「在日クルド人へのヘイト」の版間の差分
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WP:NPV帰属化。川口市がデモの「ヘイト性」を認定していないことから、両論併記。出典に記載不明などの箇所についてより忠実に修正。 タグ: 差し戻し済み 2017年版ソースエディター |
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本項では'''在日クルド人へのヘイト'''(ざいにちクルドじんへのヘイト)について述べる。 |
本項では'''在日クルド人へのヘイト'''(ざいにちクルドじんへのヘイト)について述べる。 |
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1990年代以降、[[JR]][[蕨駅]]を中心とした地域に[[在日クルド人]]が定住し始め、その多くが、在留許可を持たずに非正規滞在を続け、地方自治体により実態の把握がなされないまま、暮らしていた<ref name=katayama>{{Cite web |url=https://ci.nii.ac.jp/naid/500001542732 |title=博士論文 - 在日クルド人コミュニティにおける異文化間コミュニケーションの研究ー「わかりあえる日本語コミュニケーション」に向けて― |access-date=2024-03-30 |author=片山奈緒美 |date=2021 |website=CiNii}}</ref>。2023年7月頃から、同月に発生した[[川口市立医療センター]]でのクルド人による乱闘騒ぎを契機として、日本の[[ソーシャル・ネットワーキング・サービス|SNS]]上で[[在日クルド人]]の排斥を訴える[[ヘイトスピーチ]]が目立つようになったと報道されるようになる。翌2024年には、在日クルド人が多く暮らす[[埼玉県]][[川口市]]や[[蕨市]]では「外国人問題に起因するデモ<ref name=kawaguti20240619>{{Cite web |url=https://smart.discussvision.net/smart/tenant/kawaguchi/WebView/rd/speech.html?year=2024&council_id=58&schedule_id=6&playlist_id=1&speaker_id=70 |title=令和6年6月定例会 ー 06月19日 一般質問 |access-date=2024-09-30 |date=2024-06-19}}</ref>」が開催されている。 |
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一方、川口市では、市内で行われている「外国人問題に起因するデモ」に関して、「当事者である外国人住民からの相談も受けておらず、また、その発言がヘイトスピーチの定義に該当するかの判断は難しい」と判断している<ref name=kawaguti20240619/>。川口市議会議員の中川峻一は、差別的・侮蔑的ではない表現を行おうとする人に対して「ヘイトスピーチではないつもりでもヘイトスピーチ規制に該当して処罰されてしまうかもしれない」という恐怖感を抱かせることの弊害や、表現の自由を過度に制限するおそれを指摘している<ref name=kawaguti20240619/>。 |
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[[クルド人]]は[[中東]]における4番目に大きな[[民族]]集団である一方、その居住地([[クルディスタン]])は主に[[トルコ]]、[[イラク]]、[[シリア]]、[[イラン]]にまたがっており、各国内では[[少数民族]]である<ref name=":0">{{Cite journal|author=[[高橋和夫 (国際政治学者)|高橋和夫]]|year=1987|title=クルドと中東の国際関係|url=https://www.jstage.jst.go.jp/article/kokusaiseiji1957/1987/86/1987_86_68/_article/-char/ja/|journal=国際政治|volume=1987|issue=86|pages=68,69|doi=10.11375/kokusaiseiji1957.86_68}}</ref>。クルド人は各国で自治や独立を求める闘争を続けてきたが、弾圧を受けてきた<ref name=":0" /><ref>{{Cite news|和書 |title=クルド、国なき3000万人 歴史と現状オールまとめ |newspaper=朝日新聞 |date=2019-12-28 |url=https://www.asahi.com/articles/ASMDL5VSNMDLUHBI01X.html |access-date=2024-09-21}}</ref>。