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「HOゲージ」の版間の差分

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'''HOゲージ'''は、[[鉄道模型]]の[[スケールモデル|縮尺]]と[[軌間]]を示す呼称のひとつ。HOとは'''ハーフ[[Oゲージ]]'''の略である。国際的には縮尺1/87、軌間16.5mmのものを指す。[[日本]]ではHOゲージと呼ことが多い。[[北アメリカ|北米]]ではHO(エイチオー、[[大陸ヨーロッパ|欧州大陸]]ではH0(エイチゼロと呼ばれることが多い。
'''HOゲージ'''は、[[鉄道模型]]の[[スケールモデル|縮尺]]と[[軌間]]を示す呼称のひとつ。HOとは'''ハーフ[[Oゲージ]]'''の略である。国際的には縮尺1/87(3.5mmスケール)、軌間16.5mmのものを指す。[[日本]]ではHOゲージ(エイチオーゲージ、エッチオーゲージとも)と呼ばれることが多い。[[北アメリカ|北米]]ではHO(エイチオー)、[[大陸ヨーロッパ|欧州大陸]]ではH0(エイチゼロ)と呼ばれることが多い。縮尺1/80、軌間16.5mmおよび、縮尺1/80を基準とする各軌間の鉄道模型は[[16番ゲージ]]を参照


近年、日本での鉄道模型といえば、[[Nゲージ]]の製品および愛好の数が多く主流であるが、欧米では、HOゲージの製品および愛好の数が最も多い。
近年、日本で[[Nゲージ]]の製品および愛好の数が多く主流であるが、欧米では、HOゲージ(OOゲージ)の製品および愛好の数が最も多い。


== 概要 ==
== 概要 ==
1920年代にイギリスにおいて、それまで主流であったOゲージ(縮尺1/43.5(7mmスケール)、軌間5/4インチ≒32mm)の半分の大きさとして登場した[[OOゲージ]](縮尺1/87(3.5mmスケール)、軌間5/8インチ≒16mm(後に16.5mm))は、当時の加工技術では小さすぎて満足に模型化することが困難であったため、製品の軌間や縮尺はメーカーによってバラつきがあった。実物の鉄道において小振りな車体が主流であったイギリスでは当初の縮尺1/87(3.5mmスケール)を縮尺1/76.2(4mmスケール)に改めた。しかしイギリス以外の欧米では縮尺1/87で製品化されるようになり、また「HOゲージ」という名称でも売られた。バセット・ロークにより「OOゲージ」への呼称統一が図られたが失敗し、後に縮尺1/76、軌間16.5mmを「OOゲージ」、縮尺1/87、軌間16.5mmを「HOゲージ」として縮尺と名称が分けられた。
そもそも欧米を発祥とする呼称であるが、日本の場合、正規のHO部品は特殊となり、当時は特殊な線路や模型部品が高価となるため、輸出用のHOスケールと共通の線路・車輪部品を用いることとし、実物の[[鉄道車両]]の[[車両限界|車体断面]]が欧米のそれと比較して一回り小さい為、軌間と車体サイズのバランスを取り、車体は1/80と少し大きめに製作することとなった。また、当時は小型[[電動機|モーター]]が普及しておらず、1/87の小型車両の製作が困難であったこともこの理由として考えられ、古典[[蒸気機関車]]など一部の[[動力車]]は1/80より大きなサイズで製作されたものも存在する。


かつて、日本の主流である1067mm軌間の鉄道を縮尺1/87とし、12mm幅の線路を使用するHOn3-1/2(後にHOj(エイチオージェー)、HOs(エイチオーエス)、H0m(エイチオーエム)等とも呼ばれる)の可能性が示唆され、一部の愛好者やメーカーで研究が開始されたが、実際に製品として登場するのは[[1980年代]]初頭であった。
このような方法が考案されたのは[[戦前]]から[[戦中|戦時中]]にかけてであり、同一の線路で日本型のみならず世界各国の車輌を走らせて楽しむ為に考えられたものであるが、のち[[第二次世界大戦]]後に米国向け製品の線路や部品を流用することで日本国内での普及に便宜を図ることが出来たという副次的な効果ももたらした([[占領]]下の日本では米国向けに精密工芸品として、多くの鉄道模型を輸出していた)。


