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| 画像説明 = ホワイトスティグ<br />2006年イギリス国際モーターショーにて
| 画像説明 = ホワイトスティグ<br />2006年イギリス国際モーターショーにて
| 生年月日 = 不明
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| 生誕地 = 不明
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| 死没地 =
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| 職業 = [[トップ・ギア]]専属テストドライバー
| 職業 = [[トップ・ギア]]専属テストドライバー
| 出身校 = 不明
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| 配偶者 = 不明
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'''ザ・スティグ'''({{Lang-en|The Stig}})は、[[英国放送協会|BBC]]のテレビ番組『[[トップ・ギア]]』に出演している正体不明の覆面レーシングドライバーである<ref>{{cite web|url=http://www.bbc.co.uk/topgear/show/powerlaps.shtml|publisher=[[w:en:BBC Television]], [[トップ・ギア]]|quote=Every performance road car that comes to the Top Gear test track eventually ends up in the hands of our tame racing driver.|accessdate=2008-08-08|title=Power Laps}}</ref>。番組内では主にラップタイム計測のコーナーに出演している。
'''ザ・スティグ'''({{Lang-en|The Stig}})は、[[英国放送協会|BBC]]のテレビ番組『[[トップ・ギア]]』に出演している覆面レーシングドライバーである<ref>{{cite web|url=http://www.bbc.co.uk/topgear/show/powerlaps.shtml|publisher=[[w:en:BBC Television]], [[トップ・ギア]]|quote=Every performance road car that comes to the Top Gear test track eventually ends up in the hands of our tame racing driver.|accessdate=2008-08-08|title=Power Laps}}</ref>。番組内では主にラップタイム計測のコーナーに出演している。


== 由来 ==
== 由来 ==
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当初は番組プレゼンターがラップタイムの計測に当たっていたが、計測速度を一貫して掲示することが出来ないとして、現行の番組形態に移行した際に常駐テストドライバーとしてクラークソンによって導入された。
当初は番組プレゼンターがラップタイムの計測に当たっていたが、計測速度を一貫して掲示することが出来ないとして、現行の番組形態に移行した際に常駐テストドライバーとしてクラークソンによって導入された。


ブラックスティグはトップギア・テストトラックにて[[スズキ・エリオ|スズキ・リアナ]]による標準記録として1分46秒を出し、シリーズ1と2に出演した<ref name=TopGear1.1>''Top Gear'' Series 1, Episode 1 (2002-10-20)</ref>。
ブラックスティグはトップギア・テストトラックにて[[スズキ・エリオ|スズキ・リアナ]]による標準記録として1分46秒を出し、シリーズ1と2に出演した<ref name="TopGear1.1">''Top Gear'' Series 1, Episode 1 (2002-10-20)</ref>。


[[ジャガー・XJS]]に乗り[[イギリス海軍]]の[[航空母艦]][[インヴィンシブル (空母)|インヴィンシブル]]の[[飛行甲板]]上で速度実験をするも減速に失敗し車ごと転落、「死亡」した(番組の演出として)<ref>''Top Gear'' Series 3, Episode 1 (2003-10-26)</ref><ref>BBCWorldwide, YouTube. [http://www.youtube.com/watch?v=_eiJkQzpzRc ''Top Gear - The Stig - HMS Invincible - BBC''] Accessed (2008-11-26)</ref>。そしてシリーズ3からホワイトスティグに交代した。
[[ジャガー・XJS]]に乗り[[イギリス海軍]]の[[航空母艦]][[インヴィンシブル (空母)|インヴィンシブル]]の[[飛行甲板]]上で速度実験をするも減速に失敗し車ごと転落、「死亡」した(番組の演出として)<ref>''Top Gear'' Series 3, Episode 1 (2003-10-26)</ref><ref>BBCWorldwide, YouTube. [http://www.youtube.com/watch?v=_eiJkQzpzRc ''Top Gear - The Stig - HMS Invincible - BBC''] Accessed (2008-11-26)</ref>。そしてシリーズ3からホワイトスティグに交代した。
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ブラックスティグ亡き後、シリーズ3から登場した新しいスティグは全身白尽くめの格好であった<ref>''Top Gear'' Series 3, Episode 2 (2003-11-02)</ref>。ちなみにホワイトスティグは、通常は[[アルパインスターズ]]の[[レーシングスーツ]]に[[シンプソン・パフォーマンス・プロダクツ|シンプソン]]の[[ヘルメット]]を着用している(F1マシンをドライブする時など、[[アライヘルメット|アライ]]のヘルメットを使用する場合もある)。
ブラックスティグ亡き後、シリーズ3から登場した新しいスティグは全身白尽くめの格好であった<ref>''Top Gear'' Series 3, Episode 2 (2003-11-02)</ref>。ちなみにホワイトスティグは、通常は[[アルパインスターズ]]の[[レーシングスーツ]]に[[シンプソン・パフォーマンス・プロダクツ|シンプソン]]の[[ヘルメット]]を着用している(F1マシンをドライブする時など、[[アライヘルメット|アライ]]のヘルメットを使用する場合もある)。


ラップタイム発表時に登場する際はジェレミー等に「足の指が女性の乳首並に感じる」、「便器を見て動揺する」などさまざまな噂とともに紹介される。好物は[[豚]]の生肉とされている。
ラップタイム発表時に登場する際はジェレミー等に「足の指が女性の乳首並に感じる」、「便器を見て動揺する」などさまざまな噂とともに紹介される。好物は[[豚]]の生肉で、乗車前に食べさせることで好タイムを出せるとされている。

