コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

「火山」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
102行目: 102行目:
** 例--[[シラス台地]]
** 例--[[シラス台地]]



==地球以外の火山==
*火星の火山
**太陽系で最も巨大な火山は[[火星]]にある。オリンポス山は周辺からの比高26,000m直径500km以上あり、高さで富士山の7倍、直径で10倍以上になる。火星にはオリンポス山以外にも地球の火山をはるかに越えるレベルの巨大火山が多数ある。これらの火山はホットスポット火山と考えられている。火星の火山は全て活動を終了した死火山である。
*イオの火山
**ボイジャーの観測で、木星の衛星イオが活発な火山活動をしていることが判明した。イオは木星のごく近傍を周回しており、木星の巨大な重力を受けて衛星自体が常時歪みをおこして発熱しマグマを生成しているのではないかと推定されている。




116行目: 112行目:
コメントアウトここまで-->
コメントアウトここまで-->


==日本の主な火山==
*[[千倉岳]] 千島列島の幌莚島にある活火山。1817mあり、千島列島で2番目に高い。
*[[黒岩山]] 千島列島の温祢古丹島にある活火山。
*[[芙蓉山]] 千島列島の松輪島にある活火山。
*[[計吐夷山]] 千島列島の計吐夷島にある活火山。
*[[新知岳]] 千島列島の新知島にある活火山。
*[[得撫富士]] 千島列島の得撫島にある活火山で、富士山に似ているためこの名前が付いた。
*[[白妙山]] 千島列島の得撫島にある活火山。
*[[神威岳]] 千島列島の択捉島東端にある活火山。
*[[散布山]] 千島列島の択捉島大岬にある活火山。
*[[西単冠山]] 千島列島の択捉島中西部にある活火山。
*[[阿登佐岳]] 千島列島の択捉島内保にある火山であるが、周辺は活火山で、いつ噴火しても不思議ではない。
*[[ベルタルベ山]] 千島列島の択捉島西端にある活火山。
*[[爺爺岳]] 千島列島の国後島東部にある活火山。1822mあり、千島列島で最も高い。
*[[羅臼山]] 千島列島の国後島中西部にある活火山。知床半島には羅臼岳という似た名称がある。
*[[泊山]] 千島列島の国後島西端にある活火山。
*[[大雪山]]:3万年前御鉢平カルデラを形成する大噴火が起こり、層雲峡を形作る溶結凝灰岩を噴出し、その厚さは200mに達した。その後、旭岳等が形成された。
*[[利尻岳]]:登山の好きな皇太子殿下も登った山。
*[[阿寒岳]]:時々噴火し入山禁止になる。
*[[北海道駒ヶ岳]](江差駒ケ岳):北海道の入り口に秀麗な姿を見せる活火山。約100年前に大噴火した。
*[[有珠山]]:約30周年周期で噴火している火山。明治新山、昭和新山、1970年代に噴火があり、平成の噴火も記憶に新しい。
*[[羊蹄山]]
*[[恵庭岳]]
*[[樽前山]]

*[[八甲田山]]
*[[岩木山]]
*[[岩手山]]
*[[鳥海山]]
*[[肘折]] 約1万2千年前に噴火。2003年に活火山の仲間入り。
*[[月山]]
*[[蔵王連峰|蔵王山]]
*[[安達太良山]]
*[[磐梯山]]
*[[那須岳]]
*[[赤城山]]
*[[榛名山]]
*[[浅間山]]
*[[富士山]] - 日本の最高峰にして代表的な[[成層火山]]。
*[[日光白根山]]
*[[乗鞍山]]
*[[妙高山]]
*[[八ヶ岳]]
*[[箱根山]]
*[[白山 (山岳)|白山]]
*[[大山 (鳥取県)]]

