「スペースオペラ」の版間の差分
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[[File:Planetstoriesclichecover.jpg|right|thumb|200px|古いパルプ雑誌によく見られたスペースオペラ的な表紙。「プラネット・ストーリーズ」1954年1月号。ただしこの時代はすでにパルプ雑誌・スペースオペラの黄金時代ではないし、このイラストはスペースオペラとは無関係のブラッドベリ作「雷のような音」(映画化名『[[サウンド・オブ・サンダー]]』)のタイトルだけ借用したイメージ・イラストである]] |
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'''スペースオペラ'''({{lang-en-short|Space opera}})は、[[サイエンス・フィクション]] (SF) の分類の一つで、'''宇宙活劇'''のことである。'''スペオペ'''と略されることもある。 |
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'''スペースオペラ'''({{lang-en-short|space opera}})は、[[サイエンス・フィクション]] (SF) のサブジャンルの一つで、主に(あるいは全体が)[[宇宙空間]]で繰り広げられる[[騎士道物語]]的な'''宇宙活劇'''のことで、しばしば[[メロドラマ]]的要素が入っている。基本的な定型は、逞しい[[ヒーロー]]が[[超光速航法|超光速]]の[[宇宙船]]に乗り[[光線銃]]を撃ちまくって[[ベム]]・[[異星人]]・[[マッドサイエンティスト]]などを退治し、[[Damsel in distress|囚われの美女]]を救出するというものである。'''スペオペ'''と略されることもある。 |
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== 変化する定義 == |
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{{仮リンク|デビッド・ゲデス・ハートウェル|en|David G. Hartwell}}と{{仮リンク|キャスリン・クラマー|en|Kathryn Cramer}}は2006年のスペースオペラのアンソロジーで「(何がスペースオペラなのかという)一般的合意は存在せず、最善の例となる作家群も定まっておらず、どの作品がスペースオペラと呼ぶにふさわしいかも定まっていない」と記している<ref name=renaissance>{{Harvnb|Hartwell|Cramer|2006|pp=10-18|loc=Introduction}}</ref>。彼らはさらに、スペースオペラにはその歴史を通じていくつかの鍵となる異なった定義、文学界の駆け引きに大きく影響された定義がなされてきたことを指摘した<ref name=renaissance/>。彼らは「かつて[[サイエンス・ファンタジー]]と呼ばれていたものが今はスペースオペラと呼ばれ、かつてのスペースオペラは忘れ去られている」と主張している<ref name=renaissance/>。 |
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「スペースオペラ」という呼び名は、[[1920年代|1920]] - [[1930年代]]に[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の[[パルプ・マガジン]](日本の[[漫画雑誌]]に相当)に掲載された娯楽性の強い活劇SFの総称として、すでに存在した[[ソープオペラ]]・[[ホースオペラ]]から付けられた。 |
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「スペースオペラ」という用語自体は1941年、当時ファンライターだった[[ウィルスン・タッカー]]が作ったもので、[[同人誌|ファンジン]]の記事で蔑称として使ったのが最初である<ref>{{Harvnb|Tucker|1941|p=8}}</ref>。当時、アメリカでは連続ラジオドラマが人気となっており、石鹸製造業者がスポンサーということが多かったことから[[ソープオペラ]]と呼ばれていた。タッカーはSF界におけるソープオペラとしてスペースオペラを定義した。すなわち「切り刻まれ、すりつぶされ、悪臭を放つ、時代遅れの宇宙船の作り話」("hacky, grinding, stinking, outworn, spaceship yarn")だとした<ref>{{Harvnb|Langford|2005|pp=167-168}}</ref>。また、それ以前から[[西部劇]]を意味する用語として[[ホースオペラ]]という言葉があるので、舞台を西部から[[宇宙空間]]や異星の惑星に移して[[ガンマン]]・馬・[[拳銃]]・[[山賊]]などホースオペラの題材を、宇宙兵士・宇宙船・光線銃・宇宙海賊といったSF風のガジェットに置き換えたものだ、というような「スペースオペラ」という語の解釈もある。 |
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スペースオペラの基本的な定型は、逞しい[[ヒーロー]]が[[超光速航法|超光速]]の[[宇宙船]]に乗り[[光線銃]]を撃ちまくって[[ベム]]・[[異星人]]・[[マッドサイエンティスト]]などを退治し、囚われの美女を救出するという粗筋である。[[ガンマン]]・馬・[[拳銃]]・[[山賊]]などホースオペラの題材をSF風の[[ガジェット]]に置き換えている。[[宇宙海賊]]がしばしば登場することから『[[海洋冒険小説]]』を宇宙に映したものであるという見方もある。 |
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1960年代からスペースオペラの新たな定義が生まれ、1970年代にはそれが広く定着した。それは[[ブライアン・オールディス]]がアンソロジー『 {{仮リンク|Space Opera|en|Space Opera (1974 anthology)}}』 (1974) で定義したもので、(ハートウェルとクラマーの意訳によれば)「古き良き時代のSF」という定義である<ref name=renaissance/>。この再定義にはすぐさま異論が出てきた。例えば、[[デル・レイ・ブックス]]を経営していた編集者の[[ジュディ・リン・デル・レイ]]が異論を唱え、夫で同僚の[[レスター・デル・レイ]]もレビューなどで反論した<ref name=renaissance/>。彼らの反論はスペースオペラは時代遅れではないということで、デル・レイ・ブックスは[[リイ・ブラケット]]の初期作品をスペースオペラと銘打って再版していた<ref name=renaissance/>。 |
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最初期の作品として、火星を舞台にしたSF冒険小説『[[火星シリーズ]]』([[エドガー・ライス・バローズ|エドガー・ライス・バロウズ]]作)があり、この作品は後のスペースオペラと[[ヒロイック・ファンタジー]]に大きな影響を与えた<ref>バローズが生きている頃には数百人の模倣者がいて、その模倣者の中でも有力な者にはさらに数百人の模倣者がいたという伝説があるほどである。参考:リチャード・A.ルポフ『バルスーム』厚木淳訳、東京創元社、1982年</ref>。このため初期のスペースオペラ作品はヒロイック・ファンタジーと未分化であった。 |
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1980年代初めには、スペースオペラは「宇宙を舞台とした冒険活劇」と再定義され、『[[スター・ウォーズシリーズ]]』などの有名な[[大衆文化]]作品がスペースオペラと呼ばれるようになった<ref name=renaissance/>。スペースオペラがSFのまともなジャンルとして認識されはじめたのは、1990年代初め以降のことである<ref name=renaissance/>。ハートウェルとクラマーはスペースオペラを「カラフルで劇的で壮大なSF冒険活劇であり、適切で時に美しい文体であり、優しく勇ましい主人公とアクションが中心で、比較的遠い未来と宇宙や異世界を舞台とし、独特な楽観的トーンで描かれる。戦争、海賊行為、軍隊、極めて壮大なアクションなどを扱うことが多い。」と定義している<ref name=renaissance/>。 |
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SFの一ジャンルであるが、[[科学]]に対する態度は[[ハードSF]]とは対極的である。例えば[[相対性理論]]を無視して[[光速]]の壁を破る<ref>[[E・E・スミス]]『[[宇宙のスカイラーク]]』に以下のような登場人物たちの遣り取りがある。 |
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:「三億五千マイルだ。太陽系からちょうど半分でかかっている。ということは毎秒一光速の加速度ということだ」 |
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:「そんな速度で走れるはずはないよ、マート。[[E=mc²]]だよ」 |
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:「アインシュタインの理論はしょせん理論にすぎんのだよ、ディック。この距離は観察された事実じゃないか」</ref> |
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など荒い内容が見受けられ、半裸の美女や異形の怪物が表紙を飾っていたことなどから高い評価は与えられず、「スペースオペラ」という呼称には蔑称の意味合いもあった。 |
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== 歴史 == |
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とはいえ、アメリカでは全盛期に専門誌が何誌も出版される程の人気を誇ったが、『ハードSF』の台頭によりSFの主流からは退くこととなる。だが、現在のSFシーンを形成した底流の1つとしてその命脈を現在でも保っており、新しい作品が作られていることも事実である。 |
