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2009年10月9日 (金) 12:01時点における版
『テアイテトス』(希:Θεαίτητος, ラテン文字転記:Theaitetos)はプラトンの著した哲学書・対話篇であり、文体、内容からして後期著作に分類されている。
『テアイテトス』はソクラテスの友人兼弟子のエウクレイデスが書き残したソクラテスの対話を同じくソクラテスの友人のテルプシオンに読み聞かせる、という舞台設定であり、登場人物は冒頭で出てくるこの2人(ただし内容には関わらない)の他にエウクレイデスの本の中に出てくるソクラテス、少年時代のテアイテトス(後の数学者)、数学者のテオドロスの3人がいる。なお、エウクレイデスとテルプシオンは『パイドン』にてソクラテスの臨終に立ち会っている。本対話篇では「知識とは何か?」という問いについてソクラテス、テアイテトス、テオドロスの間で対話が為される。
結論から言えば、本対話篇では「知識とは何か?」という問いへの回答は失敗に終わっている。テアイテトスの挙げた感覚、思いなし(ドクサ)、真なる思いなしに言論(ロゴス)を加えたもの、という知識の3つの候補が検討されるが、いずれもソクラテスによって退けられる。とは言え、「知識とは何か?」という問いとそれへの回答に絡ませて、プロタゴラスの相対主義的主張とヘラクレイトスの学説の論駁、そして〈有〉についてという『ソピステス』でより深く語られるようなテーマなども語られており、『テアイテトス』の内容には大きな意味がある。