== 軌間(ゲージ) ==
一方、[[標準軌]]であるが日本よりも鉄道車両の車体断面の小さい英国では、縮尺1/76、軌間16.5mmの'''[[OOゲージ]]'''が主流となった。
主な[[HOスケール]]におけるゲージは下のとおり。


*1435mm → 16.5mm(標準軌、新幹線や一部の私鉄路線)
このように同じ16.5mm軌間の線路を用いていても、縮尺と呼称の異なる2種類のゲージが存在し、かつ日本型車輌の1/80はOO=1/76、HO=1/87のどちらでもない。そこで1/76から1/87の縮尺で、16.5mm軌間の線路を使用するという観点で括ったもの(すなわち英国の[[OOゲージ]]、[[欧米]]のHOゲージ、日本の1/80・16.5mmゲージを含む)を'''[[16番ゲージ]]'''と呼ぶべきであるという提言が、雑誌『[[鉄道模型趣味]]』の主筆であった[[山崎喜陽]]によってなされたが、一般的には1/76~1/87で16.5mm軌間であればHOゲージと呼ばれることが多い。結果、日本の縮尺表記はHOゲージ表記と16番表記が入り乱れている。
*1067mm → 12mm(日本の国鉄(JR)、私鉄などの路線)
*1000mm → 12mm(スイスナローなど)
*914mm  → 10.5mm
*762mm  → 9mm
*610mm  → 6.5mm


== 駆動方式 ==
この1/80サイズに至る過程で、山崎喜陽は湯山一郎が{{jdate|1938}}に提唱した1/45、32mm軌間の'''[[零番ゲージ]]'''への賛同者が多いことに興味を持っている。この二人はたびたび会って日本における「国際ゲージ論」について語り合っている。
当初は[[ぜんまいばね|ぜんまい]]駆動や手押しであり、電気モーターを使うようになってからは交流直巻モーターを用い三線式の線路を使った。後に直流モーターが開発されると直流三線式が登場し、現在は直流二線式が主流となっている。交流三線式は[[メルクリン]]が専業として残っているのみである。三線式では電源を片側のレールと中央レール(または架線)、または反対側のレールと中央レール(または架線)のように分けることで多重制御が可能であった。[[デジタルコマンドコントロール|DCC]]の登場で二線式でも多重制御が容易にできるようになった。
第二次世界大戦以前の[[国粋主義]]的1/30、35mm軌間のような失敗を繰り返したくないとの反省を込めて1/80を定めたという。


== 製品 ==
英国の1/76のOOゲージから日本型1/80、本来のHOスケールの1/87までを漠然と「HO」と呼ぶようになってしまったのが現状であるが、厳密なスケール論からすると、これは誤りである。近年では1/87軌間12mm(通称HOj)が普及し、愛好家の間ではどちらがHOゲージの呼称を用いるかでしばしば論争の種となる。
海外においては、車両から線路、電源装置(コントローラー、パワーパック、トランス等)、ストラクチャー・建築物、レイアウト製作用品まで一手に生産する大手メーカーがある一方、車両やストラクチャー等、単一分野のみ生産する中小メーカーから個人が生産するガレージキットメーカーまで数多くのメーカーが存在する。大手メーカーからは入門者向けとして、車両、線路、電源機器等がまとまって入っているセットが発売されており、初心者や年少者でも簡単にHOゲージを始められるようになっている。
ただし、日本においてはHOゲージが主流ではないため線路や車両、電源がまとまって入っているセットはほとんど見られず、それらを単独でそろえることになることが多い。


これらの製品は、百貨店、量販店、玩具店や[[鉄道模型販売店|鉄道模型専門店]]で購入することができる。
縮尺1/80の場合、16.5mm軌間では日本の国鉄等の用いる[[狭軌]]1067mm軌間を忠実に再現していない為、1/80・16.5mmゲージの部品を流用し、軌間を13mmにした'''[[13mmゲージ]]'''が[[1960年代]]初期にアマチュアの作品として登場し、部品も一部発売された。