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[[File:FamousFunniesNo211.jpg|thumb]]ジャンル名よりも先行して存在していた初期作品は、スペースオペラとされるにふさわしい多くの要素を含んでいた。それらを後にプロト・スペースオペラと称するようになった<ref name=Dozois>{{Harvnb|Dozois|Strahan|2007|p=2|loc=Introduction}}</ref>。あまり知られていないが、最初期のプロト・スペースオペラは19世紀中ごろの何人かのフランス人作家が書いている。例えば、[[:en:C. I. Defontenay|C・I・ドフォントネー]] の『カシオペアのψ』(1854) や[[カミーユ・フラマリオン]]の ''Lumen'' (1872) がある。人気を呼んだとはいえないが、[[ヴィクトリア朝]]末から[[エドワード7世 (イギリス王)|エドワード朝]]にかけてもプロト・スペースオペラが時折書かれている。例えば{{仮リンク|パーシー・グレッグ|en|Percy Greg}}、[[ギャレット・P・サービス]]、[[ジョージ・グリフィス]]、ロバート・クロミーの作品がある<ref>{{Harvnb|Bleiler|Bleiler|1990|pp=147-148}}</ref>。ある評論家は{{仮リンク|ロバート・ウィリアム・コール|en|Robert William Cole}}の ''The Struggle for Empire: A Story of the Year 2236'' (1900) を最初のスペースオペラだとしている<ref>{{Harvnb|Bleiler|Bleiler|1990|p=147}}</ref>。この小説は太陽系の地球人と[[シリウス]]星系を本星とする凶暴なヒューマノイド型異星人との戦いを描いている。ただし、この小説は1880年から1914年にかけて人気となった国粋主義的フィクションのジャンル(未来戦争フィクション)から生まれたもので<ref>{{Harvnb|Clarke|1997}}</ref>、世界初のスペースオペラと呼ぶことについては異論を唱える者も多い。 |
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このような初期の例はあるが、スペースオペラが『[[アメージング・ストーリーズ]]』誌などの[[パルプ・マガジン]]に定期的に掲載されるようになるのは1920年代末のことである<ref name=renaissance/><ref name=Dozois/>。世界初のスペースオペラ映画は、デンマークの ''[[:en:Himmelskibet (film)|Himmelskibet]]'' (1918) である<ref>{{Harvnb|Hardy|1994|p=56}}</ref>。初期の宇宙冒険活劇は異星人による地球侵略や天才発明家による宇宙船の発明といった話が多いが、純粋なスペースオペラでは宇宙旅行が当然なこととして描かれ(そのため、遠い未来の話という設定である)、準備などを省略し、まっすぐに宇宙空間に行って大暴れする。その種の初期の小説としては、[[:en:Joseph Schlossel|J. Schlossel]] の ''Invaders from Outside''([[ウィアード・テイルズ]]1925年1月号)<ref>{{Harvnb|Bleiler|Bleiler|1990|loc="Schlosser, J."}}</ref>、[[レイ・カミングス]]の ''Tarrano the Conqueror'' (1925)、[[エドモンド・ハミルトン]]の ''Across Space'' (1926) と「衝突する太陽」(ウィアード・テイルズ1928年8/9月号)、J. Schlossel の ''The Second Swarm''([[アメージング・ストーリーズ]]1928年秋号)と ''The Star Stealers''(ウィアード・テイルズ1929年2月号)などがある<ref name=Dozois/>。他の作家が1929年から1930年にかけて類似の小説を書いている。 |
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日本にスペースオペラを受容させる土壌を作り上げた最大の功労者は、戦後のSF開拓期からSF作家・翻訳家として活動し海外SFコレクターでもあった[[野田昌宏]]である。『SF英雄群像』などで紹介された海外スペースオペラ作品が、日本のSFファンの間で受け入れられる作品と重なるほどの影響力を持った。 |
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しばしば真の「スペースオペラの父」とされる作家は[[E・E・スミス]]である。処女作『[[宇宙のスカイラーク]]』(『アメージング・ストーリーズ』1928年8-10月号)は、最初の偉大なスペースオペラといわれることが多い<ref name=Dozois/>。星間航法を発明した科学者の物語と、[[エドガー・ライス・バローズ]]風の[[惑星冒険もの]]あるいは[[サイエンス・ファンタジー]]とをまとめたような話である<ref name=renaissance/>。スミスの後の『[[レンズマン]]』シリーズ、[[エドモンド・ハミルトン]]の『[[キャプテン・フューチャー]]』シリーズ、また[[ジョン・W・キャンベル]]や[[ジャック・ウィリアムスン]]らの1930年代から1940年代にかけての作品は人気を呼び、他の作家もそれらを模倣した。1940年代初めには似たような作品や無節操な作品が氾濫し、一部のファンが本来の軽蔑的な意味の「スペースオペラ」という呼称を生み出すことにつながった。 |
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ただし、用語としてはスペースオペラの概念も多様化した面がある。綿密な科学考証・SF考証よりもSF活劇としての娯楽性を重んじている点は変わらないが、宇宙版ホースオペラという要素は薄くなり、たとえば『[[銀河英雄伝説]]』([[田中芳樹]]作)に代表される様な、宇宙や[[銀河系]]・[[架空の惑星一覧|架空の星系]]という舞台設定を背景とした[[政治]]・[[戦略]]・[[権謀術数]]や[[人間関係]]・[[権力]]の変遷などに重きを置いたSF史劇的作品をスペースオペラとして分類する傾向も多い。また例えば[[野尻抱介]]は『[[クレギオン]]』シリーズにおいて科学的考証を行いながらも、自らこの作品をスペースオペラと捉えているとしている<ref>あとがきにて本人が発言。野尻はその理由について、作品の主題を科学的論理の提示に留まらず人間関係にあるからだとする。</ref>。 |
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しかし、スペースオペラの中でも最良とされる例は高く評価されており、サブジャンルとしての再評価と復活につながっていく。[[ポール・アンダースン]]や[[ゴードン・R・ディクスン]]といった作家は1950年代を通して壮大なスケールの宇宙冒険活劇を書き続け、1970年代には[[M・ジョン・ハリスン]]や[[C・J・チェリイ]]といった作家が続いた。そのころには「スペースオペラ」という言葉は多くの読者にとって蔑称ではなく、単にSF冒険物語の一種を指す用語となっていた<ref name=renaissance/>。 |
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== ニュー・スペースオペラ == |
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[[1970年代]]に登場したアメリカの作家[[ラリー・ニーヴン]]の『[[ノウンスペース]]』シリーズは、質的な向上やハードSFとの融合を計り「ニュー・スペースオペラ」と呼ばれた。 |
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また、[[スーパーヒーロー]]による冒険活劇主体の[[パルプ・マガジン#キャラクター|ヒーローパルプ]]や[[アメリカン・コミックス]](いわゆるアメコミ)にも、『[[グリーンランタン]]』(1940年 -- )を筆頭とするスペースオペラの影響を受けた宇宙や未来世界を舞台にした作品が登場するようになり、一部はハミルトンら本職のスペースオペラ作家がシナリオを執筆している(キャプテン・フューチャーはSFではなくヒーローパルプだと解釈されることもある)。スペースオペラ風のアメコミは他のアメコミ作品とクロスオーバーしながらストーリーを展開し続け、やがて本来のスペースオペラ以上の、そしてアメリカSF全般以上の人気を博するようになった。 |
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[[1990年代]]以降[[イギリス]]に登場した[[ポール・J・マコーリイ]]、[[ケン・マクラウド]]、[[アレステア・レナルズ]]、[[チャールズ・ストロス]]などによるハードSF的SFアイデアと[[ガジェット]]で描かれる宇宙活劇も「ニュー・スペースオペラ」と呼ばれる。 |
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=== ニュー・スペースオペラ === |
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[[1970年代]]に登場したアメリカの作家[[ラリー・ニーヴン]]の『[[ノウンスペース]]』シリーズは、質的な向上やハードSFとの融合を計り「ニュー・スペースオペラ」あるいは「モダン・スペースオペラ」と呼ばれた。作家[[ポール・J・マコーリイ]]によれば、主にイギリスの一部の作家が1970年代にスペースオペラを再活性化させはじめたという<ref name="Mcauley"/>。ただし、イギリス以外の評論家はニュー・スペースオペラをイギリスが主導したという主張には異論を唱える傾向がある<ref name=renaissance/>。この流れでの大きな出来事としては、[[M・ジョン・ハリスン]]の ''The Centauri Device'' (1975) の出版、{{仮リンク|デイヴィッド・プリングル|en|David Pringle}}と[[コリン・グリーンランド]]が編集した{{仮リンク|インターゾーン|en|Interzone (magazine)}}誌1984年夏号<ref name="Mcauley">{{Harvnb|McAuley|2003}}</ref>、スペースオペラの伝統を受け継いでいる<ref name=renaissance/>[[スター・ウォーズ・シリーズ]]の成功などがある。この「ニュー・スペースオペラ」は[[サイバーパンク]]と同時期に発生し、その影響も受けているため、従来のスペースオペラよりも暗く、「人類の大勝利」という雛形にははまっていないし、新たな科学技術を取り入れ、従来のスペースオペラよりも人物造形に力を入れている。スペースオペラからスケールの大きさを受け継いでいるが、科学的にはより厳密である。 |
