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「フッ化物」の版間の差分

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[[歯磨剤]]へのフッ化ナトリウムやモノフルオロリン酸ナトリウムの配合<ref>[http://www.hamigaki.gr.jp/hamigaki1/fusso01.html フッ素情報館](JDMA日本歯磨工業会)</ref>、低濃度フッ化ナトリウム溶液による集団洗口(うがい)、[[歯科医師]]・[[歯科衛生士]]による2%フッ化ナトリウム溶液の塗布が[[う蝕]]予防を期待して行われている。また[[北アメリカ]]と[[オーストラリア]]では[[水道水フッ化物添加|水道水へのフッ化物添加]]にも利用されている。

''フッ素の毒性については[[フッ素#外部リンク|外部リンク]]を参照''

*[http://www18.ocn.ne.jp/~yamasita/nitif17.htm フッ化物応用と健康 う蝕予防効果と安全性]

2008年5月4日 (日) 18:29時点における版

フッ化物(フッかぶつ、弗化物、fluoride)とはフッ素とほかの元素あるいは原子団とから構成される化合物である。イオン性のフッ化物でフッ素原子が単独存でイオン化したものはフッ化物イオンともフッ素イオンとも呼ばれる。

フッ素は電気陰性度が最大の元素でつねに酸化数は-1を与えられる。イオン性あるいは分子性のフッ化物が知られているが分子性フッ化物は液体のもが多く、常温で気体固体のものも少数見られる。イオン性のフッ化物でも一般に融点の低いものが多い[1]

フッ化物イオン

フッ化物イオンはある種の結晶中ではイオン半径119pmの単独粒子として存在する場合もあるが、溶液や化合物によっては結晶中でも水和したF(OH2)4-として存在する場合も多い[2]

Me4N+F-[3]やCp2CoF[4]など幾つかの無水物[5]が知られている。これらの無水物のフッ素イオン非水溶液中での振舞いは「裸のフッ素イオン」(Naked fluoride ions)として知られており、CsFの場合と比べても高い求核性を示す。その性質を利用してXeF5-、BrF6-、PF4-などの有機または無機フッ素化物が合成されている[6]

フッ化物イオンはケイ素との親和性が高いため、シリル基脱保護に使われる。

フルオロ錯体

フッ素は配位子や架橋原子となることもある。フッ化物を配位子に持つフルオロ錯体の代表はSiF6-やBF4-などである。

またフッ素がM—F—M型の架橋原子となる場合が知られている。他の架橋ハロゲン原子の結合が屈曲するのが普通なのに対して、M—F—Mは直線状となるのが特徴的である[2]

性質

非金属元素との化合物は多くが孤立分子であり、一般に非イオン性のハロゲン化物は分子間力が弱く高い揮発性を持つが、原子量の小さいフッ素化物は揮発性が顕著に現れる。

典型金属元素のフッ化物は,一般に低融点の典型的なイオン結晶である。アルカリ金属スズのフッ化物は水溶性を示す。一方、リチウムアルカリ土類金属希土類元素などとの化合物の多くは水に難溶である。すなわちイオン半径が小さいフッ化物イオンは配位する水分子も他のハロゲンイオンよりも少ない。それゆえイオン結合性が著しく強固な場合にはイオンの水和エネルギーより結晶の格子エネルギーのほうが大きくなり、結晶はかえって水に難溶または不溶となる[7]

フッ化物イオンHSAB理論では極めて硬いルイス塩基と考えられている。一方、 酸化数の高い非金属元素および金属元素とはBF4-,SiF6-,TaF72-などのようなフルオロ錯体を生ずる[1]。すなわち酸化数か高い元素のフッ化物は中心元素の空の軌道が多くなり、フッ素原子からの電子受容体になりやすい。その為、共有結合を形成しやすくなる場合もある。たとえば、UF4はイオン結合性だが UF6は共有結合性である[7]

ほとんどのフッ素化物は極めて安定であるが、イオン性フッ素化物は濃硫酸と熱すると分解してフッ化水素を生ずる[1]

出典

  1. ^ a b c 長倉三郎ら(編)、「フッ化物」、『岩波理化学辞典』、第5版 CD-ROM版、岩波書店、1998年。
  2. ^ a b Cotton, F. A.; Wilkinson,G.; Murillo, C. A.; Bochmann, M. (1999). Advanced Inorganic Chemistry (6th ed), pp. 553–558. Wiley: New York. ISBN 0-471-19957-5
  3. ^ K.O.Christe et al,J.Am.Chem.Soc.,1990, 112,7619.
  4. ^ T.G.Richmond et al, J.Am.Chem.Soc.,1994,116,11165.
  5. ^ K.Seppelt et al,Chem.Eur.J.,1995,1,261.
  6. ^ N.Doherty and N.W.Hoffman, Chem.Rev.,1991,91,553.
  7. ^ a b 大滝 仁志、「ハロゲン化物」、『世界大百科辞典』、CD-ROM版、平凡社、1998年。

関連項目


歯の強化

歯磨剤へのフッ化ナトリウムやモノフルオロリン酸ナトリウムの配合[1]、低濃度フッ化ナトリウム溶液による集団洗口(うがい)、歯科医師歯科衛生士による2%フッ化ナトリウム溶液の塗布がう蝕予防を期待して行われている。また北アメリカオーストラリアでは水道水へのフッ化物添加にも利用されている。

フッ素の毒性については外部リンクを参照

  1. ^ フッ素情報館(JDMA日本歯磨工業会)