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2024年8月11日 (日) 01:11時点における最新版
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ロンドンマラソンでのキプタム(2023年) | ||||
選手情報 | ||||
フルネーム | Kelvin Kiptum Cheruiyot | |||
ラテン文字 | Kelvin Kiptum | |||
国籍 | ケニア | |||
競技 | 陸上競技 | |||
種目 | 長距離走 | |||
生年月日 | 1999年12月2日 | |||
出身地 | チェプコリオ | |||
没年月日 | 2024年2月11日(24歳没) | |||
死没地 | カプタガット付近 | |||
身長 | 180 cm | |||
体重 | 65 kg | |||
コーチ | ジェルヴェ・ハキジマナ[3][4] | |||
自己ベスト | ||||
10000m | 28分27秒87 | |||
10km | 28分17秒 | |||
ハーフマラソン | 58分42秒 | |||
マラソン | 2時間00分35秒 | |||
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ケルヴィン・キプタム(Kelvin Kiptum, 1999年12月2日 - 2024年2月11日[5])は、ケニアの陸上競技(長距離走)選手。男子マラソンの世界記録保持者である。
フルマラソン初挑戦となった2022年のバレンシアマラソンをデビュー戦としては史上最速のタイムで制し、これは当時の世界歴代4位の記録であった[6]。4か月後、2レース目のロンドンマラソンでは、世界記録まで16秒差まで迫る世界歴代2位(2時間01分25秒)のタイムで優勝した[7]。半年後、3レース目のシカゴマラソンでは、2時間00分35秒の世界新記録で優勝した[8][9][10]。人類初の2時間切りを期待されながらも、2024年2月11日に高速道路を運転中交通事故で死亡した[11]。
経歴
[編集]エルドレットから東に約30 km、大地溝帯に位置するリフトバレー州エルゲーヨ=マラクウェトの標高の高い村、チェプコリオで生まれ育った。近隣のカウンティとともに、多くの著名な陸上競技選手を輩出し、また外国からも多くのランナーが集まる地域である。
幼少期、キプタムは家畜の世話をしながら、森の道を走るランナーたちの後を裸足で追い始めた。2013年頃、13歳のときに本格的なトレーニングを始めた[12][13]。その年、エルドレットで開催されたハーフマラソンの大会に初めて出場し、10位で完走。翌年も出場し、12位であった[14]。2018年、1時間02分01秒でこの大会初優勝を飾った[14][15]。当時はまだ指導者もおらず、自分自身で練習を行っていた[7]。
その後、2019年3月にポルトガルのリスボン・ハーフマラソンで国際大会デビューを果たすと、59分54秒の自己ベストで5位入賞となった。この年、北ヨーロッパや西ヨーロッパでの6つのレースにも参加し、11月には母国で開催されたハーフマラソン大会も制した[16]。2020年、ルワンダの3000メートル障害記録保持者であるジェルヴェ・ハキジマナのコーチを務め始めたと報じられたが、2013年以降、ハキジマナのもとで他の若い選手と一緒に定期的にトレーニングを行っていたようである[3][4][7]。2020年頃から、すでにフルマラソン挑戦に向けて準備を始めていた[12]。同年12月、バレンシア・ハーフマラソンに出場し、58分42秒の自己ベストタイムを記録し、6位入賞となった。2021年には、フランス・ランスのハーフマラソンを59分35秒で優勝し、前年に続いて走ったバレンシアでは59分02秒で8位となった[15]。
2022年12月、23歳となり臨んだバレンシアマラソンでフルマラソンデビューを果たすと、逆転劇をやってのけた。前半は力を抑えて後半はそれを上回るペースで走り(後半のタイムはマラソン史上最速の1時間00分15秒を記録)、当時の世界歴代4位となる2時間01分53秒でこのレースを制し、2時間2分を切った史上3人目の選手となった。この時点でキプタムよりも速いタイムを持っていたのは、当時の世界記録である2時間01分09秒(および2時間01分39秒)の同胞のエリウド・キプチョゲと、2時間01分41秒のエチオピアのケネニサ・ベケレのみである。また、大会記録を1分以上更新し、フルマラソンデビュー戦としては史上最速のタイムであった。最終的に2位に1分以上の大差をつけ、レース前に優勝候補に挙げられていたこの年の世界陸上チャンピオンのタミラト・トラにも勝利した[6][17][18]。
2023年4月23日、2レース目で初のワールドマラソンメジャーズ参戦となったロンドンマラソンでは、雨天の中でも2時間01分25秒の大会記録、キプチョゲの世界記録まで16秒に迫る世界歴代2位のタイムで圧勝した。バレンシアと同じく前半は1時間01分40秒と抑えて走り、30 km地点で集団から抜け出すと、後半は自身の記録を更新する59分49秒で走り抜けた[19]。同じ村の出身で、若い頃にその背中を追ったジェフリー・カムウォロルに3分近い大差をつけ、キプチョゲが保持していた大会記録も1分以上更新した[7][20][21]。