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{{複数の問題 |
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|独自研究=2009-12 |
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|雑多な内容の箇条書き=2009-12 |
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|section=1}} |
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=== 海外作品 === |
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==== 小説 ==== |
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* [[火星シリーズ]](『[[火星のプリンセス]]』他)([[エドガー・ライス・バローズ|エドガー・ライス・バロウズ]]) |
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* スカイラーク・シリーズ(『[[宇宙のスカイラーク]]』他)([[E・E・スミス]]) |
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* [[レンズマン]]・シリーズ(E・E・スミス) |
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* [[キャプテン・フューチャー]]・シリーズ([[エドモンド・ハミルトン]]) |
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* [[スターキング]]・シリーズ(エドモンド・ハミルトン) |
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<!--「ファウンデーション」は創元推理文庫での刊行時に「スペース・オペラ」と宣伝されましたが、現在ではそのジャンルに入れるのは不適と、いわれています。 |
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* [[ファウンデーションシリーズ|ファウンデーション・シリーズ]](銀河帝国興亡史)([[アイザック・アシモフ]]) |
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* [[ノースウェスト・スミス]]・シリーズ(『[[シャンブロウ]]』他)([[C・L・ムーア]]) |
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* [[ゲリー・カーライル]]・シリーズ(『惑星間の狩人』他)(アーサー・K・バーンズ) |
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* [[ニール・R・ジョーンズ#ジェイムスン教授シリーズ|ジェイムスン教授シリーズ]](『二重太陽系死の呼び声』他)([[ニール・R・ジョーンズ]]) |
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* [[宇宙英雄ペリー・ローダン|宇宙英雄ローダン・シリーズ]]([[カール・ヘルベルト・シェール|K・H・シェール]]ほか) |
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* [[ラッキー・スター]]・シリーズ(ポール・フレンチこと[[アイザック・アシモフ]]) |
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ニュー・スペースオペラは古いスペースオペラへの反発でもある。ニュー・スペースオペラを擁護する者は、人物造形、文学的水準の高さ、真実性、同時代の社会問題の倫理的探究などがテーマだと主張する。マコーリイと Levy<ref>{{Harvnb|Levy|2008|pp=132-133}}</ref> は、[[イアン・バンクス]]、[[スティーヴン・バクスター]]、[[M・ジョン・ハリスン]]、[[アレステア・レナルズ]]、[[ポール・J・マコーリイ]]<ref name="Mcauley"/>、[[ケン・マクラウド]]、[[ピーター・F・ハミルトン]]、[[ジャスティナ・ロブスン]]を主なニュー・スペースオペラ作家だとしている。 |
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==== 映像 ==== |
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* 『[[スター・ウォーズ]]』([[ジョージ・ルーカス]]監督) |
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* 『[[フィフス・エレメント]]』([[リュック・ベッソン]]監督) |
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== 日本でのスペースオペラ == |
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{{出典の明記|date=2022-01|section=1}} |
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* 『[[トラベラー (TRPG)|トラベラー]]』(マーク・W・ミラー/GDW) |
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古くは[[海野十三]]、[[星新一]]などに宇宙戦争ものの試みが見られる。日本にスペースオペラを受容させる土壌を作り上げた最大の功労者は、戦後のSF開拓期からSF作家・翻訳家として活動し海外SFコレクターでもあった<!---''大元帥''--->[[野田昌宏]]である。『SF英雄群像』などで紹介された海外スペースオペラ作品が、日本のSFファンの間で受け入れられる作品と重なるほどの影響力を持った。野田が直接スペースオペラを語った本として『愛しのワンダーランド スペース・オペラの読み方』『スペース・オペラの書き方 宇宙SF冒険大活劇への試み』がある。 |
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* 『[[HALO (ビデオゲームシリーズ)|HALO]]』 |
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* 『[[Mass Effect]]』 |
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* 『[[Homeworld]]』 |
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一方で、『[[銀河乞食軍団]]』に代表される、「野田節」とも言われる野田自身の作品の独特の世界は、後の多様化の第一歩だったとも言える。 |
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=== 国内作品 === |
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==== 小説 ==== |
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* 『[[光の塔]]』『[[我が月は緑]]』([[今日泊亜蘭]]) |
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* 『[[クラッシャージョウ]]』シリーズ([[高千穂遙]]) |
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* 『[[ダーティペア]]』シリーズ(高千穂遙) |
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* 『[[銀河乞食軍団]]』([[野田昌宏]]) |
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* 『[[銀河英雄伝説]]』([[田中芳樹]]) |
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* 『[[ARIEL]]』([[笹本祐一]]) |
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* 『[[ミニスカ宇宙海賊]]』(笹本祐一) |
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* 『[[星界の紋章]]』、『[[星界の戦旗]]』([[森岡浩之]]) |
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* 『[[それゆけ!宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ]]』([[庄司卓]]) |
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* 『[[ロスト・ユニバース]]』([[神坂一]]) |
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* 『[[かたゆでマック]]』シリーズ([[藤原征矢]]) |
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* 『[[星方遊撃隊エンジェルリンクス]]』([[伊吹秀明]]) |
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* 『[[スターシップ・オペレーターズ]]』([[水野良]]) |
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* 『[[宇宙一の無責任男]]』シリーズ([[吉岡平]]) |
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* 『[[星海大戦]]』([[元長柾木]]) |
