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*[[2000年]][[3月25日]]から[[4月9日]]に宮崎県で3戸、[[5月11日]]に北海道1戸の感染が確認、[[6月9日]]には終息。日本では92年ぶりの発生となった。 |
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**3月 |
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***[[3月31日]]、[[宮崎県]][[児湯郡]][[都農町]]において感染があったことが後に判明。([[3月26日]]の感染確認が始まりだったとする公式報告もある) |
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**4月 |
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***[[4月9日]]、都農町の和牛1頭に口腔[[びらん]]等の症状を確認。(この段階では疑似患畜としては確認されず、公表もされていない。) |
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***[[4月20日]]、都農町の和牛3頭の感染の疑いが確認され公表された<ref name="miyazaki2010">[http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100420-OYT1T00532.htm?from=y10 宮崎の和牛3頭、口蹄疫感染の疑い]読売新聞 2010年4月20日</ref>。[[家畜伝染病予防法]]に基づき、宮崎県は当該農家から半径10キロを移動制限区域、半径20キロを搬出制限区域に指定し、消毒ポイントを設置して感染拡大の防止にあたった。 |
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***[[4月23日]]、都農町での1例目の牛について口蹄疫(O型)と確定<ref name="moff-20100423-2"/>。 |
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***[[4月25日]]、新たに4頭の感染が確認され、殺処分予定は1108頭に上り、過去100年間で最多となった。 |
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***[[4月27日]]、都濃町に隣接する児湯郡川南町の豚5頭についても、口蹄疫に感染している疑いが確認された。(豚は牛より千倍程度感染性が高いとされる) |
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***[[4月28日]]、当初の感染例から約70km離れた宮崎県[[えびの市]]でも、感染が疑われる牛が確認された。これまではすべて宮崎県児湯郡であったが、県西端のえびの市への感染拡大に伴い、移動・搬出の制限区域が鹿児島県の一部にも拡大された。 |
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***[[4月30日]]、相次ぐ感染報告(4月30日時点で12例の報告)から移動・搬出制限区域が4県(宮崎・鹿児島・熊本・大分)に拡大された<ref>[http://www.maff.go.jp/j/press/seisan/c_kikaku/100430.html 口蹄疫発生に伴う追加対策について]農林水産省 4月30日報道発表資料</ref>。 |
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**5月 |
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***[[5月4日]]、1、2,3,4,5,7,8例目の口蹄疫ウイルスが、最近アジア地域で流行しているものと近縁である(O/JPN/2010)ことが確認された<ref>[http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/douei/100502_1.html 宮崎県において確認された口蹄疫ウイルスの分析結果について]農林水産省 5月2日報道発表資料</ref>。 |