10月8日、3レース目となるシカゴマラソンに臨み、大会記録を3分以上塗り替え、キプチョゲの世界記録を34秒更新する2時間00分35秒の世界新記録で優勝した[10]。このレースでも前半は抑えたが、それでもロンドンより速い1時間00分48秒で走り、後半も失速せずに59分47秒と記録を伸ばした。これまでの2レースと同様に、シカゴでも30 km地点からペースを上げた。平均すると、1 kmあたり2分51秒(時速20.995 km)のタイムであった[22][23]。15 km地点で先頭に立ち、30 km地点からは独走状態で、最終的には2位で同胞のベンソン・キプルトにおよそ3分半の差をつける圧勝であった[8][9][24]。
2024年2月11日の夜にエルドレットとカプタガットの間の高速道路を走行中、ハンドル操作を誤り木に激突し、重度の頭部損傷を負いコーチのハキジマナと共に死去した[25][26][27]。24歳没。
トレーニング方法
[編集]2023年10月の世界記録更新の後、コーチのハキジマナはそのトレーニング方法について見解を示した。4月のロンドンマラソンに向けて、毎朝25 - 28 kmを走り、火曜日と土曜日にはトラックやファルトレクを、木曜日と日曜日には30 - 40 kmの長距離を走り込み、週に250 - 280 kmを走るのがルーティーンであったという[3][28]。シカゴマラソンに向けては、地元のチェプコリオの高地とケリオ渓谷で交互にトレーニングを行っていた[29]。
実績
[編集]マラソン
[編集]年 | 大会 | 開催地 | 結果 | 記録 |
---|---|---|---|---|
2022 | バレンシアマラソン | バレンシア | 優勝 | 2:01:53(大会記録) |
2023 | ロンドンマラソン | ロンドン | 優勝 | 2:01:25(大会記録) |
シカゴマラソン | シカゴ | 優勝 | 2:00:35(大会記録、世界記録) |
自己ベスト
[編集]種目 | タイム | 場所 | 年月日 | 備考 |
---|---|---|---|---|
10,000メートル | 28:27.87 | ストックホルム | 2021年5月4日 | |
10キロメートル | 28:17 | ユトレヒト | 2019年10月6日 | |
ハーフマラソン | 58:42 | バレンシア | 2020年12月6日 | |
マラソン | 2:00:35 | シカゴ | 2023年10月8日 | 世界記録 |
人物
[編集]結婚しており、2人の子どもがいる[30]。
脚注
[編集]- ^ “キプトゥム「世界新は頭になかった」 準備不足も史上初の2時間1分切り!! マラソン新時代の到来/シカゴマラソン”. 月陸オンライン. 2024年2月16日閲覧。
- ^ “マラソン世界記録保持者のケルビン・キプトゥムが24歳で事故死”. olympics.com. 2024年2月16日閲覧。
- ^ a b c Robin Gremmel (2023年10月8日). "Kiptum's Coach Fears Intense Training Will Shorten Record Career". バロンズ (英語). 2023年10月8日閲覧。
- ^ a b "Marathon: Gervais Hakizimana, galérien du bitume et coach du nouveau roi Kelvin Kiptum". France 24 (フランス語). 2023年10月9日. 2023年10月9日閲覧。
- ^ "男子マラソン世界記録保持者キプタムが事故死 24歳 昨年シカゴマラソンで2時間0分35秒". 日刊スポーツ. 2024年2月13日. 2024年2月13日閲覧。
- ^ a b Jack Rathborn (2022年12月4日). "Amane Beriso and Kelvin Kiptum pull off surprise wins in blazing times at Valencia Marathon". インデペンデント (英語). 2022年12月4日閲覧。
- ^ a b c d "London Marathon 2023: Can Kelvin Kiptum really be 'Kipchoge 2.0'?". BBCスポーツ (英語). 2023年4月25日. 2023年10月8日閲覧。
- ^ a b "Kiptum smashes world marathon record with 2:00:35, Hassan runs 2:13:44 in Chicago". ワールドアスレティックス (英語). 2023年10月8日. 2023年10月8日閲覧。
- ^ a b Sean Ingle (2023年10月8日). "Kelvin Kiptum shatters marathon world record with run of just over two hours". ガーディアン (英語). 2023年10月8日閲覧。
- ^ a b "【マラソン】ケニア23歳キプタムが世界新2時間0分35秒「素晴らしい結果」". 日刊スポーツ. 2023年10月10日. 2023年12月2日閲覧。
- ^ “マラソン世界記録保持者のキプトゥムが交通事故で他界 夢の2時間切りに迫っていた24歳”. 月刊陸上競技. 2024年2月12日閲覧。
- ^ a b Evelyn Watta (2023年10月8日). "Kelvin Kiptum confident ahead of the Chicago Marathon 2023 and beyond: "I can run 2:00"". 国際オリンピック委員会 (英語). 2023年10月8日閲覧。