; 車両
しかし、そもそも欧米のHO(H0)スケールと同一の16.5mmの線路上を走らせる為に1/80という縮尺を取ったのであり、16.5mmの線路を用いないのであれば縮尺を欧米のHO(H0)スケールと同一の1/87にするべきではないのか?とする意見が[[1970年代]]初期に『鉄道模型趣味』誌等でみられるようになった。狭軌線である日本の鉄道を忠実に1/87に縮尺し、12.0mm幅の線路を使用するHOn3-1/2(後にHOj、HOs、H0m等の呼称もされるようになる)の可能性が示唆され、一部のファンやメーカーで研究が開始されるが、実際に製品として登場するのは[[1980年代]]初頭である。{{jdate|2000}}の[[国際鉄道模型コンベンション]]ではアンケート調査が行われた。[http://www.imon.co.jp/WEB/GAGE_ANK3.HTML]
: HOゲージの完成品は、[[射出成形]]による[[合成樹脂|プラスチック]]製、プレスやエッチングが施された真鍮製が主流である。特に重量が必要な機関車においてはダイキャスト成形による亜鉛合金製も製造されている。
: また、プラモデル同様に自分で接着剤を使って組み立て、塗装するプラ製キットや真鍮製キット、ペーパー製キット、[[バビットメタル|ホワイトメタル]]製キットなども発売されている。
: 動力は基本的にはモーターで、主に金属製の線路から電力を取得して動く。また架線から電力を取得するもの(架線集電システム)も存在し、専門メーカーもある。
; 線路
: 構造上では「道床付き線路」と、「道床無し線路」に分けられる。両者の違いは、「道床なし線路」がレール(軌条)とはしご状に作られた枕木部分だけで構成されているのに対し、「道床付き線路」は枕木の下の砂利部分も土台のような形で一体となっている点である。<br>
: 使用上では、曲線半径と円弧の角度、および直線の長さがあらかじめ決まっている「組み立て式線路」と、水平方向へ自在に曲げることのできる「フレキシブル線路」に分けられる。日本においては「道床付き」の「組み立て式線路」が主流である。
:: 発売メーカー:道床付き線路は、日本では関水金属が、海外ではアメリカのバックマン、ドイツのフライシュマン、メルクリンなどが製造している。一方の道床なし線路は日本では篠原模型店が、海外ではイギリスの[[Peco|ピィコ]]、アメリカのアトラス、ドイツのメルクリンなどが製造している。このほか、アメリカのマイクロエンジニアリングからはレールと枕木が別々になった線路そのもののキットも発売されている。
; 制御機器(コントローラー)
: パワーパック、パワーユニット、トランスとも呼ばれる電源装置で、入門向けの低価格品から大容量の高級機種にいたるまで豊富な種類が発売されている。
また近年、[[デジタルコマンドコントロール|DCC]]用の機器も多く製品化されるようになってきている。
; [[ストラクチャー]](鉄道模型のレイアウト・ジオラマなどの制作に使われる建造物の模型)
: 射出成形によるプラスチック製完成品ではバックマン、アトラスなどが、プラモデル状のキットはファーラー、キブリ、フォルマー、ウォルサーズなどが製造している。また、金属製キットやペーパーキット、木製キット(通称割箸キット)、レジンキャスト成形のキットなどさまざまな素材で、さまざまな種類の建物が製品化されている。
; アクセサリー
: [[自動車]]、人形など鉄道車両・ストラクチャー以外のHOスケールの模型製品全般を指し、主にレイアウト・ジオラマの製作に使われる。自動車はバス、トラックから自転車まで、人形は鉄道員、一般の通行人から牛、犬など動物まで製品化されているほか、電柱、看板、ドラム缶、ポリバケツなど様々なものが模型化されている。
; シーナリー用品
: レイアウトやジオラマ製作に使われる部材のことで、[[地形]]や[[植生]]を表現するために用いられる。カラーパウダー、ライケン、コルクブロックなどがウッドランドシーニックス、ノッホなどから発売されている。