日本では埼玉県の川口市や蕨市に1990年頃からトルコ国籍のクルド人が移り住むようになり、在日クルド人コミュニティが形成された<ref name=":1">{{Cite news|和書 |title=埼玉の在日クルド人に差別や攻撃 県外からも電話「SNSで見た」 |newspaper=朝日新聞 |date=2024-04-20 |url=https://www.asahi.com/articles/ASS4M4DZ9S4MUTIL01CM.html |access-date=2024-09-21}}</ref>。 |
[[クルド人]]は[[中東]]における4番目に大きな[[民族]]集団である一方、その居住地([[クルディスタン]])は主に[[トルコ]]、[[イラク]]、[[シリア]]、[[イラン]]にまたがっており、各国内では[[少数民族]]である<ref name=":0">{{Cite journal|author=[[高橋和夫 (国際政治学者)|高橋和夫]]|year=1987|title=クルドと中東の国際関係|url=https://www.jstage.jst.go.jp/article/kokusaiseiji1957/1987/86/1987_86_68/_article/-char/ja/|journal=国際政治|volume=1987|issue=86|pages=68,69|doi=10.11375/kokusaiseiji1957.86_68}}</ref>。クルド人は各国で自治や独立を求める闘争を続けてきたが、弾圧を受けてきた<ref name=":0" /><ref>{{Cite news|和書 |title=クルド、国なき3000万人 歴史と現状オールまとめ |newspaper=朝日新聞 |date=2019-12-28 |url=https://www.asahi.com/articles/ASMDL5VSNMDLUHBI01X.html |access-date=2024-09-21}}</ref>。日本では埼玉県の川口市や蕨市に1990年頃からトルコ国籍のクルド人が移り住むようになり、在日クルド人コミュニティが形成された<ref name=":1">{{Cite news|和書 |title=埼玉の在日クルド人に差別や攻撃 県外からも電話「SNSで見た」 |newspaper=朝日新聞 |date=2024-04-20 |url=https://www.asahi.com/articles/ASS4M4DZ9S4MUTIL01CM.html |access-date=2024-09-21}}</ref>。 |
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これらの地域ではかねてより、在日クルド人のゴミ出し方法や騒音についての行政への相談が日本人の住民からあった<ref name=":1" />。生活習慣の違いからくる地元住民との摩擦だったが<ref name=":9">{{Cite news|和書 |title=なぜ今、クルド人ヘイトが増えている? 夜回りや被災地支援など「溶け込む努力している人たちもいること知って」 |newspaper=東京新聞 |date=2024-04-29 |url=https://www.tokyo-np.co.jp/article/324122 |access-date=2024-09-22}}</ref>、2023年4月の[[川口市議会]]議員選挙では候補者に有権者から「川口の治安が良くない」といった相談が寄せられた<ref name=":3">{{Cite news|和書 |title=迷惑あおり運転、100人が病院で大騒ぎ…暴走する一部外国人、相次ぐ苦情 問題の背景は 騒動を取材<下> |newspaper=埼玉新聞 |date=2023-08-12 |url=https://www.saitama-np.co.jp/articles/40495/postDetail |access-date=2024-09-22}}</ref>。なお同年3月には、クルド人の |