*四国には、火山は無いと言われている。

*[[霧島]]
*[[九重山]]
*[[阿蘇山]] - 世界最大級の[[カルデラ]]。安定して活動中。
*[[雲仙岳]]
*[[桜島]]
*[[開聞岳]]
*[[口永良部島]]
*[[薩摩硫黄島]]
*[[諏訪之瀬島]]
*[[伊豆大島]]
*[[八丈島]]
*[[三宅島]] <!--沖ノ鳥島は火山か? → アレを火山としてしまうと、伊豆諸島の島々はほとんど火山になります。岩礁を含めると凄い数になりますが・・・。-->
*[[喜界島]]

==世界の主な火山==

=== 北米 ===
*セントへレンズ
*カトマイ
*イエローストーン
*

=== 中南米 ===
*アコンカグア 
*ポポカテペトル 5465m メキシコ
*オリサバ 5760m メキシコ
*タフムルコ 4220m グアテマラ
*イラス 3431m コスタリカ 

=== 欧州 ===
*[[エトナ火山]] 3323m イタリア シチリア
*ストロンボリ 926m イタリア リパリ諸島
*アミアータ山 1738m イタリア トスカナ
*ブルカノ イタリア リパリ諸島
*[[ヴェスヴィオ火山]] 1281m イタリア カンパニア 
*ラカギガル
*ヘクラ
*アイフェル山地

=== アフリカ ===
*[[キリマンジャロ (山)|キリマンジャロ]]
*(ンゴロンゴロ?)

=== 中東 ===
* ?

=== インド ===
* ?

=== アジア ===
*ピナツボ 1780m ルソン島
*マヨーン 2421m
*アポ   2954m ミンダナオ島
*[[クラカトア]] スンダ海峡
*クリンチ 3805m スマトラ島西スマトラ州
*デンポ  3159m スマトラ島南スマトラ州
*スラメ  3428m ジャワ島中部ジャワ州
*ラウン  3390m ジャワ島東ジャワ州
*リンジャニ 3726m 西ヌサトゥンガラ州ロンボク島
*タンボラ 2859m 西ヌサトゥンガラ州ロンボク島
*アピ   1949m 西ヌサトゥンガラ州サンゲアン島
*ラナカ  2382m 東ヌサトゥンガラ州フローレス島
*アウ   1320m 北スラウェシ州サンギル島

=== ハワイ===
*マウイ島 ハレアカラ 3055m
*ハワイ島 マウナケア 4205m
*ハワイ島 マウナロア 4170m
*ハワイ島 キラウェア 1247m 

*キラウエア、マウナロア 、マウナケア- 火山島ハワイ島を形成する火山。粘度の相当低い玄武岩質。ハワイ島自身が大洋底からそそり立つ海底火山であり世界最大の火山でもある。「ホットスポット」を参照。

=== 南太平洋 ===
*タヒチ島 オロペナ山 2241m
*[[ブーゲンビル島]]花咲山/バルビ山 2715m


=== オセアニア ===
* タラナキ山 2518m ニュージーランド北島
* ルアペフ山 2797m ニュージーランド北島


=== 南極 ===
* エレバス山 3795m


==火山の活動と記録==
==火山の活動と記録==
255行目: 122行目:


==関連項目==
==関連項目==
*[[火山の一覧]]
*[[火山の一覧 (日本)]]
*[[海底火山]]、[[火山島]]
*[[海底火山]]、[[火山島]]
*[[火山帯]]、[[火山脈]](火山山脈)
*[[火山帯]]、[[火山脈]](火山山脈)

2004年12月1日 (水) 13:28時点における版

火山かざん)とは、地殻の深部にあったマグマが地表または水中に噴出することによってできる特徴的な地形をいう。

火山には1回だけの噴火で活動を終了してしまう単成火山と、同じ場所で何度も噴火を繰り返す複成火山がある。前者は秋田県男鹿半島の目潟(マールという凹んだ火口湖のみで山は無い)や兵庫県城崎温泉の近くの玄武洞火山があり、後者の代表は富士山桜島

火山の成因

火山の成因は大きく分けて3種類ある。

海溝近辺の火山

火山は、海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む「海溝」から少し離れた所に帯状に分布することが多い(この帯状分布を火山フロント又は火山前線という)。日本インドネシア等の列島にある火山群の生成要因はこれが多い。