レイアウト・ジオラマ上で、実際よりも奥行き感を出すために、HOスケールよりも小さいスケールのものを、遠景の情景としてレイアウト・ジオラマの奥側に置くことがある。その際はNゲージやTTゲージのストラクチャーやアクセサリー、1/100や1/200などの[[プラモデル]]などが利用される。

== 楽しみ方 ==
HOゲージには様々な楽しみ方があるが、大きく分けると次のようになる。

; 運転を楽しむ
: 鉄道模型を楽しむ上で外せないのが、運転する楽しみである。組み立て式線路では簡単に線路が敷設でき、安定した走行が得られる道床付き線路を使うことにより、テーブルの上や床の上でも手軽に運転を楽しむことができる。このようにテーブルや床の上に線路を仮設して楽しむ運転は「お座敷運転」等と呼ばれている。
: 情景のついた[[レイアウト (鉄道模型)|レイアウト]]上で車両を走らせれば、さらなる満足感を味わうことができる。レイアウトは愛好者自身が製作・保有する場合が多いが、特注により製作を代行する業者もある。日本の模型店の中には、サービスの一環として備え付けのレイアウトを来店客に開放している店もあり、レイアウトを有料で時間貸しする[[レンタルレイアウト]]もある。
; 車両を収集する
: HOゲージで製品化された車両は、各国の製品を合わせると非常に数が多い。これを[[ミニカー (玩具)|ミニカー]]のように収集する楽しみ方もある。人によって集め方は様々で、自分の好きな国、地域、年代、鉄道会社、模型メーカー、車種、列車、形式などテーマを決めて車両を集める。収集やコレクションというと、完成品を購入して観賞するというイメージがあるが、鉄道模型の場合、欲しい車両を改造・自作する場合もあり、テーマにあわせたレイアウトを作り、コレクションを走らせる楽しみ方もある。
; 車両工作を楽しむ
: 鉄道模型も含めた模型趣味の楽しみ方の基本的なものとして、模型工作がある。HOゲージは誕生時から自作をおこなうが愛好者多く、鉄道模型雑誌には工作記事が数多く掲載された。
: 車両工作といっても多種多様であるが、模型車両をより実車に即した形態になるよう手を加える細密化加工、元の車両から別の形式や仕様を作り出す車両改造、素材と部品(パーツ)から車両をつくりあげるスクラッチビルド(全自作)に大別される。
; レイアウトを製作する
: 鉄道模型においてもう一つの模型工作として、[[レイアウト]]の製作がある。日本ではスペースの問題から、鉄道模型クラブにおいてメンバー共同で集合式([[モジュールレイアウト]])や分割式のレイアウトを製作しているところがある。個人では実現が難しい、長大編成列車が運転可能なレイアウトも、このような方法をとれば実現が可能である。

このほかにも、メーカーやクラブなどが開催するイベントや運転会を見学したり、製品について出来栄えや使い勝手などの感想を交換したり、スワップミートと呼ばれる交換会・中古市に参加するといった楽しみ方もある。

== レイアウトとショーティー ==
[[メルクリン]]など欧州のHOゲージの多くは最小曲線半径360mmを基準に設計されるため省スペースで[[レイアウト]]を楽しむことができる。また、車両の長さを短縮([[ショーティー]])化させたショートスケール車両がHOゲージ登場時から発売されている。短縮化することで、外輪差・内輪差を抑えることができ、編成も長くすることができるため、かつてはアメリカや欧州では一般的であった。現在では縮尺どおりのフルスケール車両が主流となっている。近年発売されはじめた細密成型のフルスケール車両では、最小半径(360mm)を通過できない場合もある。
日本のHOゲージにおいては入門用の車両やフリーランス車両を除き、かつて[[バンダイ]]やイタリアの[[リマ (鉄道模型)|リマ]]から発売されたO系新幹線以外はほぼ縮尺どおりとなっている。


