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「ホテル」の版間の差分

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カプセルホテルは[[カプセル]]状の簡易ベッドが提供される宿泊施設。旅館業法ではホテル営業ではなく[[簡易宿泊所]]営業になる。ほとんどは、ビジネスホテル同様、都市の繁華街に立地する。施設としては単独のもののほか、[[サウナ風呂|サウナ]]店に併設されるケースも多く、大部屋の中にカプセルが積み重ねられた形態が多い。
カプセルホテルは[[カプセル]]状の簡易ベッドが提供される宿泊施設。旅館業法ではホテル営業ではなく[[簡易宿泊所]]営業になる。ほとんどは、ビジネスホテル同様、都市の繁華街に立地する。施設としては単独のもののほか、[[サウナ風呂|サウナ]]店に併設されるケースも多く、大部屋の中にカプセルが積み重ねられた形態が多い。


:''詳しくは[[カプセルホテル]]を参照。''
カプセル中の設備は、照明灯、換気扇、時計、ラジオ、小型テレビ(天井から吊される)が寝たまま操作できるよう、機能的に配置されている。寝具は、マットレスに毛布程度であるが、空調が効いているため不自由は無い。出入口は部屋の短辺側(足側)にある縦型と、長辺側にある横型が存在し、それぞれブラインドとカーテンで仕切られるようになっている。遮音性は全くないため、通路を歩く足音や目覚まし時計の音、周りの利用者の[[いびき]]などが響き、落ち着かないと感じる人もいる。カプセルにカギはないので、別にカギのかかるロッカーが用意されている。

利用客としては、まずビジネスホテルと比較すると、格段に値段の安いことから経費節約のために利用するビジネスマンが主である。その他[[終電車]]や[[深夜バス]]を利用できず、宿泊を余儀なくされる場合に予約なしの飛び込み(ウォークイン)で利用するほか、ビジネス客がビジネスホテルが満室のため、やむを得ずカプセルホテルを利用する場合がある。経済面から若い学生や社会人が個人旅行で利用することも多い。また、諸外国にはこの様な形状のホテルが存在しないため(日本の大都市の地価事情や治安事情などから生まれたもの)、主に欧米の観光客が話のネタに宿泊するケースもある。

カプセルホテルは、男性専用のものが多いが、一部には女性専用フロアを設けているところもある。グループで利用することは想定していないので、フロアを男女別にしている。ホテルによっては、カプセルと通常の個室の両方の設備を持つところもある。

なお、このカプセルホテルを初めて設計したのは[[建築家]]として著名な[[黒川紀章]]である。[[1979年]]に大阪で開業した。[[1985年]]に開催された[[国際科学技術博覧会|つくば科学万博]]では、地域の宿泊施設の収容能力を超える観光客に対処するため応急的にカプセルホテルが建設され、テレビで紹介されたことがきっかけとなり認知度は高まった。


=== ラブホテル(ファッションホテル、ブティックホテル)===
=== ラブホテル(ファッションホテル、ブティックホテル)===

2007年1月30日 (火) 10:26時点における版

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ホテルHotel)とは、主に短期滞在の旅行者、ビジネス等出張者のための宿泊施設である。 法的には旅館業法に規定する旅館業のホテル営業、旅館営業、簡易宿泊所営業である。旅館業法のホテル営業は客室の形式は、洋式の宿泊施設でありベッドを備えた洋室の個室が基本となる。ただし名称制限がないため、法律上、旅館営業、簡易宿所営業であってもホテルと名乗る施設も多い。ある地域にはじめてホテル営業をする場合は国際ホテルという名称を使用する。大型のホテルでは、結婚式場プールなどの設備を備える。目的に応じて、シティホテルやビジネスホテル、観光ホテル、リゾートホテルなど様々な形態がある。大富豪芸能人など、まれにホテルに居住する者もいる。

歴史的に植民地には植民地ホテルが作られ、準公的施設として利用された。

日本で最初のホテルは、1860年(万延元年)にオランダ人C・J・フフナーゲルが開いた「横浜ホテル」(レストランや酒場、ビリヤードを設置し、ボーイを置いていた。1866年に焼失)。現存する日本最古のホテルは、1873年明治6)に金谷善一郎が建てた「金谷カッテージ・イン(現在の日光金谷ホテル)」であると言われる。

ラスヴェガスの世界一の面積を誇るカジノ・ホテルMGMグランド

ホテルの形態

シティホテル

シティホテルの例(ヒルトン東京

都市の繁華街に立地する大型ホテル。いわゆる有名一流ホテルと称するものの多くは、これに入る。比較的規模が大きく、客室以外の宴会場やレストランプールスポーツジム、物販(小売テナントなどを有することが多く、結婚式ディナーショー、講演会、株主総会など宿泊以外のイベント法事などの利用にも対応できる。

