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「If800」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
m 80x86 → x86 に統一
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(相違点なし)

2010年3月10日 (水) 09:53時点における版

if800は、沖電気工業がかつて製造販売していたパーソナルコンピュータシリーズ。

概要

初代(if800 model10・20)(1980年(昭和55年)5月発売)は当時主流であったZ80を搭載し、プリンター、フロッピー・ディスプレイ(model20のみ)を標準搭載してオールインワンをコンセプトに登場した。後のモデルでは8086等を採用し進化していった。

初期はスタンドアロンBASICがOS代わりであったが、後にOSとしてCP/MMS-DOSを採用。プログラミング言語にはOKI-BASIC(model60はMS-BASIC)を採用するなど、ビジネスモデルとしては当時の最先端を走っていた。

独自色が強かったことと、個人ユーザーを相手にしなかった(後述)ため販売数は伸びなかった。

型番

BMC if-800 model20

初期はモデルチェンジ毎に「if800 model XX」という型番、後期のRX・EXシリーズはスペック毎に「if800RX モデル XXXX」のように型番がつけられていた。

  • if800 model10 (1980年5月発売) CPU: Z80A(8bit, 4MHz)
    一見タイプライター風の外観で、パソコンには見えない。
    標準で80字/行・5×7ドットマトリックスインパクト方式のプリンタを内蔵しており、OKITACの操作部のコンパクト版を思わせる。
    OSは標準ではスタンドアローンのOKI-BASICであったが、CP/Mを動作させることもできた。
  • if800 model20 (1980年5月発売)  model10にディスプレイ・FDDを追加した構成。
    FDは5インチタイプであるがフォーマットは独自のもので、他社との互換性はなかった。
  • if800 model30 (1981年1月発売) CPU: Z80B(8bit, 5MHz) このモデルのみCP/MをOSに採用。
    FDD(8インチ)、カラー/モノクロディスプレイ、16×16ドットマトリックスインパクトプリンタ内蔵。
    まさしく昭和のコンピュータという風貌である。
  • if800 model50 (1983年4月発売) CPU: 8086(16bit, 8MHz) 当時主流となりつつあった16ビットCPU採用
    このタイプよりMS-DOSが採用されるがこれがくせ者で、かなりカスタマイズされたものであった。
    引き続き3点セットのオールインワンであるが、若干デザインはあか抜けてくるのである。
  • if800 model60 (1985年1月発売) CPU: i8086-2
  • if800RX (1986年5月発売) CPU: 80286(16bit, 8MHz)
    中解像度(720×512)/高解像度(1148×754)の違い、HDDあり/なしの違いで計4モデルあった。
    OSはMS-DOS
  • if800EX (1988年7月発売) CPU: 80386(32bit, 16MHz)
    中解像度(720×512)/高解像度(1148×754)の違い、HDDあり/なしの違いで計4モデルあった。
    OSはMS-DOSだが、マルチタスク処理が可能なVMモニタ(Virtual Machine Monitor)を搭載している。
  • if800EXⅡ
  • if800GX

2つの失敗

ビジネスモデルとしては最高水準を兼ね備えており(85年発売のmodel60は通信機能も持っていた)、PC-9801シリーズに比べても遜色がないほどであったが、売れなかった。おおかたの批評としては次の2点があげられる。

オールインワン指向

沖電気はオフコンの使い勝手をそのままパソコンに当てはめてしまった。(かなり無謀である)

プリンタを必ず内蔵させていたのでスペース的には小さくならず、またそのプリンタも当時主流の連続帳票を使用するため背後に場所を確保しなければならず、またドットインパクトプリンタのため騒音・振動はかなりのものであった。またmodel30/50では8インチFD装置を内蔵したことも本体が大型化する原因となった。

(NECや富士通はデスクトップ型が主流機であった。)

ビジネス機宣言

当時のカタログを参照すると、このシリーズの謳い文句として「仕事に必要な機能を優先します。ホビー機能は限りなく省略します。」としていた。 (とはいえ、当時の他機種と比較してゲームソフトを作るのに十分な機能は持っていた。)

ビジネスユースでもグラフィックなどでは98に負ける、息抜きにゲームでもと思ってもソフトがない。アーキテクチャーを公開していなかったのでサードパーティーの参入が少なく肝心のビジネスソフトも少ない上に値段が高いなど惨憺たるものであった。

後継機種

if800GXを最後にif800シリーズは終了し、その後沖電気はAX規格のif386AXシリーズを発売する。 DOS/Vの登場でAX規格自体が廃れると、PC/AT互換機OADG規格)のONESifNote等を発売するがどれもヒットせず、沖電気は1990年代中期にパソコン事業から撤退する。

2006年現在、沖電気はif Serverの名称でx86サーバシリーズを販売している。

外部リンク