「スコリア丘」の版間の差分
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2012年11月13日 (火) 09:30時点における版
スコリア丘(-きゅう、英語: scoria cone[1])は、玄武岩質から安山岩質のマグマによる噴火活動により地表面にスコリア(岩滓。マグマが吹き上げられて飛散冷却してできる岩塊で、多孔質で黒っぽいもの)が放出され、火口の周りに積もり、小高い山を形成したものを指す。小規模な火山の一種である。「噴石丘[2]」とも言う。
概要
スコリア丘を形成する火山活動は、主に玄武岩から安山岩によるもので、そのほとんどは一度の活動によってできた単成火山であり、規模は小さい。形成される場所は、複成火山の側火山や独立単成火山群の一部である事が多いが、まれに単独のものもある。また、複成火山の山頂火口内に一度の噴火で形成され、その後の噴火や陥没により、非常に短期間で消滅することもある(例えば、伊豆大島の三原山の三原新山など)。
スコリア丘の形成中に大量のマグマが地下から溶岩となって噴出すると、多孔質の噴石が積み重なって空洞部分が多いスコリア丘より溶岩の密度が大きいので、スコリア丘と基盤の間から染み出るように流出する。そうすると、溶岩流は上に乗っているスコリア丘を破壊しながら流下する。これによりスコリア丘は馬蹄形(U字型)の形状となる。溶岩流の上にはスコリアの残骸がのっていて、これをスコリアラフトという。
また、形成される期間によっても形が変わってくる。短期間で形成されたスコリア丘は、溶結して鏡餅のようになったり(数時間以内に形成されたものに限る)、不規則な形をしていることが多い。長期間(数か月単位)かけて形成されたものは、活動を続ける間にスコリアが均等に飛散・堆積して不規則な形状をならしてしまうが、流動性のない岩塊が積み上がってできるため、大きくて非常に安定した斜角をしており、成層火山に見られるような裾を引かず、円錐状になる(cone という名称はこれに由来する。例えば、阿蘇山の米塚・富士山の大室山)。
脚注
関連項目
外部リンク
- 早川由紀夫. “ストロンボリ式噴火とスコリア丘”. フィールド火山学. 群馬大学教育学部. 2012年2月28日閲覧。
参考文献
- 中村一明 『火山の話』 岩波新書 1979年第3刷