これらの地域ではかねてより、在日クルド人のゴミ出し方法や騒音についての行政への相談が日本人の住民からあった<ref name=":1" />。生活習慣の違いからくる地元住民との摩擦だったが<ref name=":9">{{Cite news|和書 |title=なぜ今、クルド人ヘイトが増えている? 夜回りや被災地支援など「溶け込む努力している人たちもいること知って」 |newspaper=東京新聞 |date=2024-04-29 |url=https://www.tokyo-np.co.jp/article/324122 |access-date=2024-09-22}}</ref>、2023年4月の[[川口市議会]]議員選挙では候補者に有権者から「川口の治安が良くない」といった相談が寄せられた<ref name=":3">{{Cite news|和書 |title=迷惑あおり運転、100人が病院で大騒ぎ…暴走する一部外国人、相次ぐ苦情 問題の背景は 騒動を取材<下> |newspaper=埼玉新聞 |date=2023-08-12 |url=https://www.saitama-np.co.jp/articles/40495/postDetail |access-date=2024-09-22}}</ref>。なお同年3月には、クルド人の2世が日本人の女子中学生に対する[[不同意性交等罪|不同意性交]]で逮捕されていた<ref>{{cite news|url=https://www.sankei.com/article/20240308-LUTLMINZTNOZNGADECZPNB3CGY/|title=女子中学生に性暴行の容疑者、難民申請中のクルド人 トルコ生まれ川口育ちの「移民2世」|publisher=産経新聞|date=2024-03-08|accessdate=2024-09-26}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://www.sankei.com/article/20240827-Z36FBUL7FBHARDNXEPZX7KOYIU/ |title=川口クルド人犯罪めぐり奥ノ木市長に殺害予告 市長「擁護しているわけではない」 |access-date=2024/09/29 |publisher=産経新聞 |date=2024/08/27}}</ref>。同年6月末には同市市議会が「一部外国人による犯罪の取り締まり強化を求める意見書」を採択<ref name=":3" />。一部の外国人が「資材置き場周辺や住宅密集地域などで暴走行為、[[あおり運転]]を繰り返し、人身、物損事故を多く発生」させているとした<ref name=":3" />{{Refnest|なお川口市は元来外国人が多く暮らす地域である<ref name=":7">{{Cite news|和書 |title=在日外国人と日本社会の共生努力を後退させる右派の差別扇動 |newspaper=ニューズウィーク日本版 |date=2024-02-27 |url=https://www.newsweekjapan.jp/fujisaki/2024/02/post-65_1.php |access-date=2024-09-22 |author=藤崎剛人}}</ref>。しかし右派系グループによる排外主義の示威行動が行われてきた<ref name=":7" />。2009年に[[在日特権を許さない市民の会]]が行った[[フィリピン]]人一家([[カルデロン一家問題]])の国外追放を求めるデモなどが一例である<ref name=":2" /><ref name=":7" />。|group=注}}。 |
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同年 |
同年10月に[[神奈川新聞]]は「ヘイト団体やレイシストはクルド人攻撃を激化させて」と報じている<ref>「[https://www.kanaloco.jp/news/social/article-1025778.html クルド人排斥デモ、市民抗議で中止 埼玉・川口市、差別団体のヘイト激化]」『カナロコ』[[神奈川新聞]]、2023年10月9日。2024年9月24日閲覧。</ref>。 |
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== ヘイトの激化 == |
== ヘイトの激化 == |
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TBS番組『報道特集』では、2023年7月の[[川口市立医療センター]]でのクルド人による乱闘事件の動画がSNSに投稿されて以降、クルド人に対するネガティブイメージが広がり「新たな局面」に入ったことが放送されている<ref name=":4">{{Cite news|和書 |title=クルド人と過激ヘイト 「仮放免者にも就労を」 川口市で見えた外国人政策の課題【報道特集】 |newspaper=TBS NEWS DIG |date=2024-06-30 |url=https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1261880 |access-date=2024-09-22}}</ref>{{Refnest|クルド人支援団体代表の温井立央は、難民認定申請者の強制送還を可能にする[[入管法]]改正案の国会審議が始まったころから「ヘイトスピーチ」が増えてきたと述べている<ref name=":10">{{Cite news|和書 |title=朝鮮人虐殺時のデマに似通うクルド人へのヘイトスピーチ「いつまで繰り返すのか」。