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「古畑任三郎」の版間の差分

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2004年4月22日 (木) 10:43時点における版

古畑任三郎(ふるはたにんざぶろう)はフジテレビ系列のテレビドラマ。主演の田村正和初の刑事ドラマでもある。現在、あわせて39話放送されており、第1シリーズのタイトルは「警部補 古畑任三郎」だったが、第2シリーズ以降は「古畑任三郎」になっている。

古畑任三郎は、刑事コロンボで知られる倒叙物と言われる形式で物語が進行していく。これは、犯行の様子をまず見せておき、古畑任三郎が真犯人とのやりとりや、様々な証拠から容疑を固め、最後に自供に追い込むというパターンである。視聴者は「誰が真犯人なのか?」という興味ではなく、「真犯人をどうやって追い詰めるか?」と言う点に目が向けられることになる。まさに、刑事コロンボと同じ構成だが、古畑任三郎は、日本版刑事コロンボをコンセプトに製作されているため、倒叙物と言う形式の他にも随所にコロンボを意識したところが見受けられる。また、犯人役も普段は1回限りのゲスト出演や、殺人犯役をあまりしない役者が起用されることも話題のひとつとなった。

古畑任三郎の概要

登場人物

古畑任三郎に登場する人物は、非常に個性的である。

  • 古畑任三郎
警視庁捜査一課の刑事で、階級は警部補。分倍河原付近在住で、移動は主にセリーヌの自転車に乗っている。意外とミーハーで、テレビは結構見ているらしい。血を見るのが嫌いで、拳銃を持たないなど、コロンボとの共通点も多いが、黒いスーツで小奇麗な格好、ネコを飼っているなどの正反対の一面もある。
  • 今泉慎太郎
古畑の部下で、いいいじめ相手。彼の無意味な行動が事件解決のヒントをもたらしてくれる。
  • 西園寺守
古畑も一目置く、有能な部下。彼の力のみで事件を解決したこともある。
  • 芳賀啓二
  • 向島音吉
  • 桑原
  • 花田

仕掛け

古畑任三郎には「遊び」とも言える仕掛けが、随所に散りばめられている。これは、コメディが得意な脚本家三谷幸喜によるところが大きい。

  • アヴァンタイトル
番組の冒頭、黒い背景にところに古畑が立ち、その回のキーワードや関連する話を披露する。これで視聴者がどこに注目すべきかのヒントが示される。
  • 赤い洗面器の男の話
第11回の「さよなら、DJ」をかわきりに、シリーズを通して語られる小話。最後のくだりになると、なんらかの理由によって中断されてしまうため、いまだ古畑や視聴者にオチは知らされないまま(三谷幸喜によると、オチは用意されているのこと)である。
  • 他の回との繋がり
以前放送した話の後日談などが台詞に挟まれることがある。1話完結のドラマでは、あまり多用されない手法だが、古畑任三郎では頻繁に使われている。
  • 登場人物の名前
毎回登場する犯人をはじめとして、登場人物の名前は元ネタをもじったものが多い。マニアになると、これを探すのも楽しみのひとつとなっている。また、劇中に使われる関連する言葉にも元ネタが存在することがある。

放送の概要

第1シリーズ

古畑任三郎の記念すべき第1シリーズ。タイトルは「警部補 古畑任三郎」として放送された。古畑任三郎の基本的な設定が出来たシリーズと言える。部下の今泉慎太郎は、古畑の助手的な役割が強い。

通算回サブタイトル犯人(役者)放送日
第1回死者からの伝言小石川ちなみ(中森明菜)1994年4月13日
第2回動く死体中村右近(堺正章)1994年4月20日
第3回笑える死体笹山アリ(古手川祐子)1994年4月27日
第4回殺しのファックス幡随院大(笑福亭鶴瓶)1994年5月04日
第5回汚れた王将米沢八段(板東八十助)1994年5月11日
第6回ピアノ・レッスン井口薫(木の実ナナ)1994年5月18日
第7回殺人リハーサル大宮十四郎(小林稔侍)1994年5月25日
第8回殺人特急中川淳一(鹿賀丈史)1994年6月1日
第9回殺人公開放送黒田清(石黒 賢)1994年6月8日
第10回矛盾だらけの死体佐古水茂雄(小堺一機)1994年6月15日
第11回さよなら、DJ中浦たか子(桃井かおり)1994年6月22日
第12回最後のあいさつ小暮音次郎(菅原文太)1994年6月29日