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日本では、スペースオペラはすぐに多様化した(日本ではアメリカとは異なり、本格SFとスペースオペラが、そしてSF全般と漫画や特撮番組が峻別されたり定義争いが生じることはほとんどなかった)。まず、ビジュアル作品による人気の主導があげられる。順番に挙げると(これ以前の特撮作品にも宇宙は出てくるが)『[[スタートレック]]』の第1作が『[[宇宙大作戦]]』として日本でも放映され(1970年前後)、アニメ『[[宇宙戦艦ヤマト]]』(1974年)はブームとなった。続いて1977年に『[[スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望|スター・ウォーズ]]』、1979年の『[[機動戦士ガンダム]]』と続く。漫画では『[[宇宙海賊キャプテンハーロック]]』『[[銀河鉄道999]]』『[[クイーン・エメラルダス]]』といった[[松本零士]]の諸作品がある。 |
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==== 映像 ==== |
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* 『[[宇宙からのメッセージ]]』 |
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* 『[[宇宙からのメッセージ・銀河大戦]]』 |
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* 『[[宇宙戦艦ヤマト]]』 |
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* 『[[宇宙船サジタリウス]]』([[日本アニメーション]]、[[アンドレア・ロモリ]]) |
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*『[[カウボーイ・ビバップ]]』 |
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* 『[[キディ・グレイド]]』 |
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* 『[[キャプテンウルトラ]]』 |
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* 『[[キャプテン・フューチャー]]』 |
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* 『[[交響詩篇エウレカセブン]]』 |
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* 『[[コブラ (アニメ)#コブラ SPACE ADVENTURE|コブラ SPACE ADVENTURE]]』/『[[コブラ (アニメ)#スペースコブラ|スペースコブラ]]』 |
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* 『[[J9シリーズ]]』([[山本優]]/[[国際映画社]]) |
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* 『[[スターウルフ]]』 |
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* 『[[勇者王ガオガイガーFINAL]]』 |
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* 『[[レンズマン]]』 |
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小説に話を戻すと、その第1作は『スター・ウォーズ』に発奮し一気に書き上げられた、という[[高千穂遙]]の『[[クラッシャージョウ]]』が1977年、[[ソノラマ文庫]]に登場した。イラストが(『ガンダム』にも関与した)[[安彦良和]]ということで話題になるなど、レーベルのその後と共に後の[[ライトノベル]]に至る過程の通過点となった。同じ作者で1979年に始まる『[[ダーティペア]]』はアニメ作品が世界的に人気となり、[[アメリカン・コミックス|アメコミ]]版まで存在する。高千穂のこれらのシリーズは、後のライトノベルで多用される完全一人称視点など、新しい試みもあったが、スペースオペラとしては後の多くの作品が「拡散」していったのに対し、ある意味ストレートな作品である。 |
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==== ゲーム ==== |
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* 『[[ギャラクシーエンジェル]]』([[ブロッコリー]]) |
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* 『[[スペオペヒーローズ]]』([[ホビージャパン]]) |
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* 『[[スターフォックスシリーズ]]』([[任天堂]]) |
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* 『[[ゼノサーガシリーズ]]』([[モノリスソフト]]) |
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* 『[[ファンタシースターシリーズ]]』([[セガ]]) |
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* 『[[スターオーシャンシリーズ]]』([[トライエース]]) |
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* 『[[アルシャーク]]』([[ライトスタッフ]]) |
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* 『[[無限航路]]』([[セガ]]) |
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* 『[[Almagest -Overture-]]』(フリーソフト) |
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* 『[[スターラスター]]』([[ナムコ]]) |
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* 『[[ギャラクシアン3]]』([[ナムコ]]) |
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* 『[[スターブレード]]』([[ナムコ]]) |
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* 『[[シルフィード (ゲーム)]]』([[ゲームアーツ]]) |
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* 『[[PROJECT SYLPHEED]]』([[ゲームアーツ]]) |
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* 『[[プロジェネター]]』([[コーエー]]) |
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1980年代に入って、[[田中芳樹]]は『[[銀河英雄伝説]]』(1982年 - )を、スペースオペラ的な艦隊戦も交えながらも、宇宙や[[銀河系]]・[[:Category:架空の天体|架空の星系]]という舞台設定を背景とした政治・戦略・権謀術数や人間関係・権力の変遷などに重きを置いた重厚なSF史劇として書き上げた。これもアニメ化が「[[銀河英雄伝説 (アニメ)#配役|銀河声優伝説]]」という語を残すなど映像と縁が深い。1980年代の漫画作品には『[[マップス]]』(本編完結は1994年)などがある。また1990年代の作品であるが例えば[[野尻抱介]]の『[[クレギオン]]』シリーズは、作者がこの作品をスペースオペラと捉えているとしている<ref>あとがきにて本人が発言。野尻はその理由について、作品の主題を科学的論理の提示に留まらず人間関係にあるからだとする。</ref>が、他作品同様の科学的考証もしっかりと入っており、[[ハードSF]]作品にもなっている。といったように、本格(ないし変格?)SFとして通用するスペースオペラが誕生していった。[[テーブルトークRPG|TRPG]]の『[[トラベラー (TRPG)|トラベラー]]』が日本に紹介されたのも1980年代である。 |
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==== 漫画 ==== |
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* 『[[銀河鉄道999]]』([[松本零士]]) |
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* 『[[宇宙海賊キャプテンハーロック]]』(松本零士) |
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* 『[[クイーン・エメラルダス]]』(松本零士) |
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* 『[[コブラ (漫画)|コブラ]]』([[寺沢武一]]) |
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* 『[[超人ロック]]』([[聖悠紀]]) |
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* 『[[宇宙英雄物語]]』([[伊東岳彦]]) |
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* 『[[星方武侠アウトロースター]]』([[伊東岳彦]]) |
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* 『[[ロボとうさ吉]]』([[加藤和恵]]) |
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* 『[[マップス]]』([[長谷川裕一]]) |
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* 『[[惑星をつぐ者]]』 ([[戸田尚伸]]) |