客室タイプは、2人用であるツインルームが多く、客室の広さも比較的広く取られているため、エキストラベッド(ソファーベッドなど)を搬入して3人で宿泊することも可能な場合がある。料金は、ビジネスホテルに比べ高めに設定されている(最近ではビジネスホテルとそれほど差がないところもある)。

ビジネスホテル

都市の繁華街(日本の場合は最寄から徒歩10~15分程度までの場所)に立地する、主に業務出張客の宿泊を想定した、比較的小型で低料金のホテル。1泊5000~7000円程度の施設が多い。大手企業が運営の場合、同一グループのチェーンホテルとして全国に展開されていることが多い。なお、日本におけるビジネスホテルという業態を考案し、最初に始めたのは法華倶楽部(ホテル法華クラブチェーン・大正9年9月12日に京都にて1名1室形態の個室旅館を創業)である。

料金を抑えるために、宿泊に特化した構造になっており、客室以外の付帯施設は最小限の機能にとどめられている。ホテルによっては、人件費節約および翌日の清算業務の省略を目的として、数々の合理化策がなされている。機械によるチェックイン/チェックアウト装置が導入されている場合や、プリペイドカードによるTV視聴システム、前払い方式などである。客室タイプは、一人用であるシングルルームが多い。さらに客室の広さも最小限に抑えてあることが多い。

近年は、客室からのブロードバンドインターネット接続が可能な施設や、海外のモーテルのように、おにぎりパン飲料程度の朝食を無料でつけるところが増えている。また2000年代からは、シングル7000円以上という、ほぼシティホテルと変わらない料金を設定している高級ビジネスホテルも年々増加する傾向にあることから、シティホテルとの格差があまり無くなっている。低料金実現のために経営効率を徹底的に高める手法は、「東横イン」のように身体障害者向け設備の排除、従業員のサービス残業などといった法令違反行為を引き起こしたりしていることもある。

一方、海外におけるビジネスホテルは、エグゼクティブの使用を前提としたホテルを指すケースが一般的で、広々とした部屋に会議室等のビジネス設備や、フィットネスクラブなどが併設されているケースが多く、日本における一般的なシティホテルを指している。日本におけるビジネスホテルは、海外ではモーテルを指すケースが多い。

モーテル(モーターホテル、モーターイン)

日本では、車で入れる「ラブホテル」(後述)と同義。ラブホテルの多くが車で入ることができるため最近ではこの呼称はあまり使われない。

モーテルの元々の意味はアメリカ合衆国のような、自動車道路網が発達した広大な国で、自動車で旅行をする人を想定して設置された、セルフサービスを基本とするホテルである。日本でいう「ラブホテル」の意はない(英語版のMotel)。アメリカ国の意味で言うモーテルは、日本においては国道沿い・高速道路のインターチェンジ付近にある、日本におけるビジネスホテル(前述)に近いものである。アメリカの場合、ほとんどは高速道路(フリーウェイ)の出入り口周辺の町の郊外に立地しており、かなり小さな町にまで存在することも多く、地域の社会インフラの一つとなっている。

形態としては、日本の「ビジネスホテル」同様、大規模なチェーン店のものから、小規模のものまで存在する。セルフサービスで荷物の運搬を楽にするため、車を止めて、短い距離で客室にアクセスできる構造になっているのが特徴である。アメリカでは、平均的な料金が一部屋で一泊40~50ドル前後と比較的手ごろで、一部観光地などのハイシーズンを除き予約なしで利用できることから、非常にポピュラーな宿泊施設として定着しており、客層もビジネス客、男女のカップル、家族連れとさまざまである。

イメージ的には、大手チェーン店のものは日本の「ビジネスホテル」、個人経営に近い小規模なものは「旅館」「民宿」と近いが、客室は家族連れも想定したセミダブルベッドのツインルームが基本で、面積も日本の一流シティホテル並みの広さがある。

日本独自の形態のホテル

リゾートホテル

日本の観光地や温泉、高原などのリゾート地に立地する宿泊施設。大規模なものから、小規模のものまで存在する。家族連れや団体での利用を想定しており、靴を脱いでゆったりとした気分を味わってもらうため、敷きの和室を設けるホテルも多く、洋室と和室を兼ねた和洋室が用意されていることもある。