ラップタイム計測中に車載ステレオで CD 等を聞くことがあり、第10シリーズでは自己啓発 CD、第11シリーズでは[[エルトン・ジョン]]、第12シリーズでは[[モールス信号]]、第13シリーズでは[[バグパイプ]]とシリーズによって題材が変わる。第12シリーズでのモールス信号は実際に車の印象等を述べており、番組内で唯一スティグの意思表示がなされているが、放送後インターネット上へファンが解読したものが勝手に載せられるとの理由で番組内では口語訳されない。第15シーズンでは最初の放送が[[FIFAワールドカップ 南アフリカ大会|ワールドカップ]]開催期間中だったため、「[[ノルウェー]]代表のファン」という理由でノルウェーの旗を立て、[[ブブゼラ]]を聞いていた<ref>が、走行中に突然[[南アフリカ]]と[[イングランド]]の国旗をデザインした[[ヒュンダイ]]の車がサッカーをしている映像でパワーラップが中断されてしまった(ジェレミーの走行実況だけは聞こえる)。これは、2010年6月12日に[[ITV (イギリス)|ITV]]が放送したイングランド-アメリカ戦で、生放送中に突然ヒュンダイのCMが放送され、中継が中断した(しかもその間にイングランドが先制点を挙げている)[[放送事故]]に対する皮肉である。 参考:[http://topics.jp.msn.com/sports/football/article.aspx?articleid=306449 イングランドのTV局、アメリカ戦中継時に放送事故 - MSN トピックス]</ref>。ワールドカップ終了後は[[ビージーズ]]を聞いている。


ホワイトスティグはラップタイム計測だけでなく、例えば[[ロンドン]]市内を各種交通手段を使用して縦断する企画では<ref>See for example ''Top Gear'' Series 7, Episode 1 Isle of Man Test</ref>、荷台で運ばれて登場し、自動車を運転せず[[ロンドン地下鉄]]に乗る<ref>See for example ''Top Gear'' Series 8, Episode 7 (2006-07-23) The Hosts building a Caterham Kitcar vs. The Stig driving one from Caterham HQ</ref>など一風変わった姿をみせることもある<ref>See for example ''Top Gear'' Series 10, Episode 5 (2007-11-11) Crossing London/Public Transport Challenge</ref>。ちなみに[[2008年]]の[[w:en:National Television Awards|National Television Awards]]では、『トップ・ギア』がMost Popular Factual Programmeにノミネートされたためホワイトスティグが番組を代表して授賞式に出席し、同賞を受け取っている。番組中にしゃべることは一切なく、授賞式の際も無言を貫いた(代わりにプレゼンターが、スティグの持参したジェレミー・クラークソンのメッセージを読み上げている)。
ホワイトスティグはラップタイム計測だけでなく、例えば[[ロンドン]]市内を各種交通手段を使用して縦断する企画では<ref>See for example ''Top Gear'' Series 7, Episode 1 Isle of Man Test</ref>、荷台で運ばれて登場し、自動車を運転せず[[ロンドン地下鉄]]に乗る<ref>See for example ''Top Gear'' Series 8, Episode 7 (2006-07-23) The Hosts building a Caterham Kitcar vs. The Stig driving one from Caterham HQ</ref>など一風変わった姿をみせることもある<ref>See for example ''Top Gear'' Series 10, Episode 5 (2007-11-11) Crossing London/Public Transport Challenge</ref>。ちなみに[[2008年]]の[[w:en:National Television Awards|National Television Awards]]では、『トップ・ギア』がMost Popular Factual Programmeにノミネートされたためホワイトスティグが番組を代表して授賞式に出席し、同賞を受け取っている。番組中にしゃべることは一切なく、授賞式の際も無言を貫いた(代わりにプレゼンターが、スティグの持参したジェレミー・クラークソンのメッセージを読み上げている)。


ホワイトスティグはトップギア・テストトラックでスズキ・リアナに乗り1分44秒4を出した。これは[[ナイジェル・マンセル]]や[[ジェンソン・バトン]]、[[ルイス・ハミルトン]]、[[デイモン・ヒル]]などの[[フォーミュラ1|F1]]ドライバーの記録を上回り、歴代の記録である。
ホワイトスティグはトップギア・テストトラックでスズキ・リアナに乗り1分44秒4を出した。これは[[ナイジェル・マンセル]]や[[ジェンソン・バトン]]、[[ルイス・ハミルトン]]、[[デイモン・ヒル]]などの[[フォーミュラ1|F1]]ドライバーの記録を上回る記録であり、第15シーズン3回目の放送で[[ルーベンス・バリチェロ]]が破るまで速記録だった<ref>ちなみに、バリチェロの記録は1分44秒3である。第15シーズン5回目の放送で[[トム・クルーズ]]がそれをさらに上回る1分44秒2を記録したが、これは使用した車種が異なる。</ref>