都内で緊急集会 |newspaper=ハフポスト日本版 |date=2024-08-28 |url=https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_66cbfd30e4b0f0ded8062a5d |access-date=2024-09-22 |author=國﨑万智}}</ref>。東京新聞は、2023年春頃から「ヘイトスピーチ」が増えたとしているが、理由については不明としている<ref name=":9" />。[[毎日新聞]]は、入管法改正案を巡り「外国人の抗議行動、メディア露出が高まり、難民申請者の多いクルド人にも注目が集まっていた」ほか、そうしたなか川口市議会が上述の意見書を採択したことを挙げている<ref>{{Cite news|和書|title=電話口に響いた男の罵声 埼玉のクルド人に向けられたヘイト|newspaper=毎日新聞|date=2024-03-22|url=https://mainichi.jp/articles/20240317/k00/00m/040/094000c|access-date=2024-09-22}}</ref>。支援団体「在日クルド人と共に」の代表温井立央は「制度の動きとヘイトスピーチは明確につながっています」と述べている<ref name=":10" />。|group=注}}。7月4日、同市[[安行原]]でクルド人がクルド人に襲われる事件があった<ref name=":5">{{Cite news|和書 |title=乱闘…男女もめた結果、病院で100人大騒ぎ 救急車受け入れできず 批判の先は…誤解も 騒動を取材<上> |newspaper=埼玉新聞 |date=2023-08-12 |url=https://www.saitama-np.co.jp/articles/40494/postDetail |access-date=2024-09-22}}</ref>。この事件で負傷したクルド人が搬送された市立医療センターに知人ら100人規模のクルド人が集まり乱闘となった<ref name=":5" />。乱闘の様子を映した動画がSNSに投稿・拡散されると、「クルド人」が[[X (ソーシャル・ネットワーキング・サービス)|X]]([[Twitter]])でトレンドワード入りしクルド人排斥を主張する投稿が目立った<ref name=":5" />。 |
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{{Main2|医療センターでの乱闘騒ぎ|在日クルド人#川口市立医療センター内乱闘}} |
{{Main2|医療センターでの乱闘騒ぎ|在日クルド人#川口市立医療センター内乱闘}} |
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2024年2月、蕨市駅周辺で在特会の流れをくむ[[日本第一党]]に所属していた人物により、反クルド人デモ |
2024年2月、蕨市駅周辺で在特会の流れをくむ[[日本第一党]]に所属していた人物によりデモが開催され、ニューズウィークはこれを「反クルド人デモ」と報じている<ref name=":7" />。TBS番組『報道特集』では、2024年4月に川口市で[[旭日旗]]や[[トルコの国旗|トルコ国旗]]を掲げ「トルコとの友情をアピールする」という主旨で、「[[不法滞在]]クルド人は追放しよう」というプラカードをもち、「トルコ国籍を騙った、クルド人犯罪を許さない」と主張するデモの様子が報じられている<ref name=":4" />。このデモに対抗する人々も集まり大勢の警察官も動員されて、双方の衝突を阻止するという有様であった<ref name=":4" />。デモ参加者と反対者と警察官とのもみ合いが生じたために、地元住民はあっけに取られ、公園で遊んでいた少年は「これ…何やっているんですか?」と疑問視していたという<ref name=":4" />。