主に温泉地で営業するリゾートホテルの場合、館内に共同大浴場や場所によっては露天風呂を持っている業態のホテルも多いため、旅館との区別が曖昧である。館内での浴衣スリッパ履きが許容される場合が多い。またシングルルームは極端に少なく、皆無というケースも多い。ほとんどが旅館業法のホテル営業ではなく旅館営業である。料金は、他の業態のホテルでは見られない一泊二食で設定されている(夕食や朝食がセットになっている)こともあり、時期によって大きく異なる。なお日本旅館がホテルの呼称を用いているケースも多い。

これに対し、海辺などで営業するリゾートホテルの場合は、シティホテルと同様のシステムを用いている場合が多い。

カプセルホテル

カプセルホテル

カプセルホテルはカプセル状の簡易ベッドが提供される宿泊施設。旅館業法ではホテル営業ではなく簡易宿泊所営業になる。ほとんどは、ビジネスホテル同様、都市の繁華街に立地する。施設としては単独のもののほか、サウナ店に併設されるケースも多く、大部屋の中にカプセルが積み重ねられた形態が多い。

詳しくはカプセルホテルを参照。

ラブホテル(ファッションホテル、ブティックホテル)

ラブホテルも参照。

高速道路のインターチェンジ周辺、幹線道路沿い、あるいは、駅近隣の特定地に立地しており、カップルでの利用を想定しているホテル。略称「ラブホ」。俗に「連れ込み宿」とも呼ばれ、自動車で向かうラブホテルのことを、初期には「モーテル」とも呼んだ。性交目的に利用することを想定しており、構造は一般的なホテルとはかなり異なる。

入り口に垂れ幕があったり、外部から見えにくくしていたり、内部も他の客や従業員にできるだけ会わずに入室できる工夫がしてある。客室も同じ部屋はほとんどなく、ベッドにも工夫が凝らしてあり、浴室なども豪華に作られている事が多い。客室は写真などで選べるシステムになっている。外部の看板も、派手なネオンサインが光っているのも特徴の一つ。

利用目的が、他のホテルと大きく異なる為、料金も宿泊のほか、「休憩」名目で2時間で○円というような体系があり(近年では一般のシティホテルなども日中の短時間利用(デイユーズ)が可能な施設も増えている)、法的には風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(略称・風営法)の適用を受ける。このような形態のホテルは、香港台湾など他の一部のアジア諸国にも存在する。なお、ブティックホテルの呼称は、作家・前長野県知事田中康夫が発案した。しかし、アメリカでのブティックホテルとは日本でいうデザイナーズホテルに相当する。

近年では、日本でもデザイナーズホテルのことを「ブティックホテル」と呼ぶこともあり、使用が曖昧となっている。

その他

これら以外に、24時間営業のマンガ喫茶やインターネットカフェ、健康ランドなどが事実上簡易宿泊所としての機能も有している。

詳細についてはマンガ喫茶インターネットカフェ健康ランドを参照されたい。

ホテルの設備

宿泊

オートロック
客室ドアの施錠システムの一種。鍵を意識的に掛けなくても、ドアを閉じた瞬間に鍵が掛かるシステム。内部からは自由に開けられるが、外部からは鍵がないと開けられないので、外出時には鍵を持たなければいけない。無くした場合は支配人やマネージャーなどの責任者がマスターキーを用いて解錠できるが、鍵再製料などが請求される場合がある。
1990年代から新築されたホテルでは、通常の金属製の鍵ではなく、デジタル処理が可能な「カードキー」を使用する場合が増えている。
ドアサイン
ドアノブの外側に掛けるプレート。「部屋を掃除してください」「起こさないで下さい」の表記が表裏にあり、欧米でも同様であるが、「起こさないで下さい」の場合はチェックアウト時間を過ぎてもフロントから連絡せずに、時間外利用や延泊扱いで料金を請求する場合がある。
日本では掲示されていなくても滞在期間中の外出時に掃除・ベッドメイキングされる場合も多い。また近年新築のホテルでは、客室側のドア付近にスイッチがあり、それを押す事でドアサインと同等の事を廊下側ドア上部付近にあるライトで通知する事が出来るようになっている。
クイックチェックイン
リピーター客やホテルの会員を対象に、フロントで会員カードの提示や口答で氏名・電話番号などを告げる事で、顧客システムに登録されている情報を用いる事によって、宿泊カードの記入が省略できるもの。
「自動チェックイン機」が設置されているホテルでは、係員と応対することなくチェックインと前金の支払が完了するものもある。
クイックチェックアウト
幾つか方式があり、一つは前金式のビジネスホテルで追加料金が無い場合はフロントに出向かずに、ロビー(フロント周辺)に置かれているポストにキーを投函する事でチェックアウトが完了するもの。
もう一つはシティホテル・ラブホテル・ビジネスホテルチェーンに設置されている「自動チェックイン/アウト機」にカードキーを投入すると自動で料金が計算されるので、現金・クレジットカードデビットカードを投入して支払うとチェックアウトも完了する。
これとは別にラブホテルや一部のシティホテルの客室内にクレジットカード専用の精算機が設置され、出発時に客室内でチェックアウトが完了するものもある。