これは別に項目を設けることで混乱を避けることとして、本項目では一般的に普及しているHOゲージの記述に絞る事とする。


== 歴史 ==
== 歴史 ==
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* {{jdate|1947|8|30}} - 株式会社[[カツミ]]創立
* {{jdate|1921}} - ビング、OOゲージを発売
* {{jdate|1947}} - 株式会社[[カツミ]]創立。
* {{jdate|1949}} - [[天賞堂]]が製造販売を開始。
* {{jdate|1949}} - [[天賞堂]]が製造販売を開始。
* {{jdate|1970}} - [[日本万国博覧会|大阪万博]]の[[タイムカプセル]]、にカツミ製[[新幹線0系電車]]と[[国鉄103系電車|103系電車]]を封入。
* {{jdate|1970}} - [[日本万国博覧会|大阪万博]]の[[タイムカプセル]]、にカツミ製[[新幹線0系電車]]を封入。


== 主なメーカー ==
== 主なHOゲージメーカー ==
;日本
;日本
* [[安達製作所]]
* [[カツミ]]
* [[ドウ (鉄道模型メーカー)|ドウ]]
* [[カツミ]]
* [[カワイモデル]]
* [[カワイモデル]]
* [[関水金属]](KATO)
* [[関水金属]] (KATO)
* [[鉄道模型社]]
* [[天賞堂]]
* [[天賞堂]]
* [[Models IMON]]
* [[トミー|トミーテック]]([[TOMIX]])
* [[ハセガワ]](MODEMO)
* [[マイクロエース]]
* [[YAMA模型]]
* [[ワールド工芸]]
* [[ワールド工芸]]
;フランス
;フランス
* [[Jouef|ジュエフ]] (Jouef/ジョエフ)
* [[Jouef|ジュエフ]] (Jouefジョエフとも)
;ドイツ
;ドイツ
* [[フライシュマン (鉄道模型メーカー)|フライシュマン]]
* [[Piko|ピコ]] (PIKO)
* [[メルクリン]] (三線式HOゲージを製造)
* [[Trix|トリックス]] (TRIX)
* [[Piko|ピコ]]
* [[フライシュマン (鉄道模型メーカー)|フライシュマン]]
* [[TRIX|トリックス]] (二線式および三線式HOゲージを製造)
* [[メルクリン]]
;オーストリア
;オーストリア
* [[Roco|ロコ]] (Roco)
* [[Roco|ロコ]] (Roco)
;スイス
;スイス
* [[HAG|ハグ]]
* [[HAG|ハグ]]
;スロバキ
;スロベニ
* [[メハノ]]
* [[メハノ]] (MEHANO)
;アメリカ合衆国
;アメリカ合衆国
* [[アサーン]]
* [[アサーン]] (Athearn)
* [[バックマン]]
* [[バックマン (鉄道模型)|バックマン]] (Bachmann)
* [[:en:Wm. K. Walthers|ウォルサーズ]] (Walthers)
* [[ブロードウェイ]]
* [[:en:Life Like|ライフライク]] (Life Like)
* [[Proto]]
== 関連項目 ==
* [[HOスケール]]
* [[OOゲージ]]
* [[16番ゲージ]]
* [[スケールモデル]]

== その他 ==
日本においては戦前期に日本型は1/80、軌間は16.5mmとし、かつ日本型車輌の1/80は1/76、1/87のどちらでも無いため、1/76から1/87の縮尺で16.5mm軌間の線路を使用するという観点で括ったもの(すなわち英国のOOゲージ、欧米のHOゲージ、日本の1/80・16.5mmゲージを含む)をO番(零番)ゲージに倣い「16番ゲージ」(当初OOゲージは16mmとされたため)とすると山崎喜陽が提唱した。→[[16番ゲージ]]を参照。

第二次世界大戦後、米軍占領下の日本においてアメリカ向けHOゲージの製造・輸出がはじまり、それら製品の部品を流用することで日本国内でも16番ゲージの普及を図ることが出来たが、「HO」と「16番」が混同されだし、「HOゲージ」=「16番ゲージ」と愛好者やメーカーに誤認されるようになった。現在においてまで日本国内では鉄道模型雑誌上での製品紹介等で誤認・混同が見られるが、本来「HOゲージ」は1/87(3.5mmスケール)、軌間16.5mmをあらわす名称である。