このデモは[[日の丸街宣倶楽部]]によるデモであるとされ、[[神奈川新聞]]はこれを「ヘイトデモ」と報じ、デモのメンバーが反対者に体当たりする暴行する事件が起こったと報じている<ref>{{Cite news|和書 |title=埼玉でヘイト街宣中、差別団体また暴行事件 抗議女性に体当たり |newspaper=神奈川新聞 |date=2024-07-15 |url=https://www.kanaloco.jp/news/social/article-1094017.html |access-date=2024-09-23}}</ref>。上述の乱闘動画拡散以降、{{要出典範囲|頻繁にこうした「ヘイト」の示威行動が開催されるようになっているが|date=2024年9月}}、TBS番組『報道特集』は、デモ参加者の多くは川口周辺の市民ではなく、[[神奈川県]][[川崎市]]{{Refnest|[[在日韓国・朝鮮人]]が多く住む川崎市では在日コリアンへのヘイトスピーチが繰り返されてきたが、2019年にヘイトスピーチを罰則付きで禁じる差別禁止条例が成立している<ref name=":2" />。[[ネット右翼]]やヘイトスピーチの問題を取材してきた[[安田浩一]]は「条例により、活動しにくくなった団体が転戦してきている」と指摘している<ref name=":2" />。|group=注}}から活動の場を移してきたようであるという反対者の見解を放送している<ref name=":4" />。 |
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またクルド人が経営する店やクルド人支援団体に対して、電話やメールでヘイトスピーチが行われるようにもなっている<ref name=":1" /><ref name=":14" />。 |
またクルド人が経営する店やクルド人支援団体に対して、電話やメールでヘイトスピーチが行われるようにもなっている<ref name=":1" /><ref name=":14" />。 |
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またクルド人についてのSNS上の[[デマ]]に対して、反論を投稿する人々もいる。ライターの田口ゆうは、川口市のクルド人を批判する目的で画像が投稿された「クルドカー」についてナンバーを確認して反論した<ref name=":15" />。「電脳塵芥(ちりあくた)」という個人ブロガーはデマのファクトチェックを行い、その成果を公開している<ref name=":15" />。 |
またクルド人についてのSNS上の[[デマ]]に対して、反論を投稿する人々もいる。ライターの田口ゆうは、川口市のクルド人を批判する目的で画像が投稿された「クルドカー」についてナンバーを確認して反論した<ref name=":15" />。「電脳塵芥(ちりあくた)」という個人ブロガーはデマのファクトチェックを行い、その成果を公開している<ref name=":15" />。 |
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=== 地域パトロール === |
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2023年9月頃からクルド人による自主的な地域パトロールが開始された<ref>{{Cite news|和書 |title=批判…夜コンビニや公園に集まるクルド人ら、住民とトラブル頻発 一方で治安を改善したいクルド人は自主パトロール開始、たむろするクルド人に注意 ごみ拾いも 密着した写真家、変わろうとする姿を撮影 川口で「在日クルド人」展を開催 |newspaper=埼玉新聞 |date=2023-10-13 |url=https://www.saitama-np.co.jp/articles/50004/postDetail |access-date=2024-09-22}}</ref>。また埼玉県警察は日本クルド文化協会のクルド人などと合同で[[東川口駅|JR東川口駅]]周辺のパトロールを行った<ref name=":6">{{Cite news|和書 |title=「ルール知らない人も…働きかけたい」 埼玉県警とクルド人ら、川口で合同パトロール 地域での共生促す |newspaper=埼玉新聞 |date=2023-11-07 |url=https://www.saitama-np.co.jp/articles/53513/postDetail |access-date=2024-09-22}}</ref>。[[武南警察署|武南署]]の署長は「警察や行政機関、住民、外国人団体の相互理解を促進することで強固な地域ネットワークが構築ができる」と意義を語った<ref name=":6" />。 |