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***[[5月6日]]までに35農場(児湯郡都農町と川南町、えびの市)の4万4892頭(41,791頭の豚、残りは牛と水牛)が殺処分の対象になった。<ref>[http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100504-00000084-jij-pol]</ref> |
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<ref>[http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/douei/100505_1.html]</ref> |
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===韓国=== |
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2010年5月6日 (木) 23:42時点における版
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口蹄疫(こうていえき、学名:Aphtae epizooticae、英語: Foot-and-mouth disease、通称FMD)は、家畜の伝染病のひとつ。偶蹄類(牛、水牛、山羊、羊、鹿、豚、猪、カモシカなど)やハリネズミ、ゾウなどが感染するウイルス性の急性伝染病。日本では家畜伝染病予防法において家畜伝染病に指定されており、対象動物は牛、水牛、鹿、羊、山羊、豚、猪。人にもまれに感染する。国際獣疫事務局(OIE)リストA疾病。
1898年、ドイツの医学者フリードリヒ・レフラーとポール・フロッシュにより病原体が突き止められ、細菌より小さいことが確かめられた。これが、初めて確認された濾過性病原体=細胞内寄生体の一つである。[1]
感染・経過
この病気は、ピコルナウイルス科 (Picornaviridae) アフトウイルス属 (Aphtovirus) の口蹄疫ウイルス (foot-and-mouth disease virus, FMDV) によって発生する。ただ単に「アフトウイルス」と言えば口蹄疫ウイルスを指す。また、ラブドウイルス科 (Rhabdovirideae) ベシクロウイルス属 (Vesiculovirus) の水胞性口炎ウイルス (vesicular stomatitis virus, VSV) による水胞性口炎もこれに酷似した症状を示し、牛丘疹性口炎とともに類症鑑別が必要とされる。
伝播力の高さ、罹患(りかん)した動物の生産性の低下、子牛の時の高死亡率(成牛になるのは1%以下)などが口蹄疫が恐れられている主な理由で、経済的には発見され次第、畜産物の輸出ができなくなってしまうことも重要である。
一般的には、感染すると発熱、元気消失、多量のよだれなどがみられ、舌や口中、蹄(ひづめ)の付け根などの皮膚の軟らかい部位に水疱が形成され、それが破裂して傷口になる(但し、水疱が形成されないケースも報告されている)。「口蹄疫」という病名はこれに由来する。
患畜がウイルスの感染そのもので死亡する率は低いが、水疱が破裂した際の傷の痛み(細菌によるその後の二次感染も含む)で摂食や歩行が阻害され、体力を消耗する。それによって乳収量や産肉量が減少するため、畜産業に対して大きな打撃となる。また、家畜の伝染病の中では最も伝染力の強い疾病でもあり、水疱から破裂した際に出たウイルスが風に乗るなどして、気象条件によっては100km以上移動することもある。日本でも2000年春、92年ぶりに宮崎県と北海道でO型の口蹄疫の発生が見られており、2010年4月23日にも宮崎県で感染が確認された[2]。
人間への感染
人間への感染例はまれであるが存在し、酪農・畜産関係者に見られることがある。人間での潜伏期間は2〜6日である[3]。人間から見つかったウィルスはO型が一番多く、次にC型が多い。A型は稀であった[3]。
人間への感染例として、1834年に三人の獣医が牛の生乳を故意に飲み感染したとする報告書がある[3]。1884年にはイギリスのドーバーで205人に感染の疑いがあり、最低でも二人の子供が口蹄疫に感染して死亡している[4]。また、1966年にもイギリスで感染が確認されているが、その時は治療の必要は無く、すぐに治ったとされる[5][4][3]。ドーバーとその他三つの感染例はミルクと関係している[4]。イギリスの公衆衛生検査サービス (PHLS。現在は統合されて 英国健康保護局 (HPA) となっている) の David Brown 氏はパスチャライゼーション (低温保持殺菌及び高温短時間殺菌) ではこのウイルスを滅菌できないだろうと述べている[4]。ただし、パスチャライゼーションされたミルクから感染した例は報告されていない[3]。
