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「Nゲージ」の版間の差分

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[[Nゲージ(携帯電話)|Nゲージ(N-Gage/エンゲージ)]]とは[[ノキア]]社のゲーム機能付き[[携帯電話]]。[[2003年]]10月に各国で発売。日本では通信方式([[GSM]]/[[GPRS]]方式)が異なるため発売されていない。
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2005年5月23日 (月) 16:06時点における版

Nゲージ(えぬげーじ)とは鉄道模型の規格の一つであり、線路の幅(軌間)が9mmで、縮尺が1/148~1/160のものをいう。なおNゲージのNは、軌間(nine mm)に由来する。

縮尺はイギリスでは1/148、アメリカヨーロッパでは1/160が基準となっているが、日本では1/150が基準であり、新幹線のみが1/160となっている。

諸外国ではより大型のHOゲージOOゲージが主流であるが、日本においては住宅事情などからNゲージがもっとも普及している鉄道模型である。

Nゲージの特色

まず、小型であるが故に走らせる場合にスペースをとらないのが最大の利点である。

日本型のNゲージ車輌の場合、その殆どが半径250mmのカーブを難なく通過するため、長編成でなければ90cm×60cm程度のスペースでも充分走行可能であり、狭いスペースでも鉄道模型を愉しむ事が出来る。

次に、他のゲージの鉄道模型に比べ、製品の数が豊富かつ安価であることが挙げられる。

もっともこれは日本でNゲージが主流だからであり、海外ではむしろHOゲージの方が製品の数が豊富かつ安価で、逆にNゲージ製品の方が高価な場合もある。

また、小さいといってもとてもリアルで精巧なつくりになっているのも最大の魅力である。

Nゲージの製品

Nゲージの製品は、プラスチック成型による完成品が主流である。

これらはプラモデルとは異なり、塗装が施された上で組み立て済となっているが、細かいパーツ(ナンバープレート等)は購入したユーザーが取り付けるようになっている製品も多い。

また、プラモデル同様に自分で接着剤を使って組み立て、塗装するプラ製キットも発売されており、工作派のファンには根強い人気がある。

日本ではKATO(関水金属)、TOMIXトミーテック2000年まではトミー))が2大Nゲージブランドであり、それぞれ車輌から線路、パワーパック等の制御機器、さらには建物樹木までを製品化している。初心者はこの2社のいずれかの入門セット(車輌と線路、パワーパック等を含んだセット)を購入して入門する例が多い。

他にマイクロエース(旧称:有井製作所)、グリーンマックス、モデモ(ハセガワ)、河合商会、ウィン等がNゲージ製品を発売している。

これらの製品は、量販店の模型コーナーや、鉄道模型専門店で購入することが出来る。

この他にもマニア向けの少量生産の製品を作るメーカーが多数存在する。

縮尺が1/144に近いため、建造物、自動車、フィギア等のストラクチャーは、ガンプラやWTM(ワールドタンクミュージアム)、航空機等の情景模型製作する際として多用され、特にグリーンマックスなどの安価で改造が容易いストラクチャーキットは他の模型ファンからも重宝されている。

Nゲージの歴史

第二次世界大戦以前より、イギリスでは2mmスケール(1/152)、9.5mmゲージの鉄道模型を自作するファンがおり、日本でも熱心な工作派ファンが9.5mmゲージや8mmゲージの鉄道模型を自作し、模型工作雑誌や鉄道模型専門誌を通じて紹介されたことが幾度かあった。この当時はHOゲージでさえ超小型とみなされていた時代であり、これらはあくまでも特殊な模型(今で言えばZゲージよりも小さい模型を自作するような感覚であろうか?)として存在したに留まる。

戦後、各国共にそれまで主流であった1番ゲージ(45mm軌間)や0番ゲージ(=Oゲージ。32mm軌間)等の大型の鉄道模型から、より小型の16.5mm軌間のHOゲージやOOゲージが主流となり、日本でもHOゲージ(正確には16番ゲージ)が急速に普及するに至った。

