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「ハンガリー語」の版間の差分

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'''ハンガリー語'''(ハンガリーご)は、主に[[ハンガリー]]で話されている言語。現在ハンガリーのみで[[公用語]]となっている。ハンガリーでは住民の98%がハンガリー語を話し[[国語]]化している。は'''マジャル語'''('''Magyar nyelv''')と言いその転訛から'''マジャール語'''呼ばれることも多い
'''ハンガリー語'''(ハンガリーご、''magyar'',''magyar nyelv'')は、主に[[ハンガリー]]で話されている言語。現在ハンガリーのみで[[公用語]]となっている。ハンガリーでは住民の98%がハンガリー語を話し[[国語]]化している。原語名からマジャル語、もしくはマジャール語と言うこともある


ハンガリーを中心とした周辺の国々([[スロバキア]]、[[ルーマニア]]、[[セルビア]]、[[オーストリア]]、[[スロベニア]]北東部など)にも使用者がおり、話者人口はおよそ1450万人で、うちハンガリーに住む人々は1000万人ほどである。[[アメリカ合衆国|米国]]などのハンガリー系移民共同体の内部でも話される。
ハンガリーを中心とした周辺の国々([[スロバキア]]、[[ルーマニア]]、[[セルビア]]、[[オーストリア]]、[[スロベニア]]北東部など)にも使用者がおり、話者人口はおよそ1450万人で、うちハンガリーに住む人々は1000万人ほどである。[[アメリカ合衆国|米国]]などのハンガリー系移民共同体の内部でも話される。
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*a [<span style="font-family:lucida sans unicode">&#594;</span>]: 円唇。英語(イギリス音)の o の短音とほぼ同じ。長音は非円唇。
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*á [a:]aの長音
*á [a:]aの長音
*ë [e]: 狭いエ。通常は e (広いエ)と区別されないが、語源的・文法的に区別される。
<!--*ë [e]: 狭いエ。通常は e (広いエ)と区別されないが、語源的・文法的に区別される。-->
*e [ε]広めのエ
*e [ε]広めのエ
*é [e:]eの長音
*é [e:]eの長音

2006年3月23日 (木) 05:47時点における版

ハンガリー語
Magyar nyelv
話される国 ハンガリーとその他10カ国
地域 --
話者数 1400万5000人
話者数の順位 66
言語系統
公的地位
公用語 ハンガリースロヴェニアヴォイヴォディナ
統制機関 Magyar Tudományos Akadémia Nyelvtudományi Intézete
言語コード
ISO 639-1 hu
ISO 639-2 hun
ISO 639-3
SIL HNG
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ハンガリー語(ハンガリーご、magyar,magyar nyelv)は、主にハンガリーで話されている言語。現在ハンガリーのみで公用語となっている。ハンガリーでは住民の98%がハンガリー語を話し国語化している。原語名称からマジャル語、もしくはマジャール語と言うこともある。

ハンガリーを中心とした周辺の国々(スロバキアルーマニアセルビアオーストリアスロベニア北東部など)にも使用者がおり、話者人口はおよそ1450万人で、うちハンガリーに住む人々は1000万人ほどである。米国などのハンガリー系移民共同体の内部でも話される。

ウラル語族フィン・ウゴル語派に分類され、フィンランド語エストニア語と同系統の言語であるが、意思の疎通がまったくできない程度の隔たりがある。ヨーロッパで話される諸言語の多くが属するインド・ヨーロッパ語族とは系統が異なるため、日本ではしばしば「アジア系の言語」と呼ばれるが、これはウラル山脈以西とされるウラル語の故地からみても明らかに誤りである。ウラル語族はいわゆる「アルタイ諸語」とは系統関係が実証されてはいない。

文字表記と発音

文字は、ラテン文字を表記方法として採用しており、母音書記素として表記するのにいくつかの区分符号を使用している。

ハンガリー語の母音図(国際音声記号による)