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
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* [http://www.cwrr.com/nmra/Layout-HO2.html Layout Tours M-Z]
* [http://www.cwrr.com/nmra/Layout-HO2.html Layout Tours M-Z]
* [http://ho-scaletrains.net/index.html Tony Cook's HO-Scale Trains Resource] Includes separate websites for many classic HO-
* [http://ho-scaletrains.net/index.html Tony Cook's HO-Scale Trains Resource] Includes separate websites for many classic HO-

* [http://www.imon.co.jp/MODELS/HOVS16.MBR/HTML メーカーサイドの見解]
* [http://www.imon.co.jp/WEB/GAGE_ANK3.HTML 2000年の[[国際鉄道模型コンベンション]]でのアンケート結果]


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2010年3月15日 (月) 22:33時点における版

HOゲージは、鉄道模型縮尺軌間を示す呼称のひとつ。HOとはハーフOゲージの略である。国際的には縮尺1/87(3.5mmスケール)、軌間16.5mmのものを指す。日本ではHOゲージ(エイチオーゲージ、エッチオーゲージとも)と呼ばれることが多い。北米ではHO(エイチオー)、欧州大陸ではH0(エイチゼロ)と呼ばれることが多い。縮尺1/80、軌間16.5mmおよび、縮尺1/80を基準とする各軌間の鉄道模型は16番ゲージを参照。

近年、日本ではNゲージの製品および愛好者の数が多く主流であるが、欧米では、HOゲージ(OOゲージ)の製品および愛好者の数が最も多い。

概要

1920年代にイギリスにおいて、それまで主流であったOゲージ(縮尺1/43.5(7mmスケール)、軌間5/4インチ≒32mm)の半分の大きさとして登場したOOゲージ(縮尺1/87(3.5mmスケール)、軌間5/8インチ≒16mm(後に16.5mm))は、当時の加工技術では小さすぎて満足に模型化することが困難であったため、製品の軌間や縮尺はメーカーによってバラつきがあった。実物の鉄道において小振りな車体が主流であったイギリスでは当初の縮尺1/87(3.5mmスケール)を縮尺1/76.2(4mmスケール)に改めた。しかしイギリス以外の欧米では縮尺1/87で製品化されるようになり、また「HOゲージ」という名称でも売られた。バセット・ロークにより「OOゲージ」への呼称統一が図られたが失敗し、後に縮尺1/76、軌間16.5mmを「OOゲージ」、縮尺1/87、軌間16.5mmを「HOゲージ」として縮尺と名称が分けられた。

かつて、日本の主流である1067mm軌間の鉄道を縮尺1/87とし、12mm幅の線路を使用するHOn3-1/2(後にHOj(エイチオージェー)、HOs(エイチオーエス)、H0m(エイチオーエム)等とも呼ばれる)の可能性が示唆され、一部の愛好者やメーカーで研究が開始されたが、実際に製品として登場するのは1980年代初頭であった。

軌間(ゲージ)

主なHOスケールにおけるゲージは下のとおり。

  • 1435mm → 16.5mm(標準軌、新幹線や一部の私鉄路線)
  • 1067mm → 12mm(日本の国鉄(JR)、私鉄などの路線)
  • 1000mm → 12mm(スイスナローなど)
  • 914mm  → 10.5mm
  • 762mm  → 9mm
  • 610mm  → 6.5mm

駆動方式

当初はぜんまい駆動や手押しであり、電気モーターを使うようになってからは交流直巻モーターを用い三線式の線路を使った。後に直流モーターが開発されると直流三線式が登場し、現在は直流二線式が主流となっている。交流三線式はメルクリンが専業として残っているのみである。三線式では電源を片側のレールと中央レール(または架線)、または反対側のレールと中央レール(または架線)のように分けることで多重制御が可能であった。DCCの登場で二線式でも多重制御が容易にできるようになった。