客室

客室の種類

シングルルーム(セミダブルルーム)
一人用客室。シングルサイズベッドの他、近年日本ではセミダブルベッド(ダブルベッドの3分の2サイズ)が用いられているホテルも多く、後者の場合はセミダブルルーム(シングルルームの二人使用)として、割安で利用出来る場合もある。
ダブルルーム
二人用客室で、ダブルサイズベッド(シングルベッドの2倍程度)またはクイーンサイズベッド(ダブルサイズベッドの1.5倍程)が設置されている。ホテルによってはシングルルームを設けずにダブルルームの一人使用(シングルユース)というパターンにしている所もあるが、日本ではラブホテルの客室に近い形態であるため、シティホテルでは余り多く配置していない所が多い。逆に欧米のホテルでは多く見られる。欧米では夫婦は一つのベッドで寝るのが一般的であるため、日本人でも夫婦の宿泊客にはダブルルームの部屋が割り当てられることがよくある。
ツインルーム
二人用客室で、二台のベッドが分離しているもの。
トリプル(ツイン・ダブル)
エキストラベッドという可搬式ベッドをツインルームに設置したり、予めツインルームに備え付けられているソファベッドを用いてベッドを3つ揃えたもの。チェックインの際には用意されておらず、夕刻になると係がエキストラベッドを運んできたり、ソファベッドのベッドメイキングにきて初めてトリプルになることも多い。
トリプルルーム
三人用個室で、予め三台のベッドが備え付けられているもの。ただしあまり一般的ではない。旅行会社などのパンフレットにトリプルルームと書いてあっても上記のツインルームのトリプルユースである場合が多いのでよく確認した方がよい。
フォース・ファミリールーム
トリプルルームにエキストラベッドまたはソファベッドを追加設置したり、予めベッドが四台以上設置されているもので四人以上が居住できる個室。リゾートホテルやテーマパーク周辺のホテルに多い。和洋室の場合もあり、2人がベッドで、2人が布団を使用することになることもある。
エグゼクティブ/デラックス/コンフォート/スーペリア ルーム
一般客室(スタンダードルーム)よりも部屋面積が広く、大きめのベッドやソファなどが設置されていたり、バスルームとトイレ・洗面所が仕切られているホテルもある。日本や海外の高級ホテルではスーペリアルームとスイートルームのみ設置しているホテルが多い。
一般的にはシングル・ツイン・ダブルルームに設定されており、サービスはスタンダードルーム宿泊に準じるのが通常ながら、エグゼクティブフロア(→#付加サービス)を設置しているホテルでは優遇される。
スイート
英語でSUITE(「続き部屋」の意味)。通常の部屋がベッドルーム(寝室)のみであるのに対して、独立したリビングルーム(居間)が付属している部屋のことをいう。高級な部屋になると寝室が複数あるものもあり、寝室の数により2ベッドルームスイート、3ベッドルームスイートなどという。また居間が完全に独立していないものをジュニアスイートという。
広く、高級な客室で、クイーンサイズのベッドが一つ~二つまたはキングサイズのベッドが一つ以上設置され、大型テレビや広々とした浴槽などが配置されていることが多い。
ジュニアスイート以外のハイグレードなスイート(ロイヤルスイート等名称はさまざま)は、ベッドルームとリビング・ダイニングルーム、バスルームが分離しており、40平方メートル以上の部屋面積があり、添い寝やエキストラベッドを配置すれば四人以上が宿泊出来る。特にハイグレードなホテルでは、高級マンションの室内と見分けが付かないようなものもある。
ホテルによってはデイユースで、ルームサービスのランチをスイートルームで食事したり、昼寝するなどのプランを設けている所もある。
コンドミニアム
主にリゾートホテルやコテージ・オーベルジュに設置されるもので、スイートルームと同レベルの広さと設備の室内に、大型冷蔵庫やキッチンなどの自炊設備があり、家族やグループの長期滞在に適しているもの。
コネクティングルーム
隣接する客室との間に扉があり、二つ以上の客室を一つの客室として使えるようにしたもの。通常は扉は施錠されていて別々の部屋として使用されていることが多い。スイートと違って、それぞれの部屋は通常のツインやダブルの部屋である。