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また、コンピュータゲームでも、[[アドベンチャーゲーム]]や[[コンピュータRPG|ロールプレイングゲーム]]といった物語性のあるゲームの他、[[シューティングゲーム]]でしばしば見られる「驚異的な機動力と火力を誇る小型戦闘機が、敵の大部隊や巨大要塞を薙ぎ倒してゆく」というモチーフはスペースオペラ的であり、作品内の世界の言語など多数の設定を付け、後に小説まで出版されている『[[ゼビウス]]』以降、「銀河暦1万??年、帝国の圧政は……」といったストーリー付けはよく見られるものとなった。また、『ゼビウス』に出てくる「シオナイト」や『[[ボスコニアン]]』といった名前に見られる『[[レンズマン]]』からの影響や『[[スターフォックスシリーズ]]』など、海外スペースオペラからの影響も見られる。 |
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== 脚注 == |
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{{reflist}} |
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1990年代のビジュアル作品では『[[機動戦艦ナデシコ]]』が、メディアミックス作品に『[[サイバーナイト]]』がある。またこの前後で挙げた小説を原作として作られたアニメ作品も多い。 |
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一方で、ライトノベルでもSFが書かれるようになったが、ブーム的なものに左右されやすい中でスペースオペラも書かれており、20世紀の作品には(「シリーズ」と特に付けているのは、タイトルとシリーズ名に全く一致のない作品)『[[宇宙一の無責任男|無責任艦長タイラー]]』(1989年 - )、『[[ロスト・ユニバース]]』(1992年 - )、『[[それゆけ!宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ]]』(1993年 - )、『星くず英雄伝』(1996年 - )、『バウンティハンター・ローズ』シリーズ(1996年 - )、『ミリー・ザ・ボンバー』シリーズ(1996年 |
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- )、『[[星方天使エンジェルリンクス|星方遊撃隊エンジェルリンクス]]』(1998年 |
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- )、『[[カウボーイビバップ]]』(1998年 - )、『[[スカーレット・ウィザード]]』(1999年 - )、などがある。1990年代には『[[スペオペヒーローズ]]』というスペースオペラの世界を遊ぶためのTRPGルールセットも生まれた。 |
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21世紀の作品では、『トラブルシューター シェリフスターズ』(2000年 - )、『[[でたまか]]』(2001年 - )、『[[スターシップ・オペレーターズ]]』(2001年 - )、『宇宙捜査艦《ギガンテス》』(2002年)、『ウェスタディアの双星』(2008年 - )、『[[ミニスカ宇宙海賊]]』(2008年 - )、『[[無限航路]]』(2009年 - )、『覇道鋼鉄テッカイオー』(2011年 - )、などがある。 |
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== 他のサブジャンルとの関係 == |
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評論家によっては、スペースオペラと[[惑星冒険もの]]を区別している<ref>[http://www.jessesword.com/sf/view/169 SF Citations for OED, "Planetary romance"]</ref>。スペースオペラには[[宇宙海賊]]がしばしば登場することから『[[海洋冒険小説]]』を宇宙に移したものであるという見方もある。どちらもエキゾチックな設定で冒険活劇が繰り広げられるが、スペースオペラは宇宙旅行が中心であり、惑星冒険ものは地球以外の惑星が舞台である。その意味では[[エドガー・ライス・バローズ]]の『[[火星シリーズ]]』や『[[金星シリーズ]]』などは惑星冒険ものの初期の例とされる。火星を舞台にしたSF冒険小説『火星シリーズ』は、後の[[ヒロイック・ファンタジー]]にも大きな影響を与えた<ref>バローズが生きている頃には数百人の模倣者がいて、その模倣者の中でも有力な者にはさらに数百人の模倣者がいたという伝説があるほどである。参考:リチャード・A.ルポフ『バルスーム』厚木淳訳、東京創元社、1982年</ref>。「海洋冒険小説」の影響が強い作品としては、[[A・バートラム・チャンドラー]]の[[銀河辺境シリーズ]]がある。 |
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[[科学]]に対する態度は[[ハードSF]]とは対極的である。例えばなんらかの疑似科学的な説明で、あるいはそれさえなしで[[相対性理論]]を無視して[[光速]]の壁を破るのはほぼ基本であった<ref>[[E・E・スミス]]『[[宇宙のスカイラーク]]』に以下のような登場人物たちのやりとりがある。 |
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:「三億五千マイルだ。太陽系からちょうど半分でかかっている。ということは毎秒一光速の加速度ということだ」 |
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:「そんな速度で走れるはずはないよ、マート。[[E=mc2|E=mc²]]だよ」 |
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:「アインシュタインの理論はしょせん理論に過ぎんのだよ、ディック。この距離は観察された事実じゃないか」</ref>。 |
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それ以外の物理法則や科学常識も、ストーリーの都合に合わせて何らかのもっともらしい疑似科学的な説明を入れて無視する、時にはそれすらなしで無視するなど荒い内容が見受けられた。 |
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スペースオペラの一部は[[ミリタリーSF]]ともオーバーラップしており、未来の兵器を使った宇宙戦争を大々的に描くこともある。軍隊や兵器技術をまじめに描く場合もあり、中にはそのような戦争が人類に与える影響を考察する作品もあるが、多くの場合は軍事フィクションに単にSF的装飾を施したものと言える。このような作品を「ミリタリー・スペースオペラ」と呼ぶこともあり、例えば評論家 Sylvia Kelso は[[L・M・ビジョルド]]の『ヴォルコシガン・サガ』をそのように評した<ref name=renaissance251>{{Harvnb|Hartwell|Cramer|2006|p=251}}</ref>。 |
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== 評価 == |
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[[ヒューゴー賞]]の[[ヒューゴー賞 長編小説部門|長編小説部門]]では、候補作にスペースオペラ(あるいはそれに近い作品)があるとそれが受賞することが多く、特に1982年から2002年まではその傾向が強かったといわれている<ref name=renaissance/>。 |
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== パロディ == |
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[[フレドリック・ブラウン]]の『[[発狂した宇宙]]』の主人公は頭脳明晰なSF雑誌編集者で、ある日突然[[歴史改変SF|別の時間線]]に転送される。そこは、スペースオペラに描かれるような世界だった。 |
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[[ハリイ・ハリスン]]の『[[宇宙兵ブルース]]』は古典的スペースオペラのパロディである<ref name=SObook>{{Cite news|first=Ernest |last=Lilley |url= http://www.sfrevu.com/ISSUES/2003/0308/Space%20Opera%20Redefined/Review.htm |title=Review |publisher=SFRevu |date=August 2003 |accessdate=2009-02-28}} より正確には[[ロバート・A・ハインライン]]『[[宇宙の戦士]]』のパロディである</ref>。 |
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[[メル・ブルックス]]の1987年の映画『[[スペースボール]]』は『[[スター・ウォーズシリーズ]]』のパロディであり、様々なスペースオペラのキャラクターも登場している。 |
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== 脚注・出典 == |
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== 参考文献 == |
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* {{Citation |first=Everett Franklin |last=Bleiler |author-link=エヴリット・ブライラー|fisrt2= Richard |last2=Bleiler |title=Science-fiction, the Early Years: A Full Description of More Than 3,000 Science-fiction Stories from Earliest Times to the Appearance of the Genre Magazines in 1930 with Author, Title, and Motif Indexes |publisher= Kent State University Press |year= 1990 |isbn= 0-87338-416-4}} |