- ^ Jonathan Komen; Stephen Rutto (2023年10月12日). "Coachless, shoeless, but not hopeless...Kiptum, the man of the moment". The Standard (英語). 2023年10月12日閲覧。
- ^ a b "Jepkosgey, Kiptum Wins Family Bank Half Marathon". Daily Sport (英語). 2018年10月7日. 2023年10月8日閲覧。
- ^ a b "Kelvin KIPTUM | Profile". ワールドアスレティックス (英語). 2022年12月4日閲覧。
- ^ "Birech, Chebet win Kass Marathon". Daily Nation (英語). 2020年7月4日. 2023年10月8日閲覧。
- ^ Jonathan Gault (2022年12月4日). "Kelvin Kiptum (2:01:53) & Amane Beriso (2:14:58) Surprise to Win Super Fast 2022 Valencia Marathon". LetsRun.com (英語). 2022年12月4日閲覧。
- ^ Emeterio Valiente (2022年12月4日). "Kiptum and Beriso break course records in Valencia". ワールドアスレティックス (英語). 2022年12月4日閲覧。
- ^ Sean McAlister (2023年4月24日). "How fast was Kelvin Kiptum's London Marathon vs Eliud Kipchoge's world record?". 国際オリンピック委員会 (英語). 2023年4月24日閲覧。
- ^ Jess Whittington (2023年4月23日). "Kiptum charges to 2:01:25 triumph, Hassan stuns on marathon debut in London". ワールドアスレティックス (英語). 2023年4月24日閲覧。
- ^ Jenny Bozon (2023年4月24日). "Who is men's London Marathon winner Kelvin Kiptum and could he surpass Eliud Kipchoge?". Runner's World (英語). 2023年4月24日閲覧。
- ^ Sean Hartnett (2023年10月10日). "Chicago Marathon Men — Kiptum Sub-2:01". Track & Field News (英語). 2023年10月10日閲覧。
- ^ Sean McAlister (2023年10月9日). "How fast was Kelvin Kiptum's men's marathon world record? Chicago Marathon 2023 race pace breakdown and split times". 国際オリンピック委員会 (英語). 2023年10月9日閲覧。
- ^ Jeremy Wilson (2023年10月9日). "Nike hit back at Adidas in 'super shoe' war as Kelvin Kiptum shatters men's marathon record". デイリー・テレグラフ (英語). 2023年10月9日閲覧。
- ^ “World marathon record holder Kelvin Kiptum is dead” (英語) (2024年2月12日). 2024年2月12日閲覧。
- ^ “マラソン世界記録のケニアのキプタムさん、交通事故で死去”. BBC NEWS JAPAN (2024年2月13日). 2024年2月13日閲覧。
- ^ “キプトゥムさん、死因は頭部損傷 男子マラソン世界記録保持者”. 時事ドットコム (2024年2月22日). 2024年2月22日閲覧。
- ^ "Kelvin Kiptum's Coach Reveals His Incredible Training Before Marathon World Record in Chicago". LetsRun.com (英語). 2023年10月10日. 2023年10月10日閲覧。
- ^ Bernard Rotich (2023年10月4日). "Chicago Marathon: Kelvin Kiptum sets sights on the big prize". Daily Nation (英語). 2023年10月9日閲覧。
- ^ Jonathan Komen (2023年10月12日). "Village artisan sensation who broke Kipchoge's marathon record". The Standard (英語). 2023年10月12日閲覧。
外部リンク
[編集]- ケルヴィン・キプタム - 国際陸上競技連盟
- ケルヴィン・キプタム - TrackField.brinkster.net
- ケルヴィン・キプタム (@kelvinkiptumcheruiyot) - Instagram
記録 | ||
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先代 エリウド・ キプチョゲ |
男子マラソン世界記録保持者 2023年10月8日 - 現在 |
次代 - |