テレビ

シティホテルは20~25インチ、ビジネスホテルは14~20インチ型程度のテレビが設置されており、通常の放送(当地のNHK民間放送NHK-BS1/2)のほか、CNNBBCなどの海外の放送や一般映画アダルトビデオが視聴できるテレビ受像機を持つ施設が多い。

また、最近では2005年に東京都心部にあるケーブルテレビ局東京ケーブルネットワークによってホテル専用ヘッドエンド装置が開発され、光ファイバー1本で安価でホテルへ多チャンネルが供給されるようになり、都心の外資系高級ホテルや御三家と呼ばれる国内最高級ホテルの一部を皮切りに大々的な展開が始まっている。

通常のテレビ放送は無料であるが、映画の視聴は有料である(一般的に「PAY TV」と呼ばれる)。有料放送の古くは100円硬貨を投入し、専用のVHSレーザーディスクで放映される一般映画・アダルト作品を視聴する形式であったが、現在はプリペイドカードを購入して視聴するか、リモコンのPAY(課金)ボタンを押してチェックアウト時に精算する方式が主流。

プリペイドカードを購入するテレビ視聴システムは、現在ほとんどのホテルにおいて委託設置である。これはホテルが直接購入するのではなくて、業務委託を受けたレンタル会社が100室規模のホテルでおよそ500万円程度になる、テレビ、配線設置工事、BS/CS等の視聴システム費用を負担して、視聴カード売上の10%~20%をホテルへ支払うもの。

なお、ここ3年程度に新築されたホテルには小型(20V型程度)の液晶テレビあるいは後述のテレパソが設置されているものの多く、御三家と言われる高級ホテルを中心に、一般客室に小型の液晶テレビが、スーペリアやスイートルームでは30V型~50V型の大型薄型テレビに設置替えが進んでおり、特に大型薄型テレビのメーカー(パナソニックシャープソニー日立製作所など)では、購買意欲のある富裕層がそのスイートルームなどで見たテレビの印象で、実際に同じメーカの薄型テレビを自宅向けに購入する事が有り得るので、ホテルとメーカーの営業間で導入合戦が繰り広げられている所もある。

カプセルホテルや地方のビジネスホテルでは、現在でも100円硬貨を投入して視聴するテレビを設置している店舗が多い(この場合、通常のテレビ放送も有料となる)。

テレビパソコン

ホテルチェーンを中心に、テレビの代わりに、略して「テレパソ」と呼ばれる様なテレビ一体型のパーソナルコンピュータを設置する所も増えている。基本的にはLAN(ブロードバンド)と接続され、無料の通常テレビ放送の視聴の他にWebサイト閲覧が一般的に出来る(使用料・オプション料が必要なホテルもある)。 このほか自分のメールアカウントに接続してメールの送受信、インストールされているオフィスソフトを用いての文書作成などが出来るホテルもある。ペイテレビはパソコン画面上で積算確認の上、VODによるストリーミング配信か、パソコンに内蔵または外部接続されているチューナーを通して視聴される。

20V型程度の液晶テレビを設置する費用の数割増程度のコストである事が多いので、今後も導入が続くものと思われる。

アメニティグッズ

ホテルによっては客室内の洗面台(ユニットバス内など)付近に、個別包装されたコットンや耳綿棒化粧水髭剃り歯ブラシなどが、客室の宿泊約款ファイル内にはホテルの封筒便箋絵葉書が備わっているものがあり、これらは特に注記がなければ、使わずに持ち帰る事が可能である。

しかしながら、浴衣バスローブタオルなど上記以外の調度品を持ち帰ると、実費購入を要求される事がある。

客室で使われるタオルやアメニティグッズを、別途販売しているホテルも存在する。

トイレ・浴室

ホテルの多くの客室には、トイレ浴室が備え付けで設置されている。温泉場のリゾートホテルでは、大浴場がメインの浴室となっていることが多い。

浴室は洋式トイレと浴室が一体になった形式(日本ではTOTOINAXが開発したユニットバス)が多く、シャワーカーテンを引かずに入浴、シャワーなどをすると浴室内の床に浸水する場合がある。浸水し、他室に漏れるようなことがあると、賠償料金を請求される場合もあるので注意が必要である。シャワーブースが別にしつらえていたり、ビデが用意されているケースも多い。しかし京都のシティホテルなどでは、日本式の浴室を取り入れている店舗もあり、徐々に全国的にも日本式浴室を取り入れたホテルが増えてきている。