スティグは有名人が走行タイムを競うコーナー「Star in a Reasonably Priced Car」では登場するゲストにアドバイスや指導を行っている。
スティグは有名人が走行タイムを競うコーナー「Star in a Reasonably Priced Car」では登場するゲストにアドバイスや指導を行っている。
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スティグは番組内ではあくまで「備品」扱いであり、『トップ・ギア』のオフィスに常備されていることになっている模様。シーズン13エピソード2ではトップ・ギアオフィスでコピー機と格闘している描写がある。[[Google ストリートビュー]]でも『トップ・ギア』のオフィスの窓際に立つホワイトスティグの姿を確認することができ<ref>[http://maps.google.co.uk/maps?f=q&source=s_q&hl=en&geocode=&q=Hammersmith,+London+W12+0TT,+UK&sll=53.800651,-4.064941&sspn=12.322317,40.253906&ie=UTF8&ll=51.514959,-0.228567&spn=0.001582,0.004914&t=h&z=18&layer=c&cbll=51.514926,-0.228765&panoid=cRXQyRB9ywmaZVKuBSddWw&cbp=12,146.0064180401871,,2,-12.084480108548325 Hammersmith, London W12 0TT, UK] - Google Maps</ref>、その話題は『トップ・ギア』の公式[[ブログ]]でも取り上げられた<ref>[http://cupholder.blogs.topgear.com/2009/03/20/stig-puts-us-on-the-map/ Stig puts us on the map] - The Cupholder・2009年3月20日</ref>。
スティグは番組内ではあくまで「備品」扱いであり、『トップ・ギア』のオフィスに常備されていることになっている模様。シーズン13エピソード2ではトップ・ギアオフィスでコピー機と格闘している描写がある。[[Google ストリートビュー]]でも『トップ・ギア』のオフィスの窓際に立つホワイトスティグの姿を確認することができ<ref>[http://maps.google.co.uk/maps?f=q&source=s_q&hl=en&geocode=&q=Hammersmith,+London+W12+0TT,+UK&sll=53.800651,-4.064941&sspn=12.322317,40.253906&ie=UTF8&ll=51.514959,-0.228567&spn=0.001582,0.004914&t=h&z=18&layer=c&cbll=51.514926,-0.228765&panoid=cRXQyRB9ywmaZVKuBSddWw&cbp=12,146.0064180401871,,2,-12.084480108548325 Hammersmith, London W12 0TT, UK] - Google Maps</ref>、その話題は『トップ・ギア』の公式[[ブログ]]でも取り上げられた<ref>[http://cupholder.blogs.topgear.com/2009/03/20/stig-puts-us-on-the-map/ Stig puts us on the map] - The Cupholder・2009年3月20日</ref>。


スティグは番組を離れ単体のキャラクターとしても高い人気を持っており、[[2009年]]10月には『[[ウォーリーをさがせ!]]』のスティグ版『Where's Stig?』(ISBN 978-1846078088)がBBC Booksより発売されている<ref>[http://www.autoblog.com/2009/08/25/forget-waldo-bbc-books-coming-out-with-i-wheres-stig-i-for/ Forget Waldo, BBC Books coming out with Where's Stig? for kids] - autoblog.com・2009年8月25日</ref>。
スティグは番組を離れ単体のキャラクターとしても高い人気を持っており、[[2009年]]10月には『[[ウォーリーをさがせ!]]』のスティグ版『Where's Stig?』(ISBN 978-1846078088)がBBC Booksより発売されている<ref>[http://www.autoblog.com/2009/08/25/forget-waldo-bbc-books-coming-out-with-i-wheres-stig-i-for/ Forget Waldo, BBC Books coming out with Where's Stig? for kids] - autoblog.com・2009年8月25日</ref>。また、[[グランツーリスモ5]]に[[TopGearテストトラック]]が収録されるが、プロモーションビデオにおけるテストトラックの映像にも、スティグが出演している<ref>[http://www.topgear.com/uk/videos/gran-turismo-5-trailer Gran Turismo 5 trailer - BBC Top Gear] 動画説明文より。</ref>。

なお、シリーズ13エピソード1(2009年6月21日放送)ではホワイトスティグの正体が[[ミハエル・シューマッハ]]であるとされたが、これ番組側からジョークである<ref name=f1live>[http://jp.f1-live.com/f1/jp/headlines/news/detail/090622230900.shtml トップ・ギアのスティッグ役を務めるシューマッハ] - f1-live.com・2009年6月23日</ref>。

[[フェルナンド・アロンソ]]は「あれは相当な腕だ、F1に何らかの形で関わったドライバーに違いない」と評し、その技術を高く評価している。


=== 他のスティグ ===
=== 他のスティグ ===
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シリーズ10エピソード4では[[ボツワナ]]に住んでいる「ボツワナのいとこ」が登場した。その姿は黒く、[[プーマ]]の靴、白い伝統的な腰巻、白いヘルメットだけをかぶっていた<ref>''Top Gear'' Series 10 Episode 4 (4 November 2007)</ref>。
シリーズ10エピソード4では[[ボツワナ]]に住んでいる「ボツワナのいとこ」が登場した。その姿は黒く、[[プーマ]]の靴、白い伝統的な腰巻、白いヘルメットだけをかぶっていた<ref>''Top Gear'' Series 10 Episode 4 (4 November 2007)</ref>。


シリーズ12エピソード1ではトラック運転手をしている「いとこ」が登場、肥満体でトラック運転手の特徴である右腕が極端に日焼けしていることが確認できる。また同シリーズ最終回のトナムスペシャルにおいて赤い服装赤いヘルメットの「共産主義者のいとこ(ライダー)」がDVD特典のカットされたシーンに登場した<ref>''Top Gear'' Series 12 Episode 1 (2 November 2008)</ref>。
シリーズ12エピソード1ではトラック運転手をしている「いとこ」が登場、肥満体でトラック運転手の特徴である右腕が極端に日焼けしていることが確認できる。また同シリーズ最終回のトナムスペシャルにおいて赤い服装赤いヘルメットの「共産主義者のいとこ(ライダー)」がDVD特典のカットされたシーンに登場した<ref>''Top Gear'' Series 12 Episode 1 (2 November 2008)</ref>。


シリーズ13の[[CM]]では出演者の3人に紛れて子供並みのサイズのスティグも登場している。
シリーズ13の[[CM]]では出演者の3人に紛れて子供並みのサイズのスティグも登場している。