さらに、HOゲージより小さな模型としてTTゲージ(1/120・12mmゲージ)が登場し、ヨーロッパでは製品が発売され、日本でも1960年代初期には自作するファン(日本型は1/105~110程度の縮尺を用いた)が少ないながらも出現。また海外のTTゲージ製品が輸入され売られていたこともあった。 しかし間もなくTTゲージより小さな鉄道模型としてNゲージが製品化され、TTゲージは(東欧の一部諸国を除き)衰退することとなる。

西ドイツ(当時)のアーノルトラピードが「Nゲージ」と名付けて1/160・9mmゲージを発売したのが、Nゲージの本格的スタートであり、同社はNゲージのパイオニアとして名を残すこととなる。

このような鉄道模型は徐々にダウンサイジングしていき、のちに1970年代初頭に西ドイツ(当時)のメルクリンがNゲージよりさらに小さなZゲージ(1/220・6.5mm軌間)を製品化するが、あまりに小さくまた高度の生産技術を要するためか、30年以上経過した今でもメルクリン以外にZゲージ製品を発売しているメーカーは皆無に近い。

海外でこのような超小型鉄道模型(当時の感覚としては)が製品として発売されるようになった事は日本でも「鉄道模型趣味」誌(以下TMSと略)等で紹介され、熱心な工作派モデラーである池末弘が国鉄C59形蒸気機関車をスクラッチビルドしてTMS誌に発表し、大きな反響を巻き起こしたのもこの頃である。

このころ、日本でもNゲージ製品の発売をもくろんだ会社が3社存在した。

一社目は腕の立つ鉄道模型ファンとして知られていた加藤祐治が経営する「関水金属」(ブランド名は「KATO」)。

同社は昭和20年代~30年代には「加藤金属」の名でHOゲージ用台車を製造しており、その走行性能の高さはファンの間によく知られていたが、何故か自社ブランドでの発売を中止。その後は「関水金属」と改名し、HOメーカー各社の下請けとしてドロップフォージング製法による台車等の金属部品を製造していた。

関水金属は自社ブランドでのプラスチックの射出成型による小型鉄道模型の生産を画策。当初は一回り大きなTTゲージ(前述参照の事)を予定していたが、TMS誌の主筆であった山崎喜陽のアドバイスで1/150の縮尺でのNゲージの生産に方針変更、1965年国鉄C50形蒸気機関車国鉄オハ31型客車、及び線路を発売した。 日本型Nゲージの縮尺を1/150とする事は、この際に加藤・山崎両氏の間で意見が一致したものであると言われている。

二社目は玩具メーカーの「トミー」。1965年頃に「OOOゲージ夢の超特急セット」と称するトイトレイン的な新幹線のセット(線路やパワーパックも含まれる)を発売しただけであり、この時点ではそれ以上の展開は無かった。

同社が本格的に鉄道模型に進出するのは、1970年代初期にアメリカのバックマン社のNゲージ製品を輸入販売するようになってからである。後に同社は「TOMIX」ブランドで幅広くファンに知られることとなるが、これについては後述する。

三社目は何と大手電機メーカーの「ソニー」で、鉄道模型専門の子会社を設立し、「ソニーマイクロトレイン」のブランド名でNゲージの生産・発売を目論んだ。

国鉄ED75形電気機関車国鉄スハ43系客車、線路とパワーパックが生産され、発売寸前まで行くものの、突然計画は中止。中止の理由はアフターサービスに掛かる経費の問題であったとも言われている。

正式発売されなかったものの、その一部はサンプルや景品等として市場に流出し、幻のNゲージとして珍重されている。


1960年代後半には、日本では関水金属が唯一のNゲージメーカーであったが、西ドイツ(当時)のアーノルトやミニトリックス、イタリアのリマ等の海外製品が輸入され、デパートの模型売り場等を中心として出回っていた。 関水金属が発売していた車種もごく少なく、当時の日本のNゲージファンはこれらの海外製品を日本型に見立てたり、あるいは無国籍的に楽しむのが普通であった。