温水洗浄便座はホテルのセントラル給湯・給水をそのまま洗浄水に流用するタイプのものが主流(ユニットバス内は水気があるため、コンセントを使わない方法で電線を引いたり、電池駆動の物もある)で、家庭用の温水洗浄便座本体がヒーター水道水を加温するものとは方式が違う為、既存の宿泊施設に温水洗浄便座を導入するのにコストがかかる点から、取り入れられていない場合が多い。

電話回線

多くのホテルでは、客室に電話機が設置されている。しかし、この電話機は、一般家庭の固定電話と同様な使い方ができるものではない場合が多い。多くのホテルの場合、客室の電話機は内線電話であり、フロントとの連絡を主とした使い方がなされることを想定している。また、この電話機から一般の電話に対して発信をすることは可能であるが、逆に一般の電話から直接着信することは多くの場合は不可能である。ただし、ホテルの客室で外からの電話を受けたいときは、一旦ホテルの代表番号(フロント)に掛けてもらい、それから客室に転送してもらうことは可能である。こういう手続きが必要なのは、多くの場合その電話機ごとに電話番号が割り振られておらず、構内交換機を利用して電話を接続しているためである。

ホテル客室の電話機では、電話機の操作によって、特定の時刻に着信ベルを鳴らすモーニングコール機能が付いているものが普通である。

なお、一部のホテルでは、客室内の電話機に外部から直接掛けてもらうことが可能である。こういったフロントを通さない電話を直通電話と呼ぶ。一般的にはNTTのダイヤルイン契約によって1台ずつ電話番号を割り当てている場合が多いようだ。このサービスは、海外のホテルで割と多くみられるが、日本では高級ホテルでもあまり存在しない。

通話料は別途請求(多くは一般の通話料にホテル側のマージンが上乗せされている)される場合が多い。

電話回線を二つ以上設置している場合もある。一部では、通話料の安いIP電話を引き、国内の固定電話への通話料を無料としている施設もある。

インターネット回線

インターネット普及前までは、客室にモジュラージャックがあるホテルは数少なかったが、インターネットの普及に伴って、ダイヤルアップ接続用モジュラージャックを設置しているホテルが多くなっている。こういったホテルでは、モジュラージャックにパソコンモデムを接続して、ダイヤルアップ接続が可能である(注1)。ただし、一般家庭の電話回線と違って、発信番号を少し変える必要がある(多くの場合、0をダイヤルして外線に接続される)。また、一部のホテルではモデムで接続しやすいように、ラインチェンジャーを貸し出す場合もある。

近年では、ブロードバンド対応ホテルとして、有線無線LANを利用したインターネットへのアクセスが可能なホテルも増加しており、有線の場合はノートパソコンを持ち込んで客室のイーサネット端子に接続すれば、インターネットへのアクセスが可能となる(注2)。このような施設では、LANケーブルや無線LANカードの貸し出しもある。LANによるインターネットアクセスは無料で使用できる施設が多い。

  • 注1プロバイダへのアクセスポイント番号が、ナビダイヤルなどの形で全国共通番号などとして提供されている場合、ホテルによっては、客室の電話回線から特殊な番号へ発信できない場合があり、接続できない場合がある。
  • 注2電子メールは、加入プロバイダによっては、加入プロバイダ以外の他プロバイダからの接続の場合には利用できない場合がある。

一部のホテルでは、ロビーなどに共用インターネット用パソコンや、サイバープチアットステーションなどのコイン式インターネット端末(通常はワープロなどは不可能)を設置しているホテルも存在する。

ほとんどのホテルでは、客室にFAXは設置されていない。ただし大多数のホテルではフロントでFAXの送受信サービスを行なっており、フロントに依頼すれば送受信が可能である。なお、送信が可能でも受信が不可能なホテルもある。

一部のホテルでは、客室にFAXが備え付けられていたり、客室にFAXを貸し出すサービスがあったりする。この場合は客室での送受信が可能である。ホテルオークラパレスホテルなどの高級志向のホテルや、ビジネスマンの利用が多い一部の全日空ホテルズなどでこういったサービスが行なわれている。

なお、ホテル予約サイト楽天トラベル内に掲載されているホテルの「部屋設備・備品」欄に、「ファックス」や「ファックス(一部)」と記載されている例が多く見られるが、実際にはほとんど客室に設置されていない。また同様に、「部屋設備・備品」欄に「ファックス(貸出)」と記載されていても、実際に客室への貸し出しサービスがあるホテルはほとんどないので、宿泊の検討時には電話確認するなど注意をすべきである。

パソコン通信やインターネットダイヤルアップ接続用にモジュラージャックを設置しているホテルの場合、そこに客が持参したFAXを接続すれば送信のみ可能な場合も多い。しかしながら可搬性に問題がある。