製品

海外においては、車両から線路、電源装置(コントローラー、パワーパック、トランス等)、ストラクチャー・建築物、レイアウト製作用品まで一手に生産する大手メーカーがある一方、車両やストラクチャー等、単一分野のみ生産する中小メーカーから個人が生産するガレージキットメーカーまで数多くのメーカーが存在する。大手メーカーからは入門者向けとして、車両、線路、電源機器等がまとまって入っているセットが発売されており、初心者や年少者でも簡単にHOゲージを始められるようになっている。 ただし、日本においてはHOゲージが主流ではないため線路や車両、電源がまとまって入っているセットはほとんど見られず、それらを単独でそろえることになることが多い。

これらの製品は、百貨店、量販店、玩具店や鉄道模型専門店で購入することができる。

車両
HOゲージの完成品は、射出成形によるプラスチック製、プレスやエッチングが施された真鍮製が主流である。特に重量が必要な機関車においてはダイキャスト成形による亜鉛合金製も製造されている。
また、プラモデル同様に自分で接着剤を使って組み立て、塗装するプラ製キットや真鍮製キット、ペーパー製キット、ホワイトメタル製キットなども発売されている。
動力は基本的にはモーターで、主に金属製の線路から電力を取得して動く。また架線から電力を取得するもの(架線集電システム)も存在し、専門メーカーもある。
線路
構造上では「道床付き線路」と、「道床無し線路」に分けられる。両者の違いは、「道床なし線路」がレール(軌条)とはしご状に作られた枕木部分だけで構成されているのに対し、「道床付き線路」は枕木の下の砂利部分も土台のような形で一体となっている点である。
使用上では、曲線半径と円弧の角度、および直線の長さがあらかじめ決まっている「組み立て式線路」と、水平方向へ自在に曲げることのできる「フレキシブル線路」に分けられる。日本においては「道床付き」の「組み立て式線路」が主流である。
発売メーカー:道床付き線路は、日本では関水金属が、海外ではアメリカのバックマン、ドイツのフライシュマン、メルクリンなどが製造している。一方の道床なし線路は日本では篠原模型店が、海外ではイギリスのピィコ、アメリカのアトラス、ドイツのメルクリンなどが製造している。このほか、アメリカのマイクロエンジニアリングからはレールと枕木が別々になった線路そのもののキットも発売されている。
制御機器(コントローラー)
パワーパック、パワーユニット、トランスとも呼ばれる電源装置で、入門向けの低価格品から大容量の高級機種にいたるまで豊富な種類が発売されている。

また近年、DCC用の機器も多く製品化されるようになってきている。

ストラクチャー(鉄道模型のレイアウト・ジオラマなどの制作に使われる建造物の模型)
射出成形によるプラスチック製完成品ではバックマン、アトラスなどが、プラモデル状のキットはファーラー、キブリ、フォルマー、ウォルサーズなどが製造している。また、金属製キットやペーパーキット、木製キット(通称割箸キット)、レジンキャスト成形のキットなどさまざまな素材で、さまざまな種類の建物が製品化されている。
アクセサリー
自動車、人形など鉄道車両・ストラクチャー以外のHOスケールの模型製品全般を指し、主にレイアウト・ジオラマの製作に使われる。自動車はバス、トラックから自転車まで、人形は鉄道員、一般の通行人から牛、犬など動物まで製品化されているほか、電柱、看板、ドラム缶、ポリバケツなど様々なものが模型化されている。
シーナリー用品
レイアウトやジオラマ製作に使われる部材のことで、地形植生を表現するために用いられる。カラーパウダー、ライケン、コルクブロックなどがウッドランドシーニックス、ノッホなどから発売されている。

レイアウト・ジオラマ上で、実際よりも奥行き感を出すために、HOスケールよりも小さいスケールのものを、遠景の情景としてレイアウト・ジオラマの奥側に置くことがある。その際はNゲージやTTゲージのストラクチャーやアクセサリー、1/100や1/200などのプラモデルなどが利用される。