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* {{Citation |last=Clarke |first=I.F. |url= http://www.depauw.edu/sfs/clarkeess.htm |title=Future-War Fiction: The First Main Phase, 1871-1900 |journal=Science Fiction Studies, #73 |volume=24 |issue=3 |year=1997}} |
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* {{Citation |first=Gardner |last=Dozois |author-link=ガードナー・ドゾワ|first2=Jonathan |last2=Strathan |title= The New Space Opera|place= New York |publisher= Harper |year= 2007 |isbn= 978-0060846756}} |
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* {{Citation |last=Hardy |first=Phil. |title=The Overlook Film Encyclopedia: Science Fiction |publisher=The Overlook Press |year=1994}} |
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* {{Citation |first= David G. |last= Hartwell |first2=Kathryn |last2=Cramer |title= The Space Opera Renaissance |publisher= Tor Books |year= 2006 |isbn= 0-76530-617-4}} |
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* [[:en:Dave Langford|Langford, Dave.]]: "Fun With Senseless Violence" in ''The Silence of the Langford''. NESFA Press, 1996. ISBN 0-915368-62-5. |
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* {{Citation | last=Langford | first=David | authorlink= | title=74 Years of Space Opera | journal=The Sex Column and Other Misprints | volume= | issue= | pages= | publisher=Wildside Press | year=2005 | url = | doi= | id=9781930997783 }} |
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* {{Citation |last=Levy |first= Michael |title= Cyberpunk Versus the New Space Opera |journal= Voice of Youth Advocates |volume=31 |number=2 |year=2008 |pages=132-133}} |
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* {{Citation |last= McAuley|first= Paul J. |author-link= ポール・J・マコーリイ|url= http://www.omegacom.demon.co.uk/opera.htm |title=Junkyard Universes |journal=[[ローカス (雑誌)|Locus]] |year=2003}} |
|||
* Sawyer, Andy. " Google Print Space Opera" in ''[https://books.google.co.jp/books?id=n-20LVwKfTMC&redir_esc=y&hl=ja The Routledge Companion to Science Fiction]''. Taylor & Francis, 2009. ISBN 0-41545-378-X. pp. 505–509. |
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* {{Citation | last=Tucker | first=Bob | authorlink=ウィルスン・タッカー | title=Depts of the Interior | journal=Le Zombie | volume= 4 | issue=1 (36)| page= | publisher = | date = January 1941 |year=1941 | url = http://www.midamericon.org/tucker/lez36i.htm| doi = | accessdate = }} |
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== 関連項目 == |
== 関連項目 == |
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* [[サイエンス・フィクション]] |
* [[サイエンス・フィクション]] |
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* [[ハードSF]] |
* [[ハードSF]] |
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* [[ミリタリーSF]] |
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* [[レトロフューチャー]] |
* [[レトロフューチャー]] |
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* [[宇宙戦艦]] |
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* [[惑星冒険もの]] |
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* [[銀河帝国]] |
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* [[架空戦記]] |
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== 外部リンク == |
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* ''Locus'', [http://www.locusmag.com/2003/Issue08/Toc.html August 2003]: Special section on "The New Space Opera." Articles by Russell Letson & Gary K. Wolfe, Ken MacLeod, Paul J. McAuley, Gwyneth Jones, M. John Harrison, and Stephen Baxter. |
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* [http://www.locusmag.com/2003/Issue08/Reynolds.html Interview with Alastair Reynolds]. |
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* [http://www.locusmag.com/2003/Issue08/Stross.html Interview with Charles Stross]. |
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* [http://www.locusmag.com/2003/Issue12/Harrison.html Interview with M. John Harrison], ''Locus'', December 2003. Harrison discusses his view of the nature of space opera in depth. |
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2024年6月21日 (金) 13:10時点における最新版
スペースオペラ(英: space opera)は、サイエンス・フィクション (SF) のサブジャンルの一つで、主に(あるいは全体が)宇宙空間で繰り広げられる騎士道物語的な宇宙活劇のことで、しばしばメロドラマ的要素が入っている。基本的な定型は、逞しいヒーローが超光速の宇宙船に乗り光線銃を撃ちまくってベム・異星人・マッドサイエンティストなどを退治し、囚われの美女を救出するというものである。スペオペと略されることもある。
変化する定義
[編集]デビッド・ゲデス・ハートウェルとキャスリン・クラマーは2006年のスペースオペラのアンソロジーで「(何がスペースオペラなのかという)一般的合意は存在せず、最善の例となる作家群も定まっておらず、どの作品がスペースオペラと呼ぶにふさわしいかも定まっていない」と記している[1]。彼らはさらに、スペースオペラにはその歴史を通じていくつかの鍵となる異なった定義、文学界の駆け引きに大きく影響された定義がなされてきたことを指摘した[1]。彼らは「かつてサイエンス・ファンタジーと呼ばれていたものが今はスペースオペラと呼ばれ、かつてのスペースオペラは忘れ去られている」と主張している[1]。
「スペースオペラ」という用語自体は1941年、当時ファンライターだったウィルスン・タッカーが作ったもので、ファンジンの記事で蔑称として使ったのが最初である[2]。当時、アメリカでは連続ラジオドラマが人気となっており、石鹸製造業者がスポンサーということが多かったことからソープオペラと呼ばれていた。タッカーはSF界におけるソープオペラとしてスペースオペラを定義した。すなわち「切り刻まれ、すりつぶされ、悪臭を放つ、時代遅れの宇宙船の作り話」("hacky, grinding, stinking, outworn, spaceship yarn")だとした[3]。また、それ以前から西部劇を意味する用語としてホースオペラという言葉があるので、舞台を西部から宇宙空間や異星の惑星に移してガンマン・馬・拳銃・山賊などホースオペラの題材を、宇宙兵士・宇宙船・光線銃・宇宙海賊といったSF風のガジェットに置き換えたものだ、というような「スペースオペラ」という語の解釈もある。