聴覚障害者に対するバリアフリーの観点からも、客室でのFAXの利用が可能であることは利点となる。

冷蔵庫

ミニバー
小型の冷蔵庫の中に複数の飲料(ミネラルウォーターソフトドリンクアルコール)やおつまみが配備されているもので、商品を消費した場合は備え付けの伝票に記帳するなどしてチェックアウト迄に精算する必要がある。冷蔵庫から飲料瓶を取った時点で「購入」として機械的に課金される旧式の冷蔵庫が設置されてあるホテルも存在する(後述)。ミニバー商品の価格はホテルのサービス料を含んだ金額とされ、市価の倍以上の価格である場合が多い。
冷蔵庫の外にあるもの(紙コップ一体型のドリップ式コーヒーなど)もミニバー商品としているホテルもある。
高級志向のホテル客室では、ミニバー利用者向けに複数のグラスが用意されたり、独立した食器棚(グラスが配備)の中に冷蔵庫(ミニバー)が設置されていたり、棚の中や下部にミニバーがある場合、その上部の引き出し部分が洒落たテーブルになるものなどがある。引き出しの中に、ウィスキーブランデーのポケット瓶が多く入っていることもある(こちらも価格は割高)。さらにスイートルームやコンドミニアムでは製氷器や冷水器機能を搭載した大型冷蔵庫をミニバーとしている所もある。
ミニバーから飲料を抜き取った直後に販売がカウントされる(そのまま戻してもカウント前に戻らない)タイプもあるので、不必要に扱わない様に注意が必要。誤った場合はフロントに申し出れば通常、課金されない。
空の冷蔵庫
ビジネスホテルを中心に、何も入っていない小型冷蔵庫を設置している所もあり、ホテル内や近隣のコンビニスーパーマーケットで買い出した飲料を滞在中自由に入れられる。

ホテル用の冷蔵庫は、就寝中の騒音を減らすために電源を止める機能が付いている場合がある。また、コンプレッサーを使わない、ペルティエ効果を使った冷蔵庫を使っている場合もある。

その他設備

  • ドライヤー・ズボンプレッサー・電気スタンド・電気ポット・聖書など
  • (複数の枕を選べるホテルもある)・加湿器

ホテルの付加サービス

駐車場
別料金で、1泊あたりの計算の場合が多い。大都市・繁華街に立地するホテルでは提携しているタワーパーキング等周辺駐車場の利用も多く、一泊1000円以上も珍しくない。地方やその観光地周辺の宿泊施設では廉価(無料)であるのが普通。
自動販売機
市場価格(ホテル外のコンビニ・自動販売機での価格)より割高な場合が多いが、ビジネスホテルでは市価と同水準の所も多い。アイスディスペンサー(自動製氷器)が併設される場合もある。
ビジネスセンター
パソコンやコピー機・電話などが設置されている。
ポイントサービス
各ホテル独自のもので、宿泊料・レストランの飲食料に対し5%程度、または1泊毎にポイントを付加し、ポイントを宿泊・飲食料に充当したり、一定のポイント数に達すると現金のキャッシュバックや景品(主に無料宿泊券・食事券・ホテル専用の商品券など)がプレゼントされる。クイックチェックインサービスが利用できるホテルもある。
会員組織
ホテル利用者を対象に募集されるもので、上記のポイントサービスの他に会報誌等の送付や、アーリーチェックイン・レイトチェックアウトが無料サービスされたり、下記クラブラウンジの利用が可能である場合もある。提携カード型が多い。
クラブフロア・専用ラウンジ
高級ホテルの会員組織の会員または提携などで利用が認められた者のみ利用可能な施設。飲料サービスや軽食、チェックイン・チェックアウトがその場で行えるものもある。
基本的に正規料金での宿泊者に利用が限定され、会員であっても旅行代理店(予約サイト)からの予約や、宿泊プランを用いての宿泊時は利用不可とする施設も多い。
エグゼクティブラウンジ
通常客室とは別の特定階(エグゼクティブフロア等)や、スイートルームの宿泊者のみ利用可能なラウンジで、クラブラウンジと同様のサービスが提供されるものが多い。近年はシングルルームから設定されているものの多く、通常客室とエグゼクティブフロアの間取り面積が同一の場合は、数千円程度の割増料金が相場。
プールフィットネスクラブ
スポーツクラブ運営企業が施設を賃借して運営するケースが多い。
ルームサービス
客室までの食事の出前。ホテルレストランと同じメニューが客室で食事できるものの有り、朝食のルームサービスも行うホテルもある。
ケータリングデリバリーピザなど)
主にルームサービスが無い都市圏のビジネスホテルで、客室電話から直接業者へ注文を出すと客室のドアまで配達に上がるもの。支払はその場で行い、チェックアウト時の合算支払は基本的に出来ない。