火山フロントでは比較的シリカの多いマグマが、比較的低い温度で生じている。その原因はの混入による岩石の融解温度低下と考えられている。海溝で沈み込んでいる海洋プレート表面の岩石には多量の水が含まれている。水分を含んだ岩石は沈み込みにより地下深部の高温部分に達する。温度圧力の変化により、岩石中に含まれる大量の水分と岩石とが反応する。加水反応により岩石が部分溶融し、マグマが発生する。マグマの発生する面はプレート境界に沿っているので、海溝と平行に火山フロントが形成されると考えられている。

ホットスポット火山

地表の一箇所に継続的にマグマが供給される場所がありこれをホットスポットという。ホットスポットの位置はプレートの動きに関係なく一定しており、プレートより下の深部マントルに生成源があると思われる。ハワイ火山列島がこのタイプに当てはまりプレートの動きに乗った形で順次古い火山島が西北に連なっている。

海嶺の火山

日本では見られないが、地球上で最も火山活動が活発なのは海嶺部分。プレートテクトニクスによれば海嶺は地殻が新たに生成される場所で、地下から新しいマグマが次々に供給されて海の底で固まり、地殻となってゆく。世界で唯一アイスランドが海嶺を地上で観察できる場所で、火山の多さとその活動の活発さは日本をはるかに上回る。

マグマ溜まり

地下深くで生成されたマグマは、高温の液体であるため周辺の固体岩石より比重が軽く、その結果徐々に地表近くに上がってくる。火山の地下1~5kmの場所には、上昇してきたマグマを溜めているマグマ溜まりが存在する。マグマ溜まりは直径数kmあり、通常は地下深部からのマグマの供給を受けて徐々に大きくなり、噴火の際に小さくなる。マグマ溜まりの中のマグマは、周辺の岩石に熱を奪われて徐々に冷えてゆくが、その過程で揮発成分の分離、比重の重い成分の沈殿等が生起している。その結果1回の噴火の中で、で最初に噴出した火山灰(マグマ溜まりの上のほうにあった)と最後に出てきた溶岩(底の方にあった)では成分がかなり異なっている場合が多い。

噴火の形

噴出物の成分による影響

火山の噴火の形は、噴出するマグマの流動性や揮発物成分の量によって大きく変わる。揮発成分の量はマグマの噴出力を左右し、揮発分が多いほど火山灰や溶岩は高く吹き上がり大きな爆発となる。

  1. 流動性が高く揮発物成分が少ない場合:ハワイ火山の噴火のように静かに溶岩流が流れつづける。
  2. 流動性が高く揮発物成分が多い場合:前回の三原島噴火の初期のように、溶岩がカーテンのように高く幅広く噴出する。
  3. 流動性が低く揮発物成分が少ない場合:昭和新山の噴火のように、大きな爆発や溶岩流出は無く溶岩円頂丘が形成される。
  4. 流動性が低く揮発物成分が多い場合:浅間山や桜島のような爆発的な噴火になる。

なお1回の噴火の中でも、揮発成分が先に抜けるので、時間と共に噴火の様式が変わる。始めのうちは揮発成分が多く溶岩や火山灰を高く吹き上げていても、途中からガス成分が減り火山灰を吹き上げることができなくなり、ガスと溶岩の破片の混合物が火口から斜面を流れ下る(火砕流)。噴火の後半には揮発成分が抜けてしまい溶岩を流出させて終わる場合も多い。浅間山の天明の大噴火の例を示す。

  • 大量の火山灰を空高く噴出→ガス成分が減り地上を火砕流が襲う(鎌原火砕流)→溶岩を流出(鬼押し出し)