2023年9月頃からクルド人による自主的な地域パトロールが開始された<ref>{{Cite news|和書 |title=批判…夜コンビニや公園に集まるクルド人ら、住民とトラブル頻発 一方で治安を改善したいクルド人は自主パトロール開始、たむろするクルド人に注意 ごみ拾いも 密着した写真家、変わろうとする姿を撮影 川口で「在日クルド人」展を開催 |newspaper=埼玉新聞 |date=2023-10-13 |url=https://www.saitama-np.co.jp/articles/50004/postDetail |access-date=2024-09-22}}</ref>。また埼玉県警察は日本クルド文化協会のクルド人などと合同で[[東川口駅|JR東川口駅]]周辺のパトロールを行った<ref name=":6">{{Cite news|和書 |title=「ルール知らない人も…働きかけたい」 埼玉県警とクルド人ら、川口で合同パトロール 地域での共生促す |newspaper=埼玉新聞 |date=2023-11-07 |url=https://www.saitama-np.co.jp/articles/53513/postDetail |access-date=2024-09-22}}</ref>。[[武南警察署|武南署]]の署長は「警察や行政機関、住民、外国人団体の相互理解を促進することで強固な地域ネットワークが構築ができる」と意義を語った<ref name=":6" />。 |
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川口市は、週2回のパトロールを行っている。クルド人のヤードで「市民の安全を脅かす問題」がおきて警察が出動するなど、住民の苦情や要望が2年間で70件以上寄せられているために開始された<ref name=sankei20240818>{{Cite news|和書 |title=<独自>川口クルド100人超、資材置き場で大音量騒ぎ警察出動「日本人の理解足りない」 |newspaper=産経新聞 |date=2024-08-18 |url=https://www.sankei.com/article/20240818-Q7DJ43L7IVGBVIXACY4JX5FRBY/ |access-date=2024-09-29}}</ref>。 |
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== 脚注 == |
== 脚注 == |
2024年9月29日 (日) 15:03時点における版
この記事は中立的な観点に基づく疑問が提出されているか、議論中です。 (2024年9月) |
本項では在日クルド人へのヘイト(ざいにちクルドじんへのヘイト)について述べる。
1990年代以降、JR蕨駅を中心とした地域に在日クルド人が定住し始め、その多くが、在留許可を持たずに非正規滞在を続け、地方自治体により実態の把握がなされないまま、暮らしていた[1]。2023年7月頃から、同月に発生した川口市立医療センターでのクルド人による乱闘騒ぎを契機として、日本のSNS上で在日クルド人の排斥を訴えるヘイトスピーチが目立つようになったと報道されるようになる。翌2024年には、在日クルド人が多く暮らす埼玉県川口市や蕨市では「外国人問題に起因するデモ[2]」が開催されている。
一方、川口市では、市内で行われている「外国人問題に起因するデモ」に関して、「当事者である外国人住民からの相談も受けておらず、また、その発言がヘイトスピーチの定義に該当するかの判断は難しい」と判断している[2]。川口市議会議員の中川峻一は、差別的・侮蔑的ではない表現を行おうとする人に対して「ヘイトスピーチではないつもりでもヘイトスピーチ規制に該当して処罰されてしまうかもしれない」という恐怖感を抱かせることの弊害や、表現の自由を過度に制限するおそれを指摘している[2]。
官民によるヘイトへの対応・抵抗も行われている[要出典]。埼玉県知事大野元裕が「ヘイトスピーチは地域社会から徹底して排除されなければならない」と記者会見の場で述べたほか、市民によるファクトチェック[要出典]、川口市によるパトロールや在日クルド人らによる自主的な地域パトロール・警察との合同パトロールが行われている。
背景
クルド人は中東における4番目に大きな民族集団である一方、その居住地(クルディスタン)は主にトルコ、イラク、シリア、イランにまたがっており、各国内では少数民族である[3]。クルド人は各国で自治や独立を求める闘争を続けてきたが、弾圧を受けてきた[3][4]。日本では埼玉県の川口市や蕨市に1990年頃からトルコ国籍のクルド人が移り住むようになり、在日クルド人コミュニティが形成された[5]。