1970年代初頭に玩具メーカーのトミーがアメリカ・バックマン社のNゲージ製品の輸入販売を開始。当初はアメリカ型の製品をそのまま輸入しただけであったが、後に「トミーナインスケール」のブランド名で日本型車輌の製品化を開始した。 これらは当時のバックマン製品と同様に香港で製造されており、安価ではあったが関水金属製品と比べると劣る部分があった。 また線路やストラクチャー(建物)はバックマン製品をそのまま流用していた。

1970年代半ばにはホビーショップMAXが国鉄オハ61系客車のプラ製組み立てキットでNゲージに参入。まもなく「グリーンマックス」と改名し、客車や電車のプラキットや日本型建造物のキットを続々と発売するようになった。

また西ドイツのミニトリックスのNゲージ製品の輸入発売元であった「学習研究社」が0系新幹線を発売、日本型Nゲージに参入する。

1977年にトミーは新たに「TOMIX」ブランドを設立。自社開発によるプラ製道床付線路システムやそれに対応するストラクチャーを発売。車輌も一部はトミーナインスケール時代の香港製車輌を引き継ぐものの、新たに発売するものは国内生産を基本とするようになった。

なお、トミーは2001年10月にNゲージの生産・発売を子会社であるトミーテックに移管した。

ほぼ同時期にHOゲージメーカーである「エンドウ」がNゲージに参入。国鉄EF58形電気機関車と道床付線路システムを発売する。 これらは他のNゲージ製品と異なり、金属プレスを主体とした構成であった。 Nゲージ以前の日本の鉄道模型は大半が金属製品であり、当時の日本の鉄道模型ファンの一部にはプラ製品に対するアレルギーが存在した。 その為、同社製品はそういったファンの支持を受けるかとも思われたが、他社のプラ製Nゲージと比較して割高であり、かつ金属プレスで細密感に劣る為か、関水金属やトミー製品程の支持は得られなかった。

TOMIXシステムの登場後、実物のブルー・トレインブームとも連動したNゲージブームが起こり、HOゲージメーカーの「しなのマイクロ」、玩具メーカーの「永大」がNゲージに相次いで参入する。

しなのマイクロはエンドウと同様に金属製品でNゲージ界に参入した。HOゲージの生産をほぼ中止してNゲージに移行したが、当初発売した旧型電機シリーズは当時の若年層が多かったNゲージユーザーの嗜好とは開きがあったためかそれほど人気とならず、その後で出した私鉄を主とする新型電車のシリーズはプラ製品に比べて割高なだけではなく出来があまりにも悪く、1981年倒産する羽目となる。 同社はその末期に、他社同様のプラ製品でないと勝負にならないと考えたと思われ、プラ製による国鉄EF64-1000番台電気機関車、国鉄ED78型電気機関車等の発売予告を出していた。これらのプラ製品は同社がプラモデルメーカーの有井製作所の傘下に入り、マイクロエースと改名した後に発売された。

永大は「エーダイナイン」のブランド名で、車輌のみならずTOMIXと同様のプラ製道床付線路システムやそれと組み合わせる駅などの建造物も発売。車輌の出来などは当時のTOMIXよりも良く出来ていた部分もあり、関水金属やトミーと並ぶNゲージ大手になるかと期待されたが、1980年に倒産。鉄道模型が原因ではなく、TVゲーム機での赤字が原因らしいと言われている。 永大のNゲージ製品は学習研究社が引き取り、自社の製品ラインナップに加える事となる。

1980年代に入り、やはりHOゲージメーカーである「中村精密」(ナカセイ)がホワイトメタルを多用した金属製蒸気機関車と、旧型客車のプラキットでNゲージに参入する。 但ししなのマイクロの旧型電機シリーズと同様、題材が渋すぎたのか当時はあまり人気が出ず、また同社が本業(大手音響メーカーの有力な下請けであったと言われている)の不振により業務を縮小したことにより、数年で市場から姿を消した。