噴出物の量による影響

成分の影響以外に噴出物の量や噴出速度によって、噴火の形体や被害の大きさが激しく異なる。極端な例を2例挙げる。

  • 2の条件で1回の噴出量が桁違いに大きい場合、1783年アイスランドのラキ火山の噴火。噴火した火口列は25kmの長さに及び大量の溶岩を噴出したが人里から離れていたので溶岩による被害は軽微。しかしおびただしい量の有毒な火山ガスが放出されアイスランドの家畜の50%、人口の20%が失われた。また成層圏まで上昇した霧は地球の北半分を覆い、地上に達する日射量を減少させ低温化を生起した。日本では東北地方で膨大な数の餓死者を出した天明の大飢饉を引き起こした。
  • 4の条件で1回の噴出量が桁違いに大きい場合、阿蘇カルデラや姶良カルデラ(桜島北側の錦江湾全体)の噴火のように、1回の噴火で数mから100m以上の厚さの火山灰が九州の半分以上を覆い、巨大なカルデラが形成される。この状況を現在にシミュレーションしたのがベストセラー「死都日本」。

火山噴火のタイプ

上記のように噴火は様々な条件下で種々の形をとる。火山学者はこれを代表的なタイプに分類し、命名している。

  • 洪水玄武岩
    数千万年に1回程度発生する。地表が大規模に割れ大量の溶岩が短期間に地表に供給される。例えばインドデカン高原の玄武岩面積は日本全土の約6倍に相当する。発生原因について、最近プルームテクトニクスで議論されている。
  • ハワイ式噴火
    流動性が高く揮発性が少ない噴火に相当。ハワイの火山の噴火形式。
  • ストロンボリ式噴火
    イタリアストロンボリ島ストロンボリ火山の噴火形式。ハワイ式より少し流動性の低いマグマが間歇的に小爆発を繰り返し、火山弾を放出する。
  • ブルカノ式噴火
    ストロンボリに近いブルカノ火山の噴火形式。流動性が低く揮発成分が多い場合に相当。桜島や浅間山の通常の噴火に相当。爆発に伴って火山灰、火山礫、火山岩塊を大量に噴出する。
  • ウルトラブルカノ式噴火
    1888年磐梯山の山体崩壊爆発のような、高温マグマが直接関与しない大規模な水蒸気爆発


噴火の場所

火山は噴出する場所、特に水の存在によって噴火の形が大きく変わる。

  1. 海底深くで火山が噴火した場合、高い水圧で爆発は起こらず、水で急冷された溶岩は特徴的な枕状溶岩となる。
  2. 水面近くの噴火や、マグマが地下の浅い所で地下水と出あった時は、水が瞬時に沸騰し爆発的なマグマ水蒸気爆発を起こす。
  3. 巨大な氷河の下で火山が噴火した場合 1 と同様な形態となるが、噴火の規模が大きく氷床を解かしてしまった場合、大規模な洪水を伴う場合がある。(アイスランドの火山)

火山地形

1911年ドイツのシュナイダーは火山地形を次のように分類した。

  • ホマーテ(臼状火山”うすじょうかざん”)
    火口付近に砕屑物が堆積してできる火口の大きい火山。火山砕屑丘ともいう。
  • ベロニーテ(火山岩尖”かざんがんせん”)
    高粘性の溶岩が火口内で固まり、溶岩柱となって地表に押し出されたもの。
  • マール(爆裂火口”ばくれつかこう”)
    小規模な爆発で岩屑が飛ばされてできた円形の火口。
  • ラピリ台地(火砕岩台地”かさいがんだいち”)
    主として軽石・火山灰の堆積によってできた台地





火山の活動と記録

火山はかつては活動状況によって活火山休火山死火山に分類されてきたが、実状に合わないとして近年見直しがなされており、休火山の分類は無くなった。(分類に関する詳細は活火山の項を参照のこと)

火山の噴火はしばしば人間社会に壊滅的な打撃を与えてきたため、記録や伝承に残されることが多い。

関連項目

関連小説

デュボア「21の気球」講談社少年少女世界文学全集・・・クラカトア
石黒曜「死都日本」・・・九州の加久藤(かくとう)火山・近未来
上前淳一郎「複合大噴火 1783年夏」文藝春秋1989・・・ラキ、浅間
鯨統一郎「富士山大噴火」講談社2004・・・富士山・近未来

外部リンク