楽しみ方

HOゲージには様々な楽しみ方があるが、大きく分けると次のようになる。

運転を楽しむ
鉄道模型を楽しむ上で外せないのが、運転する楽しみである。組み立て式線路では簡単に線路が敷設でき、安定した走行が得られる道床付き線路を使うことにより、テーブルの上や床の上でも手軽に運転を楽しむことができる。このようにテーブルや床の上に線路を仮設して楽しむ運転は「お座敷運転」等と呼ばれている。
情景のついたレイアウト上で車両を走らせれば、さらなる満足感を味わうことができる。レイアウトは愛好者自身が製作・保有する場合が多いが、特注により製作を代行する業者もある。日本の模型店の中には、サービスの一環として備え付けのレイアウトを来店客に開放している店もあり、レイアウトを有料で時間貸しするレンタルレイアウトもある。
車両を収集する
HOゲージで製品化された車両は、各国の製品を合わせると非常に数が多い。これをミニカーのように収集する楽しみ方もある。人によって集め方は様々で、自分の好きな国、地域、年代、鉄道会社、模型メーカー、車種、列車、形式などテーマを決めて車両を集める。収集やコレクションというと、完成品を購入して観賞するというイメージがあるが、鉄道模型の場合、欲しい車両を改造・自作する場合もあり、テーマにあわせたレイアウトを作り、コレクションを走らせる楽しみ方もある。
車両工作を楽しむ
鉄道模型も含めた模型趣味の楽しみ方の基本的なものとして、模型工作がある。HOゲージは誕生時から自作をおこなうが愛好者多く、鉄道模型雑誌には工作記事が数多く掲載された。
車両工作といっても多種多様であるが、模型車両をより実車に即した形態になるよう手を加える細密化加工、元の車両から別の形式や仕様を作り出す車両改造、素材と部品(パーツ)から車両をつくりあげるスクラッチビルド(全自作)に大別される。
レイアウトを製作する
鉄道模型においてもう一つの模型工作として、レイアウトの製作がある。日本ではスペースの問題から、鉄道模型クラブにおいてメンバー共同で集合式(モジュールレイアウト)や分割式のレイアウトを製作しているところがある。個人では実現が難しい、長大編成列車が運転可能なレイアウトも、このような方法をとれば実現が可能である。

このほかにも、メーカーやクラブなどが開催するイベントや運転会を見学したり、製品について出来栄えや使い勝手などの感想を交換したり、スワップミートと呼ばれる交換会・中古市に参加するといった楽しみ方もある。

レイアウトとショーティー

メルクリンなど欧州のHOゲージの多くは最小曲線半径360mmを基準に設計されるため省スペースでレイアウトを楽しむことができる。また、車両の長さを短縮(ショーティー)化させたショートスケール車両がHOゲージ登場時から発売されている。短縮化することで、外輪差・内輪差を抑えることができ、編成も長くすることができるため、かつてはアメリカや欧州では一般的であった。現在では縮尺どおりのフルスケール車両が主流となっている。近年発売されはじめた細密成型のフルスケール車両では、最小半径(360mm)を通過できない場合もある。 日本のHOゲージにおいては入門用の車両やフリーランス車両を除き、かつてバンダイやイタリアのリマから発売されたO系新幹線以外はほぼ縮尺どおりとなっている。


歴史

主なHOゲージメーカー

日本
フランス
ドイツ
オーストリア
スイス
スロベニア
アメリカ合衆国

関連項目

その他

日本においては戦前期に日本型は1/80、軌間は16.5mmとし、かつ日本型車輌の1/80は1/76、1/87のどちらでも無いため、1/76から1/87の縮尺で16.5mm軌間の線路を使用するという観点で括ったもの(すなわち英国のOOゲージ、欧米のHOゲージ、日本の1/80・16.5mmゲージを含む)をO番(零番)ゲージに倣い「16番ゲージ」(当初OOゲージは16mmとされたため)とすると山崎喜陽が提唱した。→16番ゲージを参照。

第二次世界大戦後、米軍占領下の日本においてアメリカ向けHOゲージの製造・輸出がはじまり、それら製品の部品を流用することで日本国内でも16番ゲージの普及を図ることが出来たが、「HO」と「16番」が混同されだし、「HOゲージ」=「16番ゲージ」と愛好者やメーカーに誤認されるようになった。現在においてまで日本国内では鉄道模型雑誌上での製品紹介等で誤認・混同が見られるが、本来「HOゲージ」は1/87(3.5mmスケール)、軌間16.5mmをあらわす名称である。

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