1980年代半ばには、Nゲージメーカー淘汰の時代がやってくる。 前述のようにしなのマイクロと永大がすでに倒産しており、中村精密改めナカセイもこの頃事実上撤退、永大製品を統合した学研もNゲージから撤退、しなのマイクロの後身のマイクロエースも一時活動休止(後に再開する)、エンドウもNゲージに関しては1980年代末に生産を中止し、HOゲージ専業に戻る。

1990年代には関水金属とトミーが2大Nゲージブランドとなる状況がが続くが、プラモデルメーカーであるハセガワがモデモのブランドで参入。旧型客車や路面電車などの他社とはバッティングしないジャンルで勢力を広げている。

2000年代には、沈黙を続けてきたマイクロエースが復活。鉄道模型界に一大旋風を巻き起こしている。

有井製作所、後の社名変更によりマイクロエースとなった同社は、手始めに蒸気機関車のモデル化を進めていく。国鉄制式機関車の全モデル化を公言した同社は、それまでは金属製の高価なものしかなかったC55流線型などのマニアックな製品を次々とリリースしていく。その後、機関車以外の電車や気動車などのいわゆる編成物に進出し、こちらでもさまざまな車輌を次々とモデル化している。特に、それまであまり製品化されてこなかった私鉄の車輌などはファンからは特に歓迎されている。また、旧満州鉄道のあじあ号をや一号機関車、さらには銀河鉄道999編成などをモデル化するなど、 多の追随を許さない圧倒的な企画力が最大の特徴である。 だが、ポリバケツとも称される精度の低いモデルと、良好なモデルとの格差が大きいことや、基本的に再生産を念頭におかず、生産数を絞った体制、高騰を続ける価格など、多くの問題を抱えていることも事実である。だが、前述の通りマニアックな車輌をモデル化しているため、それらを承知の上で買っていくファンも多い。

また、2000年代以降鉄道模型業界は別の意味で新たな時代を迎えたともいえる。 まずひとつが、高い割引率で販売を行う量販店の登場である。これらの登場により、すでに2割引はあたりまえとなり、個人経営の小規模な模型店はきつい状態へと追いやられている。 そしてふたつめが、前述のようにマイクロエース社の製品は再生産を念頭においていないため、数日のうちに量販店の店頭から製品がなくなるということも多々でていきていることだ。 さらに、買取側が値段を設定する中古店ではなく自身で価格を設定できる、ネットオークションやレンタルボックスなどの氾濫により、投機的に扱われることも多くなりつつあり、それを目的に大量に購入する輩もでてきている。 これらのことにより、一般のファンにとってはあまり好ましくない時代になりつつあるといえる。

尚、2002年になってNゲージでは従来あまり見られなかったBトレインショーティーと呼ばれる車体短縮キットモデルがバンダイ発売された。 このモデルは従来とは異なり車体を短縮した物である。HOゲージではスケールモデルが高価な為、カツミ等のメーカーから入門者向けセットと題した車体短縮モデルが発売されたが、Nゲージでは低価格で購入できる事もあり一部を除き殆ど流通していなかった。

この商品の通常品は食玩同様ブラインドボックス販売を原則とし(中身を選べる物もある)、コレクションを主眼に置いた物である。しかしKATOの全面協力によりNゲージとの互換性を持たせ、台車や専用動力装置を取りつけるとNゲージでの走行が可能になる構造となっている。ディテールも本格志向で、妻板や屋根などを選ぶ事によって形式を選ぶ事が出来る物もある。

又、当初から通常の店舗ではなく限定販売を視野に入れており、私鉄各社とタイアップして駅事務室や売店等で自社車輌モデルの販売が実施される例も多く、発売日になると長蛇の列が出来る等人気を呼んでいる。