母音

  • a [ɒ]: 円唇。英語(イギリス音)の o の短音とほぼ同じ。長音は非円唇。
  • á [a:]aの長音
  • e [ε]広めのエ
  • é [e:]eの長音
  • i [i]
  • í [i:]iの長音
  • o [o]
  • ó [o:]oの長音
  • ö [ø]
  • ő [ø:]öの長音
  • u [u]
  • ú [u:]uの長音
  • ü [y]
  • ű [y:]üの長音

子音

  • c, dz: ツァ行、ヅァ行の子音。
  • cs[], dzs[]: チャ行、ヂャ行の子音。
  • j, ly: ヤ行。
  • ny: ニャ行。スペイン語の ñ, フランス語、イタリア語の gn.
  • s[ɕ], zs[ʑ]: シャ行、ジャ行。s は漢語ピンインの x に近い。
  • ty[c], gy[ɟ]: チャ行、ヂャ行に似るが、キャ、ギャに近くなる。

一部の動詞の語幹末の子音は、命令形に現れる j によって別の長い子音に変化する。

  • d / gy + j→ ggy
  • t / ty + j→ tty
  • n / ny + j→ nny
  • l / ly + j→ lly (=jj)

文法

ハンガリー語は、形態的には膠着語に分類され、母音調和の原則を持つ点で、同じウラル語族フィンランド語や、アルタイ諸語と呼ばれるトルコ語モンゴル語などと共通する特徴を持つ。

膠着語であるハンガリー語における名詞の格変化は、名詞に20種類近くある格を示す接尾辞(格語尾)を膠着させて(語尾にくっつけて)示す。

また、所有接尾辞を名詞の語尾に膠着させてその名詞の所有者を示す。例を挙げると、

  • ház (家)
  • ház-am (私の-家)
  • ház-ad (あなたの-家)
  • ház-a (彼、彼女の-家)
  • ház-unk (私たちの-家)
  • ház-atok (あなた方の-家)
  • ház-uk (彼ら、彼女らの-家)

のようになる。

動詞の活用は定活用(客体変化)と不定活用(主体変化)のニ種類がある。目的語をとり、その目的語が単数の三人称であり、かつ定義済みのものであれば、動詞は定活用を行い、それ以外ならば不定活用を行う。

 短母音長母音
後母音/a/
/o/
/u/
/á/
/ó/
/ú/
前母音/e/
/i/
/ö/
/ü/
/é/
/í/
/ő/
/ű/

ハンガリー語の母音は、調音(発音)するときの舌の位置によって前母音(i, e, ö, ü)と後母音(a, u, o)の二種類に分類され、またそれぞれの母音に音価が短、長の二種類があって、区分符号(´ ˝)を付けて区分する。また、前母音のうちö, üを特に円唇母音と言う。

膠着語であるハンガリー語の母音調和は、ある語(名詞や動詞の語幹など)の末尾に、付属語(格語尾や所有接尾辞などの名詞接尾辞や、動詞の活用語尾)を膠着する際に、接尾される語の母音によって接尾辞の母音が影響を受けるという形であらわれる。このため、ハンガリー語の接尾辞には、数種類の異なった形が存在する。

例えば、方向格(~の上へ)を示す格語尾は、

  • -re (前舌母音を持つ語に付属)
  • -ra (後舌母音を持つ語に付属)

の二種類の形がある。

外来語や複合語(例えば、Buda と Pest からなる複合語 Budapest(ブダペシュト))など、前母音と後母音の両方を持った語に付属語が膠着する場合は、その語の最後の音節にある母音に調和する。Budapest の場合は、前母音の'e'が最後の母音であるから、必ず前母音の接尾辞が膠着し、Visegrád(ヴィシェグラード)の場合は、後母音の'á'が最後の母音であるから、必ず後母音の接尾辞が膠着する。

つまり、地名のブダペシュトブダペシュトヴィシェグラードにそれぞれ日本語の「~へ」にあたる付属語をつける場合、

  • Pestre < Pest-re
  • Budára < Budá-ra
  • Budapestre < Budapest-re
  • Visegrádra < Visegrád-ra

と母音調和を行うことになる。

語彙

系統と比較言語学、類型論

系統図はウラル語族を参照せよ。

語誌

研究史

関連項目

外部リンク、参考資料

辞書