シリーズ14エピソード2では出演者3人が作った(ディーゼル発電機を搭載した)電気自動車の耐久走行テストをするため、ヘルメットの頭頂部に[[太陽電池]]が貼られた全身緑色の「[[菜食主義者]]のいとこ」が登場。しかし、テストを始めて間もなく発電機の排気パイプが外れて車内に煙が充満し、開始35分で死亡するというアクシデントが起きた(もちろん、これは番組の演出である)。
シリーズ14エピソード2では出演者3人が作った(ディーゼル発電機を搭載した)電気自動車の耐久走行テストをするため、ヘルメットの頭頂部に[[太陽電池]]が貼られた全身緑色の「[[菜食主義者]]のいとこ」が登場。しかし、テストを始めて間もなく発電機の排気パイプが外れて車内に煙が充満し、開始35分で死亡するというアクシデントが起きた(もちろん、これは番組の演出である)。

シリーズ15エピソード2では、ドイツに住んでいる「ドイツ人のいとこ」が登場した。ほとんどスティグと変わりないが、ヘルメットから髪の毛がはみ出している。


== 計測記録 ==
== 計測記録 ==
スティグの[[トップ・ギア テスト・トラック]]での最速公式ラップタイムは[[ペルトアポロ]]で1分171を記録<ref>''Top Gear'' Series 10, Episode 9 (2007-12-09)</ref>。なお[[フェラーリ・FXX]]では1分10秒7を記録しているが<ref>''Top Gear'' Series 13, Episode 1 (2009-06-21)</ref>、これはスティグの格好をしたシューマッハによる記録であることに加え<ref name=f1live />、翌週の放送で「実は[[スリックタイヤ]]を使っていた」ことが判明し、最速ラップから抹消されている。
スティグの[[トップ・ギア テスト・トラック]]での最速公式ラップタイムは[[ブガッティ・ヴェイロ|ブガッティヴェイン スーパースポーツ]]で1分168を記録<ref>''Top Gear'' Series 15, Episode 5(2010-07-25)</ref>。なお[[フェラーリ・FXX]]では1分10秒7を記録しているが<ref>''Top Gear'' Series 13, Episode 1 (2009-06-21)</ref>、これはスティグの格好をした[[ミハエル・シューマッハ]]による記録であることに加え<ref name="f1live" />、翌週の放送で「実は[[スリックタイヤ]]を使っていた」ことが判明し、最速ラップから抹消されている。


他に[[アストンマーチン・DBR9]]で1分8秒6<ref>''Top Gear'' Series 6, Episode 6 (2005-07-03)</ref>、さらに[[ルノー・R24]]で59秒<ref>''Top Gear'' Series 5, Episode 8 (2004-12-19)</ref>が記録されている。しかし、ルノーやアストンマーチンの記録はイギリス行政によって一般道に設置されたスピードバンプ(規制減速を目的とした道路上に設置された減速帯)を通過することが困難であることと、一般市民が車両を購入出来ないことを理由に、番組のラップボードに載せられてはいない。
他に[[アストンマーチン・DBR9]]で1分8秒6<ref>''Top Gear'' Series 6, Episode 6 (2005-07-03)</ref>、さらに[[ルノー・R24]]で59秒<ref>''Top Gear'' Series 5, Episode 8 (2004-12-19)</ref>が記録されている。しかし、ルノーやアストンマーチンの記録はイギリス行政によって一般道に設置されたスピードバンプ(規制減速を目的とした道路上に設置された減速帯)を通過することが困難であることと、一般市民が車両を購入出来ないことを理由に、番組のラップボードに載せられてはいない。

== 正体 ==
=== ブラックスティグ ===
長らく正体不明と語られていたが、[[2010年]][[8月25日]]のBBCニュースで本人が素顔で登場し、テロップにも「'''The Original Stig'''」と表示されていた。この結果、[[1992年のF1世界選手権|1992年]]に[[アンドレア・モーダ]]でF1デビューをした[[ペリー・マッカーシー]]が「初代スティグ」であったことが明らかになった<ref name="bbc">{{citenews|url =http://www.bbc.co.uk/news/entertainment-arts-11083602|title = Perry McCarthy: 'I was the original Stig'|publisher = [[BBC]] |date = 2010-08-25|accessdate = 2010-08-27}}</ref>。

以前よりスティグの正体がマッカーシーであるという噂は囁かれており、最初にそれを報じたのは2003年で発信元は[[サンデー・ミラー|サンデー・ミラー紙]]であった。BBC側は一貫としてこれを否定し続けたが、その後の2009年に[[ニュース・オブ・ザ・ワールド|ニュース・オブ・ザ・ワールド紙]]がマッカーシーであると暴露を開始した。2010年8月25日にBBCニュースにマッカーシーが「'''オリジナルのスティグ'''」としてゲスト出演したため、ようやくBBC側も事実を認める形となった。

マッカーシーはF1ではアンドレア・モーダで全戦[[予備予選 (F1)|予備予選]]落ちという実績しか残していないものの、[[ベネトン・フォーミュラ|ベネトン]]、[[アロウズ]]、[[ウィリアムズ]]にてテストドライバーとしての豊富な経験があり、これらのチームで好タイムを計測していた。他にも[[BMWザウバー|BMW]]のドライバー選考テストに参加したこともあるほか、[[ル・マン24時間レース]]では[[アウディ]]の[[ワークス・チーム]]に所属して[[アウディ・R8 (レーシングカー)|アウディ・R8]]をドライブしていたこともある。

但し、マッカーシーは "I '''was''' Original Stig"(「私は本物のスティグ'''だった'''」)と述べているほか、2003年を最後に番組を離れたことも明らかにしている(これは丁度ブラックスティグからホワイトスティグへの交代時期に当たる)<ref name="bbc"/>。

