]。1階の天井はヒノキ集成材のルーバー天井としており、ダクトや配管を見せる構造としている[49]。
内装
2階のヒノキ板による天井からは、直径8mから直径14mまで4種類の大きさの布製天蓋がつり下がっている。グローブ(傘)と呼ばれるこの半透明の天蓋は、中央部に設けられた可動式の換気口で自然換気を行っている[43][47]。グローブにはすべて異なる透かし模様が施されており[50]、表面パターンは日本デザインセンターと安東陽子デザインが共同で検討している[51]。天蓋をベルマウス形状にすることで換気量を倍増させており[47]、秋季の気候条件の良い日はほぼ自然換気のみの空調となる[52]。この天蓋は採光の役目も有しており、半透明の天蓋が光を透過・反射・拡散させることで[53]、自然光を取り入れた明るい空間を演出している[44]。
メディアコスモスは準防火地域にあり、延床面積は1,500m2を超えるため、建築基準法において耐火建築物とすることが求められた。グローブは難燃性のポリエステル素材でできており、グローブ本体に着炎したとしても自己消化能力を持つ[54]。書架はグローブを中心に弧を描いて配置されており、その背板と床板は延焼防止効果を持つプレキャストコンクリート造である[55]。すべての書架はグループ化されており、たとえ書籍が燃えても他のグループの書架には燃え移らない仕組みとなっている[56]。1階には防炎加工したカーテンが引かれており、2階のブラインドには不燃加工した和紙が用いられている[54]。藤江和子アトリエが家具デザインを担当した[50]。
屋外空間
石川幹子がランドスケープデザインを担当。敷地内には金華橋通りに沿って、幅30m・長さ240mの遊歩道「せせらぎの並木 テニテオ」が設けられている[57]。施設の前庭となる部分には「みんなの広場 カオカオ」が設けられている[57]。これらの遊歩道と広場を合わせると約1.3ヘクタールとなり、開放感あふれる空間を創出している[57]。6列の並木が遊歩道を構成しており、内側の4列にはカツラが、金華橋通り側の1列にはシラカシやヤマモモなどの常緑樹が、施設側にはシデコブシやヒトツバタゴなどの落葉樹が用いられている[57]。金華橋通りから1列目と2列目の間には小川が設けられ、2列目と3列目の間には小径が設けられている[57]。
遊歩道中央部には幅員8mの歩道が設けられており、朝市などのイベント開催を想定した幅員となっている[58]。遊歩道の一部は施設開業前の2013年12月に先行オープンしており、2014年12月にはイルミネーションが行われた[58]。幅45mの広場の面積は2,470m2であり、2か所にドライミスト発生装置が設置されている[59]。敷地の北側は住宅地に近いため、四季によって変化が生じる樹木が植えられている[59]。
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館内に設置されているフロアマップ
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1階のルーバー天井
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グローブ内部と最上部の開口部分
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グローブと木製天井
特色
施設全体の特色
2階 | 岐阜市立中央図書館 |
1階 | 市民活動交流センター・多文化交流プラザ、展示ギャラリー、開放書庫、ローソン、スターバックス |
屋外 | 遊歩道、みんなの広場 |
メディアコスモスは岐阜市立中央図書館を中核施設とし、市民活動交流センターや多目的ホールなどを備える[45]。施設全体の総事業費は125億円[60]。開館初年度の目標入場者数は年間100万人[61]。岐阜県出身の物理学者・益川敏英が名誉館長に就任している[61]。
人員は岐阜市立図書館本館時代の20人から71人に増えており、人件費だけで年間2億9000万円と旧館より2億円増加した[62]。維持管理費約3億円、イベント事業費約1億円などをふくめて、メディアコスモスの運営には年間最低7億円を必要とする[62]。
開館1か月半時点では68%が自家用車で来場しており、バス利用者は5%にすぎなかったため、渋滞の解消や公共交通機関の利用促進などが課題とされている[9]。1階にはコンビニエンスストアのローソンとコーヒーチェーン店のスターバックスが進出している。
2014年6月には経済産業省が主導するよろず支援拠点(地域経済課題支援機関)が岐阜県でも開始されたが、2015年7月には拠点をメディアコスモス内に移した[63]。相談時に司書が同席するなど図書館ならではの対応を行っており、主婦や若者が起業相談に訪れるなど、よろず支援拠点の利用者層には変化がみられるという[63]。
市民活動スペースの特色
1階はホールやギャラリーなどを備えた市民の活動や交流の場であり、2階が岐阜市立中央図書館[42]、施設外は遊歩道が整備された広場となっている[9]。1階の中央部には60万冊を収容できるガラス張りの書庫があり、その周囲に職員のためのスペースが設けられている[64]。展示ギャラリー、多目的ホール、市民活動交流センターなど、市民活動のためのスペースは通路を挟んだ外周にある[64]。