これらの地域ではかねてより、在日クルド人のゴミ出し方法や騒音についての行政への相談が日本人の住民からあった[5]。生活習慣の違いからくる地元住民との摩擦だったが[6]、2023年4月の川口市議会議員選挙では候補者に有権者から「川口の治安が良くない」といった相談が寄せられた[7]。なお同年3月には、クルド人の2世が日本人の女子中学生に対する不同意性交で逮捕されていた[8][9]。同年6月末には同市市議会が「一部外国人による犯罪の取り締まり強化を求める意見書」を採択[7]。一部の外国人が「資材置き場周辺や住宅密集地域などで暴走行為、あおり運転を繰り返し、人身、物損事故を多く発生」させているとした[7][注 1]。
同年10月に神奈川新聞は「ヘイト団体やレイシストはクルド人攻撃を激化させて」と報じている[12]。
ヘイトの激化
TBS番組『報道特集』では、2023年7月の川口市立医療センターでのクルド人による乱闘事件の動画がSNSに投稿されて以降、クルド人に対するネガティブイメージが広がり「新たな局面」に入ったことが放送されている[13][注 2]。7月4日、同市安行原でクルド人がクルド人に襲われる事件があった[16]。この事件で負傷したクルド人が搬送された市立医療センターに知人ら100人規模のクルド人が集まり乱闘となった[16]。乱闘の様子を映した動画がSNSに投稿・拡散されると、「クルド人」がX(Twitter)でトレンドワード入りしクルド人排斥を主張する投稿が目立った[16]。
2024年2月、蕨市駅周辺で在特会の流れをくむ日本第一党に所属していた人物によりデモが開催され、ニューズウィークはこれを「反クルド人デモ」と報じている[10]。TBS番組『報道特集』では、2024年4月に川口市で旭日旗やトルコ国旗を掲げ「トルコとの友情をアピールする」という主旨で、「不法滞在クルド人は追放しよう」というプラカードをもち、「トルコ国籍を騙った、クルド人犯罪を許さない」と主張するデモの様子が報じられている[13]。このデモに対抗する人々も集まり大勢の警察官も動員されて、双方の衝突を阻止するという有様であった[13]。デモ参加者と反対者と警察官とのもみ合いが生じたために、地元住民はあっけに取られ、公園で遊んでいた少年は「これ…何やっているんですか?」と疑問視していたという[13]。このデモは日の丸街宣倶楽部によるデモであるとされ、神奈川新聞はこれを「ヘイトデモ」と報じ、デモのメンバーが反対者に体当たりする暴行する事件が起こったと報じている[17]。上述の乱闘動画拡散以降、頻繁にこうした「ヘイト」の示威行動が開催されるようになっているが[要出典]、TBS番組『報道特集』は、デモ参加者の多くは川口周辺の市民ではなく、神奈川県川崎市[注 3]から活動の場を移してきたようであるという反対者の見解を放送している[13]。
またクルド人が経営する店やクルド人支援団体に対して、電話やメールでヘイトスピーチが行われるようにもなっている[5][18]。
ヘイトの内容
この項目には暴力的または猟奇的な記述・表現が含まれています。 |
川口市でクルド人が経営する飲食店には「クソクルド」「日本から出て行け」といった内容の電話が頻繁にかかってくるようになった[5]。市にも「クルド人を追いだせ」などと訴える電話がかけられ、担当者によると「具体的な困り事を聞くと、SNSなどで見たという県外の人がほとんど」だという[19][5]。クルド人支援団体にもヘイトメッセージが届いている[18]。支援団体「在日クルド人と共に」に「クルド人を皆殺しにして、豚の餌にしてやる」というメッセージを送った東京都足立区の1名が脅迫容疑で書類送検されている[20]。また大量の廃材を積んだトラックや改造自動車の画像を「クルドカー」と称してSNSに投稿するのもクルド人揶揄の定番である[21][22]。
入管による人権侵害などを取材してきた志葉玲は、クルド人ヘイトがYouTubeの再生回数やX(Twitter)のインプレッション稼ぎを目的として「ビジネス化」していると指摘している[23]。
クルド人をテロリストと結びつける言説
在日クルド人がテロ組織とつながっているというヘイトスピーチもよく見られる[23]。クルド難民弁護団事務局長を務める弁護士大橋毅によると、トルコでは政権を批判しただけでゲリラ組織クルディスタン労働者党(PKK)のメンバー、テロリストとレッテルを貼られ拘禁される現状がある[23]。国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルやヒューマン・ライツ・ウォッチも同様の指摘・報告をしている[6]。
またクルド人へのヘイトが激化している最中に、駐日トルコ大使館がクルド文化協会およびその代表者らをPKKのシンパだとして資産凍結を行っており、日本の右派論客がトルコ政府側のこうした主張をそのまま取り入れヘイトを煽っている[10]。
ネウロズの開催危機