=== ホワイトスティグ ===
ホワイトスティグの正体については、様々な憶測が飛んでいる。

2代目スティグと噂される人物は、様々なレーシングドライバー、スタントドライバーの他、複数名がスティグを演じているとも憶測されている<ref>[http://www.telegraph.co.uk/motoring/4217153/Top-Gears-The-Stig-revealed-as-married-man-who-drives-boring-car.html Top Gear's The Stig revealed as married man 'who drives boring car']</ref><ref>[http://www.dailymail.co.uk/news/article-1123502/The-Stig-s-unmasked-Top-Gear-use-FOUR-different-mystery-test-drivers.html The Stig(s) unmasked: Top Gear use FOUR different mystery test drivers]</ref><ref>[http://www.dailymail.co.uk/tvshowbiz/article-1127714/EXCLUSIVE-The-drivers-Top-Gear-stunt-driver-The-Stigs-famous-racing-whites.html EXCLUSIVE: The eight drivers behind Top Gear stunt driver The Stig's famous racing whites]</ref>。特に、番組内で[[2004年]]型の[[ルノーF1]]([[ルノー・R24]])を安定したペースで運転したことがある経緯から、元[[フォーミュラ1|F1]]ドライバーか、そのレベルに相当する競技経験のある人物ではないかと見られている。2008年のF1[[イギリスグランプリ|イギリスGP]]ではスティグがF1マシン(を改造した2シーターマシン)をドライブするというイベントがあり、それを見ていた[[フェルナンド・アロンソ]]が、「あれは相当の腕だ。F1に何らかの形でかかわったドライバーに違いない」とコメントしていた<ref>[http://www.f1complete.com/content/view/9324/900/ The Stig impresses F1 champ Alonso]</ref>。

なお、シリーズ13エピソード1(2009年6月21日放送)ではホワイトスティグの正体が[[ミハエル・シューマッハ]]であるとされたが、司会のクラークソン最後に「僕はミハエルがスティグだとは思わない (I don't think Michael Schumacher is the Stig)」と述べており、シューマッハはスティグとは別にスペシャルゲストとしてクレジットされたことからも、ジョークである可能性が高い<ref>[http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/8111588.stm Schumacher 'revealed' as the Stig]</ref><ref name="f1live">[http://jp.f1-live.com/f1/jp/headlines/news/detail/090622230900.shtml トップ・ギアのスティッグ役を務めるシューマッハ] - f1-live.com・2009年6月23日</ref>。

=== ホワイトスティグとベン・コリンズ ===
2009年1月には[[タイムズ]]紙をはじめとする英国内の複数の新聞が、元[[フォーミュラ3|F3]]ドライバーの[[ベン・コリンズ]]がホワイトスティグの正体の一人であると報じた<ref>[http://www.timesonline.co.uk/tol/driving/article5548705.ece Identity of Top Gear's The Stig revealed as Ben Collins] - タイムズ・2009年1月20日</ref>。2010年8月にはさらにサンデー・タイムズ紙が、BBCからコリンズの経営する会社に対して「『トップ・ギア』を主体とした番組のための運転サービス」の対価として多額の支払いが行われていること、またその支払がホワイトスティグの登場とほぼ同時期である2003年に始まっていることを報じている<ref>[http://www.telegraph.co.uk/motoring/news/7958512/Stig-mystery-financial-documents-suggest-identity-of-Top-Gear-driver.html Stig mystery: financial documents suggest identity of Top Gear driver] - デイリーテレグラフ・2010年8月22日</ref>。

2010年8月29日には、イギリスの[[デイリー・ミラー]]紙が、ベン・コリンズがBBCから解雇されたと報道している<ref>[http://www.mirror.co.uk/news/top-stories/2010/08/29/ben-collins-dumped-by-bbc-after-being-unmasked-as-top-gear-s-the-stig-115875-22521367/ Ben Collins dumped by BBC after being ­unmasked as Top Gear’s The Stig] - Mirror.co.uk・2010年8月29日</ref>。同紙は、この日[[ニュルブルクリンク]]で行われた『トップ・ギア』のイベントにホワイトスティグが出演していたのと同じ時間に、コリンズが自宅近くで子供と遊んでいる様子を捉えられた(すなわち別の人物がホワイトスティグを演じている)ことを解雇の根拠としている。

そもそもの問題の発端は、コリンズが2010年9月に出版する自伝の中で「スティグは自分だった」と明かそうとした事が原因となったとされている。BBCはコリンズの自伝の出版差し止めを求める仮処分をロンドンの高等法院に申し立てたものの、申立は却下されており<ref>[http://www.bbc.co.uk/news/entertainment-arts-11151777 Stig court case: BBC loses battle over Ben Collins book] - BBC News・2010年9月1日</ref>、予定通り行けば9月16日にも自伝が発売される。

なお『トップ・ギア』のプロデューサーを務める[[アンディ・ウィルマン]]は、この騒動に関連して『トップ・ギア』の公式サイトにおいて「The Stig. He's ours(スティグは我々のものだ)」というコラムを公開しており、番組がスティグというブランドを育ててきたこと、そして今後もスティグの匿名性を守る意向をアピールしている<ref>[http://transmission.blogs.topgear.com/2010/08/27/the-stig-he-is-ours/ The Stig. He's ours] - TopGear.com・2010年8月27日</ref>。また『トップ・ギア』の司会者の一人である[[ジェームズ・メイ]]も、この件に関して「スティグは何者でもない。我々は代わりのスティグを獲得することができるし、宇宙にはたくさんのスティグがいる」と語ったと伝えられており<ref>[http://www.mirror.co.uk/celebs/news/2010/09/03/may-we-ll-get-revenge-on-the-stig-115875-22533131/ Top Gear host James May jokes about taking revenge on The Stig] - Mirror.co.uk・2010年9月3日</ref>、前述のニュルブルクリンクの件も含め、番組では新たなスティグとしてコリンズの代わりのドライバーを用意しているものと見られている。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
{{reflist|2}}
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{{DEFAULTSORT:すていく}}
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[[Category:英国放送協会]]
[[Category:英国放送協会]]