人の手足口病Hand-Foot-Mouth diseaseとはまったく関係ない。
FMDウイルスの感染は酪農従事者、畜産農場従事者、獣医師、などに認められ、ウイルスの保菌者となり、動物へのFMD流行の感染源となる。[6]。
そのため農水省のガイドラインでは獣医師に対する指導事項として、
- b 当該農場を去る前に、身体、衣服、眼鏡その他の携行用具の消毒並びに車両の洗浄及び消毒を行い、直ちに帰宅するとともに、帰宅後は、更に車両、携行用具、衣服等の完全な消毒を行い、入浴して身体を十分に洗うこと。
- c 異常畜が本病でないと判明するまでは、偶蹄類の動物と接触しないこと。なお、本病と判明した場合は、異常畜を診断し、又は検案した後7日間は偶蹄類の動物と接触しないこと。[7]
とし、防疫作業員に対しても同様の警戒を求めている。
農水省は口蹄疫の報道発表文の冒頭に毎回『口蹄疫は、牛、豚等の偶蹄類の動物の病気であり、「人に感染することはありません」。』という文を付けている(「」内は下線つき)。
治療
本疾病に対して治療が選択されることは基本的に無い。 致命的な病気ではないが、前記のとおり偶蹄類が感染する伝染病の中でも最も伝染力が強く、蔓延すれば畜産業界に経済的な大打撃を与えかねない疾病でもあるため、患畜として確認され次第、家畜伝染病予防法に基づいて全て速やかに殺処分される。
なお、殺処分については、狂犬病のような第17条第1項による都道府県知事の権限ではなく、第16条第1項に基づく家畜保健衛生所の家畜防疫員の指示により、患畜と確認され次第直ちに行われる。この指示書についても第17条第1項に基づく『殺処分命令書』ではなく、第16条に基づく『と殺指示書』という形式で発せられる(命令の内容および効力に事実上差は無い)。
診断
始めは農家や獣医師などが水疱などによって疑いを持ち、家畜保健衛生所( 家畜衛生所)に通報する。家畜衛生所は立ち入り検査し、同時に血液等の試料を採取し、他の病気の可能性を排除する(流行期は逆で、まず口蹄疫を疑う)。家畜衛生所は拭い液や血液を厳重に梱包し小平市にある動物衛生研究所(NIAH)に送付し(直接持ち込む場合もある)、PCRで遺伝子診断を行う。遺伝子診断には約半日かかるが、(OIEリストAの法定伝染病なので)最優先で休日や夜間にも行われる。そこで陽性となれば「疑い例 (suspected case)」となる。確認にはELISA法という血清検査が行われ、陽性の場合「確認例、確定例(confirmed case)」になる。(血清検査には培養期間が必要なので時間がかかる)。さらにOIEの口蹄疫国際確定診断センター(FMDWRL)である英国の通称「パーブライト(Pirbright Laboratory,Institute for Animal Health,Biotechnology and Biological Sciences Research Council,United Kingdom)」に試料やデータを送付し、確認することもある。
防疫・対策
日本では「口蹄疫に関する特定家畜伝染病防疫指針(平成16年12月1日 農林水産大臣公表)[8][9]」に基づき、各種の対策が行われている。 (なお指針の発表に伴い「要領(口蹄疫防疫要領(平成14年6月24日付け14生畜第1816号農林水産省生産局畜産部長通知)」は廃止された。)
予防
口蹄疫ワクチンは存在するが、基本的に使用しない。その理由は(1)感染の診断が不可能になるので、その後の予防が著しく困難になる(2)100%の効果がないので、感染源になったり偽の安心を生む(3)日本での使用例がなく不安である(4)日本にきちんとした在庫がない(5)ワクチン接種された動物は食品に使えない(6)接種範囲の決定が困難である、などである。(鳥インフルエンザでは中国でのワクチン使用により中国国内での制圧が困難になった。鳥インフルエンザの一部の流行の起源が未承認の外国産ワクチン接種である可能性がある。)相当程度流行した場合は、考慮と議論の対象になり、法整備がされ少量の備蓄があるので利用可能である。
消毒
農水省が発表した情報を独立行政法人 動物衛生研究所がまとめた「日本の口蹄疫情報」の中で、「口蹄疫防疫に使う消毒薬の作り方」として「4%炭酸ソーダ(炭酸ナトリウム)(Na2CO3)液」を挙げ、ホルマリンおよび他の消毒剤と混ぜないこと、容器は金属製、ポリエチレン製いずれでもかまわないことが付記されている[10]。また、「海外悪性伝染病防疫要領」に記載されているその他の消毒薬」として、2%苛性(かせい)ソーダ (NaOH)(水酸化ナトリウム)、2%苛性カリ(KOH)、10%ホルマリン を挙げている。