ホテル用語

ルームチャージ
室料。一人当たりの料金ではなく一部屋当たり料金。
チェックイン/アーリーチェックイン
宿泊の最初。13時から16時辺りに受付が開始される。アーリーチェックインは宿泊施設規定のチェックイン開始時間よりも早くチェックインを行うもので、原則追加料金の支払いが必要。
チェックアウト/レイトチェックアウト
宿泊の最後または滞在中の外出。ビジネスホテルは10時~11時、シティホテルは11時~13時辺りまでにチェックアウトしないとレイト(遅い)チェックアウトとなり、超過時間によって追加料金の支払が必要。宿泊施設によっては連泊中は全時間帯の滞在が可能な場合も。
会員組織や提携カードに入会すると、アーリーチェックイン・レイトチェックアウトの料金が無料となるホテルも多い。
デイユース・デイタイムスティ
日中昼間の空き客室を利用して休憩が出来るサービスプラン。ラブホテルの「休憩」とほぼ同義。宿泊よりは安いので、カップル・家族連れ・ビジネスマンの休憩・仮眠に利用することが想定されている。スイートルームもデイユース利用可能なホテルではプチリッチなパーティや会食も出来る。ホテルに問い合わせてみると良い。

予約手段

宿泊当日が満室となっていることを回避するため、予め決まっていれば事前に予約するのが一般的でエチケットでも ある。(客室準備の都合が有る為。ただ、「当日空室宿泊プラン」などで飛び込み客歓迎の施設もある)

以前はホテルの予約係へ直接電話や往復葉書またはFAXを用いたり、旅行代理店の窓口やJRみどりの窓口に出向く手段が一般的であったが、近年はインターネットを用いた手段も一般的で、ホテルの公式サイトの他、「じゃらん」や「楽天トラベル」などのようなオンライン予約サイト(旅行会社)を通すシェアも大きい。予約サイトによって空室数に違いがある場合もあり、また満室表示となっていても実際には空きがある場合もある。これは各旅行会社が空室を取り決めによって一定数押さえているためで、興業チケットの販売に関わるプレイガイドと興行主間との取り決めと同様である。なお、プレイガイドの一社であるコミュニティネットワークは旅行代理店として、電話による宿泊予約受付も行っている。

このため、直接ホテルの予約係へ問い合わせすれば正確な空室情報が分かるが、宿泊プランを用いらなければ通常料金での宿泊が前提である。 また、インターネットで予約を行うと料金が割り引かれる場合も多いため、予約サイト人気の要因となっている。割引率は予約サイトや状況によって異なるが、3割引きから4割引きになる場合も多い。そのサイト独自の宿泊プランを用意している所もある。

宿泊方法

宿泊当日は、フロントで氏名・住所・電話番号などを記入し、前金式のホテルでは代金を支払う。前金式ではないホテルでは、一定の現金を預かり金(デポジット)として徴収したり、クレジットカードを提示の上コピーするケースが多く、これは海外でも同様である。日本の高級ホテルに宿泊し、チェックイン時にデポジットの要求やクレジットカードのコピーを要求される事に不快感を示す者が見受けられるが、各ホテルの宿泊約款に到着時に行う事として通常定められている。

日本の旅館民宿ではチェックアウト時に支払う後払い式が比較的多く、「食い逃げ」「泊まり逃げ」犯罪(窃盗罪詐欺罪)の温床になっている。

次に部屋の鍵を受け取り、その部屋に行くことになる。なお、部屋から外に出るときは、通常はフロントに鍵を預けるが、磁気カード式のホテルにおいては持ち出し自由の場合もある。

最終日には、電話代やミニバー代、後払い式の場合は宿泊料を精算し、キーを返却する。ミニバー代などの未収金が発覚した場合は後日請求されたり、クレジットカード決済の場合は宿泊客の承諾無く追加請求する場合がある(宿泊約款によって宿泊客は追加請求を承諾したとされるため)。

類似施設

ホテルと類似した施設として、ユースホステルペンションコテージ短期賃貸マンションレンタルオフィスなどがある。

主要ホテルグループ

海外

ホテル加盟組織

日本

参照:日本のホテル一覧

シティホテル中心

ビジネスホテル中心

リゾートホテル中心

ホテルを扱った作品

小説

漫画

TV

映画

関連項目

外部リンク