[[ar:ذ ستيغ]]
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[[fi:The Stig]]
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[[fr:Le Stig]]
[[fr:Le Stig]]

2010年10月27日 (水) 05:55時点における版

ザ・スティグ
The Stig
ホワイトスティグ
2006年イギリス国際モーターショーにて
生誕 不明 (設定上)
不明 (設定上)
出身校 不明 (設定上)
職業 トップ・ギア専属テストドライバー
配偶者 不明 (設定上)
子供 不明 (設定上)
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ザ・スティグ英語: The Stig)は、BBCのテレビ番組『トップ・ギア』に出演している覆面のレーシングドライバーである[1]。番組内では主にラップタイム計測のコーナーに出演している。

由来

スティグという名は、トップ・ギアの司会者であるジェレミー・クラークソンが在学していたレプトン・スクールでの逸話に由来する。クラークソンによればレプトン・スクールの新入生はスティグと呼ばれていたという[2]

ブラックスティグ

初登場時のスティグは黒いフルフェイスヘルメットに黒いオーバーオールの姿であった。

当初は番組プレゼンターがラップタイムの計測に当たっていたが、計測速度を一貫して掲示することが出来ないとして、現行の番組形態に移行した際に常駐テストドライバーとしてクラークソンによって導入された。

ブラックスティグはトップギア・テストトラックにてスズキ・リアナによる標準記録として1分46秒を出し、シリーズ1と2に出演した[3]

ジャガー・XJSに乗りイギリス海軍航空母艦インヴィンシブル飛行甲板上で速度実験をするも減速に失敗し車ごと転落、「死亡」した(番組の演出として)[4][5]。そしてシリーズ3からホワイトスティグに交代した。

ホワイトスティグ

ブラックスティグ亡き後、シリーズ3から登場した新しいスティグは全身白尽くめの格好であった[6]。ちなみにホワイトスティグは、通常はアルパインスターズレーシングスーツシンプソンヘルメットを着用している(F1マシンをドライブする時など、アライのヘルメットを使用する場合もある)。

ラップタイム発表時に登場する際はジェレミー等に「足の指が女性の乳首並に感じる」、「便器を見て動揺する」などさまざまな噂とともに紹介される。好物はの生肉で、乗車前に食べさせることで好タイムを出せるとされている。

ラップタイム計測中に車載ステレオで CD 等を聞くことがあり、第10シリーズでは自己啓発 CD、第11シリーズではエルトン・ジョン、第12シリーズではモールス信号、第13シリーズではバグパイプとシリーズによって題材が変わる。第12シリーズでのモールス信号は実際に車の印象等を述べており、番組内で唯一スティグの意思表示がなされているが、放送後インターネット上へファンが解読したものが勝手に載せられるとの理由で番組内では口語訳されない。第15シーズンでは最初の放送がワールドカップ開催期間中だったため、「ノルウェー代表のファン」という理由でノルウェーの旗を立て、ブブゼラを聞いていた[7]。ワールドカップ終了後はビージーズを聞いている。

ホワイトスティグはラップタイム計測だけでなく、例えばロンドン市内を各種交通手段を使用して縦断する企画では[8]、荷台で運ばれて登場し、自動車を運転せずロンドン地下鉄に乗る[9]など一風変わった姿をみせることもある[10]。ちなみに2008年National Television Awardsでは、『トップ・ギア』がMost Popular Factual Programmeにノミネートされたためホワイトスティグが番組を代表して授賞式に出席し、同賞を受け取っている。番組中にしゃべることは一切なく、授賞式の際も無言を貫いた(代わりにプレゼンターが、スティグの持参したジェレミー・クラークソンのメッセージを読み上げている)。

ホワイトスティグはトップギア・テストトラックでスズキ・リアナに乗り1分44秒4を出した。これはナイジェル・マンセルジェンソン・バトンルイス・ハミルトンデイモン・ヒルなどのF1ドライバーの記録を上回る記録であり、第15シーズン3回目の放送でルーベンス・バリチェロが破るまで最速記録だった[11]

スティグは有名人が走行タイムを競うコーナー「Star in a Reasonably Priced Car」では登場するゲストにアドバイスや指導を行っている。

スティグは番組内ではあくまで「備品」扱いであり、『トップ・ギア』のオフィスに常備されていることになっている模様。シーズン13エピソード2ではトップ・ギアオフィスでコピー機と格闘している描写がある。Google ストリートビューでも『トップ・ギア』のオフィスの窓際に立つホワイトスティグの姿を確認することができ[12]、その話題は『トップ・ギア』の公式ブログでも取り上げられた[13]

スティグは番組を離れ単体のキャラクターとしても高い人気を持っており、2009年10月には『ウォーリーをさがせ!』のスティグ版『Where's Stig?』(ISBN 978-1846078088)がBBC Booksより発売されている[14]。また、グランツーリスモ5TopGearテストトラックが収録されるが、プロモーションビデオにおけるテストトラックの映像にも、スティグが出演している[15]