クルド人の伝統的な祭りであるネウロズはさいたま市の埼玉県営秋ヶ瀬公園で毎年開催されてきた[24]。しかし2024年は管理者側が公園の使用を認めない方針を示した[24]。1月4日に「在日クルド人と共に」が管理者側に使用許可を申し出たところ「クルド人に公園を貸すなとの電話を受けた」ため「反対する人たちが来ると、安全を担保できない」とし、13日に使用を許可しない方針を伝えた[25][24]。19日、県と協議した結果だとして音楽を流さないことを条件に使用を許可[24]。23日には音楽は許可するが楽器演奏は認めないとした[24]。最終的には楽器演奏を認め、3月20日に同公園で開催された[24][26]。開催中は埼玉県警察が会場を警備した[27]。会場周辺では数人が拡声器を用いてクルド人へのヘイトスピーチを放った[27]。
ヘイトへの対応
2024年3月、埼玉県知事大野元裕は定例記者会見で「クルド人に限らず」としたうえで「ヘイトスピーチは地域社会から徹底して排除されなければならない」と述べた[28]。
同年8月26日、日本弁護士連合会の主催で「クルド人に対するヘイトスピーチ問題を考える緊急集会」が開催された[14][29]。日本クルド文化協会や支援団体の代表者、弁護士、ジャーナリストが登壇した[19][14]。日弁連は人種差別撤廃法・条例制定の必要性を訴えた[23]。
法的対応
東京都は2023年にクルド人に関する街宣を都人権尊重条例によりヘイトと認定した[11]。2024年3月には日本クルド文化協会代表理事のチカン・ワッカスら10人のクルド人とクルド人を夫に持つ日本人女性がフリージャーナリスト石井孝明を提訴した[30]。訴状によると石井が、協会がテロ支援をしている、クルド人全体が不法就労者であるなどと思わせるSNS投稿を拡散させた[30]。
市民による対抗
上述したようにヘイトスピーチに反対する市民がカウンターを実施している。
またクルド人についてのSNS上のデマに対して、反論を投稿する人々もいる。ライターの田口ゆうは、川口市のクルド人を批判する目的で画像が投稿された「クルドカー」についてナンバーを確認して反論した[22]。「電脳塵芥(ちりあくた)」という個人ブロガーはデマのファクトチェックを行い、その成果を公開している[22]。
地域パトロール
2023年9月頃からクルド人による自主的な地域パトロールが開始された[31]。また埼玉県警察は日本クルド文化協会のクルド人などと合同でJR東川口駅周辺のパトロールを行った[32]。武南署の署長は「警察や行政機関、住民、外国人団体の相互理解を促進することで強固な地域ネットワークが構築ができる」と意義を語った[32]。
川口市は、週2回のパトロールを行っている。クルド人のヤードで「市民の安全を脅かす問題」がおきて警察が出動するなど、住民の苦情や要望が2年間で70件以上寄せられているために開始された[33]。
脚注
注釈
- ^ なお川口市は元来外国人が多く暮らす地域である[10]。しかし右派系グループによる排外主義の示威行動が行われてきた[10]。2009年に在日特権を許さない市民の会が行ったフィリピン人一家(カルデロン一家問題)の国外追放を求めるデモなどが一例である[11][10]。
- ^ クルド人支援団体代表の温井立央は、難民認定申請者の強制送還を可能にする入管法改正案の国会審議が始まったころから「ヘイトスピーチ」が増えてきたと述べている[14]。東京新聞は、2023年春頃から「ヘイトスピーチ」が増えたとしているが、理由については不明としている[6]。毎日新聞は、入管法改正案を巡り「外国人の抗議行動、メディア露出が高まり、難民申請者の多いクルド人にも注目が集まっていた」ほか、そうしたなか川口市議会が上述の意見書を採択したことを挙げている[15]。支援団体「在日クルド人と共に」の代表温井立央は「制度の動きとヘイトスピーチは明確につながっています」と述べている[14]。
- ^ 在日韓国・朝鮮人が多く住む川崎市では在日コリアンへのヘイトスピーチが繰り返されてきたが、2019年にヘイトスピーチを罰則付きで禁じる差別禁止条例が成立している[11]。ネット右翼やヘイトスピーチの問題を取材してきた安田浩一は「条例により、活動しにくくなった団体が転戦してきている」と指摘している[11]。
出典
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- ^ 「批判…夜コンビニや公園に集まるクルド人ら、住民とトラブル頻発 一方で治安を改善したいクルド人は自主パトロール開始、たむろするクルド人に注意 ごみ拾いも 密着した写真家、変わろうとする姿を撮影 川口で「在日クルド人」展を開催」『埼玉新聞』2023年10月13日。2024年9月22日閲覧。
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