市販消毒薬で、口蹄疫ウイルスに対する明らかな効果が認められたものは下記の通り(濃度は外部リンク先参照)[11]。
- ヨウ素系消毒薬(クリンナップルA、動物用イソジン、ファインホール、ポリアップ3)
- 塩素系消毒薬(アンテックビルコンS、クレンテ、スミクロール、リンドレス)
- アルデヒド系消毒薬(グルタクリーン)
- その他(クリアキル-100)
地面の表面がムラなく白くなる程度の地面への消石灰の散布も奨励されている[12]
事例
日本
- 1899年に茨城県で発生し、1902年まで東京府、京都府ほか5県で3,459頭の牛が感染した。その牛で作った種痘ワクチンにより米国で口蹄疫が広がったことがあるという。(当時の呼び名は流行性鵞口瘡(ガコウソウ)[13]、鵞口瘡脚熱、牛の舌病、伝染性鵞口瘡、口足病など[14])
- 1908年に、東京、神奈川、兵庫、新潟で522頭の感染が記録されている。
- 1909年から1999年まで日本での感染の記録はない。(その頃ドイツでは5年間で370万頭感染した)
- 2000年3月25日から4月9日に宮崎県で3戸、5月11日に北海道1戸の感染が確認、6月9日には終息。日本では92年ぶりの発生となった。
- 2010年の発生
- →詳細は「2010年日本における口蹄疫の流行」を参照
韓国
2000年、坡州市の牛から発見され、全国的にイベントの中止などの措置が取られるなどの影響が出た。また2002 FIFAワールドカップを控えた2002年5月2日から同年6月23日までに京畿道や忠清北道の都市で16件の発生が確認された。この時点で約16万頭の牛が殺処分された[15]。 2010年04月22日には内陸部で8頭目が発見される。[3]
イギリス
2001年にイギリスで約2000件の感染が確認された。約700万頭の羊と牛が食肉処理された他、マン島で行われる予定の陸軍主催のハイキング(en:Ten Tors)の中止、2001年イギリス総選挙の1ヶ月延期などの影響が出た。一方農民の消毒やイベント参加への自粛など、政府の厳格な対応によって被害は最小限に食い止められ、隣国アイルランドでは1件の感染が報告されただけに留まった。
しかし2007年8月3日にイングランドの農場で再び感染が確認されたとイギリス環境食糧農林省(DEFRA)が発表した。政府は家畜の移動を全面禁止し、EUはイギリスからの家畜の輸入を禁止した。
中国
2010年3月31日 豚206頭の発症が確認され、1086頭が処分された。[4]
関連項目
脚注
- ^ 山内一也. “霊長類フォーラム:人獣共通感染症(第58回)12/20/97”. 2010年4月22日閲覧。
- ^ 宮崎県における口蹄疫の確定診断について、農林水産省:2010年4月23日報道発表資料
- ^ a b c d e British Medical Journal - Foot and mouth disease: the human consequences
- ^ a b c d Foot and mouth 'killed people in 1800s'
- ^ Foot and Mouth Disease update: further temporary control zone established in Surrey
- ^ 人獣共通感染症第99回追加 口蹄疫は人に感染するか
- ^ 口蹄疫に関する特定家畜伝染病防疫指針(平成16年12月1日
- ^ [1]
- ^ [2]
- ^ 独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所(動衛研). “口蹄疫防疫に使う消毒薬の作り方”. 2010年5月6日閲覧。
- ^ 北海道網走家畜保健衛生所. “口蹄疫”. 2010年5月6日閲覧。
- ^ 農水省:農場への口蹄疫の侵入を防ぐために~消毒薬の作り方と使い方~(PDF:92KB)
- ^ 山内一也 人獣共通感染症連続講義第99回 口蹄疫は人に感染するか
- ^ 家畜伝染病の病名は時代によって変わる
- ^ 파주에 괴질...가축 '비상'(坡州に原因不明の病気……家畜'非常')朝鮮日報
参考文献
- 清水悠紀臣ほか 『動物の感染症』 近代出版 2002年 ISBN 4874020747
外部リンク
- 口蹄疫(Foot-and-mouth disease)関連情報-独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所(動衛研)
- 口蹄疫Q&A-社団法人日本獣医学会
- 消費・安全-農林水産省