他のスティグ

トップギアの各回ではカメオ出演する「親戚の」スティグが登場することがある。

シリーズ9エピソード3ではアメリカ合衆国に住んでいる肥満体の「アメリカのいとこ」が登場した[16]

シリーズ10エピソード4ではボツワナに住んでいる「ボツワナのいとこ」が登場した。その姿は黒く、プーマの靴、白い伝統的な腰巻、白いヘルメットだけをかぶっていた[17]

シリーズ12エピソード1ではトラック運転手をしている「いとこ」が登場、肥満体でトラック運転手の特徴である右腕が極端に日焼けしていることが確認できる。また同シリーズ最終回のベトナムスペシャルにおいて赤い服装赤いヘルメットの「共産主義者のいとこ(ライダー)」がDVD特典のカットされたシーンに登場した[18]

シリーズ13のCMでは出演者の3人に紛れて子供並みのサイズのスティグも登場している。

シリーズ14エピソード2では出演者3人が作った(ディーゼル発電機を搭載した)電気自動車の耐久走行テストをするため、ヘルメットの頭頂部に太陽電池が貼られた全身緑色の「菜食主義者のいとこ」が登場。しかし、テストを始めて間もなく発電機の排気パイプが外れて車内に煙が充満し、開始35分で死亡するというアクシデントが起きた(もちろん、これは番組の演出である)。

シリーズ15エピソード2では、ドイツに住んでいる「ドイツ人のいとこ」が登場した。ほとんどスティグと変わりないが、ヘルメットから髪の毛がはみ出している。

計測記録

スティグのトップ・ギア テスト・トラックでの最速公式ラップタイムはブガッティ・ヴェイロン スーパースポーツで1分16秒8を記録[19]。なおフェラーリ・FXXでは1分10秒7を記録しているが[20]、これはスティグの格好をしたミハエル・シューマッハによる記録であることに加え[21]、翌週の放送で「実はスリックタイヤを使っていた」ことが判明し、最速ラップから抹消されている。

他にアストンマーチン・DBR9で1分8秒6[22]、さらにルノー・R24で59秒[23]が記録されている。しかし、ルノーやアストンマーチンの記録はイギリス行政によって一般道に設置されたスピードバンプ(規制減速を目的とした道路上に設置された減速帯)を通過することが困難であることと、一般市民が車両を購入出来ないことを理由に、番組のラップボードに載せられてはいない。

正体

ブラックスティグ

長らく正体不明と語られていたが、2010年8月25日のBBCニュースで本人が素顔で登場し、テロップにも「The Original Stig」と表示されていた。この結果、1992年アンドレア・モーダでF1デビューをしたペリー・マッカーシーが「初代スティグ」であったことが明らかになった[24]

以前よりスティグの正体がマッカーシーであるという噂は囁かれており、最初にそれを報じたのは2003年で発信元はサンデー・ミラー紙であった。BBC側は一貫としてこれを否定し続けたが、その後の2009年にニュース・オブ・ザ・ワールド紙がマッカーシーであると暴露を開始した。2010年8月25日にBBCニュースにマッカーシーが「オリジナルのスティグ」としてゲスト出演したため、ようやくBBC側も事実を認める形となった。

マッカーシーはF1ではアンドレア・モーダで全戦予備予選落ちという実績しか残していないものの、ベネトンアロウズウィリアムズにてテストドライバーとしての豊富な経験があり、これらのチームで好タイムを計測していた。他にもBMWのドライバー選考テストに参加したこともあるほか、ル・マン24時間レースではアウディワークス・チームに所属してアウディ・R8をドライブしていたこともある。

但し、マッカーシーは "I was Original Stig"(「私は本物のスティグだった」)と述べているほか、2003年を最後に番組を離れたことも明らかにしている(これは丁度ブラックスティグからホワイトスティグへの交代時期に当たる)[24]

ホワイトスティグ

ホワイトスティグの正体については、様々な憶測が飛んでいる。

2代目スティグと噂される人物は、様々なレーシングドライバー、スタントドライバーの他、複数名がスティグを演じているとも憶測されている[25][26][27]。特に、番組内で2004年型のルノーF1ルノー・R24)を安定したペースで運転したことがある経緯から、元F1ドライバーか、そのレベルに相当する競技経験のある人物ではないかと見られている。2008年のF1イギリスGPではスティグがF1マシン(を改造した2シーターマシン)をドライブするというイベントがあり、それを見ていたフェルナンド・アロンソが、「あれは相当の腕だ。F1に何らかの形でかかわったドライバーに違いない」とコメントしていた[28]

なお、シリーズ13エピソード1(2009年6月21日放送)ではホワイトスティグの正体がミハエル・シューマッハであるとされたが、司会のクラークソンは最後に「僕はミハエルがスティグだとは思わない (I don't think Michael Schumacher is the Stig)」と述べており、シューマッハはスティグとは別にスペシャルゲストとしてクレジットされたことからも、ジョークである可能性が高い[29][21]

ホワイトスティグとベン・コリンズ

2009年1月にはタイムズ紙をはじめとする英国内の複数の新聞が、元F3ドライバーのベン・コリンズがホワイトスティグの正体の一人であると報じた[30]。2010年8月にはさらにサンデー・タイムズ紙が、BBCからコリンズの経営する会社に対して「『トップ・ギア』を主体とした番組のための運転サービス」の対価として多額の支払いが行われていること、またその支払がホワイトスティグの登場とほぼ同時期である2003年に始まっていることを報じている[31]

2010年8月29日には、イギリスのデイリー・ミラー紙が、ベン・コリンズがBBCから解雇されたと報道している[32]。同紙は、この日ニュルブルクリンクで行われた『トップ・ギア』のイベントにホワイトスティグが出演していたのと同じ時間に、コリンズが自宅近くで子供と遊んでいる様子を捉えられた(すなわち別の人物がホワイトスティグを演じている)ことを解雇の根拠としている。