1階の「ドキドキテラス」は床面が周囲よりも一段低くなっており、岐阜市出身の日比野克彦や伊東豊雄建築設計事務所などによる市民向けワークショップでギャラリーなどの用途が検討された[64]。1階にある「みんなのホール」は最大230席であり、音楽コンサート・芝居・落語・講演会などを開催している[48]。1階のギャラリーでは絵画や美術品の展示会が開かれている。市民活動を支援する交流センター、国際交流や多文化共生を進める交流プラザなどもあり、有料貸出のスタジオ4室はセミナー・シンポジウム・ダンス器楽演奏・会合などに使用されている[48]。
図書館の特色
岐阜市立中央図書館の延床面積は旧館の2,000 m2から9,400 m2と4.7倍になり、蔵書可能冊数は旧館の20万冊から90万冊と4.5倍になっている[10]。座席数は旧館の130席から910席と7.0倍になった[10]。専門書が多い岐阜県立図書館に対して、岐阜市立中央図書館は一般向け本を増やすことで差別化を図っている[6]。開館時間を旧館時代から前後に延長している上に、分館や図書室とのネットワーク化を行い、いずれの館でも返却可能となっている[6]。メディアコスモスの定期休館日は毎月最終火曜日のみであり、岐阜県立図書館(毎週月曜日)とずらされている[6]。
メディアコスモス2階は30万冊を収容できる開架閲覧エリアであり、1階中央の図書館部分には60万冊を収容できる開放書庫がある。ワンフロアからなる2階は11のエリアに分かれ、子どもたちが調べものをしながら学習できる「チャイルドグローブ」、親子で絵本の読み聞かせなどができる「親子グローブ」、貴重な郷土資料などが閲覧できる「リサーチグローブ」などがある[9]。畳コーナーなどもあり、くつろぎながら読書ができるなど、従来の図書館のイメージを覆している[9]。
岐阜市立中央図書館の開館時点の蔵書数は約30万冊であり、最終的には90万冊を想定している[61]。書架はグローブを中心として渦巻き状に配置されており[44]、広さや開放感を出すために高さが低くされている[48]。児童エリアの書架の高さはわずか120cmである[65]。910席の座席があり[42][44]、読書や学習に適した中学・高校生の専用スペース、新聞コーナー、貸出前の本を携えて金華山を眺望できる金華山テラス、視覚障害者を対象に資料の朗読サービスをする「対面読書のへや」、PCの持ち込みができ調べものや研究に使う「研究のへや」、2-6人のグループ学習用の「みんなで学ぶへや」、こどもたちが読み聞かせに集中できる独立型の「おはなしのへや」、視聴覚資料を鑑賞できる「みる・きくシート」などがある[48]。
岐阜市立中央図書館は「滞在型図書館」をキーワードとし、乳幼児、小学生の子どもがいる20代・30代の親、中高生、青年の利用者層の開拓に努めている[66]。児童書エリアと他のエリアを隔てる壁やガラスなどは存在しない[66]。おしゃべりや幼児の泣き声などもある程度容認しており、それらに対するクレームは想定より少ないという[67]。来場者のうち6割は女性である[9]。
書架ごとに司書手作りの紹介POPが掲示されており、司書の発案で「子ども司書講座」や柳ヶ瀬商店街との連携などが事業化されている[66]。「子ども司書講座」は小中学生が4日間16コマで司書の仕事を体験する企画であり、レファレンス、本の分類、読み聞かせなどの技術を習得した[68]。コミュニティ放送局のFMわっちでは毎月1回「小さな司書のラジオ局」がオンエアされ、企画から台本執筆から包装までのすべてを子どもが担当している[68]。2015年10月11日には岐阜県出身の直木賞作家・朝井リョウを招き、岐阜市内の中高生から募集した自作短編小説について語る開館記念イベントを開催した[68]。
大人は使用できないヤングアダルト専用のエリアが設けられており[66]、鍵をかけてはいけないヤングアダルトのためのグループ室がある。フロアの中央部にある展示スペースには、市民が創る「まちライブラリー」が常設化されており[66]、図書館の利用者を間接的につなぐ試みを行っている。2016年1月30日には「まちライブラリー」を提唱した礒井純充を招いた講演会を行った[68]。1類の書架には「哲子の部屋」が設置されており、哲子が著名人の名言や小説に登場する名文句を紹介している。2015年12月にはNPO法人と協力して、岐阜市の歴史や文化を紹介する「おとなの夜学」を初開催した。
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ギャラリーホワイエから見た開放書庫
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高さが低く設定されている書架
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ひだまりテラス(2階部分)
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グループ学習室
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視聴覚コーナーとひだまりテラス
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ひだまりテラス
基礎情報
- 延床面積 : 15,300m2(うち図書館は9,400m2)[10]
- 開館時間 : 午前9時-午後9時(うち図書館は午前9時-午後8時)[10]
- 休館日 : 毎月最終火曜日、年末年始
- アクセス : 名鉄岐阜駅・JR岐阜駅から徒歩25分、または岐阜バスに乗車して約10分
脚注
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