第2シリーズ

タイトルを「古畑任三郎」に改めてのレギュラー放送。芳賀刑事が捜査に参加するようになって、今泉はどちらかというとドジさが強調されるようになった。

通算回サブタイトル犯人(役者)放送日
第14回しゃべりすぎた男小清水潔(明石家さんま)1996年1月10日
第15回笑わない女宇佐美ヨリエ(沢口靖子)1996年1月17日
第16回ゲームの達人乾研一郎(草刈正雄)1996年1月24日
第17回赤か、青か林功夫(木村拓哉)1996年1月31日
第18回偽善の報酬佐々木高代(加藤治子)1996年2月7日
第19回VSクイズ王千堂謙吉(唐沢寿明)1996年2月14日
第20回動機の鑑定春峯堂のご主人(澤村藤十郎)1996年2月21日
第21回魔術師の選択南大門昌男(山城新伍)1996年2月28日
第22回間違われた男若林仁(風間杜夫)1996年3月6日
第23回ニューヨークでの出来事のり子・ケンドール(鈴木保奈美)1996年3月13日

第3シリーズ

西園寺が参加して、初のレギュラーシリーズ。今泉の存在が、完全にお笑い担当になった。いままでの古畑任三郎のお約束的な流れを破壊する(視聴者からのはがきを読んだり、古畑が全く捜査に参加しないなど)実験的な話があるのが特徴。

通算回サブタイトル犯人(役者)放送日
第28回若旦那の犯罪気楽家雅楽(市川染五郎)1999年4月13日
第29回その男、多忙につき由良一夫(真田広之)1999年4月20日
第30回灰色の村荒木嘉右衛門(松村達雄)1999年4月27日
第31回古畑、歯医者へ行く金森晴子(大地真央)1999年5月4日
第32回再会安斎亨(津川雅彦)1999年5月11日
第33回絶対音感殺人事件黒井川尚(市村正親)1999年5月18日
第34回哀しき完全犯罪小田嶋さくら(田中美佐子)1999年5月25日
第35回頭でっかちの殺人堀井岳(福山雅治)1999年6月1日
第36回追いつめられて臺修三(玉置浩二)1999年6月8日
第37回最も危険なゲーム 前編日下光司(江口洋介)1999年6月15日
第38回最も危険なゲーム 後編日下光司(江口洋介)1999年6月22日

スペシャル

シリーズの始めと終わりや、単発的に放送される。通常は1時間の放送時間だが、スペシャルでは2時間にわたる長編になる。

通算回サブタイトル犯人(役者)放送日
第13回笑うカンガルー二本松晋(陣内孝則)1995年4月12日
第24回しばしのお別れ二葉鳳翆(山口智子)1999年1月3日
第26回古畑任三郎 vs SMAPSMAP(SMAP)1994年4月27日
第27回黒岩博士の恐怖黒岩健吾(緒形 拳)1999年4月6日
第39回すべて閣下の仕業 黛竹千代(松本幸四郎)2004年1月3日

総集編

通算回サブタイトル犯人(役者)放送日
第25回消えた古畑任三郎第24回までの犯人1996年4月9日

キャスト

  • 古畑任三郎(田村正和
  • 今泉慎太郎(西村雅彦)
  • 西園寺守(石井正則)
  • 芳賀啓二(白井晃)
  • 向島音吉(小林隆)
  • 桑原技官(伊藤俊人)
  • 花田(八嶋智人)

スタッフ

  • 脚本 三谷幸喜
  • 企画 石原隆 鈴木専哉
  • プロデューサー 関口静夫
  • 演出 星護 河野圭太 松田秀知

参考書籍

  • 古畑任三郎大事典 扶桑社

外部リンク