そもそもの問題の発端は、コリンズが2010年9月に出版する自伝の中で「スティグは自分だった」と明かそうとした事が原因となったとされている。BBCはコリンズの自伝の出版差し止めを求める仮処分をロンドンの高等法院に申し立てたものの、申立は却下されており[33]、予定通り行けば9月16日にも自伝が発売される。

なお『トップ・ギア』のプロデューサーを務めるアンディ・ウィルマンは、この騒動に関連して『トップ・ギア』の公式サイトにおいて「The Stig. He's ours(スティグは我々のものだ)」というコラムを公開しており、番組がスティグというブランドを育ててきたこと、そして今後もスティグの匿名性を守る意向をアピールしている[34]。また『トップ・ギア』の司会者の一人であるジェームズ・メイも、この件に関して「スティグは何者でもない。我々は代わりのスティグを獲得することができるし、宇宙にはたくさんのスティグがいる」と語ったと伝えられており[35]、前述のニュルブルクリンクの件も含め、番組では新たなスティグとしてコリンズの代わりのドライバーを用意しているものと見られている。

脚注

  1. ^ Power Laps”. w:en:BBC Television, トップ・ギア. 2008年8月8日閲覧。 “Every performance road car that comes to the Top Gear test track eventually ends up in the hands of our tame racing driver.”
  2. ^ Rufford, Nicholas; Smith, Emma (2005年11月6日). “The backroom boy who put Top Gear on top of the world”. w:en:The Sunday Times. w:en:News International. 2006年9月26日閲覧。 “... and then we started to think about reviving Top Gear in a new format, with a track, special guests and the Stig — new boys at Repton were always called Stig...”
  3. ^ Top Gear Series 1, Episode 1 (2002-10-20)
  4. ^ Top Gear Series 3, Episode 1 (2003-10-26)
  5. ^ BBCWorldwide, YouTube. Top Gear - The Stig - HMS Invincible - BBC Accessed (2008-11-26)
  6. ^ Top Gear Series 3, Episode 2 (2003-11-02)
  7. ^ が、走行中に突然南アフリカイングランドの国旗をデザインしたヒュンダイの車がサッカーをしている映像でパワーラップが中断されてしまった(ジェレミーの走行実況だけは聞こえる)。これは、2010年6月12日にITVが放送したイングランド-アメリカ戦で、生放送中に突然ヒュンダイのCMが放送され、中継が中断した(しかもその間にイングランドが先制点を挙げている)放送事故に対する皮肉である。 参考:イングランドのTV局、アメリカ戦中継時に放送事故 - MSN トピックス
  8. ^ See for example Top Gear Series 7, Episode 1 Isle of Man Test
  9. ^ See for example Top Gear Series 8, Episode 7 (2006-07-23) The Hosts building a Caterham Kitcar vs. The Stig driving one from Caterham HQ
  10. ^ See for example Top Gear Series 10, Episode 5 (2007-11-11) Crossing London/Public Transport Challenge
  11. ^ ちなみに、バリチェロの記録は1分44秒3である。第15シーズン5回目の放送でトム・クルーズがそれをさらに上回る1分44秒2を記録したが、これは使用した車種が異なる。
  12. ^ Hammersmith, London W12 0TT, UK - Google Maps
  13. ^ Stig puts us on the map - The Cupholder・2009年3月20日
  14. ^ Forget Waldo, BBC Books coming out with Where's Stig? for kids - autoblog.com・2009年8月25日
  15. ^ Gran Turismo 5 trailer - BBC Top Gear 動画説明文より。
  16. ^ Top Gear Series 9, Episode 3 (2007-02-11)
  17. ^ Top Gear Series 10 Episode 4 (4 November 2007)
  18. ^ Top Gear Series 12 Episode 1 (2 November 2008)
  19. ^ Top Gear Series 15, Episode 5(2010-07-25)
  20. ^ Top Gear Series 13, Episode 1 (2009-06-21)
  21. ^ a b トップ・ギアのスティッグ役を務めるシューマッハ - f1-live.com・2009年6月23日
  22. ^ Top Gear Series 6, Episode 6 (2005-07-03)
  23. ^ Top Gear Series 5, Episode 8 (2004-12-19)
  24. ^ a b “Perry McCarthy: 'I was the original Stig'”. BBC. (2010年8月25日). http://www.bbc.co.uk/news/entertainment-arts-11083602 2010年8月27日閲覧。 
  25. ^ Top Gear's The Stig revealed as married man 'who drives boring car'
  26. ^ The Stig(s) unmasked: Top Gear use FOUR different mystery test drivers
  27. ^ EXCLUSIVE: The eight drivers behind Top Gear stunt driver The Stig's famous racing whites
  28. ^ The Stig impresses F1 champ Alonso
  29. ^ Schumacher 'revealed' as the Stig
  30. ^ Identity of Top Gear's The Stig revealed as Ben Collins - タイムズ・2009年1月20日
  31. ^ Stig mystery: financial documents suggest identity of Top Gear driver - デイリーテレグラフ・2010年8月22日
  32. ^ Ben Collins dumped by BBC after being ­unmasked as Top Gear’s The Stig - Mirror.co.uk・2010年8月29日
  33. ^ Stig court case: BBC loses battle over Ben Collins book - BBC News・2010年9月1日
  34. ^ The Stig. He's ours - TopGear.com・2010年8月27日
  35. ^ Top Gear host James May jokes about taking revenge on The Stig - Mirror.co.uk・2010年9月3日