1960年代からスペースオペラの新たな定義が生まれ、1970年代にはそれが広く定着した。それはブライアン・オールディスがアンソロジー『 Space Opera』 (1974) で定義したもので、(ハートウェルとクラマーの意訳によれば)「古き良き時代のSF」という定義である[1]。この再定義にはすぐさま異論が出てきた。例えば、デル・レイ・ブックスを経営していた編集者のジュディ・リン・デル・レイが異論を唱え、夫で同僚のレスター・デル・レイもレビューなどで反論した[1]。彼らの反論はスペースオペラは時代遅れではないということで、デル・レイ・ブックスはリイ・ブラケットの初期作品をスペースオペラと銘打って再版していた[1]。
1980年代初めには、スペースオペラは「宇宙を舞台とした冒険活劇」と再定義され、『スター・ウォーズシリーズ』などの有名な大衆文化作品がスペースオペラと呼ばれるようになった[1]。スペースオペラがSFのまともなジャンルとして認識されはじめたのは、1990年代初め以降のことである[1]。ハートウェルとクラマーはスペースオペラを「カラフルで劇的で壮大なSF冒険活劇であり、適切で時に美しい文体であり、優しく勇ましい主人公とアクションが中心で、比較的遠い未来と宇宙や異世界を舞台とし、独特な楽観的トーンで描かれる。戦争、海賊行為、軍隊、極めて壮大なアクションなどを扱うことが多い。」と定義している[1]。
歴史
[編集]ジャンル名よりも先行して存在していた初期作品は、スペースオペラとされるにふさわしい多くの要素を含んでいた。それらを後にプロト・スペースオペラと称するようになった[4]。あまり知られていないが、最初期のプロト・スペースオペラは19世紀中ごろの何人かのフランス人作家が書いている。例えば、C・I・ドフォントネー の『カシオペアのψ』(1854) やカミーユ・フラマリオンの Lumen (1872) がある。人気を呼んだとはいえないが、ヴィクトリア朝末からエドワード朝にかけてもプロト・スペースオペラが時折書かれている。例えばパーシー・グレッグ、ギャレット・P・サービス、ジョージ・グリフィス、ロバート・クロミーの作品がある[5]。ある評論家はロバート・ウィリアム・コールの The Struggle for Empire: A Story of the Year 2236 (1900) を最初のスペースオペラだとしている[6]。この小説は太陽系の地球人とシリウス星系を本星とする凶暴なヒューマノイド型異星人との戦いを描いている。ただし、この小説は1880年から1914年にかけて人気となった国粋主義的フィクションのジャンル(未来戦争フィクション)から生まれたもので[7]、世界初のスペースオペラと呼ぶことについては異論を唱える者も多い。
このような初期の例はあるが、スペースオペラが『アメージング・ストーリーズ』誌などのパルプ・マガジンに定期的に掲載されるようになるのは1920年代末のことである[1][4]。世界初のスペースオペラ映画は、デンマークの Himmelskibet (1918) である[8]。初期の宇宙冒険活劇は異星人による地球侵略や天才発明家による宇宙船の発明といった話が多いが、純粋なスペースオペラでは宇宙旅行が当然なこととして描かれ(そのため、遠い未来の話という設定である)、準備などを省略し、まっすぐに宇宙空間に行って大暴れする。その種の初期の小説としては、J. Schlossel の Invaders from Outside(ウィアード・テイルズ1925年1月号)[9]、レイ・カミングスの Tarrano the Conqueror (1925)、エドモンド・ハミルトンの Across Space (1926) と「衝突する太陽」(ウィアード・テイルズ1928年8/9月号)、J. Schlossel の The Second Swarm(アメージング・ストーリーズ1928年秋号)と The Star Stealers(ウィアード・テイルズ1929年2月号)などがある[4]。他の作家が1929年から1930年にかけて類似の小説を書いている。
しばしば真の「スペースオペラの父」とされる作家はE・E・スミスである。処女作『宇宙のスカイラーク』(『アメージング・ストーリーズ』1928年8-10月号)は、最初の偉大なスペースオペラといわれることが多い[4]。星間航法を発明した科学者の物語と、エドガー・ライス・バローズ風の惑星冒険ものあるいはサイエンス・ファンタジーとをまとめたような話である[1]。スミスの後の『レンズマン』シリーズ、エドモンド・ハミルトンの『キャプテン・フューチャー』シリーズ、またジョン・W・キャンベルやジャック・ウィリアムスンらの1930年代から1940年代にかけての作品は人気を呼び、他の作家もそれらを模倣した。1940年代初めには似たような作品や無節操な作品が氾濫し、一部のファンが本来の軽蔑的な意味の「スペースオペラ」という呼称を生み出すことにつながった。
しかし、スペースオペラの中でも最良とされる例は高く評価されており、サブジャンルとしての再評価と復活につながっていく。ポール・アンダースンやゴードン・R・ディクスンといった作家は1950年代を通して壮大なスケールの宇宙冒険活劇を書き続け、1970年代にはM・ジョン・ハリスンやC・J・チェリイといった作家が続いた。そのころには「スペースオペラ」という言葉は多くの読者にとって蔑称ではなく、単にSF冒険物語の一種を指す用語となっていた[1]。
また、スーパーヒーローによる冒険活劇主体のヒーローパルプやアメリカン・コミックス(いわゆるアメコミ)にも、『グリーンランタン』(1940年 -- )を筆頭とするスペースオペラの影響を受けた宇宙や未来世界を舞台にした作品が登場するようになり、一部はハミルトンら本職のスペースオペラ作家がシナリオを執筆している(キャプテン・フューチャーはSFではなくヒーローパルプだと解釈されることもある)。スペースオペラ風のアメコミは他のアメコミ作品とクロスオーバーしながらストーリーを展開し続け、やがて本来のスペースオペラ以上の、そしてアメリカSF全般以上の人気を博するようになった。
ニュー・スペースオペラ
[編集]1970年代に登場したアメリカの作家ラリー・ニーヴンの『ノウンスペース』シリーズは、質的な向上やハードSFとの融合を計り「ニュー・スペースオペラ」あるいは「モダン・スペースオペラ」と呼ばれた。作家ポール・J・マコーリイによれば、主にイギリスの一部の作家が1970年代にスペースオペラを再活性化させはじめたという[10]。ただし、イギリス以外の評論家はニュー・スペースオペラをイギリスが主導したという主張には異論を唱える傾向がある[1]。この流れでの大きな出来事としては、M・ジョン・ハリスンの The Centauri Device (1975) の出版、デイヴィッド・プリングルとコリン・グリーンランドが編集したインターゾーン誌1984年夏号[10]、スペースオペラの伝統を受け継いでいる[1]スター・ウォーズ・シリーズの成功などがある。この「ニュー・スペースオペラ」はサイバーパンクと同時期に発生し、その影響も受けているため、従来のスペースオペラよりも暗く、「人類の大勝利」という雛形にははまっていないし、新たな科学技術を取り入れ、従来のスペースオペラよりも人物造形に力を入れている。スペースオペラからスケールの大きさを受け継いでいるが、科学的にはより厳密である。
ニュー・スペースオペラは古いスペースオペラへの反発でもある。ニュー・スペースオペラを擁護する者は、人物造形、文学的水準の高さ、真実性、同時代の社会問題の倫理的探究などがテーマだと主張する。マコーリイと Levy[11] は、イアン・バンクス、スティーヴン・バクスター、M・ジョン・ハリスン、アレステア・レナルズ、ポール・J・マコーリイ[10]、ケン・マクラウド、ピーター・F・ハミルトン、ジャスティナ・ロブスンを主なニュー・スペースオペラ作家だとしている。
日本でのスペースオペラ
[編集]古くは海野十三、星新一などに宇宙戦争ものの試みが見られる。日本にスペースオペラを受容させる土壌を作り上げた最大の功労者は、戦後のSF開拓期からSF作家・翻訳家として活動し海外SFコレクターでもあった野田昌宏である。『SF英雄群像』などで紹介された海外スペースオペラ作品が、日本のSFファンの間で受け入れられる作品と重なるほどの影響力を持った。野田が直接スペースオペラを語った本として『愛しのワンダーランド スペース・オペラの読み方』『スペース・オペラの書き方 宇宙SF冒険大活劇への試み』がある。
一方で、『銀河乞食軍団』に代表される、「野田節」とも言われる野田自身の作品の独特の世界は、後の多様化の第一歩だったとも言える。
日本では、スペースオペラはすぐに多様化した(日本ではアメリカとは異なり、本格SFとスペースオペラが、そしてSF全般と漫画や特撮番組が峻別されたり定義争いが生じることはほとんどなかった)。まず、ビジュアル作品による人気の主導があげられる。順番に挙げると(これ以前の特撮作品にも宇宙は出てくるが)『スタートレック』の第1作が『宇宙大作戦』として日本でも放映され(1970年前後)、アニメ『宇宙戦艦ヤマト』(1974年)はブームとなった。続いて1977年に『スター・ウォーズ』、1979年の『機動戦士ガンダム』と続く。漫画では『宇宙海賊キャプテンハーロック』『銀河鉄道999』『クイーン・エメラルダス』といった松本零士の諸作品がある。
小説に話を戻すと、その第1作は『スター・ウォーズ』に発奮し一気に書き上げられた、という高千穂遙の『クラッシャージョウ』が1977年、ソノラマ文庫に登場した。イラストが(『ガンダム』にも関与した)安彦良和ということで話題になるなど、レーベルのその後と共に後のライトノベルに至る過程の通過点となった。同じ作者で1979年に始まる『ダーティペア』はアニメ作品が世界的に人気となり、アメコミ版まで存在する。高千穂のこれらのシリーズは、後のライトノベルで多用される完全一人称視点など、新しい試みもあったが、スペースオペラとしては後の多くの作品が「拡散」していったのに対し、ある意味ストレートな作品である。
1980年代に入って、田中芳樹は『銀河英雄伝説』(1982年 - )を、スペースオペラ的な艦隊戦も交えながらも、宇宙や銀河系・架空の星系という舞台設定を背景とした政治・戦略・権謀術数や人間関係・権力の変遷などに重きを置いた重厚なSF史劇として書き上げた。これもアニメ化が「銀河声優伝説」という語を残すなど映像と縁が深い。1980年代の漫画作品には『マップス』(本編完結は1994年)などがある。また1990年代の作品であるが例えば野尻抱介の『クレギオン』シリーズは、作者がこの作品をスペースオペラと捉えているとしている[12]が、他作品同様の科学的考証もしっかりと入っており、ハードSF作品にもなっている。といったように、本格(ないし変格?)SFとして通用するスペースオペラが誕生していった。TRPGの『トラベラー』が日本に紹介されたのも1980年代である。
