予定説

予定説（よていせつ）とは、ジャン・カルヴァン（Jean Calvin）によって提唱された神学思想。

神の救済は、特定の選ばれた人に限定され、一度救済に与れた者は罪を犯さない、もしくは罪を犯しても必ず赦しに与るとされる。この神学思想は、カトリック教会のトリエント公会議で異端として排斥され、また東方正教会でも同様に異端とみなされている。オランダ改革派のヤコーブス・アルミニウスはこの思想に反対し普遍救済説が提唱される。1610年改革派のトルド会議で、このアルミニウスの思想は異端として排斥され、このとき「人間の全面的堕落、無条件的選び、限定的贖罪、選びの召命ににおける不可抗的恩恵、聖徒の堅忍」という、カルヴァン主義の五つの特質として定義された。また、予定説はオランダのカルヴァン派で発展し、救済の予定が人間の堕落の前とする堕落前予定説と、堕落の後とする堕落後予定説との論争が起こるようになる。