また、コンピュータゲームでも、アドベンチャーゲームやロールプレイングゲームといった物語性のあるゲームの他、シューティングゲームでしばしば見られる「驚異的な機動力と火力を誇る小型戦闘機が、敵の大部隊や巨大要塞を薙ぎ倒してゆく」というモチーフはスペースオペラ的であり、作品内の世界の言語など多数の設定を付け、後に小説まで出版されている『ゼビウス』以降、「銀河暦1万??年、帝国の圧政は……」といったストーリー付けはよく見られるものとなった。また、『ゼビウス』に出てくる「シオナイト」や『ボスコニアン』といった名前に見られる『レンズマン』からの影響や『スターフォックスシリーズ』など、海外スペースオペラからの影響も見られる。
1990年代のビジュアル作品では『機動戦艦ナデシコ』が、メディアミックス作品に『サイバーナイト』がある。またこの前後で挙げた小説を原作として作られたアニメ作品も多い。
一方で、ライトノベルでもSFが書かれるようになったが、ブーム的なものに左右されやすい中でスペースオペラも書かれており、20世紀の作品には(「シリーズ」と特に付けているのは、タイトルとシリーズ名に全く一致のない作品)『無責任艦長タイラー』(1989年 - )、『ロスト・ユニバース』(1992年 - )、『それゆけ!宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ』(1993年 - )、『星くず英雄伝』(1996年 - )、『バウンティハンター・ローズ』シリーズ(1996年 - )、『ミリー・ザ・ボンバー』シリーズ(1996年 - )、『星方遊撃隊エンジェルリンクス』(1998年 - )、『カウボーイビバップ』(1998年 - )、『スカーレット・ウィザード』(1999年 - )、などがある。1990年代には『スペオペヒーローズ』というスペースオペラの世界を遊ぶためのTRPGルールセットも生まれた。
21世紀の作品では、『トラブルシューター シェリフスターズ』(2000年 - )、『でたまか』(2001年 - )、『スターシップ・オペレーターズ』(2001年 - )、『宇宙捜査艦《ギガンテス》』(2002年)、『ウェスタディアの双星』(2008年 - )、『ミニスカ宇宙海賊』(2008年 - )、『無限航路』(2009年 - )、『覇道鋼鉄テッカイオー』(2011年 - )、などがある。
他のサブジャンルとの関係
[編集]評論家によっては、スペースオペラと惑星冒険ものを区別している[13]。スペースオペラには宇宙海賊がしばしば登場することから『海洋冒険小説』を宇宙に移したものであるという見方もある。どちらもエキゾチックな設定で冒険活劇が繰り広げられるが、スペースオペラは宇宙旅行が中心であり、惑星冒険ものは地球以外の惑星が舞台である。その意味ではエドガー・ライス・バローズの『火星シリーズ』や『金星シリーズ』などは惑星冒険ものの初期の例とされる。火星を舞台にしたSF冒険小説『火星シリーズ』は、後のヒロイック・ファンタジーにも大きな影響を与えた[14]。「海洋冒険小説」の影響が強い作品としては、A・バートラム・チャンドラーの銀河辺境シリーズがある。
科学に対する態度はハードSFとは対極的である。例えばなんらかの疑似科学的な説明で、あるいはそれさえなしで相対性理論を無視して光速の壁を破るのはほぼ基本であった[15]。 それ以外の物理法則や科学常識も、ストーリーの都合に合わせて何らかのもっともらしい疑似科学的な説明を入れて無視する、時にはそれすらなしで無視するなど荒い内容が見受けられた。
スペースオペラの一部はミリタリーSFともオーバーラップしており、未来の兵器を使った宇宙戦争を大々的に描くこともある。軍隊や兵器技術をまじめに描く場合もあり、中にはそのような戦争が人類に与える影響を考察する作品もあるが、多くの場合は軍事フィクションに単にSF的装飾を施したものと言える。このような作品を「ミリタリー・スペースオペラ」と呼ぶこともあり、例えば評論家 Sylvia Kelso はL・M・ビジョルドの『ヴォルコシガン・サガ』をそのように評した[16]。
評価
[編集]ヒューゴー賞の長編小説部門では、候補作にスペースオペラ(あるいはそれに近い作品)があるとそれが受賞することが多く、特に1982年から2002年まではその傾向が強かったといわれている[1]。
パロディ
[編集]フレドリック・ブラウンの『発狂した宇宙』の主人公は頭脳明晰なSF雑誌編集者で、ある日突然別の時間線に転送される。そこは、スペースオペラに描かれるような世界だった。
ハリイ・ハリスンの『宇宙兵ブルース』は古典的スペースオペラのパロディである[17]。
メル・ブルックスの1987年の映画『スペースボール』は『スター・ウォーズシリーズ』のパロディであり、様々なスペースオペラのキャラクターも登場している。
脚注・出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n o Hartwell & Cramer 2006, pp. 10–18, Introduction
- ^ Tucker 1941, p. 8
- ^ Langford 2005, pp. 167–168
- ^ a b c d Dozois & Strahan 2007, p. 2, Introduction
- ^ Bleiler & Bleiler 1990, pp. 147–148
- ^ Bleiler & Bleiler 1990, p. 147
- ^ Clarke 1997
- ^ Hardy 1994, p. 56
- ^ Bleiler & Bleiler 1990, "Schlosser, J."
- ^ a b c McAuley 2003
- ^ Levy 2008, pp. 132–133
- ^ あとがきにて本人が発言。野尻はその理由について、作品の主題を科学的論理の提示に留まらず人間関係にあるからだとする。
- ^ SF Citations for OED, "Planetary romance"
- ^ バローズが生きている頃には数百人の模倣者がいて、その模倣者の中でも有力な者にはさらに数百人の模倣者がいたという伝説があるほどである。参考:リチャード・A.ルポフ『バルスーム』厚木淳訳、東京創元社、1982年
- ^ E・E・スミス『宇宙のスカイラーク』に以下のような登場人物たちのやりとりがある。
- 「三億五千マイルだ。太陽系からちょうど半分でかかっている。ということは毎秒一光速の加速度ということだ」
- 「そんな速度で走れるはずはないよ、マート。E=mc²だよ」
- 「アインシュタインの理論はしょせん理論に過ぎんのだよ、ディック。この距離は観察された事実じゃないか」
- ^ Hartwell & Cramer 2006, p. 251
- ^ Lilley, Ernest (August 2003). “Review”. SFRevu 2009年2月28日閲覧。 より正確にはロバート・A・ハインライン『宇宙の戦士』のパロディである
参考文献
[編集]- Bleiler, Everett Franklin; Bleiler (1990), Science-fiction, the Early Years: A Full Description of More Than 3,000 Science-fiction Stories from Earliest Times to the Appearance of the Genre Magazines in 1930 with Author, Title, and Motif Indexes, Kent State University Press, ISBN 0-87338-416-4
- Clarke, I.F. (1997), “Future-War Fiction: The First Main Phase, 1871-1900”, Science Fiction Studies, #73 24 (3)
- Dozois, Gardner; Strathan, Jonathan (2007), The New Space Opera, New York: Harper, ISBN 978-0060846756
- Hardy, Phil. (1994), The Overlook Film Encyclopedia: Science Fiction, The Overlook Press
- Hartwell, David G.; Cramer, Kathryn (2006), The Space Opera Renaissance, Tor Books, ISBN 0-76530-617-4
- Langford, Dave.: "Fun With Senseless Violence" in The Silence of the Langford. NESFA Press, 1996. ISBN 0-915368-62-5.
- Langford, David (2005), “74 Years of Space Opera”, The Sex Column and Other Misprints (Wildside Press), 9781930997783
- Levy, Michael (2008), “Cyberpunk Versus the New Space Opera”, Voice of Youth Advocates 31 (2): 132-133
- McAuley, Paul J. (2003), “Junkyard Universes”, Locus
- Sawyer, Andy. " Google Print Space Opera" in The Routledge Companion to Science Fiction. Taylor & Francis, 2009. ISBN 0-41545-378-X. pp. 505–509.
- Tucker, Bob (January 1941), “Depts of the Interior”, Le Zombie 4 (1 (36))
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- Locus, August 2003: Special section on "The New Space Opera." Articles by Russell Letson & Gary K. Wolfe, Ken MacLeod, Paul J. McAuley, Gwyneth Jones, M. John Harrison, and Stephen Baxter.
- Interview with Alastair Reynolds.
- Interview with Charles Stross.
- Interview with M. John Harrison, Locus, December 2003. Harrison discusses his view of the nature of space opera in depth.